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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E03D
管理番号 1032390
審判番号 審判1999-4427  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-03-23 
確定日 2000-10-11 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 10552号「衛生洗浄装置における温水タンクの構造」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 9月 9日出願公開、実開平 6- 63686]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 (一)手続きの経緯・本願考案
本願は、平成5年2月18日の出願であって、本願の請求項1に係る考案は、平成11年4月20日付け手続補正書により補正された実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「便器内に位置した洗浄ノズルから所定温度範囲の温水を吐出して肛門或は局部を洗浄するようになる衛生洗浄装置において、洗浄温水を貯留する温水タンクが外壁の内側に間隙を設けて内壁を沿設した二重壁の断熱構造を形成し、該温水タンクの底壁に開閉バルブ或は蓋を設けた排水ドレンを構成し、温水タンクの開口面を蓋部材によって密閉すると共に、温水タンクの内腔に水供給ポートと水排出ポートを連通し、また、該内腔に水を加熱するためのヒータと、該水の温度を検出して前記ヒータを「ON」、「OFF」制御する中央制御回路に入力するように構成した温度センサを内装したことを特徴とする衛生洗浄装置における温水タンクの構造。」(以下、「本願考案」という。)
(二)引用文献
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された特開昭58-113444号公報(以下、「引用例」という。)には、例えば、次のような記載がある。
(1)「局部を洗浄する噴出部を具備した便器と、上記噴出部へ温水を供給する給水加熱装置本体とを備え、該給水加熱装置本体は給水源に連絡する入水口と上記噴出部に連絡する出湯口とを有すると共に内部に加熱部と温水温度検知部とを配設した貯湯槽と、上記温水温度検知部からの温度の変化に応じた電気信号に基づき電子回路にて前記加熱部への通電を制御することにより出湯温度を一定の温度ならしめる自動温度制御装置とを具備したことを特徴とする衛生洗浄装置。」公報第1頁左欄。
(2)「また第4図に示すように蓋体(7)には給水源側の接続金具に連絡する入水管(11)が貯湯槽(6)内の底面部付近に開口端が位置するような配置で同蓋体に一体的に取付けられ、噴出部(2e)に連絡する出湯管(12)が上記入水管(11)の取付位置と所要量の間隔をおき、しかも開口始端が蓋体(7)の裏面と面一状態となるように取付けられている。」公報第2頁左下欄?第2頁右下欄。
(3)「さらに(13)は貯湯槽(6)内の温水温度を直接検知する温度検知部であり、本実施例では熱時定数を小さくならしめる為肉厚の薄い銅管内先端部に検知素子としてリード線を接続した負特性のサーミスタが内蔵されているが、この温度検知素子にはその他に正特性サーミスタ、熱電対、白金測温体、PN接合を利用したトランジスタ、及びPN接合を利用したダイオード等を使用してもよい。」第2頁右下欄?第3頁左上欄。
(4)「さらに(14)は貯湯槽(6)内の水を加熱し加熱部を構成するシーズヒータで貯湯槽(6)の底壁付近に位置する部分が発熱する様に形成され、」公報第3頁左上欄。
(5)「(20)は貯湯槽(6)底壁に取付けた水抜栓であり、貯湯槽(6)内の水を抜くときには、この水抜栓(20)を操作すれば簡単に行なえる。」公報第3頁左上欄。
(6)「まず使用時において貯湯槽(6)内に流入する水による温度低下や長時間の放置によって同槽内の温水の温度が低くなると、温度検知部(13)を構成する負特性サーミスタの抵抗(Rth)が増加し、従って図中(イ)点の電圧即ちサーミスタ(Rth)と可変抵抗(Rc)との分圧が(ロ)点の電圧即ち抵抗(R_(1))と抵抗(R_(2))との分圧より低く、オペレーションアンプを構成するIC(I)が作動して(ハ)点の電圧が高く(ハイレベル)なる。IC(I)の出力がハイレベルになると、トランジスタ(Tr)のベースに電流が流れ込み、該トランジスタ(Tr)が導通状態になりそのコレクタに接続された発光ダイオード等の投光素子(L)が発光し、その光線をCdSセル等の受光素子(Cd)が受光することにより同受光素子(Cd)の内部抵抗が減少し、トライアック(T)がトリガされ導通状態となり、シーズヒータ(14)即ち発熱体(Rh)に電流が流れ槽内の温水が加熱される。温水の温度が高くなると、サーミスタ(Rth)の抵抗値が小さくなり、IC(I)の(イ)点の電位が(ロ)点の電位より高くなり、(ハ)点の電位が低く(ローレベル)なる。IC(I)がローレベル状態になると、トランジスタ(Tr)が遮断状態になり発光素子(L)の発光がなくなり、受光素子(Cd)の抵抗が大きくなり、トライアック(T)はそのトリガがなくなって遮断状態になり、発熱体(Rh)への通電が停止され、温水の加熱が停止される。」公報第3頁左下欄?第3頁右下欄。
前記(1)?(6)の記載事項と図面の記載からみて、引用例には、便器内に位置する噴出部から所定温度範囲の温水を噴出して局部を洗浄する衛生洗浄装置において、洗浄温水を貯留する貯湯槽は、その底壁に水抜栓を取付け、貯湯槽の開口面を蓋体によって密封し、貯湯槽内に給水源と接続される入水管と噴射部に連絡する出湯管を配置し、また貯湯槽内には、水を加熱するためのシーズヒータと、貯湯槽内の温水の温度を検出して前記シーズヒータへの通電を「ON」、「OFF」制御する電子回路に入力する温度検知素子を配置した衛生洗浄装置の貯湯槽が記載されている。
また、原査定の拒絶の理由において周知例として引用された特開昭60-85132号公報には、人体局部温水洗浄機の貯湯タンクを、外函体とタンク本体の二重壁構造として、外函体とタンク本体との間隙に断熱材を配置した構成が記載されている。
(三)対比
本願考案と引用例に記載の考案を対比する。
引用例に記載の考案における、「噴出部」、「貯湯槽」、「水抜栓」、「蓋体」、「入水管」、「出湯管」、「シーズヒータ」及び「温度検知素子」は、本願考案における、「洗浄ノズル」、「温水タンク」、「開閉バルブ或は蓋を設けた排水ドレン」、「蓋部材」、「水供給ポート」、「水排出ポート」、「ヒータ」及び「温度センサ」にそれぞれ対応し、引用例に記載の考案における「電子回路」と、本願考案における「中央制御回路」は、共にヒーターを「ON」、「OFF」制御する制御回路といえるものであるから、本願考案と引用例に記載の考案は、次の一致点において両者の構成は一致し、次の相違点1及び2において両者の構成は相違する。
一致点:便器内に位置した洗浄ノズルから所定温度範囲の温水が吐出して局部を洗浄するようになる衛生洗浄装置において、洗浄温水を貯留する温水タンクの底壁に開閉バルブ或は蓋を設けた排水ドレンを構成し、温水タンクの開口面を蓋部材によって密閉すると共に、温水タンクの内腔に水供給ポートと水排出ポートを連通し、また、該内腔に水を加熱するためのヒータと、該水の温度を検出して前記ヒータを「ON」、「OFF」制御する制御回路に入力するように構成した温度センサを内装したことを特徴とする衛生洗浄装置における温水タンクの構造。
相違点1:本願考案においては、温水タンクが外壁の内側に間隙を設けて内壁を沿設した二重壁の断熱構造を形成したのに対して、引用例に記載の考案においては、前記構成を有しない点。
相違点2:本願考案においては、中央制御回路によりヒータを「ON」、「OFF」制御するのに対して、引用例に記載の考案においては、電子回路によりヒータを「ON」、「OFF」制御する点。
(四)判断
前記相違点について検討する。
先ず、相違点1について検討する。
原査定の拒絶の理由において周知例を示したように、温水洗浄装置の貯湯タンクを二重壁の断熱構造とすることは周知の事項であり、引用例に記載の考案における温水タンクの構成に代えて、前記周知事項を適用して前記相違点1にあげた本願考案の構成のようにすることは、当業者がきわめて容易になしえる程度のものである。
次に、相違点2について検討する。
本願考案における「中央制御回路」とは、本願明細書にその詳細な構成が記載されているわけではないが、本願出願時の技術常識からみて各種制御回路を組み込んでマイクロコンピュータとするのが妥当であると認められるが、本願出願時において、衛生洗浄装置の各種機能をマイクロコンピュータにより制御することは、例を出すまでもなく本願出願時において周知の事項であり、引用例に記載の考案における制御回路として、前記周知事項を適用して前記相違点2にあげた本願考案の構成のようにすることは当業者がきわめて容易になしえる程度のものである。
(五)むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る考案は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-07-25 
結審通知日 2000-08-04 
審決日 2000-08-22 
出願番号 実願平5-10552 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (E03D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 家田 政明河本 明彦  
特許庁審判長 片寄 武彦
特許庁審判官 小野 忠悦
宮崎 恭
考案の名称 衛生洗浄装置における温水タンクの構造  
代理人 前田 和男  
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