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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B23B
管理番号 1036009
審判番号 審判1999-17619  
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-10-28 
確定日 2001-03-15 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 61823号「NC旋盤」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 5月23日出願公開、実開平 7- 27701]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願は、平成5年10月22日の出願であって、その請求項1に係る考案(以下「本願考案」という。)は、平成11年11月26日付け手続補正書により補正された明細書及び願書に最初に添付した図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認められる。
「主軸先端にワークを保持するチャックを備えたNC旋盤の主軸の前方に前後左右に移動できるスライドを設け、前記ワークを旋削加工するバイトを取付ける取付け治具と、及び前記NC旋盤のチャックに保持されたワークを超仕上加工する超仕上装置を前記共通のスライドに設けたことを特徴とするNC旋盤。」

2 これに対して、前置審査における拒絶の理由に引用した実願昭59-108258号(実開昭61-24102号)のマイクロフィルム(以下「刊行物」という。)には、次の事項が記載されている。
a「第1図は、この実施例の数値制御工作機械の要部を示している。この数値制御工作機械は、・・・(中略)・・・この主軸(1)の先端に取付けられたチャック(2)と、上記ベッド上に上記主軸台に対向して設置されX-Y方向の位置決め可能なX-Yテーブル(3)と、このX-Yテーブル(3)上にX方向に沿って4個搭載された工具保持機構(4),(5),(6),(7)・・・(中略)・・・とからなっている。しかして、チャック(2)は、円柱状の加工物(8)を同軸に握持するように設けられている。さらに、工具保持機構(4),(5)には、加工物(8)の外周面の旋削、端面の切削等を行うための切削工具(9),(10)が保持されている。他方、工具保持機構(6),(7)には、切削後加工物(8)の縁端部に生じているバリ(11)・・・(第2図参照)を除去するためのワイヤブラシを本体とするバリ取り工具(12),(13)が保持されている。」(第3頁第4行-第4頁第4行)
b「さらに、上記実施例は、単軸NC旋盤を例示しているが、多軸NC旋盤あるいはマシニングセンタに切削工具とバリ取り工具とを同時に保持させるようにしてもよい。」(第5頁第19行-第6頁第3行)
また、第1図より、主軸(1)の前方にX軸方向及びY軸方向に移動できるX-Yテーブル(3)が設けられていることは明らかである。
以上のとおりであるので、刊行物には、次の考案が記載されていると認められる。
主軸1の先端に加工物8を保持するチャック2を備えたNC旋盤の主軸1の前方にX軸方向及びY軸方向に移動できるX-Yテーブル3を設け、前記加工物8を旋削加工する切削工具9,10を取付ける工具保持機構4,5及び前記NC旋盤のチャック2に保持された加工物8のバリ取りをするバリ取り工具12,13を前記共通のX-Yテーブル3上に設けたNC旋盤。

3 そこで、本願考案と刊行物に記載された考案とを対比すると、刊行物に記載された考案の「加工物8」、「X軸方向及びY軸方向に移動できるX-Yテーブル3」、「切削工具9,10」及び「工具保持機構4,5」は、それぞれ、本願考案の「ワーク」、「前後左右に移動できるスライド」、「バイト」及び「取付け治具」に相当し、また、引用例に記載された考案の加工物のバリ取りをするバリ取り工具は、本願考案のワークを超仕上加工する超仕上装置と同様に仕上加工装置に属する点で共通するので、本願考案と引用例に記載された考案とは、「主軸先端にワークを保持するチャックを備えたNC旋盤の主軸の前方に前後左右に移動できるスライドを設け、前記ワークを旋削加工するバイトを取付ける取付け治具、及び前記NC旋盤のチャックに保持されたワークを仕上加工する仕上加工装置を前記共通のスライドに設けたNC旋盤」である点で一致するが、ワークを仕上加工する仕上加工装置が、本願考案では、ワークを超仕上加工する超仕上装置であるのに対して、引用例に記載された考案では、ワークのバリ取りをするバリ取り工具である点で相違する。
しかし、ワークを超仕上加工する超仕上装置は従来周知であり、また、ワークのバリ取りをするバリ取り工具もワークを超仕上加工する超仕上装置も共にワークを仕上加工する仕上加工装置である点で共通するので、上記引用例に記載された考案において、ワークのバリ取りをするバリ取り工具を、ワークを超仕上加工する超仕上装置に置き換えることは、当業者がきわめて容易に着想し得る程度のことにすぎない。
なお、本願考案においては、ワークを旋削加工するバイトを取付ける取付け治具及びワークを超仕上加工する超仕上装置を共通のスライドに単に設けただけで、そこに、ワークを旋削加工するバイトを取付ける取付け治具及びワークを超仕上加工する超仕上装置を共通のスライドに設けた点に伴う特異な構成は何も見出すことができないので、ワークを旋削加工するバイトを取付ける取付け治具及びワークを超仕上加工する超仕上装置を共通のスライドに設けた点に格別の技術的意義があるとすることはできない。

4 したがって、本願考案は、引用例に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるので、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2000-12-26 
結審通知日 2001-01-12 
審決日 2001-01-24 
出願番号 実願平5-61823 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (B23B)
最終処分 不成立    
前審関与審査官 和田 雄二間中 耕治  
特許庁審判長 小林 武
特許庁審判官 宮崎 侑久
中村 達之
考案の名称 NC旋盤  
代理人 戸島 省四郎  

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