ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B62D |
---|---|
管理番号 | 1039485 |
審判番号 | 審判1999-9657 |
総通号数 | 19 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2001-07-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-06-10 |
確定日 | 2001-06-20 |
事件の表示 | 平成5年実用新案登録願第20244号「車両のピラー補強構造」拒絶査定に対する審判事件〔平成6年10月11日出願公開、実開平6-72787、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の考案は、実用新案登録すべきものとする。 |
理由 |
本願は、平成5年3月26日の出願であって、その請求項1?3に係る考案は、実用新案登録請求の範囲に記載された以下の事項によりそれぞれ特定されるものと認める。 【請求項1】 ピラーインナとピラーアウタとで閉断面に構成され上端部をルーフサイドレールに固着し下端部をサイドシルに固着した車両のセンタピラーにおいて、該センタピラーの内部に設けられる補強用のリンフォースメントを、該センタピラー下方の所定位置より上側のリンフォースメントと下側のリンフォースメントとに分割し、上側のリンフォースメントの下端と下側のリンフォースメントの上端との間に所定の隙間を形成して、該隙間によりセンタピラーの下方部位置に側面衝突に対する強度的最弱部を構成したことを特徴とする車両のピラー補強構造。 【請求項2】 請求項1に記載の車両のピラー補強構造において、上側のリンフォースメント下端部と下側のリンフォースメント上端部との間を側面衝突時の荷重入力方向にほぼ直交する面をなす平板体よりなる連結材で連結したことを特徴とする車両のピラー補強構造。 【請求項3】 請求項1又は2に記載の車両のピラー補強構造において、ピラーアウタ又はピラーインナに、上側のリンフォースメントの下端と下側のリンフォースメントの上端との間の隙間にほぼ沿うビード部を形成したことを特徴とする車両のピラー補強構造。 したがって、本件各考案は、「上側のリンフォースメントの下端と下側のリンフォースメントの上端との間に所定の隙間を形成して、該隙間によりセンタピラーの下方部位置に側面衝突に対する強度的最弱部を構成したこと」(以下、「特徴構成」という。)を少なくとも構成の一部とすることにより、段落番号【0005】に記載の「・・側面衝突時にセンタピラーは、センタピラーの下方の所定位置に積極的に構成した強度的最弱部で内側へ折れ曲がり、乗員に衝撃を与える虞れのあるセンタピラーの中央部分と上方部分とは部分的に折れ曲がることなく全体としてほぼ均一に内側へ変位し、且つその変位量は比較的少なく、・・」という作用により、段落番号【0017】に記載の「・・側面衝突時センタピラーはその下方部位置の強度的最弱部で内側に折れ曲がり、乗員に衝撃を及ぼす虞れのあるセンタピラーの中央部分及び上方部分は局部的な内方突出がなく全体的にほぼ均一に内側へ変位し、且つその変位量も少なく、乗員に与える衝撃を最小限に抑制することができるもので、構造簡単且つコスト低廉なること・・」という効果を奏するものである。 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された実願平3-72226号(実開平5-16559号)のCD-ROMには、ピラーインナとピラーアウタとで閉断面に構成され上端部をルーフサイドレールに固着し下端部をサイドシルに固着した車両のセンタピラーにおいて、該センタピラーの内部に設けられる補強用のリンフォースメントを、該センタピラー下方の所定位置より上側のリンフォースメントと下側のリンフォースメントとに分割し、上側のリンフォースメントの下端と下側のリンフォースメントの上端との間に所定の隙間を形成するものが、第9図等に開示されており、側面衝突に対する強度的最弱部が隙間により構成されるとしても、同隙間の位置は、センタピラーの中間よりは上方部の位置であり、上記特徴構成を開示するものではなく、同じく、引用された実願昭60-79996号(実開昭61-196186号)のマイクロフィルム、実願平2-23637号(実開平3-113285号)のマイクロフィルム及び関連する文献とされる特開平4-8677号公報の何れにも、センターピラーの強度的最弱部の位置を特定する技術は開示されていない。 そして、本件各考案は、上記特徴構成を有することにより上記の効果を奏するものであって、その位置の選定を設計上の事項とすることはできず、本件各考案の構成の一部を開示しない各文献をもって、本件各考案を当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2001-06-01 |
出願番号 | 実願平5-20244 |
審決分類 |
U
1
8・
121-
WY
(B62D)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山内 康明 |
特許庁審判長 |
粟津 憲一 |
特許庁審判官 |
鈴木 久雄 ぬで島 慎二 |
考案の名称 | 車両のピラー補強構造 |
代理人 | 白濱 國雄 |
代理人 | 大房 孝次 |