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審決分類 審判 全部申し立て   H01H
管理番号 1045192
異議申立番号 異議2001-70793  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-03-06 
確定日 2001-07-04 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2606012号「スイッチ極盤の構造」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2606012号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続きの経緯
実用新案登録第2606012号の請求項1に係る考案は、平成5年12月21日に実用新案登録出願され、平成12年7月7日にその実用新案権の設定登録がなされ、その後、申立人伊藤ミツ子より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年6月8日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
ア.訂正事項a
【実用新案登録請求の範囲】の【請求項1】中の、「電気部品を収納する収納部」を「電気部品を収納し、可動接点が接触する固定接点を設けた基板で閉塞する収納部」と訂正する。
イ.訂正事項b
【考案の詳細な説明】の段落【0004】中の、「電気部品を収納する収納部」を「電気部品を収納し、可動接点が接触する固定接点を設けた基板で閉塞する収納部」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、実用新案登録請求の範囲の請求項1において、電気部品を収納する収納部の構造をより詳細に限定する訂正であるから、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものであり、「可動接点が接触する固定接点を設けた基板で閉塞する収納部」である点は、明細書の段落【0008】、【0010】および【0014】において記載されている。
上記訂正事項bは、【課題を解決するための手段】の項の記載を、訂正された実用新案登録請求の範囲に対応させて記載の明確化を図るものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記いずれの訂正事項も、新規事項の追加に該当せず、本件考案の課題に変更を及ぼすものではないから、実質上、実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.実用新案登録異議の申立てについての判断
(1)申立ての概要
申立人伊藤ミツ子は、本件の請求項1に係る考案は、甲第1号証ないし甲第3号証に記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易になしえたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録をうけることができないものであり、本件の請求項1に係る考案についての実用新案登録は取り消されるべきと主張している。
(2)本件の請求項1に係る考案
上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、上記訂正請求に係る訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次の通りのものである。
「【請求項1】導体をインサート成形したスイッチ極盤において、前記極盤は、電気部品を収納し、可動接点が接触する固定接点を設けた基板で閉塞する収納部と、コネクタ部とを有し、前記導体は、前記コネクタ部内に突出した端子と、前記収納部の内底面に設置した電気接続部と、前記極盤の上面から突出したリード部とを形成したことを特徴とするスイッチ極盤の構造。」
(3)各甲号証記載の考案
実用新案登録異議申立人が証拠として提出した各甲号証には、それぞれ、以下のような考案が記載されている。
甲第1号証:実公平5-21219号公報
実用新案登録請求の範囲の欄第1?4行に「合成樹脂からなる本体樹脂部中に一対の電極板を間隔をもって埋設し、これら電極板の一部を表面に突出させてスイッチの接点としたベースプレート」、
同欄第7?12行に「この小組体を被覆する本体樹脂部の表面に、スイッチのノブ等を組み込むための箱状部及びその他の取付部品支持部を一体に形成し、かつ小組体の電極板から延出するカプラー端子部を収容するカプラーも本体樹脂部の成形によって一体化した」、
公報第3頁左欄第20?22行に「ベースプレート10中には、上記固定接点と接する上記電極板23と下側電極板24が中間プレート25を挟んでインサートされている。」、
同第3頁右欄第1?3行には、「カプラー接続部25dにカプラー11を取付けると、端子部23b、24bもカプラー11内部に突出するようになっている。」とそれぞれ記載されているとともに、その構成が図1、2に示されている。

甲第2号証:実願昭60-151453号(実開昭62-59543号)のマイクロフィルム
明細書第5頁第6?13行に「第1図において、20はプリント基板であり、基板上にはIC3a...が搭載され、...機能回路6が形成されている。21はスルー回路で、...機能回路6とは独立してプリント基板20に対して立体的に配索されている。」、
同書第6頁第8?11行には「結合コネクタ2の雌端子27、信号回路用外部出力コネクタ12と大電流用スルーコネクタ13の端子14をそれぞれラウンド15に半田付け固定し、」とそれぞれ記載されているとともに、その構成が第1?4図に示されている。

甲第3号証:実願昭62-175675号(実開平1-79865号)のマイクロフィルム
明細書第3頁第12?17行には「11は印刷配線基板、12、13はこの印刷配線基板11と樹脂成形により一体に構成されたコネクターのハウジング部とコネクターの電極部、14は印刷配線基板11上に電気回路を形成する導体、4はこの導体14と半田付けにより固着されている電子部品である。」と記載されているとともに、その構成が第1?3図に示されている。
(4)対比判断
本件考案と上記甲第1号証ないし甲第3号証に記載の考案とを対比すると、上記各甲号証に記載の考案は、本件考案を特定する事項である、スイッチ極盤として「電気部品を収納し、可動接点が接触する固定接点を設けた基板で閉塞する収納部」を有する構成を備えておらず、当該構成により本件考案は、「リレー等の電気部品は、極板の収納部に内設し、かつ基板で閉塞したので、該リレー等の電気部品の作動音がケースの外に響くことがなく、作動音を消音すると共に音圧、及び音質を向上することができる。」という顕著な効果を奏するものである。
確かに上記甲第1号証には「小組体を被覆する本体樹脂部の表面に、スイッチのノブ等を組み込むための箱状部及びその他の取付部品支持部(本件考案の「収納部」に相当)を一体に形成」した点が記載されてはいるが、上記甲第1号証における「箱状部及びその他の取付部品支持部」はカバー13によって一応は覆われるものの、基板に相当する回路板16によっては閉塞されていない。
上記甲第2号証は、「自動車用電子回路ユニット」に関するものであって、プリント基板に設けられたスルー回路に関する記載があるが、本件考案の「導体をインサート形成したスイッチ極板」に関するものではない。
上記甲第3号証は、単にコネクターのハウジング部を印刷配線基板と樹脂成形により一体にした点が記載されているに過ぎない。
したがって、上記甲第1ないし3号証のいずれにも、本件考案に係る上記特徴点を示唆する記載のないことは明らかであり、また、上記甲第1ないし3号証に記載の考案を単に寄せ集めたとしても本件考案に至らないことも明らかである。
(5)むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠によっては、本件の請求項1に係る実用新案登録を取り消すことができない。
また、他に本件考案についての実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
スイッチ極盤の構造
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 導体をインサート成形したスイッチ極盤において、
前記極盤は、電気部品を収納し、可動接点が接触する固定接点を設けた基板で閉塞する収納部と、コネクタ部とを有し、
前記導体は、前記コネクタ部内に突出した端子と、前記収納部の内底面に設置した電気接続部と、前記極盤の上面から突出したリード部とを形成したことを特徴とするスイッチ極盤の構造。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば、リレーなどの電気部品を備えた自動車用パワーウインドスイッチ等のスイッチ極盤の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の技術としては、例えば特開平5-166435号公報に開示された技術がある。該技術は、極盤に載置した基板上にリレー、スイッチユニット、及び電子素子を配設し、かつケースで覆った構成である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来技術は、1枚の基板上にリレー、及びスイッチユニット等を設置しているので多数の電子素子を設けることができない。該基板に更に多数の電子素子を設置する場合は、基板を増設し、2重構造にしているので、構造が複雑で、部品点数及び組付け工数が多いという問題点がある。該基板は、銅薄が35ミクロン程度で薄く、大きい電流を流すことができないという問題点がある。また、リレーは、ケースの直ぐ下に設置しているので、リレーの作動音がケース外に漏れ、操作者等に不快感を与えるという問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案に係るスイッチ極盤の構造は、前述した従来の技術の問題点を解消すべく考案したものであり、導体をインサート成形したスイッチ極盤において、前記極盤は、電気部品を収納し、可動接点が接触する固定接点を設けた基板で閉塞する収納部と、コネクタ部とを有し、前記導体は、前記コネクタ部内に突出した端子と、前記収納部の内底面に設置した電気接続部と、前記極盤の上面から突出したリード部とを形成したことで成る。
【0005】
【実施例】
以下、図1、及び図2に基づき本考案に係るスイッチ極盤の構造の一実施例を詳述する。
【0006】
1は、例えば、自動車用パワーウインドスイッチ等のケース2に揺動自在に軸支したノブであり、照明表示部1aを有する。該照明表示部1aは、基板5に設けた発光体5cにより照明される。ケース2は、上面にプッシュロッド3を挿入する貫通孔2a、及び発光体5cを挿入する孔2cを穿設し、側面に極盤7の第1爪7eに係合する孔2cを穿設している。3は、ケース2に上下動自在に設けたプッシュロッドである。該プッシュロッド3は、ラバーコンタクト4に載置すると共に、先端をケース2の下方から貫通孔2aに挿通し、かつ前記ノブ1の左右下端部に当接している。
【0007】
ラバーコンタクト4は、袴状の2つの屈曲部4aを有し、該屈曲部4a内に基板5の固定接点5bに接触する可動接点4cをそれぞれ固着している。該ラバーコンタクト4は、ケース2の下面に形成した保持部2bと、基板5とで挟持されている。該ラバーコンタクト4は、中央に発光体5cを挿通する穴4bを穿設している。
【0008】
基板5は、上面に前記固定接点5b、及び発光体5cを設け、下面に多数の電子素子9を設けている。該基板5は、スルーホール5aに、極盤7の上面7aから突出した導体8のリード部8aに半田付けすることで固定する。固定接点5bは、基板5に印刷した銅薄等から成る。発光体5cは、例えば、夜間照明用、又は作動照明用の発光素子等から成る。
【0009】
6は、ボックス6bに収納した電気部品としてのツインリレーであり、下面にリード端子6aを有する。該ツインリレー6は、極盤7の第1収納部7bの底面に露出した導体8の電気接続部8bに半田付けする。該ツインリレー6は、例えば、各ボックス6b内にそれぞれ2つ備えたリレーで、更に図1に示すように2個のリレーから成り、合計4個のリレーから構成する。4個のリレーのうち、例えば、各リレーは、窓ガラス上昇用、窓ガラス下降用、ドアロック用、ドアアンロック用のそれぞれである。尚、極盤7に収納するツインリレー6等の電気部品は、半導体などの電子素子やモータ類等であっても良く、特に限定しない。
【0010】
極盤7は、導体8を樹脂でインサート成形したものであり、上面7aに、第1収納部7b、及び第2収納部7cを形成し、側面にコネクタ部7d、下方にカバー10を有する。上面7aは、極盤7に基板5を設置する面であり、多数のリード部8aを突出している。基板5の取付面は、極盤7の上面7aに限定するのではなく、例えば極盤7の下面やコネクタ部7d以外の側面でも良い。第1収納部7b、及び第2収納部7cは、基板5で閉塞した電気部品収納用の箱型の空間である。第1収納部7bは、内底面に、電気接続部8bを露出するための穴7gを形成している。該第1収納部7bは、内底面が電気回路基板状になっており、電気接続部8bに半田付けしたツインリレー6を収納すると共に、基板5に半田付けした電子素子9を収納している。第2収納部7cには、基板5に半田付けした電子素子9を収納している。尚、極盤7の第1収納部7bの底面下側は、カバー10との空間を広げることにより、ツインリレー6又は電子素子9等の電気部品を設置することが可能となる。
【0011】
導体8は、例えば、約0.64[mm]の銅板等をプレス加工して成形したものである。該導体8は、上面7aから突出したリード部8aと、コネクタ部7d内に突出した端子8cと、第1収納部7bの内底面の穴7g内に露出した電気接続部8bとを形成している。電気接続部8bは、例えば、導体8に穿設した貫通孔にリード端子6aを貫通し、半田付けして成る。尚、電気接続部8bには、極盤7の下面側からも電気部品を取付けることができる。また、リード部8a及び電気接続部8bの形状は、電気部品を接続できるものであれば良く、特に限定しない。
【0012】
カバー10は、極盤7の底面から突出したツインリレー6のリード端子6aを保護するためのものであり、例えば、透明、又は半透明の樹脂から成る。該カバー10は略箱型をし、極盤7の第2爪7fに係合する係止溝10aを内壁に形成している。尚、極盤7の下面と、カバー10との間の空間には、電気部品を設置することができる。
【0013】
本考案に係るスイッチ極盤の構造は、以上のような構成であり、次にその作用を詳述する。
【0014】
ノブ1を操作すると、該ノブ1がブッシュロッド3を下降させ、ラバーコンタクト4を屈曲し、可動接点4cと固定接点5bが接触してONする。そして、ツインリレー6がONする。
【0015】
このとき、ツインリレー6は、該ツインリレー6をボックス6bに収納し、かつ基板5で閉塞した極盤7の第1収納部7bに収納し、更に該極盤7をカバー10とケース2との中に収納したので、作動音がケース2の外部に伝達することがなく、消音することができる。これにより、ツインリレー6は、音圧、及び音質を向上し、該ツインリレー6を内設した自動車用パワーウインドスイッチ等の品位を向上することができる。また、ツインリレー6は、極盤7にインサート成形した導体8に半田付けしたので、大きい電流を流すことができ、理想的な磁力を得ることができる。そして、カバー10は、透明体、又は半透明体から成るので、極盤7の下面を視認することができ、例えばツインリレー6等に異常が発生したときに、異常箇所等を発見し易い。
【0016】
極盤7は、ツインリレー6、及び電子素子9等の電気部品を設置することができる基板5と、ツインリレー6、及び電子素子9等の電気部品を保護し、収納する箱体の役目を兼ねている。これにより、部品点数及び組付け工数を削減し、コストを低減すると共に、スイッチ全体を小型化することができる。また、基板5は、導体8の一部でなるリレー部8aに、溶着したので電気接続箇所の信頼性を向上することができる。尚、上記ツインリレー6は、これに限らず単一リレーで構成してもよい。
【0017】
【考案の効果】
本考案に係るスイッチ極盤の構造は、次のような効果がある。
(1)リレー等の電気部品は、極盤の収納部に内設し、かつ基板で閉塞したので、該リレー等の電気部品の作動音がケースの外に響くことがなく、作動音を消音すると共に音圧、及び音質を向上することができる。
(2)極盤は、収納部と電気接続部を有するので、電気部品を設置することができる基板と、電気部品を保護し、収納する箱体の役目を兼ねているので、部品点数及び組付け工数を削減し、コストを低減すると共に、スイッチ全体を小型化することができる。
(3)リレー等の電気部品は、極盤にインサート成形した導体に半田付けしたので、大きい電流を流すことができ、理想的な磁力を得ることができる。
(4)基板は、導体の一部でなるリード部に、溶着したので電気接続箇所の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案の好適な実施例を示す分解斜視図である。
【図2】
本考案の好適な実施例を示す拡大中央縦断面図である。
【符号の説明】
1 ノブ
2 ケース
5 基板
5a スルーホール
6 ツインリレー(電気部品)
7 極盤
7a 極盤の上面
7b 第1収納部
7c 第2収納部
7d コネクタ部
8 導体
8a リード部
8b 電気接続部
8c 端子
訂正の要旨 訂正事項a
【実用新案登録請求の範囲】の【請求項1】中の、「電気部品を収納する収納部」を「電気部品を収納し、可動接点が接触する固定接点を設けた基板で閉塞する収納部」と訂正する。
訂正事項b
【考案の詳細な説明】の段落【0004】中の、「電気部品を収納する収納部」を「電気部品を収納し、可動接点が接触する固定接点を設けた基板で閉塞する収納部」と訂正する。
異議決定日 2001-06-13 
出願番号 実願平5-73097 
審決分類 U 1 651・ 121- YA (H01H)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中川 真一  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 松下 聡
熊倉 強
登録日 2000-07-07 
登録番号 実用新案登録第2606012号(U2606012) 
権利者 ナイルス部品株式会社
東京都大田区大森西5丁目28番6号
考案の名称 スイッチ極盤の構造  
代理人 内藤 照雄  
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