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審決分類 審判 全部申し立て   G04F
管理番号 1039511
異議申立番号 異議2000-74114  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-07-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-11-08 
確定日 2001-05-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第2604345号「タイムインジケーター」の請求項1?5に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2604345号の請求項1?5に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続の経緯
平成 5年12月21日 実用新案登録出願
平成12年 2月25日 実用新案登録
平成12年11月 8日 実用新案登録異議申立人東ヶ崎坦か ら実用新案登録異議の申立て

2.実用新案登録異議申立てについて
2-1.本件考案
本件実用新案登録第2604345号の請求項1?5に係る考案は、登録明細書及び図面の記載からみて、実用新案登録請求の範囲の請求項1?5に記載された次の事項により特定されるものである。
【請求項1】 吸液状態で低屈折率を呈する材料からなる表示部を表示面上に有する吸液性のシート基材にそれぞれ異なる表示期間に応じた量の常温揮散性の液剤を含有させた表示シートの二以上を、透視し得る表示面と通気孔を壁面上に備える収納ケース内に前記表示シートの表示面とこの収納ケース上の表示面とを対応させて区分して収納してなることを特徴とするタイムインジケーター。 (以下考案1とする)

【請求項2】 前記各表示シートを構成するシート基材の目付重量がそれぞれその表示期間に応じて比例的に異なることを特徴とする請求項1のタイムインジケーター。 (以下考案2とする)

【請求項3】 前記二以上の表示シートが、それぞれ揮散蒸気圧の異なる別種の液剤を含有することを特徴とする請求項1又は2のタイムインジケーター。 (以下考案3とする)

【請求項4】 前記常温揮散性の液剤が、防虫剤であることを特徴とする請求項1、2又は3のタイムインジケーター。 (以下考案4とする)

【請求項5】 前記収納ケース上の透視し得る表示面が、開孔によってなることを特徴とする請求項1、2、3又は4のタイムインジケーター。
(以下考案5とする)

2-2.実用新案登録異議申立ての概要
実用新案登録異議申立人は、申立ての証拠として下記の甲第1?3号証を提出し、本件実用新案登録の請求項1?5に係る考案は、本件出願前に頒布された甲第1?3号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、本件実用新案登録を取り消すべきと主張している。

甲第1号証:実公平5-938号公報
甲第2号証:特開昭63-60901号公報
甲第3号証:実願平3-72253号(実開平5-14983号)のマイ クロフィルム

2-3.証拠の開示
甲第1号証(実公平5-938号公報):
甲第1号証には、
「薬液透過性材からなる基板材と、この基板材面に対し部分的に積層された薬液透過性で光に対し低屈折率の材料による表示部とからなるシート材中に常温揮散性の薬液が含有されてなる構成を特徴とする薬液含有インジケーター。」(実用新案登録請求の範囲第1項)、
「このようにして得られた薬液含有インジケーターを第9図に示すように、表示面に対応して開□部9を有するポリプロピレン製の収納ケース7の収納室8内に収容した。」(公報3頁左欄下から3行?右欄1行)、及び
「本考案に係る薬液含有インジケーターによれば、表示部が平均的な状態でほぼ同時に現出され、」(公報3頁右欄14?16行)
の記載が図面と共に記載されている。

甲第2号証(特開昭63-60901号公報):
甲第2号証には、
「1.常温揮散性及び減感性を有する液状の防虫薬剤、電子供与性呈色性有機化合物及び顕色剤の三成分を必須成分として含有保持する含浸体を、上記防虫薬剤の揮散ガスに対し透過性を有する透明状乃至半透明状の包装材で包装し、該包装材を通して上記含浸体の発色による使用のエンドポイントを容易に確認し得るようにしたことを特徴とする薬効指示性防虫剤。
2.液状の防虫薬剤がエムペンスリンである特許請求の範囲第1項に記載の薬効指示性防虫剤。
3.包装材が不織布である特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の薬効指示性防虫剤。
4.含浸体が発色したときにひとつの組合せ模様を形成するように包装材に模様を印刷したものである特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の薬効指示性防虫剤。
5.含浸体が発色したときにひとつの組合せ模様を形成するように含浸体に模様を印刷したものである特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の薬効指示性防虫剤。」(特許請求の範囲第1?5項)、
「防虫性薬剤を単独であるいは2種以上組み合わせて使用することができる」(公報3頁右下欄4?5行)、及び
「チューリップの花形に切り抜いたパルプマットlb(約20cm2、厚みlmm)に100mg、矩形状のパルプマットlc(約10cm2、厚みlmm)に50mg塗布したものを、第3図に示すように、枝葉の部分が緑色に着色印刷された不織布の包装材2bに分割収納し、四辺及び分割部を溶着して衣料用防虫剤を得た。この衣料用防虫剤の薬液含浸体は、2ヶ月目位から周囲が色づき始め、3ヶ月余りで第4図に示すように花全体及び架台部が半透明な不織布を通してオレンジ色に表出してきた。」(公報7頁左下欄17行?右下欄8行)
の記載が図面と共に記載されている。

甲第3号証(実願平3-72253号(実開平5-14983号)のマイクロフィルム):
甲第3号証には、
「また、基材シートへの液剤の含有量は、基材シートの種類、厚など、また液剤の種類によっても異なるが、例えば基材シートが50?100g/平方mの不織布であって、液剤が前記した油液性剤である場合には6?10mg/平方mが好適量である。」(【0013】段落)の記載が図面と共に記載されている。

2-4.対比・判断
1)本件考案1について
本件考案1と上記甲第1?3号証に記載された考案とを比較すると、本件考案1は、吸液性のシート基材に「それぞれ異なる表示期間に応じた量の常温揮散性の液剤を含有させた表示シートの二以上を」収納したタイムインジケーターであるのに対して、甲第1?3号証に記載された考案はいずれも上記構成のタイムインジケーターを開示するものではないし、本件考案1との差異は、表現上の差異とも任意に設計しうる事項とも言えない。
この点について、登録異議申立人は当該構成については甲第2号証に記載されている旨を主張しているが、甲第2号証においては、パルプマット1b、1cの薬効有効期間の「表示期間がそれぞれ異なっている」旨の具体的な記載がないばかりか、パルプマット1bは花形でありパルプマット1cは架台形状であるところ、「3ヶ月余りで第4図に示すように花全体及び架台部が半透明な不織布を通してオレンジ色に表出してきた。」(公報7頁右下欄6?8行)と、パルプマット1b、1cの表示期間が同じである旨が記載されていることから、甲第2号証に記載の考案は本件考案1のようには構成されておらず、この点についての登録異議申立人の主張は認められない。
そして、当該構成により、本件考案1は明細書記載の効果を奏するものである。
これらのことから、本件考案1は甲第1?3号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をするものができたものとは言えない。

2)本件考案2?5について
本件考案2?5は、本件考案1の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものであるから、上記「1)本件考案1について」と同様の理由で甲第1?3号証に記載された考案から当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとはできない。

3.むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては、本件考案1?5に係る実用新案登録を取り消すことができない。
また、他に本件考案1?5に係る実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2001-04-17 
出願番号 実願平5-73062 
審決分類 U 1 651・ 121- Y (G04F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 櫻井 仁  
特許庁審判長 平井 良憲
特許庁審判官 山田 正文
吉村 和彦
登録日 2000-02-25 
登録番号 実用新案登録第2604345号(U2604345) 
権利者 株式会社大阪製薬
大阪府東大阪市高井田本通3丁目2番4号
考案の名称 タイムインジケーター  
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