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審決分類 審判 全部申し立て   B65D
管理番号 1028375
異議申立番号 異議1999-70294  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-01-25 
確定日 2000-10-16 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2577135号「ラベル付容器」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2577135号の請求項1ないし3に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続きの経緯
実用新案登録第2577135号は、平成4年3月31日の実用新案登録出願に係るものであって、平成10年5月1日に設定登録がなされ、その後、その請求項1乃至4に係る実用新案登録に対して異議申立人高塚ちはるより実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年12月17日に訂正請求がなされ、訂正拒絶理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年9月4日に補正がなされたものである。
2.訂正の適否についての判断
2-1.補正の適否について
(1)補正の内容
a.訂正明細書中の実用新案登録請求の範囲の請求項1における「この非接着部の内側ラベル」を、「この重畳部の内側ラベル」と補正し、請求項2における「この非接着部と接着部との重畳部」を、「この重畳部」と補正する。
b.訂正明細書中の段落【0004】【課題を解決するための手段】における「この非接着部の内側ラベル」を、「この重畳部の内側ラベル」と補正する。
(2)補正における訂正請求書の要旨の変更の有無について
上記補正事項a.は、明りょうでない記載の釈明に相当するものであり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
また、上記補正事項b.は、実用新案登録請求の範囲の記載と整合させるための補正であり、明りょうでない記載の釈明に相当するものであり、実質上登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、上記補正事項a及びbは、訂正請求書の要旨を変更するものではなく、平成6年法律第116号附則第9条第2項の規定により準用される特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の同法第131条第2項の規定に適合するものである。
2-2.訂正の適否について
(1)訂正の内容
上記補正後の訂正請求における訂正の内容は、次のとおりである。
a.願書に添付された明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1乃至4の記載を下記のとおり訂正する。
「【請求項1】射出された樹脂で型の内面に装着された帯状のラベルと容器本体とが一体成形されたインモールドのラベル付容器において、その容器胴部周囲に捲回装着されるラベルの長さを、容器胴部周囲の長さよりも長くしてラベルに重畳部を設け、この重畳部を非接着部と接着部とに形成するとともに、この重畳部の内側ラベルに設けた切れ目又は小さな孔から射出成形時にしみ出る樹脂で重畳部は接着し、かつこの重畳部に意匠を施してなるラベル付容器。
【請求項2】射出された樹脂で型の内面に装着された帯状のラベルと容器本体とが一体成形されたインモールドのラベル付容器において、その容器胴部周囲に捲回装着されるラベルの長さを、容器胴部周囲の長さよりも長くしてラベルに重畳部を設け、この重畳部を非接着部と接着部に形成するとともに、この重畳部に部分的に塗布された接着剤が容器成形時の樹脂の溶融熱で重畳部が接着し、かつこの重畳部に意匠を施してなるラベル付容器。
【請求項3】請求項1または2に記載された容器胴部に捲回されたラベルと樹脂容器本体との接着を易剥離性に構成したラベル付容器。」
b.願書に添付された明細書の段落【0001】の第3行(実用新案登録第2577135号公報段落【0001】の第3行)の「ラベルは容器」を「ラベル付容器」と訂正する。
c.同書【0004】の第3行(同公報【0004】の第3行)の「射出された樹脂」の次に「型の内面に装着された帯状の」を挿入し、同書【0004】の第6行乃至第12行(同公報【0004】の第7行乃至第15行)の「形成し、かつこの重畳部に意匠を施してなるラベル付容器である。また、かかる容器において容器胴部に捲回されたラベルと樹脂容器本体との接着を易剥離性に構成する。更に容器胴部に捲回されたラベルの重畳部の接着部が、内側ラベルに設けた切れ目または小さな孔から射出成形時にしみ出る樹脂で接着構成されたものであり、ラベルの重畳部の接着が容器成形時の樹脂の溶融熱でラベルの重畳部に部分的に塗布された接着剤が加熱接着されたもので構成する。」を、「形成するとともに、この重畳部の内側ラベルに設けた切れ目または小さな孔から射出成形時にしみ出る樹脂で重畳部は接着し、また上記と同様に容器胴部に捲回されたラベルの重畳部の接着が容器成形時の樹脂の溶融熱でラベルの重畳部に部分的に塗布された接着剤が加熱接着され、かつこの重畳部に意匠を施してなるラベル付容器である。更に、かかるラベル付容器において容器胴部に倦回されたラベルと樹脂容器本体との接着を易剥離性に構成する。」と訂正する。
d.同書【0006】の第2行(同公報【0006】の第1行乃至第2行)の「射出された樹脂でラベルと容器とが一体成形され」を「射出された樹脂で型の内面に装着された帯状のラベルと容器本体とが一体成形された」と、第5行(第6行)「ラベルの重畳部を」を「ラベルに重畳部を」とそれぞれ訂正する。
e.同書【0007】の第1行乃至第3行(同公報【0007】の第1行乃至第4行)の「図1、図2において1は容器本体であり、2は容器側面のラベルで3がラベル重畳部であって、3aはその内側ラベルである。図示のものはラベル重畳部3に」を「図1、図3において1は容器本体であり、2は容器側面のラベルで3がラベル重畳部であって、図2において、3aはその内側ラベル、3bはその外側ラベルである。図1のものはラベル重畳部3に」と訂正する。
f.同書【0010】の第4行乃至第5行(同公報【0010】の第5行)の「場合でも見苦しい」を「場合でも、接着部は、インモールドの一体成形の際に射出された樹脂で接着され、またラベルの重畳部に部分的に塗布された接着剤が容器形成時の樹脂で溶融接着したものであるから、見苦しい」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記の訂正事項中、
a.は、請求項3を請求項1に入れて新しい請求項1とし、請求項4を請求頃1に入れて新しい請求項2とし、請求項2を新しい請求項3として訂正したもので、これらの訂正は実用新案登録請求の範囲の減縮に相当するものであり、この訂正は、実質上登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
b.は、不明りょうな記載の釈明に相当するものである。
c.は、a.の訂正に対応して課題を解決するための手段を明りょうにするものである。
d.は、実施例の説明における不明りょうな記載を訂正するもので、不明りょうな記載の釈明に相当するものである。
e.は、実施例の説明における不明りょうな記載を訂正するもので、不明りょうな記載の釈明に相当するものである。
f.は、考案の効果の説明における不明りょうな記載を訂正するもので、不明りょうな記載の釈明に相当するものである。
(3)独立登録要件
ア.訂正明細書の請求項1?3に係る考案
訂正明細書の請求項1?3に係る考案は、補正後の訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定されるとおりのものである。
イ.刊行物記載の考案
上記取消理由通知において引用した刊行物1(特開平3-73332号公報)には、ラベル付容器であって、射出成形用の雌雄の一対の成形用金型を用いて成形されるものにあっては、雌型の内周面と同一寸法形状の外周面部を備えた予備成形用型を用い、これに筒状のラベルを外嵌させて予め加熱収縮させておき、この熱収縮して成形されたラベルを雌型の内周面部に的確に沿わせ、その後雌型に雄型を挿入してキャビティに樹脂を射出して容器が成形されることが記載されている。
同刊行物2(実公昭61-41103号公報)には、容器の胴部に巻きつけオーバーラップして重ね貼りする重ね貼り部の下側にくる方に抜穴、切欠等の形状の切欠部を設けたラベルが記載されている。このラベルにおいては、重ね貼り部の上側にくる方も、その裏面が、被接着物である容器の胴部に、その胴部に塗着した接着剤により上記の切欠部を通して直接接着されるものと認められる。
同刊行物3(特開平3-251437号公報)には、中空容器の形成と同時にラベルを一体化したラベル付中空容器であって、ラベルに設けられた接着層により、ラベルと中空容器とが一体化されたものが記載されている。
ウ.対比・判断
(請求項1に係る考案について)
訂正明細書の請求項1に係る考案のラベル付容器と刊行物2に記載されたラベル付き容器とを対比すると、両者は、使用されるラベルが帯状のものであって、ラベルの長さを、容器胴部周囲の長さよりも長くしてラベルに重畳部を設け、この重畳部の内側ラベルに孔を設けたものである点において一致し、少なくとも、前者においては、重畳部を非接着部と接着部に形成するとともに、容器本体の射出成形時に小さな孔からしみ出る樹脂でラベルの重畳部が接着されるものであるのに対して、後者においては、重畳部の上側にくる方も、その裏面が、被接着物である容器の胴部に塗着した接着剤により切欠部を通して直接被接着物に接着されるものである点において相違しているものと認められる。
そこで、この相違点について検討するに、刊行物1に記載された第9図(ハ)に示す射出成形により成形されたラベル付き容器は、射出された樹脂でラベルと容器本体とが一体成形されたインモールドのラベル付容器であるけれども、ラベルは熱収縮性の筒状のものであって、これを予備成形用型にて熱収縮成形し、この成形ラベルを雌金型の内面に納め、これに雄金型を挿入し樹脂を射出成形してラベル付容器を形成するもので、ラベル自体に重畳部があるものではない。
また、刊行物3に記載されたラベル付き容器は、インモールド成形によるラベル付容器であるけれども、ラベルに接着層が設けられているものであり、ラベルに重畳部が設けられているとする根拠も見当たらない。
してみると、刊行物1及び2には、容器本体の射出成形時にしみ出る樹脂でラベルの重畳部が接着されることを示唆するような記載は見当たらない。 また、仮に、刊行物2に記載された考案を、刊行物1または刊行物3に記載されている考案に倣って、インモールド成形によるラベル付容器の考案に適用しても、重畳部の上側にくる方の裏面が、被接着物である容器の胴部に、切欠部を通して容器本体の射出成形時の溶融樹脂により直接接着されるものであり、容器本体の射出成形時にしみ出る樹脂でラベルの重畳部が接着されるものではない。
そして、この相違点により、ラベル重畳部の非接着部分を把手にして、ラベルを容器本体から容易に剥離することができるという明細書記載の顕著な効果を奏することができるものと認められる。
したがって、訂正明細書の請求項1に係る考案は、刊行物1?3に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。
(請求項2に係る考案について)
訂正明細書の請求項2に係る考案のラベル付容器と刊行物2に記載されたラベル付き容器とを対比すると、両者は、使用されるラベルが帯状のものであって、ラベルの長さを、容器胴部周囲の長さよりも長くしてラベルに重畳部を設けた点において一致し、少なくとも、前者においては、重畳部を非接着部と接着部に形成するとともに、この重畳部に部分的に塗布された接着剤が容器成形時の樹脂の溶融熱で重畳部が接着されるものであるのに対して、後者においては、重畳部の上側にくる方も、その裏面が、被接着物である容器の胴部に、その胴部に塗着した接着剤により切欠部を通して直接接着されるものである点において相違しているものと認められる。
そこで、この相違点について検討するに、刊行物1に記載された第9図(ハ)に示す射出成形により成形されたラベル付き容器は、射出された樹脂でラベルと容器本体とが一体成形されたインモールドのラベル付容器であるけれども、ラベルは熱収縮性の筒状のものであって、これを予備成形用型にて熱収縮成形し、この成形ラベルを雌金型の内面に納め、これに雄金型を挿入し樹脂を射出成形してラベル付容器を形成するもので、ラベル自体が重畳部を有するものではない。
また、刊行物3に記載されたラベル付き容器は、インモールド成形によるラベル付容器であり、ラベルに接着層が設けられているものであるけれども、ラベルに重畳部があるか否か明らかでなく、あるとしても、重畳部を非接着部と接着部に形成するとする根拠も見当たらない。
してみると、刊行物1又は3には、重畳部に部分的に塗布された接着剤が容器成形時の樹脂の溶融熱で溶融して重畳部が接着されることを示唆するような記載は見当たらない。
そして、この相違点により、ラベル重畳部の非接着部分を把手にして、ラベルを容器本体から容易に剥離することができるという明細書記載の顕著な効果を奏することができるものと認められる。
したがって、訂正明細書の請求項2に係る考案は、刊行物1?3に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。
(請求項3に係る考案について)
訂正明細書の請求項3に係る考案は、請求頃1または2に係る考案に、容器胴部に捲回されたラベルと樹脂容器本体との接着を易剥離性に構成した点を付加し限定するものである。
したがって、訂正明細書の請求項3に係る考案は、訂正明細書の請求項1または2に係る考案についてと同様の理由により、刊行物1?3に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。
よって、訂正明細書の請求項1?3に係る考案は実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。
2-3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、平成6年法律第116号附則第9条第2項の規定により準用される特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2?4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.実用新案登録異議申立てについて
3-1.本件の請求項1?3に係る考案
本件の請求項1?3に係る考案は、上記の訂正明細書の請求項1?3に係る考案である。
3-2.申立ての理由の概要
申立人高塚ちはるは、甲第1号証として特開平3-73332号公報、甲第2号証として実公昭61-41103号公報及び甲第3号証として特開平3-251437号公報を提出し、本件の請求項1?3に係る考案は、甲第1?3号証に記載された考案であるか、あるいは、甲第1?3号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第1項第3号あるいは同条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであるから、本件の請求項1?3に係る実用新案登録は取り消されるべき旨主張している。
3-3.判断
本件の請求項1?3に係る考案は、上記2-2.(3)ウ.で示したと同様の理由により、上記刊行物1?3(甲第1?3号証として提出された刊行物と同一)に記載された考案と同一であるとすることはできず、また、同刊行物に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることもできない。
3-4.むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議の申立ての理由および証拠によっては、本件の請求項1?3に係る実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件の請求項1?3に係る考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
ラベル付容器
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 射出された樹脂で型の内面に装着された帯状のラベルと容器本体とか一体成形されたインモールドのラベル付容器において、その容器胴部周囲に捲回装着されるラベルの長さを、容器胴部周囲の長さよりも長くしてラベルに重畳部を設け、この重畳部を非接着部と接着部とに形成するとともに、この重畳部の内側ラベルに設けた切れ目又は小さな孔から射出成形時にしみ出る樹脂で重畳部は接着し、かつこの重畳部に意匠を施してなるラベル付容器。
【請求項2】 射出された樹脂で型の内面に装着された帯状のラベルと容器本体とか一体成形されたインモールドのラベル付容器において、その容器胴部周囲に捲回装着されるラベルの長さを、容器胴部周囲の長さよりも長くしてラベルに重畳部を設け、この重畳部を非接着部と接着部に形成するとともに この重畳部に部分的に塗布された接着剤が容器成形時の樹脂の溶融熱で重畳部が接着し、かっこの重畳部に意匠を施してなるラベル付容器。
【請求項3】 請求項1または2に記載された容器胴部に捲回されたラベルと樹脂容器本体との接着を易剥離性に構成したラベル付容器。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本案はラベル付容器、詳しくは射出された樹脂でラベルと容器本体とが一体成形されるインモールドのラベル付容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ラベルと樹脂との一体成形容器において容器の成形方法及びラベルの装着方法について種々の方法が提案され、かつ実用に供されている。それらのラベルの装着方法の1つの方法であるラベルを容器胴部周囲に帯状に捲回する形態については、ラベルの長さを容器の周囲の長さに合わせ、ラベルを継ぎ目で突き合わせるのが理想であるか、ラベルの樹脂の溶融熱による収縮、ラベルの成形金型ヘルの装着精度及び成形時のラベルずれ等により実際上不可能である。そこで、ラルの長さを容器周囲の長さに対して0.2?1mm短くして隙間を設けるか、逆にラベルの長さを容器周囲の長さに対して0.5?1mm長くしラベル端部の重畳部全体を接着している。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
以上のような従来の技術において、ラベルの長さを容器の周囲の長さに対して短くしたものは、ラベル表面のデザインがラベルの継ぎ目で切れてしまい、特に樹脂か透明の場合デザイン的に好ましくない現象が発生する。更にラベルの長さを容器の周囲の長さに対して長くしたものは、ラベル同志の接着強度確保か難しく特に無菌充填包装機等容器本体に熱を加える場合、接着部の剥離現象が発生し外観的に見苦しくなり商品性か得られない。
したかつて、本案はラベル表面のデザインかラベルの継ぎ目で切れることがなく、またラベル重畳部が剥離しない、しかも新規なデザインが可能なラベル付容器をうることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本案は以上のような目的を達成するため次のようなラベル付容器を提供するものである。すなわち、射出された樹脂で型の内面に装着された帯状のラベルと容器本体とが一体成形されたインモールドのラベル付容器において、その容器胴部周囲に捲回装着されるラベルの長さを容器胴部の長さよりも長くしてラベルに重畳部を設け、この重畳部を非接着部と接着部とに形成するとともに、この重畳部の内側ラベルに設けた切れ目または小さな孔から射出成型時にしみ出る樹脂で重畳部は接着し、また上記と同様に容器胴部に捲回されたラベル重畳部の接着か容器成形時の樹脂の溶融熱でラベルの重畳部に部分的に塗布された接着剤が加熱接着され、かつこの重畳部に意匠を施してなるラベル付容器である。更に、かかるラベル付容器において容器胴部に捲回されたラベルと樹脂容器本体との接着を易剥離性に構成する。
【0005】
【作用】
ラベルと樹脂の一体射出成形容器でラベルへの装着方法が、ラベルを容器胴部周囲に帯状に捲回する形態で、ラベルの長さを容器の周囲の長さより長くしてラベルの重畳部を設け、該部を非接着部と接着部とに形成し、該部に意匠を施すことができる。
【0006】
【実施例】
本案のラベル付容器は射出された樹脂で型の内面に装着された帯状のラベルと容器本体とが一体成形されたインモールドのラベル付容器である。すなわち、ラベルを成形金型の雌型に装着後樹脂を射出する、いわゆるラベル挿入成形法で成形されるものである。そして、ラベルの長さを容器の周囲の長さよりも長くしてラベルに重畳部を設け、この重畳部にデザインを施すことにより、ラベル表面のデザインがラベルの継ぎ目で切れるのを防止し、更にこの重畳部を非接着部と部分接着部とに形成することにより無菌充填包装機等で充填包装工程中容器本体に熱が加わった場合でも見苦しい接着部の剥離現象が発生することがないし、ラベル重畳部は疑似接着されているから、無菌充填包装機の充填機適性がえられるし、更にラベル重畳部に意匠を施すことにより従来にない新規な容器形態がえられる。
【0007】
具体的に説明すると、図1、図3において1は容器本体であり、2は容器側面のラベルで3かラベル重畳部であって、図2において、3aはその内側ラベル、3bはその外側ラベルである。図1のものはラベル重畳部3に果物の葉をデザインしてあり、容器全体を果物のイメージに仕立てたものを示している。他の実施例を、図3、図4、図5に示す。図3はラベル2の剥がす位置を示したもので、図4がコーヒーカップの取っ手をイメージしたもの、さらに図5はラベルに窓形の切抜きを設けて容器本体樹脂をポリプロピレンなどの透明のもので形成して、中身をみせたりすることもできる。また、外側ラベル3bの裏側に当り付きくじ、占いを印刷してもよい。他に商品説明や食べ方等の表示をしてものよい。ラベルの材質は耐水性及び印刷適性等を考慮して耐水紙及び合成紙等が用いられる。耐水紙の場合は60g/m^(2)?200g/m^(2)の厚さのものが用いられるが、一般的には100g/m^(2)程度のものか好ましい。合成紙については50μ?200μの厚さのものか用いられるか、一般的には80μ程度のものが好ましい。図1、図2の4は容器本体1の樹脂部で容器本体1の材質としては射出成形か可能な材質であればよく、一般的にポリプロピレンまたはポリスチレン等の汎用樹脂が用いられる。そしてインモールド成形によりラベルの重畳部か金型に規制され、溶融した樹脂とラベルが一体成形されるので、内側ラベル3aが段部を形成して外側ラベル3bと重合し、したかつてラベル重畳部3が容器外寸法より飛び出すことなく外寸が一定のものができる。そこで、充填包装に際し機械適性等に問題はない。
【0008】
またラベルの重畳部3のラベル同志は部分接着になつている。容器側面のラベル2と容器本体1の樹脂部4の接着は接着剤を塗布しなくとも問題のない接着強度がえられる。そして、ラベルの重畳部3のラベル同志の部分接着は図6?図14に示されている。すなわち、ラベル重畳部3の内側ラベル3aの一部に孔5や切り込み6を設け、この孔5や切り込み6を通じてラベル重畳部3の外側ラベル3bに容器本体1の樹脂か接着するので接着剤を塗布しなくともよく、図6は小さな孔5を開ける場合で、図7?図9は切り込み6を入れた例である。小さな孔の大きさは1mm?あればよいが、一般的には2?3mm?程度で実施する。また、切り込みの場合も同様に1mm以上あればよいが、一般的には2?3mm程度で実施される。小さな孔または切り込みを入れる数は、所望の接着強度を得るために前記の大きさとの関連で1個もしくは1個以上の任意の数を入れることかできる。また孔や切り込みの形状、大きさ及びその数は用いる樹脂の材質やラベルの材質によって決める。図10?図13はラベル重畳部3を接着する別の方法を示すもので、ラベル重畳部3の内側に切れ目7を入れ、該部より樹脂をしみ出させて接着するものである。切れ目の形状は図10、図11のように1本の切れ目でもよいし、図12、図13のように2本の切れ目を交差させた形状か、または2本以上の切れ目を交差させた形状でもよい。切れ目の長さとしては1mm以上あればよいが、一般的には2?3mm程度で実施する。この場合も前記と同様に用いる樹脂やラベルの材質によつて切れ目の大きさ、形状を決める。図14はラベル重畳部3を接着する別の方法として、ラベル重畳部3の内側に小さな面積に接着剤を塗布し、容器成形時に樹脂の溶融熱で重畳部3のラベル2を接着する例を示したものである。接着剤を塗布する大きさとしては1mm?以上あればよいか一般的には2?3mm?程度で実施する。この場合の接着剤の種類や塗布面積や量も用いる成形樹脂やラベルの材質によって決める。
【0009】
また、本案容器側面のラベル2と容器本体1の樹脂部4との接着強度を易剥離とすることもできるもので、容器本体1の樹脂に対して接着強度が得られない接着剤、すなわち一例として容器本体1かポリプロピレンの場合はラベル2の接着剤をポリスチレン用のものを用いれば容易に易剥離性にすることかできる。逆に容器本体の樹脂かポリスチレンのときはポリプロピレン系材質のラベル2か、ポリプロピレン系樹脂をコーテングした紙材質を用いる。また同じように他の樹脂でも可能である。以上のように構成された本案の容器はデザート用容器または発酵乳化容器、その他の食品容器として使用できる。
【0010】
【考案の効果】
本案のものによれば、ラベル重畳部に新規なデザインが可能であり、ラベル表面のデザインがラベルの継ぎ目で切れることがなく、更に該部分を接着することにより無菌充填包装機等で充填包装工程中、容器本体に熱が加わつた場合でも、接着部は、インモールドの一体成形の際に射出された樹脂で接着され、またラベルの重畳部に部分的に塗布された接着剤が容器形成時の樹脂の溶融熱で溶融接着したものであるから、見苦しい接着部の剥離現象が発生することがない。また、ラベル重畳部は部分接着であるから無菌充填包装機等での充填機適性も良好である。更にラベルと樹脂の接着強度を易剥離性にすることによりラベル重畳部の非 接着部分を把手にし、ラベルを容器本体から容易に剥離することができ、容器本体とラベルを分離し、別に廃棄することができるので容器を再利用し、再生する場合極めて好都合である。また、非接着部分をラベル重畳部に構成することによりラベル重畳部の裏面または内側ラベルの表面に当たりくじ等を印刷して販売促進に寄与することもできる利点かある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本案容器の斜視図である。
【図2】
図1のA-A線断面の拡大図である。
【図3】
ラベルを剥がす位置を示した例図である。
【図4】
コーヒーカップ等の取っ手をイメージした例図である。
【図5】
ラベルに窓開き部をつくり、透明樹脂の容器本体で中身かみえるようにした例図である。
【図6】
ラベル重畳部の内側ラベルに小さな孔を設けた例の部分図である。
【図7】
ラベル重畳部の内側ラベルに切り込みを設けた例の部分図である。
【図8】
ラベル重畳部の内側ラベルに図7と異なる形の切り込みを設けた例の部分図である。
【図9】
ラベル重畳部の内側ラベルに2つの切り込みを設けた例の部分図である。
【図10】
ラベル重畳部の内側ラベルに切れ目を入れた例の部分図である。
【図11】
図10と異なる方向に切れ目を入れた部分図である。
【図12】
切れ目を十字形に入れた部分図である。
【図13】
切れ目にX形に入れた部分図である。
【図14】
ラベル重畳部の内側ラベルに面積接着剤を塗布して接着する例を示す部分図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 容器側面のラベル
3 ラベル重畳部
4 樹脂部
5 孔
6 切り込み
7 切れ目
8 接着剤
訂正の要旨 a.願書に添付された明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1乃至4の記載を、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的として、下記のとおり訂正する。「【請求項1】射出された樹脂で型の内面に装着された帯状のラベルと容器本体とが一体成形されたインモールドのラベル付容器において、その容器胴部周囲に捲回装着されるラベルの長さを、容器胴部周囲の長さよりも長くしてラベルに重畳部を設け、この重畳部を非接着部と接着部とに形成するとともに、この重畳部の内側ラベルに設けた切れ目又は小さな孔から射出成形時にしみ出る樹脂で重畳部は接着し、かっこの重畳部に意匠を施してなるラベル付容器。
【請求項2】射出された樹脂で型の内面に装着された帯状のラベルと容器本体とが一体成形されたインモールドのラベル付容器において、その容器胴部周囲に捲回装着されるラベルの長さを、容器胴部周囲の長さよりも長くしてラベルに重畳部を設け、この重畳部を非接着部と接着部に形成するとともに、この重畳部に部分的に塗布された接着剤が容器成形時の樹脂の溶融熱で重畳部が接着し、かっこの重畳部に意匠を施してなるラベル付容器。
【請求項3】請求項1または2に記載された容器胴部に捲回されたラベルと樹脂容器本体との接着を易剥離性に構成したラベル付容器。」
b.願書に添付された明細書の段落【0001】の第3行(実用新案登録第2577135号公報段落【0001】の第3行)の「ラベルは容器」を「ラベル付容器」と訂正する。
c.同書【0004】の第3行(同公報【0004】の第3行)の「射出された樹脂」の次に「型の内面に装着された帯状の」を挿入し、同書【0004】の第6行乃至第12行(同公報【0004】の第7行乃至第15行)の「形成し、かっこの重畳部に意匠を施してなるラベル付容器である。また、かかる容器において容器胴部に捲回されたラベルと樹脂容器本体との接着を易剥離性に構成する。更に容器胴部に捲回されたラベルの重畳部の接着部が、内側ラベルに設けた切れ目または小さな孔から射出成形時にしみ出る樹脂で接着構成されたものであり、ラベルの重畳部の接着が容器成形時の樹脂の溶融熱でラベルの重畳部に部分的に塗布された接着剤が加熱接着されたもので構成する。」を、「形成するとともに、この重畳部の内側ラベルに設けた切れ目または小さな孔から射出成形時にしみ出る樹脂で重量部は接着し、また上記と同様に容器胴部に捲回されたラベルの重畳部の接着が容器成形時の樹脂の溶融熱でラベルの重畳部に部分的に塗布された接着剤が加熱接着され、かっこの重畳部に意匠を施してなるラベル付容器である。更に、かかるラベル付容器において容器胴部に倦回されたラベルと樹脂容器本体との接着を易剥離性に構成する。」と訂正する。
d.同書【0006】の第2行(同公報【0006】の第1行乃至第2行)の「射出された樹脂でラベルと容器とが一体成形され」を「射出された樹脂で型の内面に装着された帯状のラベルと容器本体とが一体成形された」と、第5行(同公報第6行)「ラベルの重畳部を」を「ラベルに重畳部を」とそれぞれ訂正する。
e.同書【0007】の第1行乃至第3行(同公報【0007】の第1行乃至第4行)の「図1、図2において1は容器本体であり、2は容器側面のラベルで3がラベル重畳部であって、3aはその内側ラベルである。図示のものはラベル重畳部3に」を「図1、図3において1は容器本体であり、2は容器側面のラベルで3がラベル重畳部であって、図2において、3aはその内側ラベル、3bはその外側ラベルである。図1のものはラベル重畳部3に」と訂正する。
f.同書【0010】の第4行乃至第5行(同公報【0010】の第5行)の「場合でも見苦しい」を「場合でも、接着部は、インモールドの一体成形の際に射出された樹脂で接着され、またラベルの重畳部に部分的に塗布された接着剤が容器形成時の樹脂の溶融熱で溶融接着したものであるから、見苦しい」と訂正する。
異議決定日 2000-09-25 
出願番号 実願平4-27102 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (B65D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 会田 博行  
特許庁審判長 村本 佳史
特許庁審判官 祖山 忠彦
森林 克郎
登録日 1998-05-01 
登録番号 実用新案登録第2577135号(U2577135) 
権利者 日プラ株式会社
東京都中央区京橋2丁目8番15号 雪印乳業株式会社
北海道札幌市東区苗穂町6丁目1番1号
考案の名称 ラベル付容器  
代理人 渡邊 敏  
代理人 渡邊 敏  
代理人 小池 子郎  
代理人 小池 子郎  
代理人 渡邊 敏  
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