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審決分類 審判 全部申し立て   B07C
管理番号 1028365
異議申立番号 異議1999-72990  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-07-29 
確定日 2000-09-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第2595888号「貝類の自動選別機」の請求項1乃至4に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2595888号の請求項1乃至4に係る実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続の経緯
登録第2595888号実用新案の請求項1?4に係る考案についての出願は、平成4年4月23日になされ、上記実用新案は、平成11年3月26日付けで設定登録された。
その後、上記実用新案登録に対して、沖舘鉄工有限会社より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年6月27日付けで意見書が提出されたものである。

2.本件考案
実用新案登録第2595888号の請求項1?4に係る考案(以下、「本件第1?4考案」という。)は、その実用新案請求の範囲の請求項1?4にそれぞれ記載された次のとおりのものである。
【請求項1】選別穴(2)が多数形成された2以上のシュータ(1)を上下に2段以上配置し、この2以上のシュータ(1)を振動可能とし、上段のシュータ(1)の上側から供給した貝類(3)をシュータ(1)の振動により下側に移動させながら、シュータ(1)の選別穴(2)からそれより小さな貝類(3)をふるい落とすようにした貝類の自動選別機において、上段のシュータ(1)の上方にそれとは別体であり且つ多くの貝類を溜めることができる有底のホッパー(5)を設け、当該ホッパー(5)を振動可能としたことを特徴とする貝類の自動選別機。
【請求項2】選別穴(2)が多数形成された2以上のシュータ(1)を上下に2段以上配置し、この2以上のシュータ(1)を振動可能とし、上段のシュータ(1)の上側から供給した貝類(3)をシュータ(1)の振動により下側に移動させながら、シュータ(1)の選別穴(2)からそれより小さな貝類(3)をふるい落とすようにした貝類の自動選別機において、上段のシュータ(1)の上方にそれとは別体であり且つ多くの貝類を溜めることができる有底のホッパー(5)を当該シュータ(1)と逆向きに設け、当該ホッパー(5)を振動可能としたことを特徴とする貝類の自動選別機。
【請求項3】選別穴(2)が多数形成された2以上のシュータ(1)を傾斜させて上下に2段以上配置し、この2以上のシュータ(1)を振動可能とし、上段のシュータ(1)の上側から供給した貝類(3)をシュータ(1)の振動により下側に移動させながら、シュータ(1)の選別穴(2)からそれより小さな貝類(3)をふるい落とすようにした貝類の自動選別機において、上段のシュータ(1)の上方にそれとは別体であり且つ多くの貝類を溜めることができる有底のホッパー(5)を当該シュータ(1)の傾斜と逆向きに傾斜させて設け、ホッパー(5)を振動可能としたことを特徴とする貝類の自動選別機。
【請求項4】請求項1乃至請求項3記載の夫々の貝類の自動選別機において、ホッパー(5)がシュータ(1)の振動により振動するように、ホッパー(5)をシュータ(1)に連結したことを特徴とする貝類の自動選別機。

3.引用刊行物
当審が通知した取消理由において引用した昭和7年実用新案出願公告第15729号公報(以下、「刊行物1」という。)には、以下の事項が記載されている。
(1)「本考案ハ自働籾摺り選別機ノ風選装置ニヨリ吹送ラルル純良米採集室内ニ於ケル穀粒ノ選別用三段折返シ往復篩ノ構造ニ係ルモノナリ
図中(1)ハ金属薄鈑製流シ鈑ニシテ其両側ノ左右両端部ニハ支桿(2)及突起(3)ヲ設ケ之ヲ裏面上半部ニ金属製薄鈑(4)ヲ張レル第一網枠(5)ノ上端部ニ斜向トナシ該網枠(5)ノ上端部ニ設ケタル支鉤片(6)ニハ前記突起(3)ヲ嵌合シ又其ノ下端部ニ設ケタル座金(7)ニハ前記支桿(2)ヲ嵌合螺定セシメ更ニ又其裏面下端部ニハ第二網枠(8)ヲ傾向ニ取付ケタルモノナリ
又第一網枠(5)ノ裏面両側ニ設ケタル取付金具(9)ニ牽引桿(11)ノ一端(10)ヲ挿嵌シ其他端ハ枢軸桿(12)ニ両端部ヨリ垂下セル支鉤片(13)ニ係合セシメ又該枢軸桿(12)ノ中央部ノ突起片(14)ハ機枠横桟(15)ノ固定軸(16)ニ緩着セル溝車(17)ニ対シ偏心(18)ヲナシテ取付ケタル連桿(19)ノ他端ニ緩着セシメタルモノナリ
本装置ニ於テ風選装置ニヨリ吹送セラレタル穀粒ノ全量ハ先ツ流シ鈑(1)上ニ撒布シ整頓セラレツツ流落シ更ニ第一網枠(5)ノ上端部ヨリ斜ニ流落シテ其前面ニ純良米ヲ蒐集セシメ次ニ第一網枠(5)ノ網目ヲ通過シテ落下セル二等米ハ其裏面上半部ニ張レル金属製薄鈑(4)ニ沿フテ流落シ其下部ヨリ第二網枠(8)ノ上端部ニ落下スルト共ニ流落シテ其前面ニ蒐集セラレ又同網枠(8)ノ網目ヲ通過セル砕米ハ其直下ニ落下シテ蒐集セラルルモノニシテ流シ鈑及網枠ノ取付ヲ確実ナラシメテ之ニ往復振動ヲ与え頗ル簡便ニ純良米二等米及砕米ヲ同時ニ且正確ニ選別シ得ルモノナリ」(「実用新案ノ性質、作用及効果ノ要領」の全文参照)
(2)「有底の金属薄鈑製流し鈑(1)は、第一網枠(5)と逆向きであって、かつ、第一網枠(5)の傾斜と逆向きに傾斜させて設けられている。」(図面参照)

上記(1)及び図面から参照される(2)の摘記事項から、刊行物1には、
「網目が形成された第一網枠(5)及び第二網枠(8)を上下に2段配置し、第一網枠(5)及び第二網枠(8)を振動可能とし、第一網枠(5)の上側の有底の金属薄鈑製流し鈑(1)から供給した穀粒を第一網枠(5)及び第二網枠(8)の振動により下側に移動させながら、第一網枠(5)及び第二網枠(8)の網目からそれより小さな穀粒をふるい落とすようにした穀粒の自動選別機において、第一網枠(5)の上方にそれとは別体である有底の金属薄鈑製流し鈑(1)を、第一網枠(5)と逆向き、かつ、第一網枠(5)の傾斜と逆向きに傾斜させて設け、しかも、当該金属薄鈑製流し鈑(1)を、第一網枠(5)と連結して振動可能とした、穀粒の自動選別機」が記載されているものと認める。

また、同じく当審が通知した取消理由において引用した特開昭60-137473号公報(以下、「刊行物2」という。)には、以下の事項が記載されている。
(3)「貝の大きさ毎に多数の真円孔を穿設した選別孔あき流し板を,大径の丸孔をあけた板から順に下方になるに従い小さい孔径となるよう階段状に傾斜固定すると共に,(中略)各選別流し板に振動と打撃を与えながら稚貝を大きい順に縦列重ねに大小選別することを特徴とする稚貝自動選別装置。」(第1頁左下欄5?13行)

4.対比・判断
(4-1)本件第1考案について
本件第1考案と刊行物1記載の考案とを対比すると、後者の「網目」及び「第一網枠(5)及び第二網枠(8)」はそれぞれ、前者の「選別穴(2)」及び「シュータ(1)」に相当する。そして、「2段」は当然に「2段以上」に含まれている。
さらに、前者の「貝類(3)」及び後者の「穀粒」は、ともに自動選別機で選別される「被選別物」というべきものであり、また、前者の「ホッパー(5)」及び後者の「金属薄鈑製流し鈑(1)」は、ともに被選別物をシュータないしは第一網枠に供給する、「被選別物の供給装置」というべきものであるから、両者は、
「選別穴(2)が多数形成された2以上のシュータ(1)を上下に2段以上配置し、この2以上のシュータ(1)を振動可能とし、上段のシュータ(1)の上側から供給した被選別物をシュータ(1)の振動により下側に移動させながら、シュータ(1)の選別穴(2)からそれより小さな被選別物をふるい落とすようにした自動選別機において、上段のシュータ(1)の上方にそれとは別体であり且つ有底の被選別物の供給装置を設け、当該被選別物の供給装置を振動可能とした自動選別機」で一致し、下記相違点1で一応相違すると共に、下記相違点2で相違する。
相違点1:被選別物の供給装置が、前者ではホッパー(5)であるのに対して、後者では金属薄鈑製流し鈑(1)である点。
相違点2:被選別物が、前者では貝類であるのに対して、後者では穀粒である点。

以下、相違点1、2について検討する。
相違点1について:
本件第1考案の「ホッパー(5)」は、選別する貝類をシュータ1に供給するためのもので、一度に多くの貝類3を投入して貝類3を溜め、その貝類3を少しづつ落下させるものである(本件明細書の段落【0016】参照)。ところで、刊行物1記載の「金属薄鈑製流し鈑(1)」は、その上に選別対象物である穀粒の「全量」が撒布され、整頓されつつ第一網枠(5)に流落されるものであるから(上記摘記事項(1)参照)、前記ホッパー(5)と同様の機能を発揮していると認められる。
してみれば、被選別物の供給装置に係る相違点は、本件第1考案と刊行物1記載の考案との間で実質的な差異があるとは認めることができない。
相違点2について:
刊行物2の「多数の真円孔を穿設した選別孔あき流し板」は、本件第1考案の「選別穴(2)が多数形成されたシュータ(1)」に相当するから、該刊行物2には、シュータの選別穴からふるい落としによって貝類を選別する自動選別機が記載されているものと認められる。
そして、該刊行物1、2記載の選別機は、複数段のシュータのふるい落としで被選別物を大きさで選別するという機能ないし作用の点で共通するものであるから、刊行物2記載の貝類の選別技術を刊行物1記載の自動選別機に用いることに格別の困難性を認めることはできない。
そして、本件第1考案の作用効果は、刊行物1、2記載の考案から当業者であれば当然予測することができる程度のものと認められる。
したがって、本件第1考案は、刊行物1、2記載の考案に基づき当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。

(4-2)本件第2考案について
本件第2考案は、本件第1考案の構成に加えて、「有底のホッパー(5)をシュータ(1)と逆向きに設け」ることを構成とするものである。
ところで、刊行物1記載の「有底の金属薄鈑製流し鈑(1)」も「第一網枠(5)」と逆向きに設けられているから(上記摘記事項(2)参照)、本件第2考案で付加された上記構成は、刊行物1記載の考案も具備している。
してみれば、本件第2考案と刊行物1記載の考案とは、
「選別穴(2)が多数形成された2以上のシュータ(1)を上下に2段以上配置し、この2以上のシュータ(1)を振動可能とし、上段のシュータ(1)の上側から供給した被選別物をシュータ(1)の振動により下側に移動させながら、シュータ(1)の選別穴(2)からそれより小さな被選別物をふるい落とすようにした自動選別機において、上段のシュータ(1)の上方にそれとは別体であり且つ有底の被選別物の供給装置を当該シュータ(1)と逆向きに設け、当該被選別物の供給装置を振動可能とした自動選別機」で一致し、下記相違点1で一応相違すると共に、下記相違点2で相違する。
相違点1:被選別物の供給装置が、前者ではホッパー(5)であるのに対して、後者では金属薄鈑製流し鈑(1)である点。
相違点2:被選別物が、前者では貝類であるのに対して、後者では穀粒である点。
相違点1、2については、上記(4-1)で検討したとおりであるから、本件第2考案は、本件第1考案と同様の理由で、刊行物1、2記載の考案に基づき当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。

(4-3)本件第3考案について
本件第3考案は、本件第1考案の構成に加えて、「有底のホッパー(5)をシュータ(1)の傾斜と逆向きに傾斜させて設け」ることを構成とするものである。
ところで、刊行物1記載の「有底の金属薄鈑製流し鈑(1)」も「第一網枠(5)」の傾斜と逆向きに傾斜させて設けられているから(上記摘記事項(2)参照)、本件第3考案で付加された上記構成は、刊行物1記載の考案も具備している。
してみれば、本件第3考案と刊行物1記載の考案とは、
「選別穴(2)が多数形成された2以上のシュータ(1)を上下に2段以上配置し、この2以上のシュータ(1)を振動可能とし、上段のシュータ(1)の上側から供給した被選別物をシュータ(1)の振動により下側に移動させながら、シュータ(1)の選別穴(2)からそれより小さな被選別物をふるい落とすようにした自動選別機において、上段のシュータ(1)の上方にそれとは別体であり且つ有底の被選別物の供給装置を当該シュータ(1)の傾斜と逆向きに傾斜させて設け、当該被選別物の供給装置を振動可能とした自動選別機」で一致し、下記相違点1で一応相違すると共に、下記相違点2で相違する。
相違点1:被選別物の供給装置が、前者ではホッパー(5)であるのに対して、後者では金属薄鈑製流し鈑(1)である点。
相違点2:被選別物が、前者では貝類であるのに対して、後者では穀粒である点。
相違点1、2については、上記(4-1)で検討したとおりであるから、本件第3考案は、本件第1考案と同様の理由で、刊行物1、2記載の考案に基づき当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。

(4-4)本件第4考案について
本件第4考案は、本件第1?3考案の構成に加えて、「ホッパー(5)がシュータ(1)の振動により振動するように、ホッパー(5)をシュータ(1)に連結した」ことを構成とするものである。
ところで、刊行物1記載の「金属薄鈑製流し鈑(1)」は、支桿(2)と座金(7)、支鉤片(6)と突起(3)とにより、第一網枠(5)に連結され振動可能に設けられているから(上記摘記事項(1)及び刊行物1の図面参照)、本件第4考案で付加された上記構成は、刊行物1記載の考案も具備している。
してみれば、本件第4考案と刊行物1記載の考案とは、
「選別穴(2)が多数形成された2以上のシュータ(1)を上下に2段以上配置し、この2以上のシュータ(1)を振動可能とし、上段のシュータ(1)の上側から供給した被選別物をシュータ(1)の振動により下側に移動させながら、シュータ(1)の選別穴(2)からそれより小さな被選別物をふるい落とすようにした自動選別機において、上段のシュータ(1)の上方にそれとは別体であり且つ有底の被選別物の供給装置を当該シュータ(1)と逆向き、かつ、当該シュータ(1)の傾斜と逆向きに傾斜させて設け、しかも、当該被選別物の供給装置を、当該シュータ(1)に連結して振動可能とした自動選別機」で一致し、下記相違点1で一応相違すると共に、下記相違点2で相違する。
相違点1:被選別物の供給装置が、前者ではホッパー(5)であるのに対して、後者では金属薄鈑製流し鈑(1)である点。
相違点2:被選別物が、前者では貝類であるのに対して、後者では穀粒である点。
相違点1、2については、上記(4-1)で検討したとおりであるから、本件第4考案は、本件第1考案と同様の理由で、刊行物1、2記載の考案に基づき当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおり、本件第1?4考案は上記刊行物1、2に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、本件第1?4考案の実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してされたものである。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、上記のとおり決定する。
異議決定日 2000-07-19 
出願番号 実願平4-33766 
審決分類 U 1 651・ 121- Z (B07C)
最終処分 取消  
前審関与審査官 一色 貞好  
特許庁審判長 藤田 豊比古
特許庁審判官 西川 恵雄
関谷 一夫
登録日 1999-03-26 
登録番号 実用新案登録第2595888号(U2595888) 
権利者 杉山 弘昭
青森県むつ市新町22-7
考案の名称 貝類の自動選別機  
代理人 石渡 英房  
代理人 長南 満輝男  
代理人 早川 政名  
代理人 細井 貞行  
代理人 小林 正治  
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