• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て   F23N
審判 全部申し立て   F23N
管理番号 1039524
異議申立番号 異議1998-76075  
総通号数 19 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-07-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-12-15 
確定日 2001-05-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第2574529号「給湯器の止水安全装置」の実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2574529号の実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2574529号に係る考案についての出願は、平成3年10月7日に実用新案登録出願され、平成10年4月3日に設定登録され、その後、その登録実用新案について、異議申立人、中森繁雄より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年8月30日に訂正請求がなされた後、訂正拒絶理由が通知されたものである。
2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の在否
前記訂正請求による訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされ、特許請求の範囲の減縮及びそれに伴う明瞭でない記載の釈明を目的とするもので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないと認められる。

(2)訂正明細書の請求項1に係る考案
平成11年8月30日付け訂正明細書の請求項1に係る考案は、その請求項1に記載されたとおりの次のものと認められる。
「バーナへ燃料を供給する燃料供給通路の開閉を行う燃料開閉弁と、給湯熱交換器に連通する管路の開閉を行う止水弁とを備えた給湯器の止水安全装置であって、給湯器の排気側に設けられてCO異常燃焼を排気ガス中のCO濃度によって検知するCOセンサと、このCOセンサの検知信号を受けてCO異常燃焼状態と判断したときに前記燃料開閉弁と止水弁の閉制御を行う止水安全制御部とを有する給湯器の止水安全装置。」
(3)刊行物記載の考案
訂正明細書の請求項1に係る考案に対し、当審が訂正拒絶理由通知において示した刊行物1(特開平2-150619号公報、甲第2号証)には、図面とともに、次の記載があると認められる。
ア)「第1図に示す如く、瞬間湯沸器の燃焼室を形成するケース10内の下部にはガスバーナ20が設けられて、ガス供給源側から直列に配置した元電磁弁22、比例電磁弁24及び主電磁弁23を有するガス供給路21により燃料ガスが供給され、またケース10の下側に設けた電動ファン25により燃焼用空気が供給されている。元電磁弁22及び主電磁弁23は開閉のみを行う電磁弁であり、比例電磁弁24は制御電流に応じて開度が連続的に変化してガスバーナ20へのガス供給量を変化させるものである。またファン25は連続的に回転速度が変化してガス供給量に応じた量の燃焼用空気を供給するものである。
ガスバーナ20上方のケース10内に設けたフィンチューブ形の熱交換器15の入口側に接続した給水管16には水流センサ37が設けられ、また出口側に接続した給湯管17には湯温センサ38及び給場栓18が設けられている。給水管16からの給水は、熱交換器15を通過する際にガスバーナ20により加熱され、所定温度となって給湯栓18から出場される。熱交換器15よりも上方のケース10の上部はフード11を経て排気筒12に連結され、ガスバーナ20のすぐ上方のケース10内にはガスバーナ20の炎の有無を検知するフレームロッド等の炎センサ35が設けられ、またフード11内には不完全燃焼による有害ガス(CO,HmCn等)を検知するガスセンサ36が設けられている。」(第3頁左上欄18?同頁左下欄6行)
イ)「ガスセンサ36により燃焼ガス中のCO等の有害ガス成分を検知し、これが所定濃度以上であれば先ずファン25の回転速度を増加させ、それでも検知される有害成分が所定濃度以下にならなければガス燃焼器の作動を停止する。」(第4頁左上欄9?13行)
ウ)「不完全燃焼は解消されない.この場合は、ステップ202において再び3回連続して所定濃度以上の有害ガス成分が検知されるので、制御動作はステップ210に進む.この場合はフラクFは1となっているのでCPUは制御動作をステップ214に進め、表示ランプまたはブザー等により異常表示を行い、各電磁弁22?24を閉じ、ファン25により所定時間(例えば10秒)のアフタバージを行って全ての制御動作を停止する」(第5頁左上欄10?19行)
そして、前記ア)?ウ)及び図面によれば、刊行物1には、次のものが記載されていると認められる。
ガスバーナへ燃料ガスを供給するガス供給路の開閉を行う元電磁弁と、熱交換器に連通する給水管及び給湯管を備えた瞬間湯沸器の制御装置であって、瞬間湯沸器の排気側に設けられて不完全燃焼を排気ガス中のCO濃度によって検知するガスセンサと、このガスセンサの検知信号を受けて不完全燃焼状態と判断したときに前記元電磁弁の閉制御を行う制御装置とを有する瞬間湯沸器の制御装置。
また、同刊行物2(実公平2-25078号公報、甲第3号証)には、図面とともに、以下の記載があると認められる。
ウ)「第2図に示したように、熱交換器1と、熱交換器1を加熱するガスパーナ4と、熱交換器1に連なる水路に設けた水量弁3と、ガスバーナ4の燃焼を制御する制御器5とを有する。この従来例では出場栓6を開けば水量検出器2が通水を検出してガス弁7が制御器5により開かれガスバーナ4が燃焼する。水量弁3は例えば特開昭57‐134650号の如く通水量が給場器の能力に対して過大となった場合に制御器5により上記能力に見合う水量となるよう制御される。」(第1頁左欄14?23行)
エ)「ところが従来のものではガスバーナ4の途中消炎等異常時に制御器5が安全動作した場合ガス弁7が閉じられて安全であるが、通水は出場栓6を閉じない限り続行され、従って水が無駄であり、浴槽に落し込み給場を行っている場合には浴槽水の温度を著しく下げてしまうことになる。」(第1頁左欄25行?同頁右欄3行)
オ)「本考案は上記従来の問題を解決せんとしたものであり、制御器の安全動作時には熱交換器に連なる水路に設けられて通水量を給湯器の能力に見合う水量に制御する水量弁を閉側に駆動して通水量を最低作動水量に制限してある。」(第1頁右欄5?9行)
そして、前記ウ)?オ)及び図面によれば、刊行物2には、次のものが記載されていると認められる。
ガスバーナへ燃料を供給する燃料供給通路の開閉を行うガス弁と、熱交換器に連通する水路の開閉を行う水量弁とを備えた給湯器の制御器であって、途中消炎等異常時と判断したときに前記ガス弁の閉制御と水量弁を閉側に駆動して通水量を最低作動水量とする制御を行う制御器とを有する給湯器の制御器。
また、同刊行物3(特開平2-298725号公報、甲第1号証)には、その第4図ないし第6図に記載される実施例について、図面とともに、以下の記載があると認められる。
カ)「第4図ないし第6図は請求項2記載の発明の実施例であって、基端枢支部2a,3aを支点として揺動する揺動杆2,3の先端にトグル機構Eの被操作側作動点b,cを連結し、器具栓V1とダイヤフラム式給水弁V2を揺動杆2,3を介して開閉動作でき、かつ、操作釦1で電磁安全弁MVを直接作動できるようにしたもので、第4図及び第5図に示した実施例は、2つのリンクL1,L2を組合わせ、その基端枢支部を操作側作動点aとなして操作釦1と一体の操作軸17に支軸19をもって枢支し、かつ、一方のリンクL1の先端を被操作側作動点bとなして一方の揺動杆2の先端に支軸20で枢支し、器具栓V1の弁軸6の先端を該揺動杆2に当接関連させるとともに、他方のリンクL2の先端を被操作側作動点cとなして他方の揺動杆3で先端に支軸21で枢支し、ダイヤフラム式給水弁V2における水栓パイロット弁14の弁軸16の先端を連結することで、トグル機構Eの操作側作動点aは操作釦1に、被操作側作動点b,cは器具栓V1とダイヤフラム式給水弁V2に揺動杆2,3を介して連結せしめ、かつ、操作釦1と一体の操作軸17を延長し、該延長軸17aと同一軸線上に電磁安全弁MVを設け、その安全弁V6と延長軸17aとの間に遊び間隔eを存して操作釦1と安全弁V6が運動するように構成している。」(第5頁左下欄11行?第6頁左上欄5行)
キ)「この実施例において、その他の構造及び作用は第1図ないし第3図の請求項1記載の発明の実施例と同一につき同一部分に同一符号を付してその説明は省略する。」(第6頁右下欄4?7行)
ク)「上記実施例において、電磁安全弁MVの復帰用発条32の弾発力を器具栓V1の復帰用発条5の弾発力とダイヤフラム式給水弁 V2の復帰用発条13の弾発力を加えた弾発力より大きくして点火不良その他の失火時に電磁石Mの吸着力が解かれると該復帰用発条32の弾発力でデッドポイントを解除して操作軸17を図示下方の元位置まで押し戻し安全弁V6の閉止と器具栓V1及びダイヤフラム式給水弁V2の閉止とが同時に行いうるようになっている。」(第6頁右上欄5?14行)
ケ)「MVは電磁安全弁で、点火不良、立消えその他の異常時に電磁石Mへの電流が断たれてガスの供給を直ちに遮断して安全を期するためのものである。」(第4頁左上欄8?11行)
コ)「若し火が消えた時、電磁石の開放により、操作軸が押し戻されることからデッドポイントを越え「止め」の位置まで復帰し、ガスのみでなく水バルブも閉じて、全て停止の状態に戻るので、従来のガスが閉止するのみで水バルブは開のままのものに較べより使用上の利便性が向上する。」(第8頁左上欄6?11行)
サ)「V1は後述する水圧応動装置Aの水圧自動ガス弁V4と電磁安全弁MV間のガス供給路4に装備した器具栓で、発条5により閉止方向に付勢され、後述のトグル機構Eの被操作側作動点bと弁軸6を介して連設されている。V2は水圧応動装置Aのダイヤフラム室7の一次圧室7aより上流側の給水路8に装備したダイヤフラム式給水弁で、該ダイヤフラム式給水弁V2の水栓パイロット弁14はトグル機構Eの被操作側作動点cと弁軸16を介して連設されている。」(第3頁右上欄8行?同頁左下欄2行)
シ)「イグナイタの起動による点火プラグ40からの連続スパークでパイロットバーナP→メインバーナ27と点火し、パイロット炎で熱電対TCを加熱し熱起電流が生ずるとコンデンサ回路を充電回路に切替えると同時に該熱起電流で安全弁V6を引続き開放保持してメインバーナ27の燃焼炎fにより熱交換器Cを加熱する」(第5頁右上欄1?7行)
ス)「吸着弁34を電磁石Mに吸着し安全弁V6を開放保持する」(第5頁左上欄5?6行)
そして、前記カ)?ス)及び図面によれば、刊行物3には、次のものが記載されていると認められる。
メインバーナへガスを供給するガス供給路の開閉を行う器具栓と、熱交換器に連通する給水路の開閉を行うダイヤフラム式給水弁とを備えた給湯器の止水安全装置であって、給湯器の異常燃焼を検知する熱電対TCと、この熱電対TCの検知信号を受けて点火不良その他の失火時と判断したときに前記器具栓とダイヤフラム式給水弁の閉制御を行う給湯器の止水安全装置。
(4)対比・判断
訂正明細書の請求項1に係る考案(前者)と刊行物1に記載された考案(後者)とを対比すると、後者の「瞬間湯沸器」は前者の「給湯器」に相当するものであって、後者の「ガスバーナ」は前者の「バーナ」に相当し、後者の「燃料ガス」は前者の「燃料」に相当し、後者の「ガス供給路」は前者の「燃料供給通路」に相当し、後者の「元電磁弁」は前者の「燃料開閉弁」に相当し、後者の「熱交換器」は前者の「給湯熱交換器」に相当し、後者の「給水管及び給湯管」は前者の「管路」に相当する。また、後者の「制御装置」は、前者の「止水安全装置」と安全装置である点で共通するとともに、前者の「止水安全制御部」と安全制御部である点でも共通する。そして、後者の「不完全燃焼」は、通常、COを多量に発生するから、前者の「CO異常燃焼」に相当し、その検知手段である後者の「ガスセンサ」は前者の「COセンサ」に相当する。
そうしてみると、両者は、
バーナへ燃料を供給する燃料供給通路の開閉を行う燃料開閉弁と、給湯熱交換器に連通する管路を備えた給湯器の安全装置であって、給湯器の排気側に設けられてCO異常燃焼を排気ガス中のCO濃度によって検知するCOセンサと、このCOセンサの検知信号を受けてCO異常燃焼状態と判断したときに前記燃料開閉弁の閉制御を行う安全制御部とを有する給湯器の安全装置、
である点で一致し、次の点で相違する。
【相違点】
前者は、給湯器の止水安全装置であって、管路の開閉を行う止水弁を備え、安全制御部がCO異常燃焼状態と判断したときに燃料開閉弁の閉制御と止水弁の閉制御を行うのに対して、後者が、止水は行わず、安全制御部がCO異常燃焼状態と判断したときに燃料開閉弁の閉制御だけを行う点。
そこで、相違点について検討する。
刊行物2には、熱交換器に連通する水路の開閉を行う水量弁を備えた給湯器の制御器であって、途中消炎等異常時と判断したときにガス弁の閉制御と水量弁を閉側に駆動して通水量を最低作動水量とする制御を行う制御器を有する給湯器の制御器、が記載されている。そして、その「途中消炎等異常時と判断したときにガス弁の閉制御と水量弁を閉側に駆動して通水量を最低作動水量とする制御を行う」ことは、異常燃焼状態と判断したときに燃料開閉弁の閉制御に併せて水量を閉側に駆動制御を行うことを示唆している。
また、刊行物3には、熱交換器に連通する給水路の開閉を行うダイヤフラム式給水弁とを備えた給湯器の止水安全装置であって、点火不良その他の失火時と判断したときに器具栓とダイヤフラム式給水弁の閉制御を行う給湯器の止水安全装置、が記載されている。そして、その「器具栓」は前者の「燃料開閉弁」に相当し、その「ダイヤフラム式給水弁」は前者の「止水弁」に相当し、その「給湯器の止水安全装置」は前者の「給湯器の止水安全装置」に相当する。また、その「点火不良その他の失火時と判断したときに器具栓とダイヤフラム式給水弁の閉制御を行う」ことは、異常燃焼状態と判断したときに燃料開閉弁の閉制御と止水弁の閉制御を行うことを示唆している。

そして、後者と、刊行物2、3に記載されたものとは、異常燃焼状態と判断したときに燃料開閉弁の閉制御を行う安全制御である点で技術的に共通しており、他方、後者が「CO異常燃焼」を対象とし、刊行物2、3に記載されたものが「途中消炎」或いは「失火」を対象とするという差異は、後者と刊行物2、3に記載されたものとを組み合わせることを妨げる格別の要因とはいえない。
そうしてみると、後者に、刊行物2に記載されたものの「異常燃焼状態と判断したときに燃料開閉弁の閉制御に併せて水量を閉側に駆動制御を行う」という思想、並びに刊行物3に記載されたものの「燃料開閉弁」、「止水弁」、及び「給湯器の止水安全装置」、並びに「異常燃焼状態と判断したときに燃料開閉弁の閉制御と止水弁の閉制御を行う」という思想を組み合せて、後者において「給湯器の止水安全装置であって、管路の開閉を行う止水弁を備え、安全制御部がCO異常燃焼状態と判断したときに燃料開閉弁の閉制御と止水弁の閉制御を行う」ようにすることは、当業者がきわめて容易に想到できたと認められる。
したがって、訂正明細書の請求項1に係る考案は、前記刊行物1乃至3に記載されたものに基づいて当業者がきわめて容易に考案することができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものである。
(5)むすび
以上のとおりであるから、この訂正は、平成11年改正法附則第15条の規定による改正後の平成6年改正法附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4条第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第3項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。
3.実用新案登録異議申立てについて
(1)本件考案
本件実用新案登録第2574529号の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認められる。
「【請求項1】
バーナへ燃料を供給する燃料供給通路の開閉を行う燃料開閉弁と、給湯熱交換器に連通する管路の開閉を行う止水弁とを備えた給湯器の止水安全装置であって、給湯器の異常燃焼を検知する異常燃焼検知センサと、この異常燃焼検知センサの検知信号を受けて異常燃焼状態と判断したときに前記燃料開閉弁と止水弁の閉制御を行う止水安全制御部とを有する給湯器の止水安全装置。」
(2)特許法第29条第2項違反について
当審が通知した平成11年6月18日付け取消理由において引用した、前記刊行物2(実公平2-25078号公報、甲第3号証、取消理由通知書中、「刊行物1」と記載。)及び前記刊行物3(特開平2-298725号公報、甲第1号証、取消理由通知書中、「刊行物2」と記載。)には、それぞれ前記2.(3)で記載したとおりのものが記載されている。
(3)対比・判断
本件考案と刊行物2に記載のものとを対比すると、刊行物2に記載のものの「制御器」は、安全制御を行うから、本件考案の「止水安全装置」と安全装置である点で共通するとともに、本件考案の「止水安全制御部」と安全制御部であることでも共通する。また、刊行物2に記載のものの「途中消炎等異常時」は本件考案の「異常燃焼状態」に相当し、刊行物2に記載のものの「水量弁」と本件考案の「止水弁」とは、水を制御する水制御弁であること、及び異常燃焼状態と判断したときに、閉側に駆動する制御を行うことで共通する。そして、刊行物2に記載のものの「ガスバーナ」は本件考案の「バーナ」に相当し、刊行物2に記載のものの「ガス弁」は本件考案の「燃料開閉弁」に相当し、刊行物2に記載のものの「熱交換器」は本件考案の「給湯熱交換器」に相当し、刊行物2に記載のものの「水路」は本件考案の「管路」に相当する。
そうしてみると、本件考案と刊行物2に記載のものとは、
バーナへ燃料を供給する燃料供給通路の開閉を行う燃料開閉弁と、給湯熱交換器に連通する管路の開閉を行う水制御弁とを備えた給湯器の安全装置であって、異常燃焼状態と判断したときに前記燃料開閉弁の閉制御と水制御弁を閉側に駆動する制御を行う安全制御部とを有する給湯器の安全装置、
で一致し、以下の点で相違する。
【相違点1】
本件考案は、給湯器の異常燃焼を検知する異常燃焼検知センサを有し、この異常燃焼検知センサの検知信号を受けて制御を行うに対して、刊行物2に記載のものが、異常燃焼検知センサを明示していない点。
【相違点2】
本件考案は、給湯器の止水安全装置であって、水制御弁が止水弁で、止水安全制御部が、異常燃焼状態と判断したときに、水制御弁を閉制御とするのに対して、刊行物2に記載のものが、給湯器の安全装置であって、水制御弁が水量弁で、安全制御部が、異常燃焼状態と判断したときに、水制御弁の通水量を最低作動水量とする点。
そこで、各相違点を検討する。
【相違点1】
刊行物3には、給湯器の止水安全装置であって、給湯器の異常燃焼を検知する熱電対TCと、この熱電対TCの検知信号を受けて点火不良その他の失火時と判断することが記載されている。そして、その「点火不良その他の失火時」は本件考案の「異常燃焼状態」に相当し、その「熱電対TC」は、本件考案の「異常燃焼検知センサ」に相当する。そうしてみると、刊行物3には、給湯器の異常燃焼を検知する異常燃焼検知センサと、この異常燃焼検知センサの検知信号を受けて異常燃焼状態と判断することが示唆されている。
また、刊行物2に記載のものと刊行物3に記載のものとは、異常燃焼状態と判断したときに燃料供給を閉制御するとともに、通水量を閉側へ駆動する制御を行う点で共通する。
よって、刊行物2に記載のものに、刊行物3に記載された「給湯器の異常燃焼を検知する異常燃焼検知センサ」、及び「給湯器の異常燃焼を検知する異常燃焼検知センサと、この異常燃焼検知センサの検知信号を受けて異常燃焼状態と判断する」という思想を適用して、刊行物2に記載のものにおいて、「給湯器の異常燃焼を検知する異常燃焼検知センサを有し、この異常燃焼検知センサの検知信号を受けて制御を行う」ようにすることは、当業者がきわめて容易に想到することができたと認められる。
【相違点2】
刊行物3には、点火不良その他の失火時と判断したときに、器具栓とダイヤフラム式給水弁の閉制御を行う給湯器の止水安全装置、が記載されている。そして、その「点火不良その他の失火時」は本件考案の「異常燃焼状態」に相当し、その「器具栓」は本件考案の「燃料開閉弁」に相当し、その「ダイヤフラム式給水弁」は本件考案の「止水弁」に相当するから、刊行物3には、異常燃焼状態と判断したときに、燃料開閉弁と止水弁を閉制御することが示唆されている。
また、刊行物2に記載のものと刊行物3に記載のものとは、異常燃焼状態と判断したときに燃料供給を閉制御するとともに、通水量を閉側へ駆動する制御を行う点で共通する。
よって、刊行物2に記載されたものに、刊行物3に示唆された「異常燃焼状態と判断したときに、燃料開閉弁と止水弁を閉制御すること」ことを適用し、刊行物2に記載されたものにおいて、「給湯器の止水安全装置であって、水制御弁が止水弁で、止水安全制御部が、異常燃焼状態と判断したときに、水制御弁を閉制御とする」ようにすることは、当業者がきわめて容易に想到することができたと認められる。
(4)むすび
したがって、本件考案は、刊行物2乃至3に記載されたものに基づいて、当業者がきわめて容易に考案することができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないのであるから、本件考案についての実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、上記のとおり決定する。
異議決定日 2001-03-28 
出願番号 実願平3-89985 
審決分類 U 1 651・ 856- ZB (F23N)
U 1 651・ 121- ZB (F23N)
最終処分 取消  
前審関与審査官 川向 和実  
特許庁審判長 大槻 清寿
特許庁審判官 岡田 和加子
冨岡 和人
登録日 1998-04-03 
登録番号 実用新案登録第2574529号(U2574529) 
権利者 株式会社ガスター
神奈川県大和市深見台3丁目4番地
考案の名称 給湯器の止水安全装置  
代理人 五十嵐 清  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ