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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05B
管理番号 1032492
審判番号 審判1999-20858  
総通号数 17 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-12-27 
確定日 2001-01-19 
事件の表示 平成4年実用新案登録願第28626号「マイクロ波励起による紫外線発生装置」拒絶査定に対する審判事件[平成5年11月5日出願公開、実開平5-81995号]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.本願考案
本願は、平成4年4月3日に出願されたものであって、その請求項1に係る考案は、明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次の通りのものである(以下、「本願考案」という。なお、平成10年12月2日付けの手続補正は、当審において却下の決定がなされ、その決定は確定した。)。

「マイクロ波発振管および紫外線発光ランプを備え、前記マイクロ波発振管から発生したマイクロ波を前記紫外線発光ランプに照射し、励起させて紫外線を発生させる発光部と、この発光部のマイクロ波発生管に接続され、該マイクロ波発生管のマグネトロンを作動してマイクロ波を発生させる電源部とを主構成要素として含むマイクロ波励起による紫外線発生装置において、前記電源部としてインバーター電源を用いることを特徴とするマイクロ波励起による紫外線発生装置。」

2.引用刊行物記載の考案
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願の日前である平成2年10月25日に頒布された「実願平1-76165号(実開平2-129604号)のマイクロフィルム」(以下「引用刊行物1」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている。
「第7図(a)、(b)は従来のこの種マイクロ波無電極放電管装置の一例の構成を示す。
同図において1は電源部、2はアプリケータ部、3はマグネトロン、4は導波管、5はマイクロ波結合部、6は無電極放電管、7はメッシュ、8はコールドミラー、9はブロア、10はダクト、11はヒータトランス、12は励起用バルブである。
マグネトロン3で発生したマイクロ波は、それぞれ導波管4によって伝送され、マイクロ波結合部5を介して無電極放電管6(以下放電管と記す)に供給される。
この放電管6のプラズマ放電の際発生する紫外線は、直接またはコールドミラー8で反射され、メッシュ7を透過して、物体に照射される。」(明細書第3頁第2行?第16行)

また、同じく原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願の日前である昭和62年11月28日に頒布された「特開昭62-274597号」(以下「引用刊行物2」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている。
「マイクロ波発振器により発生されたマイクロ波により、直径Dmmの球形放電灯中に封入されたプラズマ生成媒体を放電させ、光を発生させるものにおいて、直流電圧を発生させるものにおいて、直流電圧を発生する電源部、この電源部から出力される電源信号の周波数を1500/DKHz以上の高周波にするインバータ回路、このインバータ回路からの出力を昇圧するトランス、及びこのトランスで昇圧された電圧を整流する整流回路により上記マイクロ波発振器の電源回路を構成することを特徴とするマイクロ波放電光源装置」(第1頁左下欄第5行?第15行)
「この発明におけるマイクロ波発振器の電源は、インバータにより高周波化されているので、放電灯の放電が安定になり、昇圧トランスも軽量、小型になる。」(第2頁左下欄第11行?第14行)

3.対比
本願考案と、引用刊行物1に記載された考案を対比すると、引用刊行物1に記載された、「無電極放電管6」が、本願考案の「紫外線発光ランプ」に相当し、また、引用刊行物1に記載された「マグネトロン3」、「導波管4」、「マイクロ波結合部5」から構成される部分が、本願発明の「マイクロ波発振管」に、さらに、「マグネトロン3」、「導波管4」、「マイクロ波結合部5」、「無電極放電管6」及び「メッシュ7」で構成される「アプリケータ部2」が、本願考案の「マイクロ波発振管から発生したマイクロ波を紫外線発光ランプに照射し、励起させて紫外線を発生させる発光部」にそれぞれ相当する。
また、引用刊行物1に記載された考案も紫外線を発生するものである。
したがって、本願考案と、引用刊行物1に記載された考案は
「マイクロ波発振管および紫外線発光ランプを備え、前記マイクロ波発振管から発生したマイクロ波を前記紫外線発光ランプに照射し、励起させて紫外線を発生させる発光部と、この発光部のマイクロ波発生管に接続され、該マイクロ波発生管のマグネトロンを作動してマイクロ波を発生させる電源部とを主構成要素として含むマイクロ波励起による紫外線発生装置」である点で一致しており、
一方、本願考案は、「電源部としてインバーター電源を用い」ているのに対し、引用刊行物1に記載された考案では電源の構成については、特に限定されていない点で相違する。

4.当審の判断
上記相違点について検討すると、引用刊行物2には、「マイクロ波発振器(本願考案の「マイクロ波発振管」に相当する。)により発生されたマイクロ波」により「放電灯(本願考案の「発光ランプ」に相当する。)中に封入されたプラズマ生成媒体を放電させ、光を発生させる」ための「マイクロ波発振器」の電源において、「インバータ回路」を適用した点が記載されている。
そして、本願考案は、引用刊行物1に記載された考案の「電源」に、引用刊行物2に記載の「インバータ回路」を組み合わせたものに相当するが、引用刊行物1、2に記載されたいずれの考案も、マイクロ波により発光ランプを発光させる装置に関するものであり、これらを組み合わせることに格別の困難性は認められず、その効果においても、刊行物2に記載された、「電源」に「インバータ回路」を適用したことによる効果以上の格別のものは認められない。

5.むすび
したがって、本願考案は、引用刊行物1および2に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとするのが相当であって、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-10-30 
結審通知日 2000-11-10 
審決日 2000-11-21 
出願番号 実願平4-28626 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (H05B)
最終処分 不成立    
前審関与審査官 関 信之  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 熊倉 強
藤本 信男
考案の名称 マイクロ波励起による紫外線発生装置  
代理人 染谷 仁  

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