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審決分類 審判 全部申し立て   F02F
管理番号 1028392
異議申立番号 異議2000-71309  
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-03-28 
確定日 2000-11-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第2602803号「2サイクルエンジンのシリンダ」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2602803号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 (1)本件考案
実用新案登録第2602803号(平成4年10月8日出願,平成11年11月19日設定登録)の請求項1に係る考案は、
「排気ポート(16)を二分割する縦断面(F)を挟んで対称的に反排気ポート(16)側へ向けてループ掃気式をとる一対の掃気ポート(20,20)が対向して設けられ、該掃気ポート(20,20)の前記排気ポート(16)側の直線状内壁面(20a)の内方端側表面のみを抉ってポケット部(20c)を形成したことを特徴とする、2サイクルエンジンのシリンダ。」
にあるものと認める.
なお、請求項1における「一対の排気ポート(20,20)」の記載は、実用新案登録公報の考案の詳細な説明及び図面の記載内容からみて、「一対の掃気ポート(20,20)」の誤記と認め、請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)を上記のように認定した。

(2)申し立て理由の概要
申立人富士ロビン株式会社は、本件考案は甲第1号証(特開昭61-85527号公報)及び甲第2号証(特開昭61-108824号公報)に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものであるから、本件考案の実用新案登録は取り消されるべきものであると主張している。

(3)甲第1,2号証記載の考案
甲第1号証には、
公報第2頁左上欄第5行?第20行の「図1?図12はシュニューレ掃気空冷2サイクルガソリン機関・・・を示す図である。図1?図4は、掃気孔(3)を形成するシリンダヘッド側の壁(6)と排気孔側の壁(7)との接続部を排気孔(2)に大きく張り出させ、えぐり(8)を形成した例を示す。この例に於いて、掃気通路(9)からの掃気がシリンダ内(10)に流入する際、掃気主流はその慣性により掃気孔(3)を形成するシリンダヘッド側の壁(6)寄りを流れる。従って掃気孔のえぐり(8)を図1に示す如く形成した時、掃気の一部はえぐり(8)に沿って排気孔(2)と反対方向に強く方向づけられ、掃気孔から排気孔への掃気の流出を妨げる作用を行う。」なる記載、公報第2頁右下欄第4行?第8行の「これらの図において、(1)・・・シリンダ、(2)・・・排気孔、(3)・・・掃気孔、(4)・・・シリンダ対称面、(5)・・・吸気孔、(6)・・・掃気孔を形成するシリンダヘッド側の壁、(7)・・・掃気孔を形成する排気孔側の壁、(8)・・・掃気孔に形成されたえぐり」なる記載、及び図面の記載内容等からみて、
「排気孔(2)を二分割するシリンダ対称面(4)を挟んで対称的に反排気孔(2)側へ向けてループ掃気式をとる一対の掃気孔(3,3)が対向して設けられ、該掃気孔(3,3)を形成するシリンダヘッド側の壁(6)と排気孔側の壁(7)との接続部を排気孔(2)に大きく張り出させ、えぐり(8)を形成した2サイクルエンジンのシリンダ(1)。」
に関する考案が記載されている。
一方、甲第2号証には、
公報第2頁左上欄第16行?同頁右上欄第15行の「図1は本発明を適用した掃気孔を有するシュニューレ掃気空冷2サイクルガソリン機関・・・断面図である。図1、図2に示すように、本発明例に於いては、掃気孔(3)を形成するシリンダヘッド側の壁(6)と排気孔側の壁(7)との接続部を排気孔(2)側に大きく張り出させてえぐり(8)を形成し、・・・してある。本発明例に於いて、掃気通路(9)からの掃気がシリンダ内(10)に流入する際、掃気孔(3)に於いては掃気はその慣性によりシリンダヘッド側の壁(6)に押しつけられながら流れる。従って掃気孔に図1、図2、図3に示すえぐり(8)を形成した時、掃気の一部はえぐり(8)に入り込み、えぐりの形状によって強い方向性を与えられてシリンダ内に流入する。」なる記載、公報第2頁左下欄第17行?同頁右下欄第2行)「図1?図3に於いて、(1)・・・シリンダ、(2)・・・排気孔、(3)・・・掃気孔、(4)・・・シリンダ対称面、(5)・・・吸気孔、(6)・・・掃気孔を形成するシリンダヘッド側の壁、(7)・・・掃気孔を形成する排気孔側の壁、(8)・・・掃気孔に形成されたえぐり」なる記載、及び図面の記載内容等からみて、
「排気孔(2)を二分割するシリンダ対称面(4)を挟んで対称的に反排気孔(2)側へ向けてループ掃気式をとる一対の掃気孔(3,3)が対向して設けられ、該掃気孔(3,3)を形成するシリンダヘッド側の壁(6)と排気孔側の壁(7)との接続部を排気孔(2)に大きく張り出させ、えぐり(8)を形成した2サイクルエンジンのシリンダ(1)。」
に関する考案が記載されている。

(4)対比・判断
そこで、本件考案と甲第1号証に記載された考案とを対比すると、甲第1号証に記載された考案における「排気孔(2)」,「シリンダ対称面(4)」,「掃気孔(3,3)」,「シリンダ(1)」は、本件考案の「排気ポート(16)」,「縦断面」,「掃気ポート(20,20)」,「シリンダ」に相当する。
よって両者は、
「排気ポートを二分割する縦断面を挟んで対称的に反排気ポート側へ向けてループ掃気式をとる一対の掃気ポートが対向して設けられた2サイクルエンジンのシリンダ。」
で一致するものの、
本件考案が「掃気ポートの排気ポート側の直線状内壁面の内方端側表面のみを抉ってポケット部を形成した」のに対し、甲第1号証に記載された考案が「掃気ポートを形成するシリンダヘッド側の壁と排気ポート側の壁との接続部を排気ポートに大きく張り出させ、えぐりを形成した」点で相違する。
次に、本件考案と甲第2号証に記載された考案とを対比すると、甲第2号証に記載された考案における「排気孔(2)」,「シリンダ対称面(4)」,「掃気孔(3,3)」,「シリンダ(1)」は、本件考案の「排気ポート(16)」,「縦断面」,「掃気ポート(20,20)」,「シリンダ(1)」に相当する。
よって両者は、
「排気ポートを二分割する縦断面を挟んで対称的に反排気ポート側へ向けてループ掃気式をとる一対の掃気ポートが対向して設けられた2サイクルエンジンのシリンダ。」
で一致するものの、
本件考案が「掃気ポートの排気ポート側の直線状内壁面の内方端側表面のみを抉ってポケット部を形成した」のに対し、甲第2号証に記載された考案が「掃気ポートを形成するシリンダヘッド側の壁と排気ポート側の壁との接続部を排気ポートに大きく張り出させ、えぐりを形成した」点で相違する。
してみると、甲第1号証及び甲第2号証に記載された考案のいずれも、本件考案の構成要件である「掃気ポートの排気ポート側の直線状内壁面の内方端側表面のみを抉ってポケット部を形成した」点を備えていない。
そして、本件考案は上記の点により、
(a)「燃料、空気及びオイルからなる掃気流が、該ポケット部20で乱流となり、攪拌されてその混合がより良く行われてシリンダ1内に吹き出される。」(実用新案登録公報第3頁左欄第16行?第18行;ただし「ポケット部20」は「ポケット部20c」の明らかな誤記である。)、
(b)「吹き出される掃気流の反排気ポート16方向への指向性が高くなり、内側水平掃気角をより小さくする傾向がある。」(実用新案登録公報第3頁左欄第第20行?第22行。)、
という作用効果を奏するものである。
一方、甲第1号証及び甲第2号証に記載された考案に於いては、本件考案の上記(b)に相当する作用効果を奏するものと認められるが、本件考案の上記(a)に相当する作用効果を奏し得るものとは認められない。
したがって、本件考案は、甲第1号証または甲第2号証に記載された考案であるとも、甲第1号証及び甲第2号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものともいえない。

(5)むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては本件考案についての実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件考案についての実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2000-10-30 
出願番号 実願平4-70271 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (F02F)
最終処分 維持  
特許庁審判長 西野 健二
特許庁審判官 清田 栄章
田村 嘉章
登録日 1999-11-19 
登録番号 実用新案登録第2602803号(U2602803) 
権利者 株式会社共立
東京都青梅市末広町1丁目7番地2
考案の名称 2サイクルエンジンのシリンダ  
代理人 関谷 三男  
代理人 平木 祐輔  
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