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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F16K
管理番号 1036051
審判番号 不服2000-1859  
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-02-16 
確定日 2001-04-20 
事件の表示 平成 4年実用新案登録願第 56652号「逆止弁のシール構造」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 2月18日出願公開、実開平 6- 12879]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続の経緯・本願考案
本願は、平成4年7月21日の出願であって、本願の請求項1に係る考案は、平成10年1月30日付け、平成10年12月28日付け及び平成13年1月22日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、本願明細書の実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものと認める(以下「本願考案」という。)。
「相対向して配置され端面を有すると共に水の流通する貫通孔を形成する一対のジョイント管と、該ジョイント管を連結するナットと、前記両ジョイント管の前記端面に当接して挟持されるフランジ部を形成すると共に前記貫通孔と相対向する位置にシート座面を形成する弁シート部と、前記シート座面に当接係合する摺動弁部等を有する逆止弁のシール構造であって、前記フランジ部の外周には弾性体のゴムシート部が嵌着され、該ゴムシート部の前記ジョイント管と面接する表面が前記フランジ面より出っ張って形成され、該出っ張り量は、前記ナットによる前記ジョイント管同士の連結時に前記ジョイント管の面接部からの洩れを防止するに十分な圧縮代を有するものからなり、前記フランジ部の側面には前記ゴムシート部の圧縮代を規制するストッパが設けられることを特徴とする逆止弁のシール構造。」

2.引用刊行物及びその記載事項
これに対して、当審における平成12年11月10日付けで通知した拒絶の理由に引用した本願の出願前である昭和64年1月10日に日本国内において頒布された実願昭62-97368号(実開昭64-3164号)のマイクロフィルム(以下「第1引用例」という。)には、次の事項が記載されている。
「第1図乃至第4図において、1は円錐形又は楕円錐形に形成した先細篭形の弁本体であって、該弁本体1は多数の開口部1aを有し先端部を流入側に向けている。・・・2は弾性材料の帽子形の弁部材であって、該弁部材2は弁本体1の内側に装着してある。3は支承軸であり、4はばね部材、5は案内部材であって、支承軸3の先端部3aは弁部材2の先端部2aの内側に埋め込んで固定してあり、支承軸3の他端部3bは案内部材5の案内孔5aに流路方向に摺動自在に装着してある。」(第9頁13行?第10頁5行)
「該筺体1は・・・第2図乃至第4図に示す実施例では図に示したような断面コ字形の環状の弾性材料のガスケットであって、この弾性材料のガスケットである筺体6は、配管の1対のフランジ継手の間に挟んで配管に取付けられる。」(第10頁11?17行)
「1cは弁本体1を筺体(弁箱又は弾性材料のガスケット)6で保持するためのフランジである。」(第11頁1?3行)
上記記載と第1?4図の記載から、弁本体1の弁部材2との接触部はシート座面を形成しており、弾性材料のガスケットである筺体6は、フランジ1cと案内部材5のフランジ状の縁部から成るフランジ部を覆うように装着されているものと認められる。
また、上記配管が水の流通する貫通孔を有し、弁本体1の取り付けられる位置が該貫通孔内であることは当然であり、さらに、上記配管は該筺体6を間に挟んで取付ける一対のフランジ継手を有しているのであるから、配管自体も一対で、該配管を連結するフランジ継手が、筺体6を間に挟む端面を有していることも当然である。
したがって、第1引用例には
「相対向して配置され端面を有すると共に水の流通する貫通孔を形成する1対の配管と、該配管を連結するフランジ継手と、前記両配管の前記端面に当接して挟持されるフランジ部を形成すると共に前記貫通孔と相対向する位置にシート座面を形成する弁本体1と、前記シート座面に当接係合する弁部材2を有する逆止弁のシール構造であって、前記フランジ部の外周には弾性シール部材である筺体6が装着された逆止弁のシール構造。」が記載されているものと認める。
同じく、当審における平成12年11月10日付けで通知した拒絶の理由に引用した本願の出願前である平成2年6月22日に日本国内において頒布された特開平2-163571号公報(以下「第2引用例」という。)には、次の事項が記載されている。
「第2,3図に示すようにシートリング(2)は、その両側面が弁本体(1)よりも寸法(l)だけ外側方へ突出しており、この突出量(l)が配管時の圧縮代となって配管フランジとの間の密封性を確保する。」(第2頁左下欄13?17行)
第1?3図にはさらに、弁本体(1)のシートリング(2)に対向する部分の側面の縁部に突部が形成されており、該突部からのシートリング(2)の突出量が(l)となっていることが記載されている。
上記突出量(l)は配管時の圧縮代であるから、該突部がシートリング(2)の圧縮代を規制していること、すなわち圧縮代を規制するストッパとなっていることは明かである。
したがって、第2引用例には、
「弁本体(1)に弾性体のシートリング(2)が形成され、該シートリングの配管フランジと面接する表面が前記弁本体より出っ張って形成され、該出っ張り量は、配管フランジとの連結時に配管フランジの面接部からの洩れを防止するに十分な圧縮代(l)を有するものからなり、前記フランジ部の側面には前記ゴムシート部の圧縮代を規制するストッパが設けられた弁のシール構造。」が記載されているものと認める。

3.対比
本願考案と第1引用例記載の考案を対比すると、第1引用例記載の考案の「一対の配管」、「弁本体」、「弁部材」は、それぞれ本願考案の「一対のジョイント管」、「弁シート部 」「摺動弁部等」に相当するから、本願考案は第1引用例記載の考案と、
「相対向して配置され端面を有すると共に水の流通する貫通孔を形成する一対のジョイント管と、該ジョイント管を連結する部材と、前記両ジョイント管の前記端面に当接して挟持されるフランジ部を形成すると共に前記貫通孔と相対向する位置にシート座面を形成する弁シート部と、前記シート座面に当接係合する摺動弁部等を有する逆止弁のシール構造であって、前記フランジ部の外周には弾性シール部材が装着された逆止弁のシール構造。」
で一致し、以下の相違点で相違している。
《相違点》
(1)本願考案では、ジョイント管を連結する部材としてナットを用いているのに対し、第1引用例記載の考案では、フランジ継手を用いている点。
(2)本願考案のフランジ部は、弁シート部のフランジ部で構成されているのに、第1引用例記載の考案のフランジ部は、フランジ1cと案内部材5のフランジ状の縁部から構成されている点。
(3)本願考案では弾性シール部材として弾性体のゴムシートを用い、これをフランジ部の外周に嵌着によって装着しているのに対し、第1引用例記載の考案の弾性シール部材は、弾性体のガスケットであって、フランジ部の外周にどのように装着されているのか不明である点。
(4)本願考案では、ゴムシート部のジョイント管と面接する表面が、フランジ面より出っ張って形成され、該出っ張り量は、ジョイント管同士の連結時にジョイント管の面接部からの洩れを防止するに十分な圧縮代を有するものからなり、フランジ部の側面にはゴムシート部の圧縮代を規制するストッパが設けられるのに対し、第1引用例記載の考案のガスケットは、そのようになっていない点。

4.相違点の検討
a)相違点(1)に関して
貫通孔と相対向する位置にシート座面を形成する弁シート部のフランジ部を、ジョイント管の端面に当接して挟持し、ナットで連結する技術は従来周知(例えば第1引用例で従来技術として引用された第6図の逆止め弁、又は実願昭59-23722号(実開昭60-134976号)のマイクロフィルム参照。)であるから、この技術を第1引用例の配管の連結に適用して、連結部材としてナットを用いることは、当業者であればきわめて容易に想到することができたものである。
b)相違点(2)に関して
弁体を構成する2個の部材のフランジを一緒に配管に挟持させる代わりに、これらを連結して1つにし、弁シート部のフランジ部を配管に挟持させることは、上記a)で周知技術として引用した各引用例にもみられるようにこれまた従来周知の技術であるから、配管に挟持されるフランジ部を弁シート部のフランジ部で構成することは、当業者であればきわめて容易に想到することができたものである。
c)相違点(3)に関して
弾性シール部材を弾性体のゴムシートで形成すること、部材を嵌着によって装着することは、それぞれ引用例を挙げるまでもなく慣用手段であるから、弾性シール部材として弾性体のゴムシートを用い、これを嵌着によって装着した点は、当業者であればきわめて容易に想到することができたものである。
d)相違点(4)に関して
弁本体に形成されたシートリングの配管と面接する表面を、前記弁本体の面より出っ張って形成し、該出っ張り量を、配管フランジとの連結時に配管フランジの面接部からの洩れを防止するに十分な圧縮代を有するものとし、フランジ部の側面にはゴムシート部の圧縮代を規制するストッパを設ける技術は、第2引用例に記載されており、第2引用例の技術は本願考案及び第1引用例の考案と同じ技術分野に属するものであるから、この技術を第1引用例のシール構造に適用することは、当業者であればきわめて容易に想到することができたものである。
そして、本願考案の効果も、上記引用例1,2に記載された考案、及び上記周知技術から、当業者がきわめて容易に予測しうる程度のものでしかない。

5.むすび
したがって、本願考案は、第1、第2引用例に記載された考案、及び上記周知技術に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるので、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
審理終結日 2001-02-16 
結審通知日 2001-02-20 
審決日 2001-03-07 
出願番号 実願平4-56652 
審決分類 U 1 8・ 121- WZ (F16K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川向 和実丸山 英行  
特許庁審判長 蓑輪 安夫
特許庁審判官 大島 祥吾
ぬで島 慎二
考案の名称 逆止弁のシール構造  
代理人 鈴木 晴敏  
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