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審決分類 審判 全部申し立て   F16F
管理番号 1045199
異議申立番号 異議1999-74754  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-10-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-12-17 
確定日 2001-09-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第2596845号「油圧緩衝器」の請求項1に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 登録第2596845号の請求項1に係る実用新案登録を取り消す。
理由 I.手続の経緯
実用新案登録第2596845号の請求項1に係る考案は、平成5年2月26日に実用新案登録出願(実願平5-13324号)され、平成11年4月16日にその実用新案権の設定登録がされ、その後、異議申立人・株式会社ショーワ(以下、「申立人」という。)より、その実用新案登録について実用新案登録異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成12年6月6日に訂正請求がなされた後、訂正拒絶理由の通知がされ、その指定期間内に応答がなかったものである。

II.訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
(1)訂正事項a
登録第2596845号の願書に添付した明細書及び図面(以下、「登録明細書」という。)の実用新案登録請求の範囲の請求項1中「ている油圧緩衝器において、」を削除し、同じく「並列に」を削除し、同じく「と圧側サブリーフバルブ」を削除し、同じく「ことを特徴とする油圧緩衝器」を「油圧緩衝器において、中空ロッドにバイパスから分岐した横通路を上記可変オリフィスより上流側に設け、当該横通路の出口端を上記圧側メインリーフバルブに対向させ、この出口端に圧側サブリーフバルブを開閉自在に設けたことを特徴とする油圧緩衝器」と訂正する。
(2)訂正事項b
登録明細書の段落【0012】項中「ている油圧緩衝器において、」を削除し、同じく「並列に」を削除し、同じく「と圧側リーフバルブ」を削除し、同じく「ことを特徴とする油圧緩衝器」を「油圧緩衝器において、中空ロッドにバイパスから分岐した横通路を上記可変オリフィスより上流側に設け、当該横通路の出口端を上記圧側メインリーフバルブに対向させ、この出口端に圧側サブリーフバルブを開閉自在に設けたことを特徴とする油圧緩衝器」と訂正する。
(3)訂正事項c
登録明細書の段落【0027】項中「出口端」を「出口端は圧側メインリーフバルブ8に対向させ、この出口端」と訂正する。
(4)訂正事項d
登録明細書の段落【0038】項中「4に希要求される。」を「室4に吸引される。」と訂正する。
(5)訂正事項e
登録明細書の段落【0042】項中「可能になる。」を「可能になる。更に、横通路の出口端を圧側メインリーフバルフに対向させ、この出口端に圧側サブリーフバルブを開閉自在に設けたから、圧側メインリーフバルブと圧側サブリーフバルブとを背中合せに配置でき、これにより両者の配置間隔を小さくできる。従って圧側減衰力発生機構の長さ力向の寸法を小さくでき、併せてダンパーストロークを多く確保でき、組付性も向上する。更に圧側メインリーフバルブと圧側サブリーフバルブが背中合せに配置できることにより各リーフバルブから流出した作動油のリザーバへの流路が共用できる利点もある。」と訂正する。
なお、訂正後の段落番号【0042】中の「多く確保てき」は「多く確保でき」の誤記であると認める。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び実用新案登録請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項a
権利者は、訂正事項aは、実用新案登録請求の範囲に記載された油圧緩衝器の前提となる構成を限定し、更にバイパスの構成を限定し、併せて圧側サブリーフバルブの配置位置を限定したものであり、この訂正事項aは、登録明細書中の段落番号【0003】、【0018】、【0024】、【0026】、【0027】、及び図1、2に記載されており、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当すると主張している。
しかしながら、訂正事項aにより、訂正前の「バイパスの途中に並列に設けた可変オリフィスと圧側サブリーフバルブとで構成されている」の記載を、「バイパスの途中に設けた可変オリフィスとで構成されている油圧緩衝器において、中空ロッドにバイパスから分岐した横通路を上記可変オリフィスより上流側に設け、当該横通路の出口端を上記圧側メインリーフバルブに対向させ、この出口端に圧側サブリーフバルブを開閉自在に設けた」と訂正することにより、訂正前の請求項1に記載された可変オリフィスと圧側サブリーフバルブを「バイパスの途中に並列に設けた」以外の構成、例えば、可変オリフィスと圧側サブリーフバルブをバイパスの途中に直列に設ける構成を含み得ることになるので、「可変オリフィスと圧側リーフバルブ12とが直列に配設されている為に、可変オリフィスを全開にしても圧側リーフバルブ12による減衰力が発生する。したがって、この減衰力がハード路面を高速走行した場合や、比較的技量の低いライダーに対しては硬くて悪いフィーリングを与えることになる不都合がある。」(登録明細書の段落番号【0009】及び【0010】)という、本件の考案が解決しようとする課題に関する記載からみて、訂正後の請求項1に係る考案は構成として不明りょうなものとなり、訂正事項aは、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内の訂正とは認められない。
また、「中空ロッドにバイパスから分岐した横通路を上記可変オリフィスより上流側に設け」の記載を追加する点は、可変オリフィスより「上流側」か、可変オリフィスより「下流側」かいうことが、可変オリフィスが設けられている場所に対してどちらの方向から油が流れてくるのかということによって定まるものであるから、訂正後の請求項1に係る考案は構成として不明りょうなものとなり、訂正事項aは、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内の訂正とは認められない。
(2)訂正事項b
権利者は、訂正事項bは、上記訂正事項aの構成に対応する構成を明りょうにしたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当すると主張している。
しかしながら、上記(1)に記載した理由により、訂正事項aは、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内の訂正とは認められない以上、訂正事項bは、誤記の訂正又は明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当するものとはいえないし、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内の訂正とは認められない。
(3)訂正事項e
権利者は、訂正事項eは、上記訂正事項aの構成に対応する効果を明りょうにしたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当すると主張している。
しかしながら、上記(1)に記載した理由により、訂正事項aは、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内の訂正とは認められない以上、訂正事項eは、誤記の訂正又は明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当するものとはいえないし、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内の訂正とは認められない。

3.むすび
以上のとおり、本件訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。

III.実用新案登録異議の申立てについての判断
1.実用新案登録異議の申立ての理由の概要
申立人は、本件の考案は、甲第1号証の1(刊行物1)又は甲第1号証の2(実願平1-45211号(実開平2-135734号)のマイクロフィルム)に、甲第2号証の1(実願昭61-141541号(実開昭63-48044号)のマイクロフィルム)及び甲第2号証の2(実願昭61-152282号(実開昭63-57835号)のマイクロフィルム)の少なくとも1つを組合わせることによりきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により登録を受けることができないと主張している。
また、本件の考案は、甲第1号証の1又は甲第1号証の2に、甲第2号証の1及び甲第2号証の2の少なくとも1つと、甲第3号証(刊行物2)を組合わせることによりきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により登録を受けることができないと主張している。
また、申立人は、甲第4号証の1(特公昭54-9678号公報)、甲第4号証の2(実公昭58-39271号公報)、甲第4号証の3(実願昭55-186628号(実開昭57-109345号)のマイクロフィルム)を提示している。
( )内の刊行物1及び2の記載は、当審において通知した取消し理由において引用したものである。

2.本件考案
前述のとおり、本件訂正が認められないことにより、本件実用新案登録第2596845号の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
【請求項1】
アウターチューブ内にインナーチューブが移動自在に挿入され、インナーチューブの下部からダンパーシリンダが起立し、ダンパーシリンダ内にはピストンを介してアウターチューブと連動するピストンロッドが移動自在に挿入され、インナーチューブとダンパーシリンダとの間にはリザーバが区画され、ピストンはダンパーシリンダ内にロッド側室とピストン側室とを区画し、ダンパーシリンダの下部に圧側減衰力発生機構を設けている油圧緩衝器において、圧側減衰力発生機構が中空ロッドと中空ロッドの外周に設けた隔壁部材と、隔壁部材に設けられてピストン側室とリザーバとを連通するメイン通路と、メイン通路の出口端に開閉自在に設けた圧側メインリーフバルブと、中空ロッドに設けられてピストン側室とリザーバとを連通するバイパスと、バイパスの途中に並列に設けた可変オリフィスと圧側サブリーフバルブとで構成されていることを特徴とする油圧緩衝器。

3.通知した取消しの理由に引用した刊行物に記載された考案
(1) 刊行物1:実願平2-405615号(実開平4-93534号)のマイクロフィルム(甲第1号証の1)
(2) 刊行物2:実公昭62-27726号公報(甲第3号証)
刊行物1には、下記の技術的事項が記載されている。
(ア)「本考案は自動二輪車等の車両の車体と車軸間に介装されて路面からの振動等を減衰する緩衝器とフォークを兼ねたフロントフォークに関する。」(段落【0001】)、
(イ)「本考案の構成は車体側チューブ内に車輪側チューブを摺動自在に挿入させ、車輪側チューブの下部中央からダンパーシリンダが起立し、ダンパーシリンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在に挿入されているフロントフォークにおいて」(段落【0005】)、
(ウ)「ベースバルブがあれば、その時の排出油がベースバルブを通って圧側減衰力を発生させる。」(段落【0006】)、
(エ)「ダンパーシリンダ3の外側にはリザーバたる油室8が区画され、この油室8はダンパーシリンダ3の下方に設けたベースバルブ9と通孔10とを介して連通している。」(段落【0009】)、
(オ)「ダンパーシリンダ3の下端中央には圧側バルブたるベースバルブ9のバルブボディ20が起立し、このバルブボディにはポート21,22が形成され、ポート21,22の途中に弁体23とリーフバルブ24が設けられている。」(段落【0014】)、
(カ)「更にオイルロックピース11が下降すると鍔12がリング25の上端面に当接し、スプリング27に抗してリング25とオイルロックピース11が一緒になって下降し、リング25下方の全油量がポート21、22を介して流出することによりベースバルブ9で圧縮減衰力を発生させる。」(段落【0018】)と記載されている。
したがって、刊行物1の上記記載事項(ア)?(カ)、明細書及び図面の記載からみて、刊行物1には下記の考案(以下、「引用考案」という。)が記載されているものと認められる。
【引用考案】
車体側チューブ1内に車輪側チューブ2が移動自在に挿入され、車輪側チューブ2の下部からダンパーシリンダ3が起立し、ダンパーシリンダ3内にはピストン4を介して車体側チューブ1と連動するピストンロッド5が移動自在に挿入され、車輪側チューブ2とダンパーシリンダ3との間にはリザーバたる油室8が区画され、ピストン4はダンパーシリンダ3内にロッド側油室6とピストン側油室7とを区画し、ダンパーシリンダ3の下部に圧側バルブたるベースバルブ9を設けている油圧緩衝器において、圧側バルブたるベースバルブ9がバルブボディ20とバルブボディ20の外周に設けたケース30と、ケース30に設けられてピストン側油室7とリザーバたる油室8とを連通するポート22と、ポート22の出口端に開閉自在に設けたリーフバルブ24と、バルブボディ20に設けられてピストン側油室7とリザーバたる油室8とを連通するポート21と、ポート21の途中に設けた弁体23とで構成されている油圧緩衝器。
刊行物2には、下記の技術的事項が記載されている。
(キ)「ピストンロッドの一端に取り付けてシリンダ内に摺動自在に嵌合したピストンにより前記シリンダ内を2室に区画し、該ピストンに前記2室を直接連通する第1の通路を設け、該第1の通路に伸び側減衰力及び縮み側減衰力を発生する第1の減衰力発生バルブを設け、前記ピストンロッドに前記ピストンをバイパスするバイパス通路を設け、該バイパス通路を2つの系路に分岐してその一方の系路を第2の通路とし該第2の通路に伸び側減衰力及び縮み側減衰力を発生する第2の減衰力発生バルブを設け、前記バイパス通路に該バイパス通路の流路面積を制御する制御バルブを設けたことを特徴とする減衰力可変式油圧緩衝器。」(実用新案登録請求の範囲第1項)
(ク)「近年、このような緩衝器として、更に、減衰力が所定の大きさに立上がった後の減衰力についても、その特性カーブの傾きを適宜調整することができて、減衰力の調整を多様に行なうことができるものの出現が要望される傾向にある。」(第1頁第2欄第27行?第2頁第3欄第4行)、
(ケ)「上記のような近年の要望に応えることができて、減衰力の多様な調整が可能な減衰力可変式油圧緩衝器を提供することを目的とする。」(第2頁第3欄第18?21行)、
(コ)「第2の減衰力発生バルブ24は、第3の連通路22,第2の内室R_(4)および第4の連通路23が成す一連の油路中に存在して、この油路を通ってシリンダ上室R_(1)とシリンダ下室R_(2)間相互を流れる油に対して比較的小さい流動抵抗を付与し、これにより、ピストンロッド4の伸縮に対して小さな減衰力を発生するようになっている。」(第3頁第5欄第16?23行)、
(サ)「シャッター21の回転により、前記第2の油路L_(2)は開閉操作され、また、第5の連通路26a?26cおよび第6の連通路27a?27cは3段階に絞り調整されるようになっている。これにより、第5の連通路26a?26c及び第6の連通路27a?27cは、第1の内室R_(3)を通ってシリンダ上室R_(1)とシリンダ下室R_(2)間相互を流れる油に対して、3つの異なる大きさの流動抵抗を付与する可変オリフィスとしての機能を有する。」(第3頁第6欄第15?24行)、
(シ)「第2の減衰力発生バルブ24は、第2の油路L_(2)が開いているときにのみ動作して小さな減衰力F_(2)を発生するものであって、その油路L_(2)が閉じているときには何ら動作しない。」(第4頁第7欄第35?38行)、
(ス)「この考案に係る減衰力可変式油圧緩衝器によれば(中略)、a第1の減衰力発生バルブ、第2の減衰力発生バルブ、バイパス通路をそれぞれ独立して設けることができ、b制御バルブによりバイパス通路の流路面積を種々制御して伸び側及び縮み側の減衰力を大きく調整することができ、cまた、第2の減衰力発生バルブを作動させることにより、伸び側及び縮み側の減衰力を小さく調整することができ、dまた、第1の減衰力発生バルブを作動させることによっても、伸び側及び縮み側の減衰力を小さく調整することができ、e以上のように、バイパス通路の流路断面積の制御、第2の減衰力発生バルブの開閉、第1の減衰力発生バルブの開閉によりバルブ特性の選択を任意に行うことができる等の効果を奏する。」(第6頁第11欄第23行?同頁第12欄第16行)

3.対比・判断
本件考案と引用考案とを対比すると、それぞれの有する機能に照らしてみると、引用考案の「車体側チューブ1」は本件考案の「アウタチューブ」に相当し、また、以下同様に、「車輪側チューブ2」は「インナーチューブ」、「リザーバたる油室8」は「リザーバ」、「ロッド側油室6」は「ロッド側室」、「ピストン側油室7」は「ピストン側室」、「圧側バルブたるベースバルブ9」は「圧側減衰力発生機構」、「バルブボディ20」は「中空ロッド」、「ケース30」は「隔壁部材」、「ポート22」は「メイン通路」、「リーフバルブ24」は「圧側メインリーフバルブ」、「ポート21」は「バイパス」、「弁体23」は「可変オリフィス」にそれぞれ相当するので、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。
<一致点>
アウターチューブ内にインナーチューブが移動自在に挿入され、インナーチューブの下部からダンパーシリンダが起立し、ダンパーシリンダ内にはピストンを介してアウターチューブと連動するピストンロッドが移動自在に挿入され、インナーチューブとダンパーシリンダとの間にはリザーバが区画され、ピストンはダンパーシリンダ内にロッド側室とピストン側室とを区画し、ダンパーシリンダの下部に圧側減衰力発生機構を設けている油圧緩衝器において、圧側減衰力発生機構が中空ロッドと中空ロッドの外周に設けた隔壁部材と、隔壁部材に設けられてピストン側室とリザーバとを連通するメイン通路と、メイン通路の出口端に開閉自在に設けた圧側メインリーフバルブと、中空ロッドに設けられてピストン側室とリザーバとを連通するバイパスと、バイパスの途中に可変オリフィスとで構成されている油圧緩衝器。
<相違点>
本件考案は、「バイパスの途中に並列に設けた可変オリフィスと圧側サブリーフバルブ」を備えているのに対し、引用考案は、バイパスの途中に可変オリフィスのみを具備している点。
上記相違点について検討する。
上記刊行物2には、油圧緩衝器の圧側減衰力発生機構において、バイパスに、可変オリフィス(「第5の連通路26a?26c」)と、常開通路に備えたサブリーフバルブ(「第2の減衰力発生バルブ24」)とを並列に設けた点が記載されていること、また、油圧緩衝器における減衰力の調整を多様に行うために、リーフバルブ及び可変オリフィスは、当業者が設計上適宜に配列し組み合わせ得るものであること(例えば、刊行物2、甲第1号証の2、甲第2号証の1、甲第2号証の2の記載を参照)から、引用考案の圧側減衰力発生機構において、油圧緩衝器として同じ技術分野に属する刊行物2に記載されたもののように、バイパスの途中に並列に可変オリフィスと圧側サブリーフバルブを設けることにより、上記相違点に係る本件考案のように構成することに技術的に格別な困難性は認められない。
また、本件考案の奏する効果についてみても、引用考案及び刊行物2に記載されたものの奏するそれぞれの効果の総和以上の格別顕著な効果を奏するものとは認められない。

4.実用新案登録異議の申立てについてのむすび
以上のとおりであるから、本件考案は、刊行物1及び2に記載された考案に基いて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものと認められることから、本件考案についての実用新案登録は、実用新案法第3条第2項に規定に違反してなされたものである。

IV.むすび
以上のとおり、本件の請求項1に係る考案についての実用新案登録は、拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してなされたものであるから、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
異議決定日 2001-07-23 
出願番号 実願平5-13324 
審決分類 U 1 651・ 121- ZB (F16F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 窪田 治彦  
特許庁審判長 西川 一
特許庁審判官 常盤 務
長屋 陽二郎
登録日 1999-04-16 
登録番号 実用新案登録第2596845号(U2596845) 
権利者 カヤバ工業株式会社
東京都港区浜松町2丁目4番1号 世界貿易センタービル
考案の名称 油圧緩衝器  
代理人 天野 泉  
代理人 塩川 修治  
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