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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F21Q
管理番号 1032398
審判番号 審判1999-12985  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-08-05 
確定日 2000-11-01 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 52619号「車両用灯具」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 3月31日出願公開、実開平 7- 18307]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1. 本願は、平成5年9月3日の出願に係り(実願平5-52619)、原審における拒絶の査定(平成11年7月6日拒絶査定謄本発送)を契機として、原査定の取消と本願考案につき登録をすべきことを請求して提起された審判請求事件に存する。
2. 本願の実用新案登録を受けようとする考案は、平成11年8月10日付け手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載に徴し、その実用新案登録請求の範囲に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】 内面の少なくとも一部を有効反射面として形成した灯具ボディと、この灯具ボディ内に配設される電球と、前記灯具ボディの正面開口に取着されるレンズとを備え、前記灯具ボディは背面壁と複数の周面壁とを有しており、前記背面壁を前記有効反射面として構成し、前記周面壁の一つに前記電球の取付穴を配設し、前記周面壁の他の一つに前記灯具ボディの内外を通気させるための通気孔を配設したことを特徴とする車両用灯具。」
3. 引用刊行物
1) これに対して、原査定の拒絶の理由として引用されたところの、
「特開昭60-216401号公報」(以下、「第1引用例」という。)には、以下の事項が、図面とともに記載されている。
イ) 「樹脂製の反射鏡及び前面レンズで構成し、かつ反射鏡の一部に標準ソケットを一体的に設け、このソケットに標準交換電球を装着した角型の車両用前照灯において、反射鏡は、それぞれの焦点がすれ違いフィラメントの長さよりも大きな間隔で前後し、かつ実質的に平行な回転軸を持つ上下2面の回転放物面を有するように形成し、その下部に標準ソケットを設け、このソケットに標準交換電球をそのすれ違い用フィラメントの軸が反射鏡の回転軸に平行となり、かつ両回転放物面の焦点間に位置するように下方から挿入したことを特徴とする車両用前照灯。」(特許請求の範囲)
ロ)「第3図?第5図は本発明の一実施例を示すもので、11は樹脂製の前面レンズ、12は樹脂製の反射鏡であり、その正面形状は角型となつている。この反射鏡は回転軸が平行な上下2面の回転放物面12A,12Bにより形成されており、その下部反射鏡12Bの下方壁面に標準ソケット13 を設けている。このソケット13は、本実施例では走行用フィラメント14A 及びすれ違い用フィラメント14Bを有する標準交換電球14をその軸が反射鏡12の回転軸と直交する形状としている。」(公報第2頁上段右欄12行?同頁下段左欄1行目)
ハ)「以上のように本発明によれば、標準交換電球を灯具下方から挿入してフィラメントを灯具反射鏡軸と平行に位置させるので、反射鏡に入射する光束が増大し、角型であつても光束を有効に利用でき、高出力光束となる。」(公報第3頁上段右欄18行?同頁下段左欄2行目)
2) 同じく、原査定における拒絶の理由として引用されたところの、
「実願平1-20231号(実開平2-113218号)のマイクロフィルム」(以下、「第2引用例」という。)には、以下の事項が図面とともに記載されている。
イ) 「1.ハウジングにレンズを配設し、そのハウジングおよびレンズにより画成された灯室内にバルブを配設し、前記ハウジングに保持固定用の突部を突設し、その突部を取付体中に挿入固定してその取付体に取付ける車両用灯具において、前記突部中に灯室内と取付体中の外部とを連通させる呼吸穴を設けたことを特徴とする車両用灯具における呼吸構造。」(実用新案登録請求の範囲)
ロ) 「以下、車両用灯具における呼吸構造を第2図および第3図を参照して説明する。
図においては、1は灯具のハウジングで、このハウジング1は反射面10を有し、前面開口部の全周縁に凹部11を設け、後部の中央に円筒形のソケット部周囲の遮水壁12を設け、その円筒形の遮水壁12の中心にバルブ挿入孔(図示せず)を設ける。このハウジング1の端部に呼吸筒13を側方に一体に突設し、その呼吸筒13に囲まれたハウジング1に後述する灯室22内と外部とを連通させる呼吸孔14を設け、この呼吸筒13の中間部の外周面に段部15を設ける。このハウジング1の端部に保持固定用の突部16を、前記呼吸筒13を並設して側方に一体に突設する。
2はレンズで、このレンズ2は内面に適宜プリズムを該設し、内面の全周縁に接着脚20を一体に突設する。このレンズ2の接着脚20を前記ハウジング1の凹部11に接着剤21により接着かつシールし、そのレンズ2およびハウジング1により灯室22を画成する。」(明細書第2頁16行?第3頁15行目)
3) 同じく、原査定の拒絶の理由として引用されたところの、
「実願平1-2065号(実開平2-95107号)のマイクロフィルム」(以下、「第3引用例」という。)には、以下の事項が図面とともに記載されている。
「 第2図は従来例の通気,放熱構造を構えた車両用灯具の垂直断面図である。
ランプハウジング1の前面開□部を覆って前面レンズ2が装着されている。
上記ランプハウジング1の背面側の壁に貫通せしめてバルブソケット3が 装着され、該バルブソケット3に光源バルブ4が取り付けられている。
前記ランプハウジング1の背面側の壁の内面に当接せしめて金属板製のリフレクタ5が取り付けられている。取付構造部分は本図に現われていないが、カシメ,ネジ,若しくはリフレクタ5の弾性を利用した係着など、各種の取付方法が適宜に採用されている。
前記の光源バルブ4が点灯されるとジュール熱が発生し、灯具内部が昇温する。
昇温に伴う内部空気の膨張に因る昇圧を防止して灯具の破損を回避するため、及び、
昇温に伴う構成部材の過熱に因る構成材料の劣化,焼損を防止するため、
灯具内部空間を大気に連通せしめて、通気,放熱が図られる。このため、ランプハウジング1に上部通気孔la,下部通気孔lbが設けられている。
光源バルブ4付近の昇温した空気は矢印aの如く灯具外に上昇流出し、低温の大気が矢印bの如く流入して熱対流を生じ、灯具内で発生した熱が放熱されるとともに、灯具内が大気圧に保たれる。」(明細書第2頁4行?第3頁9行目)
4. 対比・判断
1) 第1引用例に記載された「反射鏡12」は、正面開口に取着されたレンズと相対する背面壁側に有り最も有効に光りを前面に反射するものと目されるところ、本願考案の「有効反射面」に相当し、このものの存する背面壁側も灯具の一部をなしていることは明らかである。
そして、第1引用例に記載の「前面レンズ11」、「標準交換電球14」は、その構成と機能にに照らし、本願考案の「レンズ」、「電球」にそれぞれ相当することも明らかである。
また、第1引用例に開示の「前照灯」(例えば第4図の灯ハウジングの態様参照)の周面をなす「角筒状の周面壁」(上下の水平な平面壁と、左右の壁面で概ね4面壁をなしている部分)は、本願考案の「複数の周面壁」に相当しており、前記前照灯のレンズとこれに対向する有効反射面たる背面壁並びに右周面壁で以てハウジングが形成されており、これが本願考案の「灯具ボディ」に相当していると捉えることができる。
さらに、第1引用例に記載の「標準ソケット13」は、言うならば本願考案の「電球の取付穴」に相当し、このものも図示の態様と説明のとおり、周面壁の一つである下部水平壁部に取り付けられていることは明らかというべきであるところ、このものは、本願考案の「前記周面壁の一つに前記電球の取付穴を配設し、」を、実現しているものである。
勿論、第1引用例に記載の「車両用前照灯」は、本願考案の「車両用灯具」に該当する技術概念である。
以上のとおりであるから、第1引用例に開示された技術的事項を、本願考案の構成要件との対応において抽出すると、第1引用例には、
「内面の少なくとも一部を有効反射面として形成した灯具ボディと、この灯具ボディ内に配設される電球と、前記灯具ボディの正面開口に取着されるレンズとを備え、前記灯具ボディは背面壁と複数の周面壁とを有しており、前記背面壁を前記有効反射面として構成し、前記周面壁の一つに前記電球の取付穴を配設した車両用灯具」
が、記載されていると捉えられる。
2) 本願考案と第1引用例に記載の考案とを比較すると、
本願考案が、「前記周面壁の他の一つに前記灯具ボディの内外を通気させるための通気孔を配設した」のに対して、
第1引用例に記載された考案においては、斯かる通気孔については何ら言及がなくこれを具有しない点、
において、相違している。 その余の構成要件については、前記において検討したとおり両者間に格別の相違は存しないというべきである。
3) そこで、この相違点につき審案する。
ところで、車両用灯具において、その灯具ボディの周面壁に通気孔を設けてなる技術は、斯界において普通に知悉されている。
即ち、i) 前掲第2引用例に記載された車両用灯具の灯具ボディ(「ハウジング1」が、これに相当)の周面壁の一つである右側斜め壁面に存する『呼吸孔17』(第2引用例 の考案例たる第1図の例)、
ii) 同じく、第2引用例に記載された車両用灯具の灯具ボディ(ハウジング1)の周面壁の一つである右側斜面壁に存する呼吸筒13の入口である『呼吸孔14』(従来例たる第2図、第3図 の態様参照)
iii) 前掲第3引用例に記載された車両用灯具の灯具ボディ(「ランプハウジング1 」が、相当)の周面壁である上下の壁に設けられた『通気孔(1a、1b)』が、
それぞれ、この「通気孔」を体現する考案(技術群)である。
本願考案のこの点における相違点は、第1引用例に記載された考案の灯具ボディの周面壁に右通気孔に関する考案を採択したものに相当し、斯様にすることは、右通気孔に係る考案の累次に亘る技術的集積に鑑み、当業者における予測可能な周知技術の付加の域を出ず、よって齎らされる効用も、当業者の予測を越える格別顕著な奏功を収めているとは認め難い。
蓋し、前記第1引用例に記載された車両用灯具の周面壁の他の一つに、斯界において知悉された通気孔に関する考案を付加したことによる相乗効果は、本願明細書の記載を以ては、格別窺知されないからである。
5. 結語
以上のとおりであるから、本願考案は、この出願前日本国内において頒布された刊行物である第1引用例に記載された考案並びに第2引用例及び第3引用例の記載に例証される如き周知の考案に基づいて当業者がきわめて容易に推考することができたものと認められる。
それ故、実用新案法第3条第2項の規定により、本願考案につき、実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-08-15 
結審通知日 2000-08-25 
審決日 2000-09-06 
出願番号 実願平5-52619 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (F21Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 塩澤 克利槙原 進  
特許庁審判長 佐藤 洋
特許庁審判官 藤原 稲治郎
藤本 信男
考案の名称 車両用灯具  
代理人 鈴木 章夫  
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