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審決分類 審判 全部申し立て   A01C
管理番号 1039522
異議申立番号 異議1999-73098  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-07-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-08-09 
確定日 2001-05-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第2590396号「乗用型田植機における株間変速レバーの配設構造」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2590396号の請求項1に係る実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続きの経緯
本件実用新案登録第2590396号の請求項1に係る考案は、平成5年1月21日に出願され、平成10年12月4日に設定登録された。その後、平成11年8月9日付で、井関農機株式会社より実用新案登録異議の申立がなされ、平成12年5月9日付取消理由通知に対して平成12年7月18日付で実用新案登録異議意見書とともに訂正請求書が、平成12年8月16日付訂正拒絶理由通知に対して平成12年10月24日付で実用新案登録異議意見書とともに訂正請求書に係る手続補正書が、そして平成12年11月7日付訂正拒絶理由通知を兼用した取消理由通知に対して平成12年12月28日付で実用新案登録異議意見書が提出された。
2.訂正の適否
2-1.訂正後の請求項1に係る考案
訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に係る考案(以下、訂正考案という)は、上記手続補正書で補正された訂正明細書の実用新案登録請求の範囲に記載されたとおりの下記の事項により特定されるものである。
「【請求項1】植付動力伝動経路に、植付動力の変速に基づいて植付株間を調整する株間変速機構を設けてなる乗用型田植機において、前記株間変速機構の株間調整を行うための株間変速レバーを設けるにあたり、該株間変速レバーを、運転席前方下方の左右の乗降部に繋がる平坦な床部の前端中央部にて立ち上がる各種の操作具が組込まれるカバー体の運転席側の面に近接対向する運転席前方下方の床面位置にて上方に突設し、かつ該株間変速レバーの変速方向を、前記カバー体の運転席側の面に沿う方向に設定したことを特徴とする乗用型田植機における株間変速レバーの配設構造。」
2-2.先願発明
先の訂正拒絶理由通知にて引用した本件登録実用新案の出願日前の特許出願であって、その後に出願公開された特願平4-138892号の願書に最初に添付した明細書(以下、先願明細書という)及び図面(特開平5-328810号、異議申立人井関農機株式会社が提出した参考資料3参照)には、次の発明(以下、先願発明という)が記載されている。
A:「植付株間切り替えレバーLP」が設けられている乗用型田植機。
そして、当該「植付株間切り替えレバーLP」が設けられている乗用型田植機には「植付株間切替装置」が設けられており、この「植付株間切替装置」が植付動力伝動経路に設けられていて、植付動力の変速に基づいて植付株間を調整するものであることは、当業者にとって周知かつ自明の事項である。
B:先願明細書に添付された第1図、第3図、第5図、第6図及び各図に対応する説明の欄の記載からみて、「植付株間切り替えレバーLP」は、「運転席前方下方の左右の乗降部に繋がる平坦な床部の前端中央部にて立ち上がる各種の操作具が組込まれるポストカバー7の運転席側の面に近接対向する運転席前方下方の床面位置」に配設してある。また、植付株間切り替えレバーLPを床面に上方に突設することは、「植付株間切り替えレバーLP」が操作レバーである以上、当業者にとって自明の事項に過ぎない。
C:特に第6図及びその説明の欄の記載内容からみて、中央フロア部4bに設けられた長孔のうち、機体前後方向に沿う長孔部分C’はフロア装着用係合部であって、走行車体に固定されたフロア固定用ステー1jに係合するものであるから、ポストカバーの運転席側の面に沿う方向の長孔として示された4b”-2は、植付株間切り替えレバーLPの「変速方向」であることは明らかである。したがって、「植付株間切り替えレバーLP」は、ポストカバーの運転席側の面に沿う方向に設定されている。
2-3.対比判断
そこで、本件訂正考案と先願発明とを対比すると、上記先願発明における「植付株間切り替えレバーLP」、「ポストカバー」は、本件考案の「株間変速レバー」、「カバー体」にそれぞれ相当するから、両者は「植付動力伝動経路に、植付動力の変速に基づいて植付株間を調整する株間変速機構を設けてなる乗用型田植機において、株間変速機構の株間調整を行うための株間変速レバーを設けるにあたり、株間変速レバーを、運転席前方下方の左右の乗降部に繋がる平坦な床部の前端中央部にて立ち上がる各種の操作具が組込まれるカバー体の運転席側の面に近接対向する運転席前方下方の床面位置にて上方に突設し、かつ株間変速レバーの変速方向を、カバー体の運転席側の面に沿う方向に設定した乗用型田植機における株間変速レバーの配設構造」で一致し、両者の構成に実質的な差異を認めることはできない。
なお、特許権者は意見書において、先願明細書及び図面の記載からは「植付株間切り替えレバーLP」の具体的設置位置及び操作方向が明確でない旨主張しているが、当業者の技術常識を持ってすれば、第1図、第3図、第5図、第6図及び各図に対応した説明の欄の記載からみて、前記「2-2.先願発明」の構成が記載されていることは明らかであるから、前記主張は採用することができない。
2-4.むすび
以上のとおり、本件訂正考案は、上記先願明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、本件訂正考案の考案者が上記先願明細書に記載された発明の発明者と同一であるとも、またこの出願の時において、その出願人が先願の出願人と同一であるとも認められないから、本件訂正考案は実用新案法第3条の2の規定により実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができない。
したがって、この訂正は特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項で準用する同法第126条第3項の規定に違反するから、当該訂正を認めることはできない。
3.異議申立について
3-1.本件考案
上記2.にて示したように、先の訂正請求は認められないから、本件登録実用新案の請求項1に係る考案(以下、本件考案という)は、実用新案登録査定時の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるものと認める。
「【請求項1】植付動力伝動経路に、植付動力の変速に基づいて植付株間を調整する株間変速機構を設けてなる乗用型田植機において、前記株間変速機構の株間調整を行うための株間変速レバーを設けるにあたり、該株間変速レバーを、運転席床前端部にて立ち上がるカバー体の運転席側の面に近接対向する運転席床面位置にて上方に突設し、かつ該株間変速レバーの変速方向を、前記カバー体の運転席側の面に沿う方向に設定したことを特徴とする乗用型田植機における株間変速レバーの配設構造。」
3-2.先願発明
これに対して、異議申立人が提出した本件登録実用新案の出願日前の特許出願であって、その後に出願公開された特願平4-138892号の願書に最初に添付した明細書及び図面には、上記2-2.に記載のとおりの発明が記載されている。
3-3.対比判断
本件考案は、先の訂正考案の上位概念の考案であり、上記2-3.で検討した理由により、実用新案登録を受けることができない。
3-4.むすび
以上のとおりであるから、本件考案は、実用新案法第3条の2第1項の規定により実用新案登録を受けることができない。
したがって、本件考案についての実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案出願に対してなされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法第の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、上記のとおり決定する。
異議決定日 2001-03-21 
出願番号 実願平5-4635 
審決分類 U 1 651・ 161- ZB (A01C)
最終処分 取消  
前審関与審査官 山田 昭次  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 日高 賢治
吉村 尚
登録日 1998-12-04 
登録番号 実用新案登録第2590396号(U2590396) 
権利者 三菱農機株式会社
島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
考案の名称 乗用型田植機における株間変速レバーの配設構造  
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