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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正する B65D
管理番号 1035974
審判番号 訂正2000-39113  
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-06-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2000-09-26 
確定日 2000-12-06 
訂正明細書 有 
事件の表示 実用新案登録第2564143号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第2564143号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由 1.請求の要旨
実用新案登録第2564143号(平成3年1 2月4日実用新案登録出願、平成9年1 1月21 日に設定登録)に関する本件審判請求の要旨は、明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものである。
上記訂正明細書の訂正事項は以下のとおりである。
(1)訂正事項a
本件実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に、
「バッグ本体に、内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたバッグインボックス用バッグにおいて、
前記内容物充填用スパウトを着脱可能なキャップで覆い、前記内容物注出用スパウトは先端に筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを接続したことを特徴とするバッグインボックス用バッグ。」
とある記載を、
「バッグ本体に、内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたバッグインボックスにおいて、
前記内容物充填用スバウトと、該内容物充填用スバウトよりも小寸法にした前記内容物注出用スパウトとを相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設け、
前記内容物充填用スバウトを着脱可能なキャップで覆い、
前記内容物注出用スパウトは、先端に外周に突設した凸部を設けた筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを、前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有し、かつ、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径している鍔つきチューブ固定リングにより締め付け固定し、接続したことを特徴とするバッグインボツクス用バ
ッグ。」
と訂正する。
(2)訂正事項b
本件実用新案登録明細書の段落【0007】 2行から8行の記載を以下のように訂正する。
「【課題を解決するための手段】
本考案は、上記した課題を解決するためになされたもので、バッグ本体に、内容物充墳用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたバッグインボックスにおいて、前記内容物充填用スパウトと、該内容物充填用スパウトよりも小寸法にした前記内容物注出用スパウトとを相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設け、前記内容物充填用スパウトを着脱可能なキャップで覆い、前記内容物注出用スパウトは、先端に外周に突設した凸部を設けた筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを、前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有し、かつ、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径している鍔つきチューブ固定リングにより締め付け固定し、接続したことを特徴とするバッグインボックス用バ
ッグを提供して、上記課題を解決するものである。」
(3)訂正事項c
本件実用新案登録明細書の段落【0009】 13行と14行との間に以下の文章を挿入する訂正をする。
「前記した内容物の充填・注出専用の充填用部分Aと注出用部分Bとは、図2に示すように、バッグ本体2の同一側面に相互に離間されて設けられているもので、したがって、これら部分をそれぞれ構成する内容物充填用スパウト3と、内容物注出用スパウト9とは、バッグ本体2の同一側面に相互に離間されて設置されていること、図2に示すとおりのものであり、内容物注出用スパウト9は、弾性チューブ6を接続するに足る寸法のものでよい点から、前記内容物充填用スパウトよりも小寸法になっている。そして、内容物注出用スパウト9の筒部8に嵌め付けた弾性チューブ6の一端を筒部8に締め付け固定する手段としてのチューブ固定用リング10は、前記したように前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有していると共に前記弾性チチューブの一端を締め付け固定する手段として、図1におけるチューブ固定リング10の図示断面構造から明らかなように、筒部8の外周に突設した凸部8aを乗り越えて締め付けを確実にする下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径した形状とされ、締め付け操作を容易、確実に行えるようにするための鍔を備えている。」
(4)訂正事項d
本件実用新案登録明細書の段落【0010】の3行から10行の記載を、次のとおり訂正する。
「内容物充墳用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたものであって、前記内容物充填用スパウトと、該内容物充填用スパウトよりも小寸法にした前記内容物注出用スパウトとを相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設け、前記内容物充填用スパウトを着脱可能なキャップで覆い、前記内容物注出用スパウトは、先端に外周に突設した凸部を設けた筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを、前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有し、かつ、下面の開□内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径している鍔つきチューブ固定リングにより締め付け固定し、接続したことを特徴とするものである。これによって、弾性チューブの接続用品として従来のスパウトとの対応を図ることなく形状の小さな成形品を内容物注出用スパウトに採用することができ、素材コストを削減させることができるようになる。また弾性チューブを備えた内容物注出用スパウトをバッグ本体にチューブ固定用リングにより取り付ける1工程で注出用部分が形成でき、この工程にあっては、内容物充填用部分がバッグ本体の同一側面にあることから、内容物充填用部分の設置と並行して行うことができ、これによってバッグの製造工程が簡略化されるようになどの実用的効果を奏することができる。」
2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張変更の存否
(1)訂正事項aについて
訂正事項aは、バッグインボックス用バッグにおける液体注出用スパウトと液体充填用スパウトとの相対的な大小関係及び相対的な位置関係を図1及び図2に示された構造のものに特定すると共に、内容物注出用スパウト9の筒部8に嵌め付けた弾性チューブ6の一端を筒部8に締め付け固定する手段、特にチューブ固定用リング10を図1に示された構造のものに特定するものである。
この訂正事項aは、願書に添付した明細書に記載した事項及び図面の図1と図2に、本件考案の一実施例の説明図として図によって説明されている事項に基づくものであり、「バッグに弾性チューブを経済的に備え付けることができるようにすることを課題とし、素材コストを低減し生産性を向上させることを目的とする」(【0010】)との本件考案の目的の範囲内においてなされたものであり、また、「内容物抽出用スパウト9の筒部8に嵌め付けられた弾性チューブ6の一端を筒部8の外周に突設した凸部8aの外径よりやや大きい内径のチューブ固定リング10によって筒部に締め付け固定する」(【0009】)との記載事項の範囲内においてなされたものである。
したがって、上記訂正事項aは、実用新案登録請求の範囲の減縮に相当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、変更するものでもない。
(2)訂正事項b、c、dについて
訂正事項b、及びdの訂正の根拠は、上記訂正事項aの根拠と同じであり、これらの訂正は、実用新案登録請求の範囲の減縮に伴って、考案の詳細な説明をそれに整合させるために訂正するものである。
また、訂正事項cは、願書に添付した明細書に記載した事項及び図面の図1に、本件考案の一実施例の説明図として図によって説明されている事項に基づくものであり、内容物注出用スパウト9の筒部8に嵌め付けた弾性チューブ6の一端を筒部8に締め付け固定する手段、特にチューブ固定用リング10の構成及び作用効果を明らかにするものであり、明りようでない記載の釈明に相当するものであり、この訂正は「内容物抽出用スパウト9の筒部8に嵌め付けられた弾性チューブ6の一端を筒部8の外周に突設した凸部8aの外径よりやや大きい内径のチューブ固定リング10によって筒部に締め付け固定する」(【0009】)との記載事項の範囲内においてなされたものであり、図1に、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径する構成が示されていることを考慮すると、このチューブ固定リング10は、筒部の外周に突設した凸部を乗り越えてチューブを締め付け固定すると解するのが相当と認められることを根拠とするものである。
したがって、上記訂正事項b?dは、明りようでない記載の釈明に相当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、変更するものでもない。
2-2.独立登録要件
本件実用新案登録の関連事件で、現在東京高等裁判所に平成12年(行ケ)8号取消決定取消請求事件として出訴中の、平成1 0年異議第74316号の審理において、訂正拒絶理由に引用された刊行物である刊行物1(特開平2‐109895号公報)及び刊行物2〔実願昭49‐112213号(実開昭51‐39212号)のマイクロフィルム〕に記載された発明と対比し、訂正明細書の請求項1に係る実用新案登録が実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるか否かについて検討する。
(1)本件考案
訂正明細書の請求項1 に係る考案は、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されている事項により特定される次のとおりのものである。
「 バッグ本体に、内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたバッグインボツクスにおいて、
前記内容物充填用スパウトと、該内容物充填用スパウトよりも小寸法にした前記内容物注出用スパウトとを相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設け、
前記内容物充填用スパウトを着脱可能なキャップで覆い、
前記内容物注出用スパウトは、先端に外周に突設した凸部を設けた筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを、前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有し、かつ、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径している鍔つきチューブ固定リングにより締め付け固定し、接続したことを特徴とするバッグインボックス用バッグ。」
(2)刊行物記載の考案
刊行物1には、「飲食物の供給装置に関して、第2頁右下欄第6行から第3頁左上欄第10行に次のように記載されている。
「この発明に係る容器包装を第2図に基ずいて説明する。
後述するボックス1に収納されるべき容器包装は、可撓性のフィルム2、充填用キャップ3、吐出リング4、弾性体の吐出用チューブ5から構成されており、可撓性のフィルム2は軟質合成樹脂、充填用キャップ3及び吐出リング4は半硬質合成樹脂、弾性体の吐出用チューブ5はゴム体又は軟質合成樹脂が用いられ、密封かつ殺菌され未使用である。
吐出用チューブ5の先端部6も密封されており、内側は外気に触れることはなく、吐出リング4に連結、連通している。
飲食物の充填は、未使用の容器包装を汚染のないように取り扱い、殺菌効果を有する製造方法で、自動的に充墳用キャップ3の封を破り一定量が自動充填される。
充填後は再び充填用キャップに対して密封が自動的に行われる。飲食物が充填された容器包装は、ボックス1に収納される。収納に際しては、販売又は供給行為のときに、ボックス1から吐出用チューブ5と吐出リング4を引き出すので、それぞれ好位置に納める。収納した後は、ボックス1に封をし、出荷流通される。」
刊行物2には、「容器の液体注出口具」 に関して、第2頁第11行から第3頁第6行に次のように記載されている。
「図中1は合成樹脂製成型品からなる断面略∩型状の矩型筒状の取付体で、この取付体1の基端開放縁部に薄肉状の大径な鍔部2を有して、これが合成樹脂製等の容器(A)の口部(a)緑に熱熔着等の手段或いは第5図に示す如く係止することで固着されることにより、取付体1は容器(A)に内部連通して突出状態に取付けられる。また、この取付体1は梢々内方にわん曲した先端閉成板部3の中央部分に更に先端外方に向けて突出する小径な筒状接続口4を有している。5は前記接続口4に基端部が弾性嵌着されて取付けられた合成ゴム製等の比較的腰が強い弾力性を有するフレキシユブルチューブで、このチューブ5は適当な長さで切断されて、この最先端に合成樹脂製一体成型物からなる栓体6が取付けられている。」
(3)対比・判断
訂正明細書の請求項1 に係る考案と刊行物1 に記載された考案とを対比すると、刊行物1記載の容器包装はバッグインボックス用バッグに相当するものであることは明らかであり、また刊行物1記載の容器包装における「フィルム2」、「充填用キャップ3」、「吐出リング4」、「弾性体の吐出用チューブ5」は、それぞれ訂正明細書の請求項1に係る考案のバッグインボックス用バッグにおける「バッグ本体」、内容物充填用スパウトに着脱可能な「キャップ」、「内容物注出用スパウト」、「弾性チューブ」に対応するから、両者は、「バッグ本体に、内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたバッグインボックスにおいて、前記内容物注出用スパウトは筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを接続したことを特徴とするバッグインボックス用バッグ」である点で一致し、少なくとも次の点において相違しているものと認められる。
(1)キャップが、訂正明細書の請求項1に係る考案においては、内容物充填用スバウトに着脱可能なキャップであるのに対して、刊行物1記載の考案においては、このことが明確でない点。
(2)内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとが、訂正明細書の請求項1に係る考案においては、内容物注出用スパウトは内容物充填用スパウトよりも小寸法に形成され、相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設けられているのに対して、刊行物1記載の考案においては、このことが明確でない点。
(3)訂正明細書の請求項1に係る考案では内容物注出用スパウトが先端に筒部を有し、該筒部に弾性チューブが接続しているのに対し、刊行物1記載の考案においては吐出用チューブ5と吐出リング4の接続構造が明確に示されていない点。
(4)訂正明細書の請求項1に係る考案では、内容物注出用スパウトの筒部に弾性チューブを接続するに当たり、筒部の先端に外周に突設した凸部を設け、該筒部に、弾性チューブを、前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有し、かつ、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径している鍔つきチューブ固定リングにより締め付け固定する構成を採用している点。
次に、これらの相違点について検討する。
〔相違点(1)について〕
刊行物1記載の考案における「充墳用キャップ3」は「自動的に充填用キャップ3の封を破り一定量が自動充填される。充填後は再び充填用キャップに対して密封が自動的に行われる」との記載からしてスパウトに着脱可能に覆われたキャップか否かは明確でないが、スパウトに着脱可能にキャップを装着することは本件の出願前に周知の事項であるから、このような構成とすることは当業者が適宜に採用し得る程度のことと認められる。
〔相違点(2)について〕
訂正明細書の請求項1に係る考案において、内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとが、内容物注出用スパウトは内容物充填用スパウトよりも小寸法に形成され、相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設けられていることにより、弾性チューブの接続用品として従来のスパウトとの対応を図ることなく形状の小さな成型品を内容物抽出用スパウトに採用することができ、素材コストを削減させることができる等の効果を生じるものであるが、この点は、刊行物2に記載されてもいないし、また、本件の出願前に周知乃至公知であるとする根拠は見当たらない。
〔相違点(3)について〕
刊行物2には、「取付体1は梢々内方にわん曲した先端閉成板部3の中央部分に更に先端外方に向けて突出する小径な筒状接続口4を有している。」と記載されていることからみて、スパウト先端に一体的に設けた筒部にチューブを接続する構造が記載されているものと認められる。そして、刊行物2記載のものも刊行物1 に記載のものと同様に、液体を収納する容器の吐出口に関するものである。
したがって、刊行物1記載の考案において、吐出用チューブと吐出リングの接続構造として、スパウト先端に一体的に設けた筒部に弾性チューブを接続する構造を採用することは、刊行物2の記載に倣って当業者が適宜に想到し得る程度のことと認められる。
〔相違点(4)について〕
刊行物2の記載は上記相違点(3)で述べたように、弾性チューブを筒部に接続することをおしえてはいるが、その際に接続部を固定リングによって締め付け固定することは何ら記載も示唆もない。
この点について検討するに、弾性ホース(チューブ)を筒部に接続する際の抜け防止のために、筒部に外周に突設した凸部を設け、この凸部の外径よりやや大きい内径のチューブ固定リングにより弾性ホース(チューブ)を締め付け固定することは、たとえば、実願昭60-201848号(実開昭62-110686号)のマイクロフィルム、実願平1-142826号(実開平3-77893号)のマイクロフィルム等にみられるように、本件の出願前に周知の事項であるから、かかる固定リングにより締め付け固定することは当業者が適宜に想到し得る程度のことと認められる。
しかしながら、上記周知文献に記載されているチューブ固定リングはいずれも、筒部の外周に突設した凸部からみてチューブの端部側にあってチューブを締め付けるものであり、筒部の外周に突設した凸部を乗り越えてチューブを締め付けるものではないので、訂正明細書の請求項1に係る考案におけるように、チューブ固定リングにおいて、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径する構成とすることにより、筒部の外周に突設した凸部を乗り越えてチューブを締め付け固定し得るようにすることを示唆するものではない。
したがって、結局、訂正明細書の請求項1に係る考案は、刊行物1及び2に記載された考案並びに上記周知の事項に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。
よって、訂正明細書の請求項1に係る考案は、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができない考案とはいえない。
3.むすび
以上のとおりであるから、本件審判請求に係る訂正は、平成5年法附則第4条第2項において読み替えられた平成5年法改正前の実用新案法第39条第1項ただし書き、同第2項及び第3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
バッグインボックス用バッグ
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 バッグ本体に、内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたバッグインボックスにおいて、
前記内容物充填用スパウトと、該内容物充填用スパウトよりも小寸法にした前記内容物注出用スパウトとを相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設け、
前記内容物充填用スパウトを着脱可能なキャップで覆い、
前記内容物注出用スパウトは、先端に外周に突設した凸部を設けた筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを、前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有し、かつ、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径している鍔つきチューブ固定リングにより締め付け固定し、接続したことを特徴とするバッグインボックス用バッグ。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、清涼飲料などの液体を収容するバッグ(内袋)をカートン(外箱)に納めたバッグインボックス用バッグ、特に注出用のチューブを備えたバッグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、業務用として用いられる大容量のバッグインボックスには、例えばフィルム状のシート材からなるバッグ本体に、キャップにて覆われたスパウト(注出口)を設け、内容物の注出に際しては、カートンの所要の箇所からスパウトを引き出し、スパウトから液体を注出する、またはカートンからバッグを取り出しスパウトから液を注出するようにしている。
【0003】
またディスペンサーなどの自動注出機器に装填されるバッグインボックスにおいては、機器側とバッグ本体とを繋ぎ、液体を送り出せるよう、予め内容物注出用の弾性チューブを備えたものがある。前記弾性チューブは、一定の弾性を必要とするためにゴム質のものが使用されている。そしてバッグ本体の素材として通常使用されているポリエチレン樹脂と前記弾性チューブとの溶着が困難なことから、この弾性チューブを接続するための構造を有したポリエチレン樹脂成形品(このポリエチレン樹脂成形品がバッグ本体に溶着される。)が用意されている。これを説明すると、図4に示すように、この種のバッグ1では、バッグ本体2にスパウト3を取り付け、これに弾性チューブ接続用キャップ4を被せているものであって、前記弾性チューブ接続用キャップ4の中央に位置する筒部5に弾性チューブ6が取り付けられていた。このようにスパウトを覆う閉鎖体自体に開口部を設けて内容物の注出ができるようにした構成は、例えば実公昭58-41172号公報に示されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで上述のようにキャップに弾性チューブが接続されていると、バッグヘの充填の際、キャップの脱着を機械的に行うことができず、またアセプティック充填の場合、通常前記キャップの脱着を容積の小さい無菌チャンバー内で行っていることから、このチューブ付のキャップを用いているバッグでは、その脱着が行えない。
このため、バッグ本体に充填用部分Aと注出用部分Bとの両者を設ける構成を採っている。すなわち、図4に示すように充填用部分Aと注出用部分Bとの両者で同一のスパウト3を用い、充填用部分Aではこのスパウト3に通常のキャップ7を被せ、注出用部分Bでは上述したように弾性チューブ6を取り付けた弾性チューブ接続用キャップ4を被せており、バッグヘの充填は充填用部分Aで従来通り行い、機器への接続に際しては注出用部分Bの弾性チューブにより行っているのが現状である。
【0005】
しかし、上記弾性チューブ接続用キャップ4においては、従来からのスパウトにに確実に嵌め付けることができるという条件を満たすものである必要があることから、単に弾性チューブを取り付けるものとしては無用に大きく不経済である。そして弾性チューブをこのキャップに取り付ける工程、このチューブ付となったキャップをスパウトに取り付ける工程の二工程が必要であり、生産性の悪いものとなっている。
【0006】
そこで本考案は上記した事情に鑑み、弾性チューブを用いることによる充填時の不具合を生じさせることなく、バッグに弾性チューブを経済的に備え付けることができるようにすることを課題とし、素材コストを低減し生産性を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記した課題を解決するためになされたもので、バッグ本体に、内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたバッグインボックスにおいて、前記内容物充填用スパウトと、該内容物充填用スパウトよりも小寸法にした前記内容物注出用スパウトとを相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設け、前記内容物充填用スパウトを着脱可能なキャップで覆い、前記内容物注出用スパウトは、先端に外周に突設した凸部を設けた筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを、前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有し、かつ、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径している鍔つきチューブ固定リングにより締め付け固定し、接続したことを特徴とするバッグインボックス用バッグを提供して、上記課題を解決するものである。
【0008】
【作用】
本考案においては、バッグ本体の一つの側面に内容物充填用スパウトと、このスパウトよりも小形の内容物注出用スパウトとを備えていて、内容物注出用スパウトは、先端に筒部を有して弾性チューブ接続専用として成形されバッグ本体に接続される。
【0009】
【実施例】
つぎに本考案を図1から図3に示す一実施例に基づいて詳細に説明する。なお図4に示す従来例と構成が重複する部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
バッグ1はバッグ本体2に内容物の充填・注出に供するようにそれぞれ専用の充填用部分Aと注出用部分Bとが設けられていて、前記注出用部分Bは、一端が閉止された弾性チューブ6とこの弾性チューブ6が嵌め付けられる筒部8を先端に有して弾性チューブ接続用とされた内容物注出用スパウト9とチューブ固定用リング10とからなるものである。そして前記内容物注出用スパウト9の筒部8に嵌め付けた弾性チューブ6の一端を、筒部8の外周に突設した凸部8aの外径よりやや大きい内径のチューブ固定用リング10によって筒部8に締め付け固定することにより、弾性チューブ6と内容物注出用スパウト9との一体化がなされる。
前記した内容物の充填・注出専用の充填用部分Aと注出用部分Bとは、図2に示すように、バッグ本体2の同一側面に相互に離間されて設けられているもので、したがって、これら部分をそれぞれ構成する内容物充填用スパウト3と、内容物注出用スパウト9とは、バッグ本体2の同一側面に相互に離間されて設置されていること、図2に示すとおりのものであり、内容物注出用スパウト9は、弾性チューブ6を接続するに足る寸法のものでよい点から、前記内容物充填用スパウトよりも小寸法になっている。そして、内容物注出用スパウト9の筒部8に嵌め付けた弾性チューブ6の一端を筒部8に締め付け固定する手段としてのチューブ固定用リング10は、前記したように前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有いていると共に前記弾性チューブの一端を締め付け固定する手段として、図1におけるチューブ固定リング10の図示断面構造から明らかなように、筒部8の外周に突設した凸部8aを乗り越えて締め付けを確実にする下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径した形状とされ、締め付け操作を容易、確実に行えるようにするための鍔を備えている。
このようにして弾性チューブを備えた内容物注出用スパウト9をバッグ本体2の取付孔に配し、内容物注出用スパウト9のフランジ9aを溶着することによって注出用部分Bが得られている。
【0010】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案のバッグインボックス用バッグは、バッグ本体に、内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたものであって、前記内容物充填用スパウトと、該内容物充填用スパウトよりも小寸法にした前記内容物注出用スパウトとを相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設け、前記内容物充填用スパウトを着脱可能なキャップで覆い、前記内容物注出用スパウトは、先端に外周に突設した凸部を設けた筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを、前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有し、かつ、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径している鍔つきチューブ固定リングにより締め付け固定し、接続したことを特徴とするものである。これによって、弾性チューブの接続用品として従来のスパウトとの対応を図ることなく形状の小さな成形品を内容物注出用スパウトに採用することができ、素材コストを削減させることができるようになる。また弾性チューブを備えた内容物注出用スパウトをバッグ本体にチューブ固定用リングにより取り付ける1工程で注出用部分が形成でき、この工程にあっては、内容物充填用部分がバッグ本体の同一側面にあることから、内容物充填用部分の設置と並行して行うことができ、これによってバッグの製造工程が簡略化されるようになどの実用的効果を奏することができる。
【0011】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るバッグインボックス用バッグの一実施例の要部を断面で示す説明図である。
【図2】一実施例を示す説明図である。
【図3】一実施例の注出用部分を示す説明図である。
【図4】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…バッグインボックス用バッグ
2…バッグ本体
6…弾性チューブ
8…筒部
8a…筒部に設けた凸部
9…液体注出用スパウト
10…チューブ固定用鍔付きリング
A…液体充填用部分
B…液体注出用部分
訂正の要旨 (1)訂正事項a
本件実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に、
「バッグ本体に、内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたバッグインボックス用バッグにおいて、
前記内容物充填用スパウトを着脱可能なキャップで覆い、前記内容物注出用スパウトは先端に筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを接続したことを特徴とするバッグインボックス用バッグ。」
とある記載を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、
「バッグ本体に、内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたバッグインボックスにおいて、
前記内容物充填用スパウトと、該内容物充填用スパウトよりも小寸法にした前記内容物注出用スバウトとを相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設け、
前記内容物充填用スパウトを着脱可能なキャップで覆い、
前記内容物注出用スパウトは、先端に外周に突設した凸部を設けた筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを、前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有し、かつ、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径している鍔つきチューブ固定リングにより締め付け固定し、接続したことを特徴とするバッグインボックス用バッグ。」
と訂正する。
(2)訂正事項b
本件実用新案登録明細書の段落【0007】2行から8行の記載を、実用新案登録請求の範囲の減縮に伴う不明りょうな記載の釈明を目的として以下のように訂正する。
「【課題を解決するための手段】
本考案は、上記した課題を解決するためになされたもので、バッグ本体に、内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたバッグインボックスにおいて、前記内容物充填用スパウトと、該内容物充填用スパウトよりも小寸法にした前記内容物注出用スパウトとを相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設け、前記内容物充填用スパウトを着脱可能なキャップで覆い、前記内容物注出用スパウトは、先端に外周に突設した凸部を設けた筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを、前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有し、かつ、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径している鍔つきチューブ固定リングにより締め付け固定し、接続したことを特徴とするバッグインボックス用バッグを提供して、上記課題を解決するものである。」
(3)訂正事項c
本件実用新案登録明細書の段落【0009】13行と14行との間に、明りょうでない記載の釈明を目的として以下の文章を挿入する訂正をする。
「前記した内容物の充填・注出専用の充填用部分Aと注出用部分Bとは、図2に示すように、バッグ本体2の同一側面に相互に離間されて設けられているもので、したがって、これら部分をそれぞれ構成する内容物充填用スパウト3と、内容物注出用スパウト9とは、バッグ本体2の同一側面に相互に離間されて設置されていること、図2に示すとおりのものであり、内容物注出用スパウト9は、弾性チューブ6を接続するに足る寸法のものでよい点から、前記内容物充填用スパウトよりも小寸法になっている。そして、内容物注出用スパウト9の筒部8に嵌め付けた弾性チューブ6の一端を筒部8に締め付け固定する手段としてのチューブ固定用リング10は、前記したように前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有いていると共に前記弾性チューブの一端を締め付け固定する手段として、図1におけるチューブ固定リング10の図示断面構造から明らかなように、筒部8の外周に突設した凸部8aを乗り越えて締め付けを確実にする下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径した形状とされ、締め付け操作を容易、確実に行えるようにするための鍔を備えている。」
(4)訂正事項d
本件実用新案登録明細書の段落【0010】の3行から10行の記載を、実用新案登録請求の範囲の減縮に伴う不明りょうな記載の釈明を目的として次のとおり訂正する。
「内容物充填用スパウトと内容物注出用スパウトとを設けたものであって、前記内容物充填用スパウトと、該内容物充填用スパウトよりも小寸法にした前記内容物注出用スパウトとを相互に離間させてバッグ本体の同一側面に設け、前記内容物充填用スパウトを着脱可能なキャップで覆い、前記内容物注出用スパウトは、先端に外周に突設した凸部を設けた筒部を有して、該筒部に、一端が閉塞された弾性チューブを、前記筒部の外周に突設した前記凸部の外径よりやや大きい内径を有し、かつ、下面の開口内縁がバッグ本体側に向けてテーパー状に拡径している鍔つきチューブ固定リングにより締め付け固定し、接続したことを特徴とするものである。これによって、弾性チューブの接続用品として従来のスパウトとの対応を図ることなく形状の小さな成形品を内容物注出用スパウトに採用することができ、素材コストを削減させることができるようになる。また弾性チューブを備えた内容物注出用スパウトをバッグ本体にチューブ固定用リングにより取り付ける1工程で注出用部分が形成でき、この工程にあっては、内容物充填用部分がバッグ本体の同一側面にあることから、内容物充填用部分の設置と並行して行うことができ、これによってバッグの製造工程が簡略化されるようになどの実用的効果を奏することができる。」
審決日 2000-11-17 
出願番号 実願平3-108161 
審決分類 U 1 41・ 121- Y (B65D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 溝渕 良一  
特許庁審判長 佐藤 雪枝
特許庁審判官 祖山 忠彦
船越 巧子
登録日 1997-11-21 
登録番号 実用新案登録第2564143号(U2564143) 
考案の名称 バッグインボックス用バッグ  
代理人 小南 明也  
代理人 秋元 輝雄  
代理人 小南 明也  
代理人 秋元 輝雄  
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