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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E04D
管理番号 1032386
審判番号 審判1999-5874  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-04-08 
確定日 2000-10-11 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 43456号「屋根谷部の葺上げ構造」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 2月14日出願公開、実開平 7- 10153]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 (一)手続きの経緯・本願考案
本願は、平成5年7月13日の出願であって、本願の請求項1に係る考案は、出願当初の明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「下方へ傾斜する屋根面1、1が水平方向に交叉してできる屋根谷部nにおいて、屋根谷部nを形成する両屋根面1、1にかけて防水シート2が敷設され、該防水シート上に前記屋根谷部nに沿って突条3Aの設けられた防水板3が敷設され、さらに該防水板3上に両傾斜屋根面1、1上に前記屋根谷線Nに沿って互いに対向縁4B、4Bを突き合わせて屋根瓦4、4が葺上げられてなることを特徴とする屋根谷部の葺上げ構造。」(以下、「本願考案」という。)
(二)引用文献
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された実願昭62-158223号(実開平1-62420号)のマイクロフィルム(以下、「引用例1」という。)には、例えば、次のような記載がある。
(1)「第1図はこの考案の実施例の断面図である。この考案の屋根谷部の防水構造は、屋根谷部の谷線1に沿って中央2Aで二つ折れとされた谷樋2が敷設固定され、この谷樋2の両側端縁3,3が谷方向縁3A、3Aが略直角に立ち上がる鋸歯状に折曲され、ゆるやかに傾斜する折曲部端縁3B、3Bが谷方向へ鉤状に折り返され(図の3C、3C部分)、この鉤状折り返し片3C、3Cの端縁3D、3Dが野地板4に釘5により固定されていると共に、平板状屋根材6がその谷側縁端6Aを鋸歯状折曲部3A、3A上に揃えて葺き並べられて構成されている。上記において谷樋2は薄金属板の折曲形成とされ、表面には防蝕層等が設けられる。また、図中7は防水シートを示す。」明細書第3頁?第4頁。
前記(1)の記載事項と図面の記載からみて、引用例1には、屋根谷部を形成する屋根面に防水シートが敷設され、該防水シート上に前記屋根谷部の谷線に沿って両側端縁に谷方向縁が略直角に立ち上がる鋸歯状折曲部、鋸歯状折曲部からゆるやかに傾斜する折曲部端縁、鉤状折り返し片の形成された谷樋が敷設され、前記谷樋上に平板状屋根材がその谷側縁端を谷樋の鋸歯状折曲部上に揃えて葺き並べられて構成されている屋根谷部の葺上げ構造が記載されている。
同じく、原査定の拒絶の理由に引用された実願平3-104259号(実開平5-45115号)のマイクロフィルム(以下、「引用例2」という。)には、例えば、次のような記載がある。
(2)「【産業上の利用分野】この考案は、家屋の隅棟や谷部に葺かれる板金製の隅棟役物、および谷部役物に関する。」明細書【0001】段落。
(3)「【考案の目的】この考案は、上記のような事情に注目してなされたもので、隅棟役物、もしくは谷部役物を構成する左右役物部品間の隙間を通して雨水が屋根側に浸入しないようにし、かつ、屋根勾配が家屋によって異なっても、隅棟役物、もしくは谷部役物を葺く作業が容易にできるようにすることを目的とする。」明細書【0004】段落。
(4)「【実施例】以下、この考案の実施例を図面により説明する。(第1実施例)…中略…。また、上記屋根2の谷部10にはその傾斜方向に多数の板金製谷部役物11が敷設され、これら各谷部役物11は上記谷部10を挟む左右各屋根の瓦4,4にそれぞれ対応して設けられている。」明細書【0008】段落。
(5)「(第2実施例)図9から図11は第2実施例を示している。これによれば、前記谷部役物11も、左右役物部品13,13と結合部材20とで構成されている。他の構成や作用は、前記第1実施例と同じである。このため、図に共通の符号を付してその説明は省略する。」明細書【0023】段落。
(6)「【考案の効果】この考案によれば、左右の役物部品が互いに対向する対向縁をその下面側で折り返して、この各折り返し片の山折線を互いに線接合させた状態で、これら左右折り返し片を下方から全体的に覆うようにしてこれらを互いに結合させる結合部材を設けてあるため、左右役物部品間の隙間を通り雨水が浸入したとしても、この雨水は上記結合部材によって屋根側にまで浸入することは防止され、よって、役物のシール性が向上する。」明細書【0024】段落。
前記(2)?(6)の記載事項と図面の記載からみて、引用例2には、下方に傾斜する屋根の谷部に沿って左右谷部役物の対向縁を突き合わせて配置し、前記左右谷部役物の対向縁の下端部を結合部材により結合することにより、屋根谷部からの雨水の浸入を防止する屋根谷部の葺上げ構造が記載されている。
(三)対比
本願考案と引用例1に記載の考案を対比する。
引用例1に記載の考案における、「屋根谷部」、「谷樋」、「谷方向縁、鉤状折り返し片」は、本願考案における、「下方へ傾斜する屋根面が水平方向に交叉してできる屋根谷部」、「防水板」、「突条」にそれぞれ対応するものであるから、本願考案と引用例1に記載の考案は、次の一致点において両者の構成は一致し、次の相違点2において両者の構成は相違する。
一致点:下方へ傾斜する屋根面が水平方向に交叉してできる屋根谷部において、屋根谷部を形成する両屋根面にかけて防水シートが敷設され、該防水シート上に前記屋根谷部に沿って突条の設けられた防水板が敷設されてなることを特徴とする屋根谷部の葺上げ構造。
相違点:本願考案においては、防水板上に両傾斜屋根面上に前記屋根谷線に沿って互いに対向縁を突き合わせて屋根瓦が葺上げられているのに対して、引用例1に記載の考案においては、屋根谷部の防水板上には屋根瓦が存在しない点。
(四)判断
前記相違点について検討する。
引用例2における、屋根谷部に沿って敷設される左右谷部役物は、本願考案における、屋根谷線に沿って互いに対向縁を突き合わせて葺き上げられる屋根瓦に対応するものであり、引用例1に記載の考案に、引用例2に記載の考案の構成を適用して、前記相違点にあげた本願考案の構成のようにすることは、その構成を適用することを阻害する要件はなく、構成を適用することによる効果も予測される範囲のものであるから、当業者がきわめて容易になしえる程度のものである。
(五)むすび
以上のとおりであるから、本件の請求項1に係る考案は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-08-02 
結審通知日 2000-08-11 
審決日 2000-08-22 
出願番号 実願平5-43456 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (E04D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長島 和子深草 誠  
特許庁審判長 片寄 武彦
特許庁審判官 宮崎 恭
鈴木 憲子
考案の名称 屋根谷部の葺上げ構造  
代理人 森本 義弘  
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