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審決分類 審判 全部申し立て   B01D
管理番号 1043368
異議申立番号 異議2000-72036  
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-09-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-05-02 
確定日 2001-03-28 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2600922号「半導体製造装置」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2600922号の請求項1に係る実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2600922号に係る手続きの概要は、以下のとおりである。
平成4年6月22日 実用新案出願
平成11年8月27日 実用新案権の設定の登録
平成11年11月2日 実用新案登録公報の発行
平成12年5月2日 実用新案登録異議の申立て
平成12年7月19日付 取消理由の通知
平成12年9月29日 意見書及び訂正請求書の提出
平成12年10月25日付 申立人への審尋書
平成12年12月27日 申立人からの回答書の提出
2.訂正の適否について
(1)訂正の内容
本件訂正請求書における訂正の内容は、本件実用新案登録明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものである。すなわち、
(a)実用新案登録請求の範囲の請求項1の「浄化空気の一様流れが形成された空間内に配置される」を「浄化空気の一様流れが形成されたクリーンルームと浄化空気の一様流れが形成されたメンテナンスルームとに掛渡って配置される」と訂正する。
(b)実用新案登録請求の範囲の請求項1の「フィルタと、」を「搬送されたウェーハを保持するボートと、フィル夕と、」と訂正する。
(c)実用新案登録請求の範囲の請求項1の「空気浄化装置を有する」を「空気浄化装置を有し、該空気浄化装置からの浄化空気がボートの周囲を流れて排気される様にした」と訂正する。
(d)登録明細書段落0012の「浄化空気の一様流れが形成された空間内に配置される」を「浄化空気の一様流れが形成されたクリーンルームと浄化空気の一様流れが形成されたメンテナンスルームとに掛渡って配置される」と、「フィルタと、」を「搬送されたウェーハを保持するボートと、フィル夕と、」と、「空気浄化装置を有する」を「空気浄化装置を有し、該空気浄化装置からの浄化空気がボートの周囲を流れて排気される様にした」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項(a)?(c)は、さらに限定を付したものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。そして、訂正事項(a)については願書に添付された明細書の段落0007及び図4に、訂正事項(b)については同段落0004及び図3に、訂正事項(c)については同段落0005及び図3に、それぞれ記載されているから、該訂正は、願書に添付された明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、上記訂正事項(d)は実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする上記訂正事項(a)?(c)の訂正に伴うものであり、減縮された請求項1の記載と明細書の記載とを整合させるためにするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり、上記訂正請求は、平成6年法律第116号附則第9条第2項で準用する特許法第120条の4第3項で更に準用する平成6年法改正前の特許法第126条第1項ただし書及び同条第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.本件考案
本件の請求項1に係る考案は、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】浄化空気の一様流れが形成されたクリーンルームと浄化空気の一様流れが形成されたメンテナンスルームとに掛渡って配置される半導体製造装置に於いて、内部にウェーハカセットを格納するカセットストッカと、前記ウェーハカセット内のウェーハを搬送するウェーハ移載機と、搬送されたウェーハを保持するボートと、フィル夕と、ファンと、該ファンを駆動するモータと、該モータに電力を供給する電力調整器と、該電力調整器の電力供給値を調整する制御器と、半導体製造装置の内外圧差を検出する差圧計とを具備し、該差圧計の検出結果を基に、前記半導体製造装置の内圧が該装置の外圧より所定圧高くなる様、前記電力調整器を介して前記モータを駆動する様構成した空気浄化装置を有し、該空気浄化装置からの浄化空気がボートの周囲を流れて排気される様にしたことを特徴とする半導体製造装置。」
4.取消理由の概要
当審で通知した取消理由の概要は、本件の請求項1に係る考案は、本件出願前に頒布された刊行物である特開平4-147609号公報(以下「刊行物1」という)及び 特開平4-129244号公報(以下「刊行物2」という)の記載に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項に該当し、実用新案登録を受けることができないというものである。
5.刊行物の記載内容
刊行物1には以下の事項が記載されている。
(1)「本発明は、空気清浄化装置に関する。」(第1頁左欄第20行)
(2)「本発明を縦型熱処理装置に適用した一実施例について、図面を参照して具体的に説明する。第1図及び第2図において、装置筐体10の一側面には、複数枚例えば25枚の半導体ウエハ12を搭載したキャリア14を搬入出するためのオートドア16が設けられている。……また、その上方には、複数例えば8個分のキャリア14を2列4段にて保管できるキャリアステージ22が設けられ、図示しないエレベー夕によりキャリア14を3(〇付数字)方向に昇降させて搬入出可能となっている。ウエハ12の熱処理を行う縦型熱処理炉24が筐体10内部に設けられ、この熱処理炉24には耐熱性材料例えば石英からなるボート(図示せず)がロード・アンロード可能となっている。このボートとキャリア14との間のウエハ12の移載は、図示しない移載機によって行われる。」(第2頁左下欄第12行?右下欄第14行)
(3)「本実施例装置では、上述した第1、第2の空気清浄器30、40に加えて、第3、第4の空気清浄器60、70を有している。これらは第1、第2の空気清浄器30、40と例えば同一の構成を有し、ボートがローデイングされる前の水平状態にボートに収容されたウエハ12及びアンローデイングされた後の水平状態にボートに収容されたウエハ12に対して、それぞれ第2図に示すサイドフロー56、58を実現する位置に設けられている。」(第4頁右上欄第2?11行)
(4)「本実施例では第4図のようにして、上述した第1?第4の空気清浄器30、40、60、70の動作状態を監視するようにしている。すなわち、各清浄器30、40、60、70の各ブロアファン部の圧力、例えば大気との差圧を検出する第1?第4の差圧スイッチ90、92、94、96を設けている。そして、この各スイッチ90?96の出力を入力するCPU98を設け、上記出力より各空気清浄器30、40、60、70のメインテナンス情報またはアラーム情報を出力部100に出力例えば表示出力あるいは音声出力するようにしている。」(第4頁右上欄第18行?左下欄第9行)
(5)「本実施例は半導体製造装置の縦型熱処理装置にのみ適用されるものに限らず、クリーンエアのフローを2か所以上で実現する各種装置に適用可能である。また、各空気清浄器の構成としては少なくともフィルタ及び送風手段を有すれば足り、フィルタ、送風手段の具体的構成については種々の変形実施が可能である。」(第4頁右下欄第7?13行)
刊行物2には以下の事項が記載されている。
(6)「半導体工場内の空気圧力は各装置のレイアウトや建屋の構造の変更等によって変動することがある。甚だしい場合には、ウエーハ保管庫内の圧力が庫外の圧力より低下し、その結果、外部の空気が庫内に逆流し、ひいては庫内のクリーン度が低下する場合がある。本発明は上記事情に鑑みて創案されたもので、各装置のレイアウトや建屋構造の変更等により空気の圧力が変動しても、庫内外の圧力の差をある限度内に保持することにより、前記空気の逆流を防止し、クリーン度を維持するようにしたウエーハ保管庫を提供することを目的としている。」(第2頁左上欄第2?13行)
(7)「本発明に係るウエーハ保管庫10は4周が側壁で囲まれ、天井に通風口10Aが、また床には排気口10Bが形成されており、ファン21と、収納棚30と、出入口31と、スタッカ32と、ローダ33と、制御部50と圧力差検出センサ51を含んでいる。ファン21は、前記通風口10Aの上部に設けられ、複数個のファンモー夕22で駆動される。なおウエーハ保管庫10がクリーンルーム外等に設置され清浄空気源を必要とする場合には、前記通風口10Aとファン21の間にエアフィル夕23(図示せず)が設けられる。」(第2頁右上欄第14行?左下欄第4行)
(8)「つぎに本発明のウエーハ保管庫の動作について説明する。庫内の圧力P1が一定であっても、庫外の圧力P2が変動し、前記圧力差が変動範囲から外れると、ファンモー夕22を加減速され、ファン21の送風量が制御される。従って、庫内外の圧力差は変動範囲内に引き戻され、正の所定値に保持される。」(第2頁右下欄第18行?第3頁左上欄第4行)
6.当審における判断
刊行物1には上記5.(1)?(5)の記載から「筐体内部に、ウエハを搭載したキャリアを保管するキャリアステージ、ウエハを移載する移載機、ウエハを収容するボート、フィルタとブロアファンを有する空気清浄器及び差圧スイッチを設けた縦型熱処理装置」が記載され、更に、浄化空気の流れについて「ボートに収容されたウエハに対してサイドフローを実現する」ことが記載されている。
そこで、本件の請求項1に係る考案(以下「本件考案」という)と刊行物1記載の考案(以下「刊行物1考案」という)とを対比すると、刊行物1考案の「キャリア」は本件考案の「ウェーハカセット」、同じく「キャリアステージ」は「カセットストッカ」、「移載機」は「ウェーハ移載機」、「ブロアファン」は「ファン」、「差圧スイッチ」は「差圧計」、「縦型熱処理装置」は「半導体製造装置」にそれぞれ相当し、更に、刊行物1考案の浄化空気がウエハに対してサイドフローするということはウエハが収容されたボートの周囲を流れることは明らかであるから、両者は、「内部にウェーハカセットを格納するカセットストッカと、前記ウェーハカセット内のウェーハを搬送するウェーハ移載機と、搬送されたウェーハを保持するボートと、フィル夕とファンを有する空気浄化手段と、差圧計とを具備し、浄化空気がボートの周囲を流れて排気される様にしたことを特徴とする半導体製造装置」である点で一致し、以下の点で相違している。
(1)本件考案は、半導体製造装置が浄化空気の一様流れが形成されたクリーンルームと浄化空気の一様流れが形成されたメンテナンスルームとに掛渡って配置されるのに対し、刊行物1考案は半導体製造装置の配置は特定されていない点。
(2)本件考案は、空気浄化手段がフィル夕とファン以外にファンを駆動するモータと、該モータに電力を供給する電力調整器と、該電力調整器の電力供給値を調整する制御器とを具備し、差圧計で半導体装置の内外圧差を検出し、該差圧計の検出結果を基に、前記半導体製造装置の内圧が該装置の外圧より所定圧高くなる様、前記電力調整器を介して前記モータを駆動する様構成しているのに対し、刊行物1考案の空気浄化手段は半導体装置の内外圧差
調整手段を設けていない点。
そこで上記相違点について検討する。
(相違点(1)について)
半導体製造装置を浄化空気の一様流れが形成されたクリーンルームと浄化空気の一様流れが形成されたメンテナンスルームとに掛渡って配置することは、例えば特開平2-138733号公報に記載されているように、本件出願前周知であるから、刊行物1考案の半導体製造装置に適用することは当業者がきわめて容易に想到し得ることであり、更に、適用したことによる効果も予期しうる範囲内のものである。
(相違点(2)について)
刊行物2には、上記5.(6)?(8)に摘記したように、「各装置のレイアウトや建屋構造の変更等により空気の圧力が変動しても、庫内外の圧力の差をある限度内に保持することにより、前記空気の逆流を防止し、クリーン度を維持するようにしたウエーハ保管庫を提供することを目的としている。」と記載され、その解決手段として「圧力差検出センサ(本件考案の「差圧計」に相当)で庫内外の圧力差を検出し、その圧力差が正の所定値に保持されるように、制御部でファンモータ(本件考案の「モータ」に相当)を加減速する」ことが記載されているといえる。また、モータを電力調整器を介して駆動制御することは本件出願前周知である。
そして、刊行物2の上記記載はウエーハ保管庫に関するものではあるが、半導体工場内で用いられるものであり、刊行物1記載の半導体製造装置と技術分野を同じくし、更に、筐体等の入れ物内における清浄空気の流れを形成するという課題においても両者は共通している。
してみれば、刊行物1記載の半導体製造装置において、その空気浄化手段に代えて刊行物2記載のものを転用すると共にその転用に際し上記周知技術を付加して、ファンを駆動するモータと、該モータに電力を供給する電力調整器と、該電力調整器の電力供給値を調整する制御器とを具備し、差圧計で半導体装置の内外圧差を検出し、該差圧計の検出結果を基に、前記半導体製造装置の内圧が該装置の外圧より所定圧高くなる様、前記電力調整器を介して前記モータを駆動する様構成することは、当業者がきわめて容易に想到し得るものと認められる。
7.むすび
以上のとおり、本件の請求項1に係る考案は、上記刊行物1及び2に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
したがって、本件の請求項1に係る考案についての実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものと認める。
よって、特許法の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
半導体製造装置
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 浄化空気の一様流れが形成されたクリーンルームと浄化空気の一様流れが形成されたメンテナンスルームとに掛渡って配置される半導体製造装置に於いて、内部にウェーハカセットを格納するカセット,ストッカと、前記ウェーハカセット内のウェーハを搬送するウェーハ移載機と、搬送されたウェーハを保持するボートと、フィルタと、ファンと、該ファンを駆動するモータと、該モータに電力を供給する電力調整器と、該電力調整器の電力供給値を調整する制御器と、半導体製造装置の内外圧差を検出する差圧計とを具備し、該差圧計の検出結果を基に、前記半導体製造装置の内圧が該装置の外圧より所定圧高くなる様、前記電力調整器を介して前記モータを駆動する様構成した空気浄化装置を有し、該空気浄化装置からの浄化空気がボートの周囲を流れて排気される様にしたことを特徴とする半導体製造装置。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、縦型拡散炉等半導体製造装置、特に高度な清浄雰囲気を保持する為の空気浄化装置を有する半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
縦型拡散炉等各種の半導体製造装置に於いては高度の清浄雰囲気を必要とし、斯かる清浄雰囲気を実現する為、空気浄化装置が設置される。
【0003】
図2、図3に於いて空気浄化装置を具備する縦型拡散炉について説明する。
【0004】
図中1は半導体製造装置の筐体、2は熱処理炉、3はウェーハ4を多段に保持するボート、5は該ボート3を該熱処理炉2に装入、引出す為のボートエレベータ、6はウェーハカセット7を所要列、所要段に格納するカセットストッカであり、8は該カセットストッカ6と前記ボート3との間でウェーハ4を移載するウェーハ移載機、9は前記筐体1の正面に設けられ、ウェーハカセット7を半導体製造装置に供給、排出する為のカセット授受部であり、本半導体製造装置では空気浄化装置10,11は前記筐体1の側面部と天井部に設けられ、前記筐体1の背面には排気用のファン12が設けられている。
【0005】
ここで、空気の流れについて略述すると、側面部の空気浄化装置10より吸引された空気は濾過清浄され、ボート3の周囲を流れて前記ファン12より排気され、又天井部より吸引された空気は空気浄化装置11に濾過清浄されてカセットストッカ6の上方から下方に向かって降流し、筐体1の床面に沿って流れて前記ファン12より排気される。
【0006】
又、前記した半導体製造装置13が設置される通常の環境について図4に於いて説明する。
【0007】
該半導体製造装置13が設置される空間はクリーンルーム14とメンテナンスルーム15に画成されており、クリーンルーム14、メンテナンスルーム15それぞれの空間では浄化された空気が一様に流れる様になっている。
【0008】
次に、図5に於いて従来の半導体製造装置に於ける空気浄化装置の概略を説明する。
【0009】
空気浄化装置は主に、空気を濾過浄化するフィルタ16と送風用のファン17、該ファン17を駆動するモータ18から構成されている。図中、19は電源である。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
上記した従来の空気浄化装置ではモータ18の制御は特になされてなく、風量は一定であった。ところが実際に半導体製造装置が稼働する雰囲気、例えば半導体製造装置の内部と外部、或はクリーンルーム14とメンテナンスルーム15との間での差圧はユーザーの設備によりまちまちである。この為、空気浄化装置の駆動状態と半導体製造装置の設置されている雰囲気との間で整合性が取れていない場合は、半導体製造装置内の風圧とクリーンルーム14内の風圧とのバランスを取ることができず外部空気の巻込みなどを生ずることがあり、空気浄化機能に影響を及ぼしていた。
【0011】
本考案は斯かる実情に鑑み、空気浄化装置の駆動状態を制御可能として半導体製造装置内と雰囲気との整合性が取れる様にしたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本考案は、浄化空気の一様流れが形成されたクリーンルームと浄化空気の一様流れが形成されたメンテナンスルームとに掛渡って配置される半導体製造装置に於いて、内部にウェーハカセットを格納するカセットストッカと、前記ウェーハカセット内のウェーハを搬送するウェーハ移載機と、搬送されたウェーハを保持するボートと、フィルタと、ファンと、該ファンを駆動するモータと、該モータに電力を供給する電力調整器と、該電力調整器の電力供給値を調整する制御器と、半導体製造装置の内外圧差を検出する差圧計とを具備し、該差圧計の検出結果を基に、前記半導体製造装置の内圧が前記クリーンルームの圧力より所定圧高くなる様、前記電力調整器を介して前記モータを駆動する様構成した空気浄化装置を有し、該空気浄化装置からの浄化空気がボートの周囲を流れて排気される様にしたことを特徴とするものである。
【0013】
【作用】
差圧計によって装置の内圧と外圧との差圧が検出され、制御器はこの差圧が所定値となる様、電力調整器を介してモータに供給する電力を制御し、該モータによって駆動されるファンの風量を適正なものにする。
【0014】
【実施例】
以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明する。
【0015】
尚、図1中、図5中で示したものと同一のものには同符号を付してある。
【0016】
前記モータ18を電力調整器20を介して前記電源19に接続し、前記電力調整器20には制御器22を接続する。又、該制御器22には差圧計21からの信号、及び基準差圧信号23を入力する。前記差圧計21は半導体製造装置の内圧と外圧との差を検出するものであり、前記基準差圧信号23は適正な半導体製造装置の内圧と外圧との差に相当する信号である。
【0017】
前記制御器22は前記差圧計21が検出した差圧と前記基準差圧信号23とを比較演算して偏差を求め、更に前記制御器22はこの偏差が0となる様に、前記電力調整器20を制御し、前記モータ18への供給電力を調整する。
【0018】
該モータ18への供給電力が調整されることで、ファン17の風量が変化し、半導体製造装置の内圧と外圧との差は適正値に調整される。
【0019】
而して、半導体製造装置の外圧がどの様な値であっても、常に適正な内外差圧に維持でき、空気浄化装置の浄化機能を十分に発揮させることができる。
【0020】
【考案の効果】
以上述べた如く本考案によれば、半導体製造装置の外圧がどの様な値であっても、常に適正な内外差圧即ち半導体製造装置内の圧力を外圧に対して若干高くすることができ、従って、外部から半導体製造装置内部へのパーティクルの浸入を防止し得、半導体製造装置内を高清浄度に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案の一実施例を示すブロック図である。
【図2】
縦型拡散・CVD装置の正面方向からの斜視図である。
【図3】
縦型拡散・CVD装置の背面方向からの斜視図である。
【図4】
半導体製造装置とクリーンルーム、メンテナンスルームとの関係を示す説明図である。
【図5】
従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
16 フィルタ
17 ファン
18 モータ
19 電源
20 電力調整器
21 差圧計
22 制御器
23 基準差圧信号
訂正の要旨 実用新案登録第2600922号の明細書中、
実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、
(a)実用新案登録請求の範囲の請求項1の「浄化空気の一様流れが形成された空間内に配置される」を「浄化空気の一様流れが形成されたクリーンルームと浄化空気の一様流れが形成されたメンテナンスルームとに掛渡って配置される」と訂正し、
(b)実用新案登録請求の範囲の請求項1の「フィルタと、」を「搬送されたウェーハを保持するボートと、フィルタと、」と訂正し、
(c)実用新案登録請求の範囲の請求項1の「空気浄化装置を有する」を「空気浄化装置を有し、該空気浄化装置からの浄化空気がボートの周囲を流れて排気される様にした」と訂正し、
明瞭でない記載の釈明を目的として、
(d)登録明細書段落0012の「浄化空気の一様流れが形成された空間内に配置される」を「浄化空気の一様流れが形成されたクリーンルームと浄化空気の一様流れが形成されたメンテナンスルームとに掛渡って配置される」と、「フィルタと、」を「搬送されたウェーハを保持するボートと、フィルタと、」と、「空気浄化装置を有する」を「空気浄化装置を有し、該空気浄化装置からの浄化空気がボートの周囲を流れて排気される様にした」と訂正する。
異議決定日 2001-02-07 
出願番号 実願平4-49543 
審決分類 U 1 651・ 121- ZA (B01D)
最終処分 取消    
前審関与審査官 大黒 浩之  
特許庁審判長 沼沢 幸雄
特許庁審判官 唐戸 光雄
西村 和美
登録日 1999-08-27 
登録番号 実用新案登録第2600922号(U2600922) 
権利者 国際電気株式会社
東京都中野区東中野三丁目14番20号
考案の名称 半導体製造装置  
代理人 三好 祥二  
代理人 三好 祥二  

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