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審決分類 審判 全部申し立て   B60R
管理番号 1028360
異議申立番号 異議2000-72381  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-06-06 
確定日 2000-10-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第2601808号「ウエザーストリップ」の請求項1ないし2に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2601808号の請求項1ないし2に係る実用新案登録を維持する。
理由 (1)手続の経緯
本件実用新案登録第2601808号の請求項1?2に係る考案についての出願は、平成4年3月30日に実願平4-27049号として実用新案登録出願したものであって、平成11年10月8日にそれらの考案について実用新案登録の設定登録がなされ、その後、その実用新案登録について、異議申立人「平賀博」より実用新案登録異議の申立てがなされたものである。
(2)本件登録実用新案の考案
本件登録実用新案第2601808号(以下「本件登録」という。)の請求項1?2に係る考案は、明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1?2に記載されたとおりの下記のとおりのものと認める。
【請求項1】 リテーナー(40)を介してハードトップ車のボディ開口縁(10)に取付ける基底部(31)及びその基底部(31)と一体であって、車外側(19)の下面がドアガラス(20)と弾接する中空シール部(32)よりなるウエザーストリップにおいて、中央ルーフ部(11)に取付けるウェザーストリップとリヤークオーターピラー部(12)に取付けるウェザーストリップとを一体の連続押出成形品とし、中空シール部(32)外面に上方に向けてリップ(33)を突設すると共に、リヤークォーターピラー部(12)のリップ(33)を残して中央ルーフ部(11)のリップを切落とし可能に、両者を一体の連続押出成形品として構成し、クオーターピラーガーニッシュ(70)の車内側に前記リップ(33)を当接してなるウエザーストリップ。
【請求項2】 リテーナー(40)を介してハードトップ車のボディ開口縁(10)に取付ける基底部(31)及びその基底部(31)と一体であって、車外側(19)の下面がドアガラス(20)と弾接する中空シール部(32)よりなるウエザーストリップにおいて、中央ルーフ部(11)に取付けるウェザーストリップとリヤークオーターピラー部(12)に取付けるウェザーストリップとを一体の連続押出成形品とし、中空シール部(32)の外面に上方に向けてリップ(33)を突設すると共に、リヤークォーターピラー部(12)にはリップ(33)を形成し且つ中央ルーフ部(11)にはリップを非形成の一体の連続押出成形品として構成し、クオーターピラーガーニッシュ(70)の車内側に前記リップ(33)を当接してなるウエザーストリップ。
(3)実用新案登録異議申立理由の概要
実用新案登録異議申立人は、本件登録の請求項1乃至2に係る各考案は、実用新案登録出願前にその考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者が甲第1号証乃至甲第3号証に記載された考案に基づいてきわめて容易に考案することができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。したがって、本件登録は、平成6年法律第116号附則第9条第2項によって準用する特許法第113条第1項第2号の規定により取り消すべきものである旨主張している。
(4)引用刊行物
甲第1号証(実願昭61-96379号(実開昭63-916号)のマイクロフィルム)は、「主としてピラー付きハードトップ車に取付ける自動車用ウエザーストリップに関する」(第1頁第18行?第20行)ものであり、下記の記載がある。
a.「4はウェザーストリップ1の後側に設けた紐状のリアドア用のウェザーストリップである。」(第3頁第13行?第15行)
b.「リヤドア用のウェザーストリップ3,4にもそれぞれ端末部3a,4aに金型成形材が使用され、これらの中間部3b,4bに押出成形材が使用されている。」(第3頁第20行?第4頁第3行)
c.「この考案によれば、ピラー用ウエザーストリップがフロントドア側とリアドア側とを共用した単一のものであると共に前後に紐状のウエザーストリップを一体的に設けたため、金型成形材及び押出成形部材の数が従来のものに比べ減少する。・・ウエザーストリップの製造コスト低減に役立つものである。」
d.詳細な説明に対応する図面として、第1図が示されており、ハードトップ車においての車体後部の中央ルーフ部とクオーターピラー部のウエザーストリップが一体となっている構成が記載されている。
上記a?dの記載から、本件登録に対応させて言えば、甲第1号証には、
「ハードトップ車のボディ開口縁に取付けるウエザーストリップにおいて、中央ルーフ部に取付けるウェザーストリップとリヤークオーターピラー部に取付けるウェザーストリップとを一体の連続押出成形品としたウエザーストリップ」が記載されていると言える。
甲第2号証(特開平1-306321号公報)は「サンルーフウエザーストリップの製造方法」に関するものであり、下記の記載がある。
e.「・・サンルーフ開口枠間壁に当接ないし摺動するリップ状又は中空状の第1シール部と、該第1シール部の直下に位置し、第1シール部の作用を補完するためにフロント部のみに形成されるリップ状の第2シール部とを具備するウエザストリップを製造する方法において、前記第2シール部を具備する一の断面形状で押出すとともに、第2シール部における少なくとも不要範囲のリップ元部に切除用ノッチを押出時又は押出直後に入れた押出物を所定長さに裁断し、リング状に接続する前又は後に、前記第2シール部の不要範囲を切除して製造することを特徴とするサンルーフウエザーストリップの製造方法」(特許請求の範囲)
f.「すると、フロント側Fでは第4図に示すように第2シール部7を具備する断面形状となり、バック側Bも含めてフロント側Fを除いた部分は、第5図に示すように第2シール部を具備しない断面形状となる」(第3頁左上欄第9行?第13行)
上記e、fの記載から、本件登録に対応させれば、甲第2号証には
「サンルーフウエザーストリップにおいて、中空シール部外面にリップを突接すると共に、一部分のみ該リップを切り落とし可能に構成して、2つの部分のウエザーストリップを一体の押出形成で製造するもの」が記載されていると言える。
甲第3号証(特開昭59-73339号公報)には下記の記載がある。
g.「自動車用ウエザーストリップ、とりわけハードトップ車のようなサッシュレスドアに適用されるウエザーストリップ」(1頁左欄15行?右欄2行)
h.「車体側部のルーフドリップモールの下側部に沿ってリテーナを介してサッシュレスドアタイプのウエザーストリップを取り付けるとともに、このウエザーストリップのアウターリップに車外側に延びるドリップリップを突出形成してなり、前記アウターリップに、ルーフドリップモールの下側部に当接する補助リップを突出形成したことを特徴とする自動車用ウエザーストリップ」(特許請求の範囲)
i.「第3図に示すようにドリップリップ7が形成されたアウターリップ6の基部から補助リップ10を上方に向けて一体に突出形成し、この補助リップ10の先端部をルーフドリップモール3の下側部に当接させることで、ルーフドリップモール3とウェザーストリップ5の間の隙間Sと外界とを完全に遮断してある」(第2頁左下欄第6行?第12行)
j.詳細な説明に対応する図面として、第3図が示されている。
上記g?jに記載から、本件登録に対応させれば、甲第3号証には、
「リテーナーを介してハードトップ車のボディ開口縁に取付ける基底部及びその基底部と一体であって、車外側の下面がドアガラスと弾接する中空シール部よりなるウエザーストリップ」及び
「中空シール部にはドリップリップが形成され、同じく中空シール部の外面に補助リップ10を上方に向けて一体に突出形成し、この補助リップ10の先端部をルーフドリップモール3の下側部に当接させることで、ルーフドリップモール3とウェザーストリップ5の間の隙間Sと外界とを完全に遮断するウエザーストリップ」が記載されていると言える。
(4)対比・判断
本件登録の請求項1に係る考案と甲第1号証に記載された考案とを対比すると、両者は、
「ハードトップ車のボディ開口縁に取付けるウエザーストリップにおいて、中央ルーフ部に取付けるウェザーストリップとリヤークオーターピラー部に取付けるウェザーストリップとを一体の連続押出成形品としたウエザーストリップ」
である点で一致し、以下の点で相違している。
<相違点1>
本件登録の請求項1に係る考案においては、ハードップ車のボディ開口縁に取付けるウエザーストリップの取付及びその構造に関し「リテーナーを介してハードトップ車のボディ開口縁に取付ける基底部及びその基底部と一体であって、車外側の下面がドアガラスと弾接する中空シール部よりなる」としているのに対して、甲第1号証には、この点に関し特に記載はない点
<相違点2>
中央ルーフ部とリヤークオーターピラー部とを一体の連続押出成形品としたウエザーストリップに関して、本件登録の請求項1に係る考案においては、「中空シール部外面に上方に向けてリップを突設すると共に、リヤークォーターピラー部のリップを残して中央ルーフ部のリップを切落とし可能に」し、「クオーターピラーガーニッシュの車内側に前記リップを当接してなる」構成を備えているのに対して、甲第1号証には、この点について何ら記載がない点。
以下相違点について検討する。
相違点1について
甲第3号証には、「リテーナーを介してハードトップ車のボディ開口縁に取付ける基底部及びその基底部と一体であって、車外側の下面がドアガラスと弾接する中空シール部よりなるウエザーストリップ」が記載されており、ハードトップ車のウエザーストリップの構成及び取付構造として甲第1号証のものに該構成を採用することになんら困難性はなく、相違点1は、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。
相違点2について
甲第2号証には、「サンルーフウエザーストリップにおいて、中空シール部外面にリップを突接すると共に、一部分のみ該リップを切り落とし可能に構成して、2つの部分のウエザーストリップを一体の押出形成で製造する」点が、また、甲第3号証には「中空シール部にはドリップリップが形成され、同じく中空シール部の外面に補助リップ10を上方に向けて一体に突出形成し、この補助リップ10の先端部をルーフドリップモール3の下側部に当接させることで、ルーフドリップモール3とウェザーストリップ5の間の隙間Sと外界とを完全に遮断するウエザーストリップ」が記載されているが、クオーターピラー部分において、クオーターピラーガーニッシュの車内側にウエザーストリップの中空シール部外面に上方に向けて突接したリップが当接した構成は、甲第1?3のいずれの刊行物にも記載されておらず、それらの記載から示唆もなされていないものである。したがって、前記構成を含む相違点2が、甲第2,3号証のものからきわめて容易になし得たと言うことはできない。
そして、上記本件登録の請求項1に係る考案は、上記構成を備えることにより、実用新案登録明細書に記載の作用効果を奏するものである。
したがって、本件登録の請求項1に係る考案は、甲第1号証乃至甲第3号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることはできない。
本件登録の請求項2に係る考案と、甲第1号証に記載された考案とを対比すると、両者は、上記相違点1に加えて下記の相違点3において相違し、その余の点においては一致している。
<相違点3>
中央ルーフ部とリヤークオーターピラー部とを一体の連続押出成形品としたウエザーストリップの具体的構成に関して、本件登録の請求項2に係る考案においては、「中空シール部の外面に上方に向けてリップを突設すると共に、リヤークォーターピラー部にはリップを形成し且つ中央ルーフ部にはリップを非形成の一体の連続押出成形品として構成し、クオーターピラーガーニッシュの車内側に前記リップを当接してなる」としているのに対して、甲第1号証には、この点について何ら記載がない点。
相違点1については、前述のとおりであるので、以下相違点3について検討する。
甲第2号証には、「サンルーフウエザーストリップにおいて、中空シール部外面にリップを突接すると共に、一部分のみ該リップを切り落とし可能に構成して、2つの部分のウエザーストリップを一体の押出形成で製造する」点が、また、甲第3号証には「中空シール部にはドリップリップが形成され、同じく中空シール部の外面に補助リップ10を上方に向けて一体に突出形成し、この補助リップ10の先端部をルーフドリップモール3の下側部に当接させることで、ルーフドリップモール3とウェザーストリップ5の間の隙間Sと外界とを完全に遮断するウエザーストリップ」が記載されているが、クオーターピラー部分において、クオーターピラーガーニッシュの車内側にウエザーストリップの中空シール部外面に上方に向けて突接したリップが当接した構成は、甲第1?3のいずれの刊行物にも記載されておらず、それらの記載から示唆もなされていないものである。したがって、前記構成を含む相違点3が、甲第2,3号証のものからきわめて容易になし得たと言うことはできない。
そして、上記本件登録の請求項2に係る考案は、上記構成を備えることにより、実用新案登録明細書に記載の作用効果を奏するものである。
したがって、本件登録の請求項2に係る考案は、甲第1号証乃至甲第3号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることはできない。

(5)むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立の理由及び証拠方法によっては本件登録の請求項1及び2に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件登録の請求項1乃至2に係る考案についての実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-09-19 
出願番号 実願平4-27049 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (B60R)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岡田 孝博平城 俊雅  
特許庁審判長 藤井 俊明
特許庁審判官 清水 英雄
大島 祥吾
登録日 1999-10-08 
登録番号 実用新案登録第2601808号(U2601808) 
権利者 西川ゴム工業株式会社
広島県広島市西区三篠町2丁目2番8号
考案の名称 ウエザーストリップ  
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