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審決分類 審判 全部申し立て   B65B
管理番号 1039505
異議申立番号 異議1999-73710  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-07-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-09-24 
確定日 2001-02-24 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2592514号「長尺物箱詰め装置」の請求項1ないし4に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2592514号の請求項1ないし4に係る実用新案登録を維持する。
理由 <1>手続の経緯
本件実用新案登録第2592514号は、平成5年3月16日に実用新案登録出願され、平成11年1月14日に実用新案の設定の登録がなされ、その後、川井正より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由が通知され、その指定期間内に訂正請求(後日取り下げ)がなされ、再度の取消理由が通知され、その指定期間内に手続補正書(訂正請求書)(後日取り下げ)が提出され、再々度の取消理由が通知され、その指定期間内である平成12年10月31日に上記訂正請求および手続補正書(訂正請求書)は取り下げられ、新たに登録異議意見書の提出とともに、訂正請求がなされたものである。


<2>訂正の適否について

<2-1>訂正の内容
実用新案登録権者が求めている訂正の内容は、下記の通りである。
A:
実用新案登録請求の範囲の請求項1の
「【請求項1】
並列に整列した2群の各長尺青果物を長尺物箱詰め手段で長手方向に集束して箱体内部に箱詰めする長尺物箱詰め装置であって、
上記長尺物箱詰め手段に、該長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合する長尺物重合手段を設けた長尺物箱詰め装置。」
を、
「【請求項1】
並列に整列した2群の各長尺青果物を長尺物箱詰め手段で長手方向に集束して箱体内部に箱詰めする長尺物箱詰め装置であって、
上記長尺物箱詰め手段に、該長尺物箱詰め手段による長尺青果物の保持が、箱詰め時に2群の各長尺青果物の対向側端部が互いに入り込む状態に、2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合する長尺物重合手段を設け、
上記長尺物箱詰め手段が、長尺物重合手段による2群の各長尺青果物の上記重合を、この状態のまま箱体内に一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする長尺物箱詰め装置。」
に訂正する。

B:段落【0005】の
「【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の長尺箱詰め装置は、並列に整列した2群の各長尺青果物を長尺物箱詰め手段で長手方向に集束して箱体内部に箱詰めする長尺物箱詰め手段であって、上記長尺物箱詰め手段に、該長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合する長尺物重合手段を設けた長尺物箱詰め装置であることを特徴とする。」
を、
「【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の長尺箱詰め装置は、並列に整列した2群の各長尺青果物を長尺物箱詰め手段で長手方向に集束して箱体内部に箱詰めする長尺物箱詰め手段であって、
上記長尺物箱詰め手段に、該長尺物箱詰め手段による長尺青果物の保持が、箱詰め時に2群の各長尺青果物の対向側端部が互いに入り込む状態に、2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合する長尺物重合手段を設け、
上記長尺箱詰め手段が、長尺重合手段による2群の各長尺青果物の上記重合を、この状態のまま箱体内に一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする長尺物箱詰め装置であることを特徴とする。」
に訂正する。

C:段落【0009】?【0012】の
「【0009】
【作用】
請求項1記載の長尺物箱詰め装置は、長尺物箱詰め手段を駆動して、並列に整列された2群の各長尺青果物を長手方向に集束すると共に、長尺物重合手段を駆動して、並列に保持する2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合して保持し、この状態のまま箱体内部に箱詰めすることで、箱詰めしたとき各長尺青果物の対向側端部が互い違いに入り込み、同各長尺青果物の間に不必要な隙間ができるのを防止する。
【0010】
請求項2記載の長尺物箱詰め装置は、上記の請求項1記載の作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同各長尺青果物の対向側端部が長手方向に平行して上下段違いに重合される高さ位置に保持構造で保持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した状態のまま箱詰めする。
【0011】
請求項3記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載のの作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同各長尺青果物の重心より一方に偏心した位置を吸着構造で吸着保持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した状態のまま箱詰めする。
【0012】
請求項4記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載の作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同長尺青果物の対向側端部が上下段違いに重合される適宜姿勢に支持構造で支持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合したまま箱詰めする。」
を、
「【0009】
【作用】
請求項1記載の長尺物箱詰め装置は、長尺物箱詰め手段を駆動して、並列に整列された2群の各長尺青果物を長手方向に集束すると共に、長尺物重合手段を駆動して、並列に保持する2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合して保持し、この状態のまま箱体内部に一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めすることで、箱詰めしたとき各長尺青果物の対向側端部が互い違いに入り込み、同各長尺青果物の間に不必要な隙間ができるのを防止する。
【0010】
請求項2記載の長尺物箱詰め装置は、上記の請求項1記載の作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同各長尺青果物の対向側端部が長手方向に平行して上下段違いに重合される高さ位置に保持構造で保持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した状態のまま一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする。
【0011】
請求項3記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載のの作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同各長尺青果物の重心より一方に偏心した位置を吸着構造で吸着保持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した状態のまま一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする。
【0012】
請求項4記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載の作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同長尺青果物の対向側端部が上下段違いに重合される適宜姿勢に支持構造で支持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合したま
ま一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする。」
に、訂正する。

<2-2>訂正の目的の適否、新規事項の有無および拡張・変更の有無
上記訂正Aは、訂正前の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された
「該長尺物箱詰め手段が保持する」を
「該長尺物による箱詰め手段による長尺物の保持が、箱詰め時に2群の各長尺青果物の対向側端部が互いに入り込む状態に、」に、
「長尺物重合手段を設けた」を、
「長尺物重合手段を設け、上記長尺物箱詰め手段が、長尺物重合手段による2群の各長尺青果物の上記重合を、この状態のまま箱体内に一括収納し、箱詰め位置で一括解除して箱詰めする」に、
各々限定するものであり、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当するとともに、長尺物箱詰め装置の構成を明瞭にするものであって、明瞭でない記載の釈明に該当する。
そして、訂正しようとする事項は、訂正前の明細書の欄【0010】?【0013】【0033】【0043】【0046】および図3、図6、図8、図9に記載されていた事項であり、この訂正により実質上実用新案登録請求の範囲を拡張、または変更するものではない。

また、上記訂正B?Cは、上記訂正Aに対応して明細書の記載を整合させようとするものであり、訂正Aに伴う明瞭でない記載の釈明に該当し、訂正Aと同様に訂正前の明細書に記載された事項の範囲内の訂正であり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張または変更するものではない。


<2-3>独立登録要件の判断
<2-3-1>訂正後の考案
訂正後の請求項1に係る考案は、訂正明細書の請求項1に記載された下記のとおりのものである(以下、「訂正後の考案1」という)。
「【請求項1】
並列に整列した2群の各長尺青果物を長尺物箱詰め手段で長手方向に集束して箱体内部に箱詰めする長尺物箱詰め装置であって、
上記長尺物箱詰め手段に、該長尺物箱詰め手段による長尺青果物の保持が、箱詰め時に2群の各長尺青果物の対向側端部が互いに入り込む状態に、2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合する長尺物重合手段を設け、
上記長尺物箱詰め手段が、長尺物重合手段による2群の各長尺青果物の上記重合を、この状態のまま箱体内に一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする長尺物箱詰め装置。」


<2-3-2>引用例
当審において通知した取消理由に引用した刊行物は、以下のとおりである。
刊行物1:特開昭64-84806号公報(異議申立人が提示した甲第1号証)
刊行物2:実願平1-144374号(実開平3-81803)のマイクロフィルム
(異議申立人が提示した甲第2号証)

刊行物1および2には、図面を引用して次のとおり記載されている。

<刊行物1>特開昭64-84806号公報
a:
「次々にずらし重ねした一列状にかつ列の長さを函詰めすべき函の一方の内寸法(縦幅)よりも小さくして複数列状に供給される包装パックを、包装パックの列と同数で包装パックの列の間隔と同じ間隔でそれぞれの真上に位置される包装パック吸引手段で吸引して吊上げ、
次いで、隣接する列同士の包装パックを互いに接近させても干渉しない高さに段違いになるように持上げ、
次いで、全ての列の包装パックを等間隔に接近させ、その際、段違いに互いに隣接する列同士の包装パックが平面的に重なり、かつ両側の列の包装パックの外外の距離が函詰めすべき函の他方の内寸法(横幅)よりも小さくなるようにし、もって、全ての包装パックを段違いに接近した状態とし、
次いで、最下段の包装パックを落下してもバウンドが生じないように落下高さにするか落下高さゼロになるようにして、これら全ての包装パックを函内に位置させ、
次いで、下段から順に包装パックの吸引を解いていき、かつその際、二段目以降は、最下段の包装パックと略同一レベルに位置させてから上記吸引を解くようにし、これにより、一回の収容を終えて、段違いに接近した全ての包装パック吸引手段を函より退出してから元の間隔が開いた状態にし、
以後、上記の工程を所要回数繰替えして函詰め完了することを特徴とする包装パックの函詰方法。」
(特許請求の範囲)
b:
「<技術分野>
本発明は、裏表の中央部が膨らみ周囲が薄く持ち上がっている包装パック、例えば、ポテトチップ等の食品あるいはゼムクリップ等の非食品を製袋充填包装もしくは給袋充填包装により包装された包装パックをダンボール函に隙間なく函詰めするのに好適な包装パックの函詰方法に関する。」
(第1頁右下欄第16行?第2頁左上欄第2行)
c:
「<従来技術>
ポテトチップを入れた包装パックは、ポテトチップが潰れないように空気が封入されているので、裏表の中央部が膨らみ周囲が薄くかつ持上がっている。
このような形態の包装パックを段ボール函内に積重ねようとすると、包装パック間に無駄な空間を有することになり、積ずれを起こし、函詰め効率が悪いものとなり、ひいては、輸送効果も悪いものとなる。」
(第2頁左上欄第3?12行)
d:
「<発明の目的>
本発明は、上述した点に鑑み案出したもので、包装パックが次々にずれて重なり一列をなすとともに、列と列も一部重なり、函詰め効率が高い函詰めが機械詰めとして実現できる包装パックの函詰め方法を提供することを目的としている。」
(第2頁右上欄第6?11行)
e:
「<第二実施例・・・第3図、第4図(a)?(g)>
先ず、包装パックの函詰装置の構成を第3図を参照して説明する。
函Hの真上に二列の包装パックPa、Pbを載置して移動する可動テーブル5がある。二列の包装パックPa、Pbは、二つの包装パック吸引手段1aと1bによって吸引把持される。
左の包装パック吸引手段1aは、上端をフレキシブル管104と接続された吸引パイプ105と、吸引パイプ105の下端に連通接続された吸引ボックス106と、吸引ボックス106の下面に設けられた蛇腹管のようなゴム製の吸引パッド107とからなり、吸引パッド107が左の列の包装パックPaの真上に位置される。
右の包装パック吸引手段1bは、吸引ボックス106と吸引パッド107を有し、フレキシブル管108により吸引ボックス106が吸引パイプ105と連通接続され、吸引パイプ105に上端を枢支されたガイド板109に上下に案内される昇降板111により吸引ボックス106が支持され、ガイド板109を揺動するプッシャー110の伸張により吸引パッド107が左の吸引パッド107に対して離れ右の列の包装パックPbの真上に位置され、さらに、昇降板111を上下動させるプッシャー112の伸張により右の吸引パッド107が左の吸引パッド107に一致したレベルになる。左右の包装パック吸引手段1a、1bは、吸引パイプ105が昇降手段6により昇降されることにより、左右の吸引パッド107が間隔を包装パックPa、Pbの間隔に合わせた状態で下降され、左右の吸引パッド107が包装パックPa、Pbを吸引するようになっている。」
(第3頁右下欄第8行?第4頁左上欄第19行)
f:
「次に作用を第4図(a)?(g)を参照して説明する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
第4図(c)は、昇降手段6が上昇駆動して左右の吸引パッド107が包装パックPa、Pbを吊上げるとともに、プッシャー112が縮小して右列の包装パックPbが左列の包装パックPaよりも高く吊上げた所である。
第4図(d)は、可動テーブルが後退するとともにプッシャー110が縮小して右列の包装パックPbを左列の包装パックPaに段違いに接近させ、もって二列の包装パックPa、Pbが後退した可動テーブルの元の位置の下に供給される函Hの真上に位置した所である。
第4図(e)は、昇降手段6が下降駆動して包装パックPa、Pbを函H内に位置させた所である。
第4図(f)は、弁113が閉じて包装パックPaの吸引を解いて四段目に積重ね、次いで、プッシャー112が伸張して右の吸引パッド107が左の吸引パッド107と同じレベルになった所である。
第4図(g)は、弁114が閉じて包装パックPbの吸引を解いて四段目に積重ねた後、昇降手段6が上昇して左右の包装パック吸引手段1a,1bが函Hより上方に退出した所である。
こうして、同じ段に先に積重ねられる左列の包装パックPaに、右列の包装パックPbが若干上に乗るように積重ねられる。
・・・・・・・・・・・・・
<発明の効果>
以上説明してきたように、本発明の包装パックの函詰め方法によれば、
包装パックが次々にずれて重なり一列をなすとともに、列と列も一部重なり、函詰め効率が高い函詰めが機械詰めとして実現でき、初期の目的を達成できる。」
(第4頁右上欄第7行?右下欄第15行)


<刊行物2>実願平1-144374号(実開平3-81803)のマイクロフィルム
g:
「(1)吸着子で吸着した果菜物を箱体に箱詰する果菜物の箱詰装置であって、
前記吸着子の一側に果菜物の吸着姿勢を傾斜させる傾斜附与手段を並設した
果菜物の箱詰装置。」
(実用新案登録請求の範囲(1))
h:
「(イ)産業上の利用分野
この考案は、例えば、キウイフルーツ、茄子等の少々楕円形でやや長さを有する果菜物の箱詰装置に関する。」
(第1頁第16?19行)
i:
「従来、柿、桃、トマト等の箱詰装置があり、これらは平面的に升目状、または千鳥状に箱詰めされていた。
(ハ)考案が解決しようとする問題点
しかし、箱詰めの意匠観を上げて販売を促進する場合、上述のように平面的に箱詰めでは意匠観を上げることができないので、果菜物を傾斜状に箱詰めする必要がある。
そこでこの考案は、傾斜状に箱詰めすることが容易な果菜物の箱詰装置の提供を目的とする。」(第2頁第1?10行)
j:
「上述の実施例によれば、キウイCを傾斜状にして箱体22に箱詰めする・・・・・・・ さらに、キウイCの傾斜は吸着子21…が吸着する時に傾斜附与手段である当り片35が行うと、キウイCの整列時に該キウイCを傾斜させる構成が不要であって、簡単な構成で実行できる。
さらにまた、キウイCの収納姿勢が傾斜するようにした敷物54を箱体22の底部に敷設した場合は、単にキウイCを収納しただけで、傾斜状にキウイCを箱詰することができ、また、前述のように吸着子21…で傾斜状に吸着保持したキウイCを収納しても、その傾斜状の姿勢を確実に保持して収納することができ、構造が簡単である。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
また、傾斜状の箱詰装置を敷物54によって維持しているが、枕状の保持具を箱体22底部に敷設してもよく、あるいはキウイCの一部を重ねて傾斜を維持してもよい。」
(第13頁第10行?第14頁第15行)

<2-3-3>訂正後の考案1について
刊行物1記載の考案と訂正後の考案1とを対比すると、
刊行物1には、
次々にずらし重ねて一列状にした包装パックの複数列を函詰めする装置の実施例として、二列の包装パックPa、Pbを保持し、その対向側端部を上下段違いに重合するようにする手段(第4図a,b参照)、および、その手段で函体内に一括収納し、函詰め段位置で下から順に保持を解除する点、が示されているから、両者は、
「並列に整列した2群の対象物を箱詰め手段で箱体内部に箱詰めする箱詰め装置であって、上記箱詰め手段に、2群の各対象物の対向側端部を上下段違いに重合する重合手段を設け、上記箱詰め手段が、上記重合を、この状態のまま箱体内に一括収納し、箱詰め段位置で保持を解除して箱詰めする箱詰め装置」
の点で共通しているが、次の3点で相違する。

<相違点1>
箱詰め装置により箱詰めされる対象物が、訂正後の考案1においては「長尺青果物」であるのに対し、刊行物1記載の考案においてはポテトチップ等の食品あるいはゼムクリップ等の非食品の「包装パック」で、例えば「ポテトチップを入れた包装パックは、ポテトチップが流れないように空気が封入されているので、表裏の中央部が膨らみ周囲が薄くかつ持上がっている」(記載b)という形状である、
<相違点2>
訂正後の考案1の箱詰め装置においては、箱詰め手段による対象物の保持が「箱詰め時に2群の各長尺青果物の対向側端部が互いに入り込む状態に」2群の各対象物の対向側端部を上下段違いに重合する重合手段を設ける、構成であるが、
刊行物1記載の函詰装置においては、ずらし重ねた一列状の包装パック2列を列ごとに保持手段で一括保持し、該包装パックの列同士がさらに平面的に重なるように重合手段で段違いにして「全ての包装パックを段違いに接近した状態」に保持する構成である。
<相違点3>
訂正後の考案1の箱詰装置においては、箱詰め段位置での解除は「一括解除」であるが、刊行物1記載の考案においては、「下段から順に」包装パックの保持(吸引)を解いていくもので、「その際、二段目以降は、最下段の包装パックと略同一レベルに位置させてから上記吸引を解くように」(記載a)する構成である。

上記相違点について検討すると、刊行物1記載の函詰装置は、訂正後の考案1とは、対象物も、装置自体も異なるものである。すなわち、刊行物1に記載された各包装パックは、長尺物ということはできず、形状も不揃いではなく、また、水平にしたとき中央部に対して側端部の高さは小さいが、平面視すると、側端部は中央部と同じ長さを有し、次々にずらし重ねて一列状としたとき、各包装パックの側端部は一直線状になり、二列の包装パックPa,Pbの各包装パックは「対向側端部が互いに入り込む状態」とはなり得ないものであるから、両者は考案の目的も、その手段も、全く相違するもので、訂正後の考案1は、刊行物1記載の考案から当業者がきわめて容易に想到しうる構成とはいうことができない。

また、刊行物2には、並列に整列した果菜物を箱詰めする装置が記載され、「キウイフルーツ、茄子などのやや長さを有する果菜物」の記載はあるが、その箱詰装置において上記相違点2、3に係る構成については、何も記載されてなく、刊行物1および刊行物2記載の考案からも、訂正後の考案1を当業者がきわめて容易に想到しうるとはいうことができない。

そして、訂正後の考案1は、上記構成により「並列に整列された2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した保持姿勢で箱詰めするので、等階級別に選別された各長尺青果物の長さが不揃いであっても、箱体内部に収納したときに各長尺青果物の対向側端部が互い違いに入り込むため、従来例のように各長尺青果物の間に不必要な隙間ができたりせず、所定サイズに形成された箱体内部に対して2群の各長尺青果物を並列に整列して箱詰めすることができる。且つ、2群の各長尺青果物を互いに密着させて箱詰めするため、運搬時に於いて長尺青果物が衝突又は擦合うことがなくなり長尺青果物の商品価値が損なわれるのを防止できると共に、箱体内部の収納スペースを有効に活用した箱詰め作業が行える」(段落【0013】)、という刊行物1および2記載の考案にはない顕著な効果を奏するものである。

そうしてみると、訂正後の考案1は、刊行物1、または刊行物1および2に記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案することができたものということはできないから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものとすることはできない。

他に訂正後の考案1が実用新案登録出願の際、独立して実用新案登録を受けることができないとする理由を発見しない。

<2-4>むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第2項ないし第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。



<3>実用新案登録異議についての判断
<3-1>本件考案
本件の請求項1?4に係る考案は、上記の訂正が認められるので、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1?4に記載されたとおりのものである。
<3-2>申立ての理由の概要
異議申立人 川井正は、
甲第1号証:特開昭64-84806号公報(上記刊行物1)
甲第2号証:実願平1-144374号(実開平3-81803号公報)のマイクロフィルム(上記刊行物2)
を提出し、本件実用新案登録の請求項1?4に係る考案は、本件出願前に国内において頒布された刊行物である甲第1号証に記載の考案と同一、もしくは甲第1?2号証記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案することができたものであるから、実用新案法第3条第1項第3号に該当し、または、第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができず、本件請求項1?4に係る実用新案登録は取り消されるべきである旨、主張している。

<3-3>証拠
異議申立人が提出した甲第1?2号証に記載される事項は、前記の「<2-3-2>引用例」において検討したとおりである。

<3-4>判断
前記<2-3>独立登録要件の判断において検討したように、本件の請求項1に係る考案は、甲第1号証、または甲第1?2号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案することができたということはできない。
また、上記検討結果を考慮すれば、甲第1号証記載の考案と同一であるともいうことはできない。
さらに、本件の請求項2?4に係る考案は、請求項1を引用しているので、同様の理由により、甲第1号証記載の考案と同一であるとはいうことができず、また、甲第1号証、もしくは甲第1?2号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案することができたということはできない。

これに対して、異議申立人は、
本件請求項1に係る考案と甲第1号証記載の考案との相違点は、「技術的構成において実質的には箱詰めする対象物が異なるのみであ」り、「甲第1号証記載の考案は、本件請求項1の考案と同様に、端部の薄い(細い)2群の物品間に無駄な空間ができないようにして箱詰め効率を高めるという課題を有していることからして、甲第1号証に記載の考案を長尺青果物の箱詰装置として用いることは当業者であれば、何らの困難性もなく、きわめて容易に想到し得るものであ」り、また、甲第2号証には、「茄子(長尺青果物)やキウイフルーツ等の果菜物の箱詰装置において複数列の各果菜物を箱詰め手段により傾斜状態で保持して箱詰めすることが記載されていると共に、果菜物の一部を重ねて箱詰めすることも記載」されているから、「従って、当業者であれば、甲第2号証に記載の茄子等の長尺青果物の箱詰装置の考案に、甲第1号証に記載の考案を組み合せることで本件請求項1?4の考案にきわめて容易に到達できるものであ」り、同じように、請求項2?4記載の考案も刊行物1および2記載の考案から当業者がきわめて容易に想到し得るものである、 と、主張する、

しかしながら、甲第1号証記載の考案の対象物を単に甲第2号証記載の考案の「やや長さを有する果菜物」にしても、甲第1号証に上記相違点2および3についての記載がないのであるから、本件の請求項1記載の箱詰装置にはなり得ない。
また、甲第2号証記載の手段を甲第1号証記載の箱詰装置に適用しても、本件の請求項1記載の箱詰装置にはなり得ない。すなわち、甲第2号証記載の箱詰装置における複数列の各果菜物を箱詰め手段により「傾斜状態で保持して箱詰めする」「果菜物の一部を重ねて箱詰めする」は、箱詰め手段による対象物の保持が「箱詰め時に2群の各長尺青果物の対向側端部が互いに入り込む状態に」2群の各対象物の対向側端部を上下段違いに重合する重合手段を設けることを意味していないし、示唆もしていない。
そうしてみると、当業者といえども甲第1および2号証記載の考案から訂正後の請求項1に係る考案をきわめて容易に想到しうるとはいうことができない。
したがって、異議申立人の主張を採用することはできない。


<3-5>むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立の理由および証拠によっては、本件請求項1?4に係る実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1?4に係る実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、特許法の一部を改正する法律(平成6年改正法)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、上記のとおりに決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
長尺物箱詰め装置
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
並列に整列した2群の各長尺青果物を長尺物箱詰め手段で長手方向に集束して箱体内部に箱詰めする長尺物箱詰め装置であって、
上記長尺物箱詰め手段に、該長尺物箱詰め手段による長尺青果物の保持が、箱詰め時に2群の各長尺青果物の対向側端部が互いに入り込む状態に、2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合する長尺物重合手段を設け、
上記長尺物箱詰め手段が、長尺物重合手段による2群の各長尺青果物の上記重合を、この状態のまま箱体内に一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする
長尺物箱詰め装置。
【請求項2】
前記長尺物重合手段を、前記長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物が長手方向に平行して上下段違いに重合される高さ位置に保持する保持構造で構成した
請求項1記載の長尺物箱詰め装置。
【請求項3】
前記長尺物重合手段を、前記長尺物箱詰め手段が保持する各長尺青果物の重心より一方に偏心した位置を吸着保持する吸着構造で構成した
請求項1記載の長尺物箱詰め装置。
【請求項4】
前記長尺物重合手段を、前記長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物が上下段違いに重合される適宜姿勢に支持する支持構造で構成した
請求項1記載の長尺物箱詰め装置。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、例えば、胡瓜、人参、長芋、長茄子等の長尺青果物を機械的に箱詰めするために用いられる長尺物箱詰め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例のような胡瓜を箱詰めする方法としては、例えば、生産者側から持込まれる多数本の各胡瓜K…を等階級別に選別処理し、同一等階級の各胡瓜…を複数人の作業者が手で1本ずつ保持して、予め段ボール箱B内に敷設された包装袋Pに2群の各胡瓜K…を並列に整列して箱詰めする箱詰め方法がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上述のように2群の各胡瓜K…を箱詰めする場合、各胡瓜K…の商品価値が損なわれないように1本ずつ作業者の手で箱詰めしなければならず、胡瓜Kの箱詰め作業に手間及び時間が掛るという問題点を有している。例えば、図6に示すように、箱詰め機4を構成する各吸着パッド42…で2群の各胡瓜K…を吸着保持して箱詰めすることで、上記問題点を解決することができるが、各胡瓜K…の長さに不揃いがある場合、2群の各胡瓜K…を並列に整列した状態のまま箱詰めすると、各胡瓜K…の対向側端部に隙間ができる。この為、運搬時に生じる振動で各胡瓜K…の長手側端部が互いに衝突又は擦れ合い、胡瓜Kの表面に付いた突起が剥がれ落ちたり、胡瓜Kの表面に打ち傷や擦り傷等が付くことがあり、商品価値が損なわれてしまうという問題点も有している。
【0004】
この考案は上記問題に鑑み、並列に整列された2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合する状態に保持したままで箱詰めすることにより、所定サイズに形成された箱体内部に対して2群の各長尺青果物を並列に整列して箱詰めすることができ、且つ、運搬時に於いて各長尺青果物の商品価値が損なわれるのを防止できる長尺物箱詰め装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の長尺物箱詰め装置は、並列に整列した2群の各長尺青果物を長尺物箱詰め手段で長手方向に集束して箱体内部に箱詰めする長尺物箱詰め装置であって、上記長尺物箱詰め手段に、該長尺物箱詰め手段による長尺青果物の保持が、箱詰め時に2群の各長尺青果物の対向側端部が互いに入り込む状態に、2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合する長尺物重合手段を設け、上記長尺物箱詰め手段が、長尺物重合手段による2群の各長尺青果物の上記重合を、この状態のまま箱体内に一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする長尺物箱詰め装置であることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の長尺物箱詰め装置は、上記の請求項1記載の構成と併せて、前記長尺物重合手段を、前記長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物が長手方向に平行して上下段違いに重合される高さ位置に保持する保持構造で構成した長尺物箱詰め装置であることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載の構成と併せて、前記長尺物重合手段を、前記長尺物箱詰め手段が保持する各長尺青果物の重心より一方に偏心した位置を吸着保持する吸着構造で構成した長尺物箱詰め装置であることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載の構成と併せて、前記長尺物重合手段を、前記長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物が上下段違いに重合される適宜姿勢に支持する支持構造で構成した長尺物箱詰め装置であることを特徴とする。
【0009】
【作用】
請求項1記載の長尺物箱詰め装置は、長尺物箱詰め手段を駆動して、並列に整列された2群の各長尺青果物を長手方向に集束すると共に、長尺物重合手段を駆動して、並列に保持する2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合して保持し、この状態のまま箱体内部に一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めすることで、箱詰めしたとき各長尺青果物の対向側端部が互い違いに入り込み、同各長尺青果物の間に不必要な隙間ができるのを防止する。
【0010】
請求項2記載の長尺物箱詰め装置は、上記の請求項1記載の作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同各長尺青果物の対向側端部が長手方向に平行して上下段違いに重合される高さ位置に保持構造で保持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した状態のまま一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする。
【0011】
請求項3記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載の作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同各長尺青果物の重心より一方に偏心した位置を吸着構造で吸着保持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した状態のまま一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする。
【0012】
請求項4記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載の作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同各長尺青果物の対向側端部が上下段違いに重合される適宜姿勢に支持構造で支持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した状態のまま一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする。
【0013】
【考案の効果】
この考案によれば、並列に整列された2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した保持姿勢で箱詰めするので、等階級別に選別された各長尺青果物の長さが不揃いであっても、箱体内部に収納したときに各長尺青果物の対向側端部が互い違いに入り込むため、従来例のように各長尺青果物の間に不必要な隙間ができたりせず、所定サイズに形成された箱体内部に対して2群の各長尺青果物を並列に整列して箱詰めすることができる。且つ、2群の各長尺青果物を互いに密著させて箱詰めするため、運搬時に於いて長尺青果物が衝突又は擦合うことがなくなり長尺青果物の商品価値が損なわれるのを防止できると共に、箱体内部の収納スペースを有効に活用した箱詰め作業が行える。
【0014】
しかも、所定本数の各長尺青果物を一括保持して箱詰めするため、従来例のように多数本の各胡瓜を1本ずつ手で箱詰めするような手間及び作業が省け、且つ、各胡瓜を樹脂製容器等に整列収納する箱詰め方法よりも包装単価が安くなり、箱詰め作業に要する時間及び包装コストを削減して、箱詰め作業の省力化及び能率アップを図ることができる。
【0015】
【実施例】
この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は長尺青果物の一例として等階級別に選別された胡瓜の箱詰め作業に用いられる胡瓜箱詰め装置を示し、図1及び図2に於いて、この胡瓜箱詰め装置1は、周回用コンベア2上に設定した投入位置から整列位置に向けて、例えば、9本分の各胡瓜K…が並列載置される大きさ及び形状に形成した合成樹脂製の各整列トレイT…を周回移動する。周回用コンベア2上の投入位置側部に配設した投入用コンベア3を駆動して、生産者側から持込まれる多数本の各胡瓜K…を各整列トレイT…に順次移載する。周回用コンベア2上の整列位置直前に配設した整列機23を駆動して、二つの各整列トレイT,Tに載置された後列側の各胡瓜K…を揃える。周回用コンベア2上の整列位置上部に配設した箱詰め機4を駆動して、二つの各整列トレイT…上に載置された2群の各胡瓜K…を段ボール箱Bに順次箱詰めする構成である。
【0016】
上述の整列トレイTは、例えば、9本分の各胡瓜K…が並列載置される横長形状にトレイ本体Taを形成し、同トレイ本体Taの上面側短手方向に真っ直ぐな胡瓜Kが1本載置される大きさ及び形状の凹状蔵置部Tbを形成すると共に、同トレイ本体Taの上面側長手方向に対して9本分の各胡瓜K…を並列載置するための各凹状蔵置部Tb…を連続形成している。
【0017】
且つ、トレイ本体Taの長手側両端部に、各凹状載置部Tb…に載置される各胡瓜K…の前後端部と対向して各整列板Tc,Tcを立設している。なお、く字形に変形した下級品の各胡瓜K…を並列載置する場合、各凹状載置部Tb…の底面中央部が長手方向に対して谷形又は山形に形成された整列トレイTを用いる。
前述の周回用コンベア2は、第1コンベア2aの搬送側終端部に第2コンベア2bを直交して配設し、同第2コンベア2bの搬送側終端部に第3コンベア2cを直交して配設し、同第3コンベア2cの搬送側終端部に第4コンベア2dを直交して配設し、同第4コンベア2dの搬送側終端部に第1コンベア2aを直交して配設し、減速機付きモータ(図示省略)の駆動力により各コンベア2a,2b,2c,2dを周回方向に回転駆動して、同各コンベア2a,2b,2c,2d上に載置された多数個の各整列トレイT…を周回方向に搬送する。
【0018】
第1コンベア2aの搬送側終端部に搬送される整列トレイTの長手側端面と対向してプッシャ板5を配設し、同位置側部に配設した第1プッシャ機構6の駆動によりプッシャ板5を移載方向に移動して、終端部に搬送される各整列トレイT…をプッシャ板5で第2コンベア2b上に順次移載する。
【0019】
第2コンベア2bの搬送側終端部に搬送される各整列トレイT,Tの短手側端面と対向してプッシャ板7を配設し、同位置側部に配設した第2プッシャ機構8の駆動によりプッシャ板7を移載方向に移動して、終端部に搬送される二つの各整列トレイT,Tをプッシャ板7で第3コンベア2c上に順次移載する。
【0020】
第3コンベア2cの搬送側終端部に搬送される整列トレイTの長手側端面と対向してプッシャ板9を配設し、同位置側部に配設した第3プッシャ機構10の駆動によりプッシャ板9を移載方向に移動して、終端部に搬送される二つの各整列トレイT,Tをプッシャ板9で第4コンベア2d上に順次移載する。
【0021】
第4コンベア2dの搬送側終端部に搬送される整列トレイTの短手側端面と対向してプッシャ板11を配設し、同位置側部に配設した第4プッシャ機構12の駆動によりプッシャ板11を移載方向に移動して、終端部に搬送される各整列トレイT…をプッシャ板11で第1コンベア2a上に順次移載する。
【0022】
前述の整列機23は、図2に示すように、第2コンベア2b上に設定した整列位置直前にストッパ21を出没自在に設け、同位置下部に配設した出没用シリンダ22をストッパ21に連結している。すなわち、出没用シリンダ22の作動により、第2コンベア2bの搬送面上にストッパ21を出没して、後続の各整列トレイT…を整列位置直前に設定した揃え位置に一旦停止し、同整列位置に二つの各整列トレイT,Tを搬送停止する。
【0023】
且つ、第2コンベア2b上に設定した揃え位置上部に取付け枠24を周回方向と直交して架設し、同取付け枠24の上面側中央部に後退用シリンダ25を周回方向と平行して水平固定し、同後退用シリンダ25のピストンロッド端部をL字形に形成した支持板26の垂直部に連結固定している。且つ、支持板26の水平部に垂直固定した押圧用シリンダ27のピストンロッド端部を、整列トレイTの長手側端部と対応する長さに形成した押圧板28の上面側中央部に連結固定し、同押圧板28の下面側に、例えば、合成ゴム又は合成樹脂等の軟質部材で形成した凹凸形状の押圧パッド29を貼着している。
【0024】
すなわち、第2コンベア2b上の揃え位置に二つの各整列トレイT,Tを搬送停止したとき、押圧用シリンダ27を降下作動して、後列側の整列トレイTに載置された各胡瓜K…の上部周面に押圧パッド29を押圧する。同時、後退用シリンダ25を後退作動して、整列トレイTに載置された各胡瓜K…を押圧パッド29で一括して後退させ、整列トレイTの後端部に形成した整列板Tcに各胡瓜K…の後端部を当接して、後列側の整列トレイTに載置された各胡瓜K…の後端部を横一線に揃える。
【0025】
前述の投入用コンベア3は、図1に示すように、周回用コンベア2上に設定した投入位置側部に投入用コンベア3を周回方向と直交して配設し、同投入用コンベア3の搬送面上に1本分の胡瓜Kを整列載置する間隔に隔てて複数本の各突条ガイド3a…を形成すると共に、周回用コンベア2上に設定した投入位置側部と、投入用コンベア3の搬送側終端部との間に2本の各投入用ローラ30,31を投方向と直交して軸架している。
【0026】
すなわち、周回用コンベア2と投入用コンベア3とを同期駆動して、投入用コンベア3の各突条ガイド3a…間と対応する位置に、周回用コンベア2上に載置された各整列トレイT…の各凹状載置部Tb…を順次移動する。同時に、生産者側から持込まれる多数本の各胡瓜K…を投入用コンベア3上に形成した各突条ガイド3a…間に1本ずつ順次移載し、同投入用コンベア3から供給される多数本の各胡瓜K…を各投入用ローラ30,31で加速搬送して、周回用コンベア2上の投入位置に移動される整列トレイTの各凹状載置部Tb…に対して胡瓜Kを1本ずつ順次移載する。
【0027】
前述の箱詰め機4は、図3、図4、図5に示すように、第2コンベア2b上に設定した整列位置上方と、同位置側部に設定した箱詰め位置上方との間に各ガイドレール32,32を平行して架設し、同各ガイドレール32,32間に移動枠33を前後移動自在に取付けると共に、箱詰め位置上方に配設した移動用シリンダ34のピストンロッドを移動枠33の上面部に連結固定して、同移動用シリンダ34の作動により、整列位置上方と箱詰め位置上方とに移動枠33を前後移動する。且つ、移動枠33の上面側中央部に配設した昇降用シリンダ35のピストンロッドを昇降枠36の上面部に連結固定して、同昇降用シリンダ35の作動により、整列位置直上と箱詰め位置直上とで昇降枠36を垂直昇降する。
【0028】
上述の昇降枠36には、同昇降枠36の両側部に架設した各ガイドレール37,37の前端側及び後端側に各スライダ38,38を前後移動自在に夫々取付け、前端側及び後端側の各スライダ38,38間に架設した各ガイド棒39,39上に9個の各可動板40…を左右移動自在に取付け、同各可動板40…に垂設した各吸気管41…の下端部に、二つの各整列トレイT,T上に載置された各胡瓜K…の前端側上面部と対向して、例えば、合成ゴム又は合成樹脂等の軟質部材で形成した各吸着パッド42…を夫々固定している。
【0029】
且つ、昇降枠36の後端側両側部に配設した各進退用シリンダ43,43のピストンロッドを後端側の各スライダ38,38に連結固定して、同各進退用シリンダ43,43の作動により、前端側に位置固定した各スライダ38,38を箱詰め基準として、二つの各整列トレイT,T上に載置された前列側の各胡瓜K…と後列側の各胡瓜K…とを前後列の各吸着パッド42…で吸着保持する吸着間隔と、前後列の各吸着パッド42…で吸着保持した前列側の各胡瓜K…と後列側の各胡瓜K…との対向側端部を一部重合する箱詰め間隔とに各スライダ38,38を前後移動する。
【0030】
且つ、左側のガイドレール37上に取付けた各スライダ38,38と、同側に配列した各可動板40,40とを固定ネジ44及び固定ナット45で連結固定し、各可動板40…の下端部間に螺合した各調節ネジ46…及び各調節ナット47…で各吸着パッド42…の拡縮間隔を設定すると共に、昇降枠36の右側部に配設した各拡縮用シリンダ48,48のピストンロッドを同側の各可動板40,40に連結固定して、同各拡縮用シリンダ48,48の作動により、左側に位置固定した各可動板40,40を箱詰め基準として、二つの各整列トレイT,T上に載置された前列側の各胡瓜K…と後列側の各胡瓜K…とを前後列の各吸着パッド42…で吸着保持する吸着間隔と、前後列の各吸着パッド42…で吸着保持した前列側の各胡瓜K…と後列側の各胡瓜K…とを段ボール箱Bに一括収納する箱詰め間隔とに各可動板40…を左右移動する。
【0031】
上述の各吸着パッド42…は、整列トレイTに載置された胡瓜Kの上部周面と対応して吸着パッド42の吸着面を凹面形状に形成し、同整列トレイTに載置された胡瓜Kの長手方向と平行して吸着パッド42の吸着面を楕円形状に形成している。且つ、各吸気管41…の下端部に固定した各取付け板49…の前後下端部に、例えば、合成ゴム又は合成樹脂等の軟質部材で形成した各支持パッド50,51を胡瓜Kの上部周面と対向して夫々取付けている。
【0032】
すなわち、二つの各整列トレイT,T上に載置された2群の各胡瓜K…に各吸着パッド42…を夫々密着したとき、同各吸着パッド42…に各吸気管41…を介して接続した吸引用ブロワ(図示省略)の負圧で18本分の各胡瓜K…を一括して吸着保持する。この時、各吸着パッド42…で各胡瓜K…の重心より前端側に偏心した位置を吸着保持し、同各吸着パッド42…で吸着保持した各胡瓜K…の上部周面に各支持パッド50,51を接触させて、2群の各胡瓜K…の後端部を若干下方に傾斜した姿勢に支持する。一方、各吸着パッド42…で吸着保持した18本分の各胡瓜K…を段ボール箱B内に収納したとき、吸引用ブロワ(図示省略)による負圧を遮断又は停止して各胡瓜K…の吸着保持を解除する。
【0033】
且つ、図6に示すように、箱詰め位置の前後及び左右に4枚の各開放板52…を開閉自在に軸支し、同各開放板52…の軸端部に固定した傘形の各ギャ53…を互いに噛合し、下部一側に配設した開放用シリンダ54のピストンロッドを開放板52の軸端部に連結して、同開放用シリンダ54の作動により、箱詰め位置に供給された段ボール箱Bの各フラップBa…と対向する水平位置と、同段ボール箱Bの各フラップBa…を四方に開放する傾斜位置とに各開放板52…を上下回動ずる。
【0034】
前述の段ボール箱Bは、図7に示すように、上面開放形態に組立てられた段ボール箱Bの内部に、合成樹脂製又は紙製の包装袋Bを上向きに開口して敷設すると共に、同段ボール箱Bの開放側縁部に起立した各フラップBa…に包装袋Pの投入口Paを二つに折返して被覆している。すなわち、箱詰め位置下部の箱搬入側に配設した箱搬入用コンベア55を介して空の段ボール箱Bを箱詰め位置下部に搬送供給し、同箱詰め位置下部の箱搬出側に接続した箱搬出用コンベア56を介して箱詰め済みの段ボール箱Bを次工程(例えば、袋封函工程、箱封函工程)に搬送供給する。
【0035】
上述の箱搬出用コンベア56は、同箱搬出用コンベア56上に設定した箱詰め位置直下に箱昇降台57を昇降自在に設け、同位置の下部中央部に垂直軸受したネジ軸58と、同箱昇降台57の下部中央部に固定したナット部59とを螺合して、同位置側部に配設した減速機付き昇降用モータ60の駆動力により、各スプロケット61,62及び駆動チェーン63を介してネジ軸58を正逆回転させ、上述の各吸着パッド42…により吸着保持された各胡瓜K…を箱詰めする箱詰め位置に段ボール箱Bを供給する上昇位置と、箱搬出用コンベア56上に箱詰め済みの段ボール箱Bを移載する降下位置との間で箱昇降台57を垂直昇降する。
【0036】
図示実施例は上記の如く構成するものとして、以下、等階級別に選別された各胡瓜K…を胡瓜箱詰め装置1により箱詰めするときの動作を説明する。
先ず、図1に示すように、生産者側から持込まれる多数本の各胡瓜K…を投入用コンベア3に順次移載し、同投入用コンベア3から供給される各胡瓜K…を各投入用ローラ30,31で加速搬送して、周回用コンベア2の第1コンベア2a上に載置された整列トレイTの各凹状載置部Tb…に対して各胡瓜K…の向きを揃えて1本ずつ順次移載する。同時に、整列トレイTの長手側前端部に形成した整列板Tcに各胡瓜K…の前端部を夫々当接して、同整列トレイTに移載される各胡瓜K…の前端部を横一線に揃える。なお、整列トレイT上に移載される各胡瓜K…に不揃い及び過不足が生じた場合、作業者の手で胡瓜Kの載置姿勢及び載置本数を補正する。
【0037】
次に、第1プッシャ機構6を駆動して、第1コンベア2aの終端部に搬送された各整列トレイT…をプッシャ板5で第2コンベア2b上に順次移載する。出没用シリンダ22を突出作動して、第2コンベア2b上に設定した揃え位置に二つの各整列トレイT,Tをストッパ21で一旦停止する。
【0038】
同時に、図2に示すように、整列機23の押圧用シリンダ27を降下作動して、後列側の整列トレイTに載置された各胡瓜K…に押圧パッド29を押圧する。後退用シリンダ25を後退作動して、整列トレイTに載置された各胡瓜K…を押圧パッド29で一括後退させ、整列トレイTの長手側後端部に形成した整列板Tcに各胡瓜K…の後端部を夫々当接して、同整列トレイT上に載置された各胡瓜K…の後端部を横一線に揃える。
【0039】
この後、後退用シリンダ25及び押圧用シリンダ27を復帰作動して、押圧パッド29を初期位置に復帰させる。同時に、出没用シリンダ22を没入作動して、第2コンベア2bの搬送面下にストッパ21を没入し、第2コンベア2b上の整列位置に二つの各整列トレイT,Tを並列搬送する。
【0040】
次に、箱詰め機4の昇降用シリンダ35を降下作動して、昇降枠36に垂設した各吸着パッド42…を二つの各整列トレイT,T上に載置された前列側及び後列側の各胡瓜K…に夫々密着して吸着保持する。同時に、各吸着パッド42…で吸着保持した各胡瓜K…の上部周面に各支持パッド50,51を夫々接触させて、同各胡瓜K…の後端部を若干下方に傾斜した姿勢に支持する。
【0041】
この後、移動用シリンダ34及び昇降用シリンダ35を作動して、昇降枠36に垂設した各吸着パッド42…で前後列の各胡瓜K…を吸着保持した状態のまま整列位置から箱詰め位置に移動する。同時に、各進退用シリンダ43,43及び各拡縮用シリンダ48,48を作動して、各吸着パッド42…で吸着保持した前後列の各胡瓜K…を箱詰め間隔に集合させると共に、前後列の各吸着パッド42…で吸着保持した前列側の各胡瓜K…と後列側の各胡瓜K…との対向側端部を一部重合する。
【0042】
一方、箱搬入用コンベア55を駆動して、上面開放形態に組立てられた段ボール箱Bを箱詰め位置下部に搬送し、昇降用モータ60を駆動して、同位置下部に搬送された段ボール箱Bを箱昇降台57で適宜高さに垂直上昇する。同時に、開放用シリンダ54を作動して、箱昇降台57上に載置された段ボール箱Bの各フラップBa…を4枚の各開放板52…で四方に若干開放した後、箱詰め機4の昇降用シリンダ35を降下作動して、各吸着パッド42…で吸着保持した前後列の各胡瓜K…を段ボール箱B内の包装袋Pに一括収納して吸着解除することで、図7に示すように、1段分の各胡瓜K…の箱詰め作業が完了する。
【0043】
上述と同様にして、移動用シリンダ34及び昇降用シリンダ35を復帰作動して、昇降枠36に垂設した各吸着パッド42…を初期位置に復帰させ、各進退用シリンダ43,43及び各拡縮用シリンダ48,48を復帰作動して、各吸着パッド42…を初期間隔に離間させた後、次の各整列トレイT,T上に載置された各胡瓜K…を各吸着パッド42…で吸着保持し、同各吸着パッド42…で吸着保持した2群の各胡瓜K…を箱詰め間隔に一部重合して段ボール箱B内に箱詰めする。所定本数分の各胡瓜K…を段ボール箱B内に箱詰めした後、昇降用モータ60を逆転駆動して、箱昇降台57上に載置された段ボール箱Bを箱搬出用コンベア56に移載し、箱搬出用コンベア56を駆動して、箱詰め済みの段ボール箱Bを次工程(例えば、袋封函工程、箱封函工程)に搬送する。
【0044】
一方、1段分の各胡瓜K…を箱詰めしたとき、第2プッシャ機構8を駆動して、第2コンベア2bの終端部に搬送された二つの各整列トレイT,Tをプッシャ板7で第3コンベア2c上に移載し、第3プッシャ機構10を駆動して、第3コンベア2cの終端部に搬送された二つの各整列トレイT,Tをプッシャ板9で第4コンベア2d上に移載し、第4プッシャ機構12を駆動して、第4コンベア2dの終端部に搬送された各整列トレイT…をプッシャ板11で第1コンベア2a上に移載する。
【0045】
以上のように、二つの各整列トレイT,Tに載置された2群の各胡瓜K…を上下段違いに一部重合して箱詰めするので、等階級別に選別された各胡瓜K…の長さが不揃いであっても、段ボール箱Bに収納したときに各胡瓜K…の対向側端部が互い違いに入り込むため、従来例のように各胡瓜K…の間に不必要な隙間ができたりせず、所定サイズに形成された段ボール箱Bに対して2群の各胡瓜K…を整列して箱詰めすることができる。且つ、2群の各胡瓜K…を互いに密着させて箱詰めするため、運搬時に於いて各胡瓜K…が衝突又は擦合うことがなくなり、胡瓜Kの商品価値が損なわれるのを防止できると共に、段ボール箱Bの収納スペースを有効に活用した箱詰め作業が行える。
【0046】
しかも、2群の各胡瓜K…を一括保持して箱詰めするため、従来例のように多数本の各胡瓜K…を1本ずつ手で箱詰めするような手間及び作業が省け、且つ、樹脂製容器等に各胡瓜K…を整列収納する箱詰め方法よりも包装単価が安くなり、箱詰め作業に要する時間及び包装コストを削減して、箱詰め作業の省力化及び能率アップを図ることができる。
【0047】
この考案の構成と、上述の実施例との対応において、
この考案の長尺物箱詰め装置は、実施例の胡瓜箱詰め装置1に対応し、
以下同様に、
長尺青果物は、胡瓜Kに対応し、
箱体は、段ボール箱Bに対応し、
長尺物箱詰め手段は、箱詰め機4を構成するガイドレール32,37と、移動枠33と、移動用シリンダ34と、昇降用シリンダ35と、昇降枠36と、スライダ38と、ガイド棒39と、可動板40と、吸気管41と、吸着パッド42と、進退用シリンダ43と、拡縮用シリンダ48とに対応し、
長尺物重合手段は、箱詰め機4を構成するガイドレール37と、スライダ38と、ガイド棒39と、可動板40と、吸気管41と、吸着パッド42と、進退用シリンダ43と、調節ネジ46と、調節ナット47と、拡縮用シリンダ48とに対応し、
保持構造は、吸気管41及び吸着パッド42と、各支持パッド68,69に対応し、
吸着構造は、吸気管41及び吸着パッド42に対応し、
支持構造は、各支持パッド50,51,64,65,66,67に対応するも、
この考案は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0048】
上述の実施例では、箱詰め機4を構成する前後列の各吸着パッド42…で吸着保持した各胡瓜K…を箱詰めするとき、同各胡瓜K…の後端部を同一方向に傾斜した姿勢のまま箱詰めするが、例えば、図8に示すように、前列側の各吸着パッド42…で吸着保持した各胡瓜K…の前後端部に後述する各支持パッド66,67よりも長尺寸法の各支持パッド64,65を夫々接触させて、同各胡瓜K…の前端部を若干下方に向けて傾斜した姿勢に吸着保持し、後列側の各吸着パッド42…で吸着保持した各胡瓜K…の前後端部に上述の各支持パッド64,65よりも短尺寸法の各支持パッド66,67を夫々接触させて、同各胡瓜K…の後端部を若干下方に向けて傾斜した姿勢に吸着保持すると共に、前列側及び後列側の各胡瓜K…を上下段違いに吸着保持する。この後、各吸着パッド42…で吸着保持した前列側の各胡瓜K…と後列側の各胡瓜K…との対向側端部を一部重合して箱詰めすることで、上述の実施例と同様に2群の各胡瓜K…を整列して箱詰めすることができる。
【0049】
また、図9に示すように、前列側の各吸着パッド42…で吸着保持した各胡瓜K…の前後端部に後述する各支持パッド69,69よりも長尺寸法の各支持パッド68,68を夫々接触させ、後列側の各吸着パッド42…で吸着保持した各胡瓜K…の前後端部に上述の各支持パッド68,68よりも短尺寸法の各支持パッド69,69を夫々接触させて、前列側の各胡瓜K…と後列側の各胡瓜K…とを水平方向に向けた姿勢に吸着保持すると共に、前列側及び後列側の各胡瓜K…を上下段違いに吸着保持する。この後、各吸着パッド42…で吸着保持した前列側の各胡瓜K…と後列側の各胡瓜K…との対向側端部を一部重合して箱詰めすることで、上述の実施例と同様に2群の各胡瓜K…を整列して箱詰めすることができる。
【0050】
さらにまた、各吸着パッド42…で吸着保持した各胡瓜K…の前端側又は後端側に各支持ベッド50,51の何れか一方を接触させて、2群の各胡瓜K…が上下段違いに重合される姿勢に支持するもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 胡瓜箱詰め装置による胡瓜の箱詰め動作を示す全体構成図。
【図2】 整列機による胡瓜の揃え動作を示す側面図。
【図3】 箱詰め機による胡瓜の吸着状態を示す側面図。
【図4】 箱詰め機による胡瓜の吸着状態を示す正面図。
【図5】 吸着パッドの拡縮機構を示す底面図。
【図6】 箱詰め機による胡瓜の箱詰め動作を示す正面図。
【図7】 段ボール箱に収納された胡瓜の箱詰め状態を示す平面図。
【図8】 箱詰め機による胡瓜の傾斜姿勢に吸着保持した状態を示す側面図。
【図9】 箱詰め機による胡瓜の水平姿勢に吸着保持した状態を示す側面図。
【符号の説明】
B…段ボール箱
Ba…フラップ
K…胡瓜
T…整列トレイ
1…胡瓜箱詰め装置
2…周回用コンベア
3…投入用コンベア
4…箱詰め機
33…移動枠
36…昇降枠
37…ガイドレール
38…スライダ
39…ガイド棒
40…可動板
41…吸気管
42…吸着パッド
34…移動用シリンダ
35…昇降用シリンダ
43…進退用シリンダ
48…拡縮用シリンダ
50,51…支持パッド
64,65,66,67…支持パッド
68,69…支持パッド
訂正の要旨 訂正の要旨
<2-1>訂正の内容
<訂正A>実用新案登録請求の範囲の請求項1の
「【請求項1】
並列に整列した2群の各長尺青果物を長尺物箱詰め手段で長手方向に集束して箱体内部に箱詰めする長尺物箱詰め装置であって、
上記長尺物箱詰め手段に、該長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合する長尺物重合手段を設けた長尺物箱詰め装置。」
を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項1】
並列に整列した2群の各長尺青果物を長尺物箱詰め手段で長手方向に集束して箱体内部に箱詰めする長尺物箱詰め装置であって、
上記長尺物箱詰め手段に、該長尺物箱詰め手段による長尺青果物の保持が、箱詰め時に2群の各長尺青果物の対向側端部が互いに入り込む状態に、2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合する長尺物重合手段を設け、
上記長尺物箱詰め手段が、長尺物重合手段による2群の各長尺青果物の上記重合を、この状態のまま箱体内に一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする長尺物箱詰め装置。」
に訂正する。
<訂正B>実用新案登録明細書の段落【0005】である
「【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の長尺箱詰め装置は、並列に整列した2群の各長尺青果物を長尺物箱詰め手段で長手方向に集束して箱体内部に箱詰めする長尺物箱詰め手段であって、上記長尺物箱詰め手段に、該長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合する長尺物重合手段を設けた長尺物箱詰め装置であることを特徴とする。」
を実用新案登録請求の範囲の減縮に伴う不明瞭な記載の釈明を目的として、
「【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の長尺箱詰め装置は、並列に整列した2群の各長尺青果物を長尺物箱詰め手段で長手方向に集束して箱体内部に箱詰めする長尺物箱詰め手段であって、
上記長尺物箱詰め手段に、該長尺物箱詰め手段による長尺青果物の保持が、箱詰め時に2群の各長尺青果物の対向側端部が互いに入り込む状態に、2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合する長尺物重合手段を設け、
上記長尺箱詰め手段が、長尺重合手段による2群の各長尺青果物の上記重合を、この状態のまま箱体内に一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする長尺物箱詰め装置であることを特徴とする。」
に訂正する。
<訂正C>実用新案登録明細書の【0009】?【0012】である
「【0009】
【作用】
請求項1記載の長尺物箱詰め装置は、長尺物箱詰め手段を駆動して、並列に整列された2群の各長尺青果物を長手方向に集束すると共に、長尺物重合手段を駆動して、並列に保持する2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合して保持し、この状態のまま箱体内部に箱詰めすることで、箱詰めしたとき各長尺青果物の対向側端部が互い違いに入り込み、同各長尺青果物の間に不必要な隙間ができるのを防止する。
【0010】
請求項2記載の長尺物箱詰め装置は、上記の請求項1記載の作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同各長尺青果物の対向側端部が長手方向に平行して上下段違いに重合される高さ位置に保持構造で保持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した状態のまま箱詰めする。
【0011】
請求項3記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載のの作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同各長尺青果物の重心より一方に偏心した位置を吸着構造で吸着保持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した状態のまま箱詰めする。
【0012】
請求項4記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載の作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同長尺青果物の対向側端部が上下段違いに重合される適宜姿勢に支持構造で支持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合したまま箱詰めする。」
を、実用新案登録請求の範囲の減縮に伴う不明瞭な記載の釈明を目的として、
「【0009】
【作用】
請求項1記載の長尺物箱詰め装置は、長尺物箱詰め手段を駆動して、並列に整列された2群の各長尺青果物を長手方向に集束すると共に、長尺物重合手段を駆動して、並列に保持する2群の各長尺青果物の対向側端部を上下段違いに重合して保持し、この状態のまま箱体内部に一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めすることで、箱詰めしたとき各長尺青果物の対向側端部が互い違いに入り込み、同各長尺青果物の間に不必要な隙間ができるのを防止する。
【0010】
請求項2記載の長尺物箱詰め装置は、上記の請求項1記載の作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同各長尺青果物の対向側端部が長手方向に平行して上下段違いに重合される高さ位置に保持構造で保持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した状態のまま一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする。
【0011】
請求項3記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載のの作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同各長尺青果物の重心より一方に偏心した位置を吸着構造で吸着保持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合した状態のまま一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする。
【0012】
請求項4記載の長尺物箱詰め装置は、前記の請求項1記載の作用と併せて、長尺物箱詰め手段が保持する2群の各長尺青果物を、同長尺青果物の対向側端部が上下段違いに重合される適宜姿勢に支持構造で支持して、2群の各長尺青果物を上下段違いに一部重合したまま一括収納し、箱詰め段位置で一括解除して箱詰めする。」
に、訂正する。
異議決定日 2001-01-31 
出願番号 実願平5-17835 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (B65B)
最終処分 維持    
特許庁審判長 佐藤 雪枝
特許庁審判官 西村 綾子
祖山 忠彦
登録日 1999-01-14 
登録番号 実用新案登録第2592514号(U2592514) 
権利者 石井工業株式会社
愛媛県松山市高岡町66番地 ヤンマー農機株式会社
大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
考案の名称 長尺物箱詰め装置  
代理人 永田 良昭  
代理人 永田 良昭  
代理人 永田 良昭  

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