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審決分類 |
審判 全部申し立て F16B |
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管理番号 | 1047003 |
異議申立番号 | 異議2000-74680 |
総通号数 | 23 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案決定公報 |
発行日 | 2001-11-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-12-29 |
確定日 | 2001-08-08 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 登録第2605236号「検出器のスタンド型取付具」の請求項1ないし4に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 登録第2605236号の請求項1ないし4に係る実用新案登録を維持する。 |
理由 |
1.手続きの経緯 本件実用新案登録2605236号の請求項1ないし4に係る考案についての出願は、平成5年12月10日に実用新案登録出願がなされたものであって、平成12年4月21日に、その考案について実用新案権の設定登録がなされ、その実用新案登録について、平成12年12月29日に実用新案登録異議申立人・木村正(以下、「申立人」という。)により実用新案登録異議の申立てがなされ、その指定期間内である平成13年5月15日付けで訂正請求がなされたものである。 II.訂正の適否 1.訂正の内容 実用新案権者が求めている訂正の内容は以下1)乃至5)のとおりである。 1)訂正事項a 実用新案登録第2605236号の願書に添付された明細書(以下、「登録明細書」という。)の実用新案登録請求の範囲の請求項1中の「ポールの軸方向に直交する平面に取り付けられる取付フランジと」を、「ポールの軸方向に直交する第1平面に取り付けられる第1取付フランジと、該第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジと」と訂正する。 2)訂正事項b 登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1中の「上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする取出口とを備えている」を、「上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする第2取出口とを備え、前記第1取出口と前記第2取出口とが互いに連なっている」と訂正する。 3)訂正事項c 登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項4中の「請求項1,2もしくは3において」を、「請求項2又は3において」と訂正する。 4)訂正事項d 登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項4中の「とされている検出器のスタンド型取付具」を、「され、また、前記スタンド型取付具は、前記ポールの下端部を挟持してこれを固定するための挟持部を有し、該挟持部が、前記第1取付フランジ及び第2取付フランジと一体に形成されていることを特徴とする検出器のスタンド型取付具」と訂正する。 5)訂正事項e (a)登録明細書の段落【0008】中の「ポールの軸方向に直交する平面に取り付けられる取付フランジと、上記ポールの中空部に連通し、検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする取出口とを取付ベースに形成している。」を、「中空のポールを取付ベースを介して機器に設置し、上記ポールにブラケットを介して検出器を取り付ける検出器のスタンド型取付具において、上記取付ベースは、ポールの軸方向に直交する第1平面に取り付けられる第1取付フランジと、該第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジと、上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする第2取出口とを備え、前記第1取出口と前記第2取出口とが互いに連なっていることを特徴とする。」と訂正する。 (b)登録明細書の段落【0009】中の「取付フランジを機器の水平面に取り付けた場合、ケーブルを取出口から水平方向に取り出すことができる。」を、「互いに直交する第1平面、第2平面に夫々取り付けられる第1及び第2フランジを有しているので、取付具を機器の水平面及び鉛直面の双方に取り付けることができ、機器の水平面に取り付けた場合は、ケーブルをポールの径方向に取り出すことができ、一方、機器の鉛直面に取り付けた場合は、ケーブルを下方へ取り出すことができる。」と訂正する。 (c)登録明細書の段落【0024】中の「請求項1の考案では、」を削除する。 (d)登録明細書の段落【0030】中の「ポールの中空部に連通し、検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取り出す取出口を取付ベースに形成したので、取付フランジを機器の水平面に取り付けた場合、ケーブルを取出口から水平方向に取り出すことができる。したがって、」を、「検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向及び軸線方向に取り出すことができるので、機器の水平面に取り付けた場合であっても、」と訂正する。 2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 (a)訂正事項a 訂正事項aは、登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に、登録明細書の「上記第2取付フランジ32は第1取付フランジ31の端部からポール1の軸方向Sに立設されており、つまり、上記第1取付フランジ31および第2取付フランジ32は、断面L字状に形成されており」(段落【0013】)の記載、「上記第1取付フランジ31は、図2(b)に示すように、ポール1の軸方向Sに直交する水平面(第1平面)Hに取り付けられる。一方、第2取付フランジ32は、図2(a)の鉛直面(第1平面に直交する第2平面)Vに取り付けられる。」(段落【0014】)の記載、及び「第1取付フランジ31および第2取付フランジ32は、互いに直交する2つの平面に取付可能となっておればよく」(段落【0025】)の記載を根拠として、請求項1中の「ポールの軸方向に直交する平面に取り付けられる取付フランジと」を、「ポールの軸方向に直交する第1平面に取り付けられる第1取付フランジと、該第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2第1取付フランジと」と訂正して、実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された「取付ベース」を限定しようとするものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。また、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正であり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (b)訂正事項b 訂正事項bは、登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に、登録明細書の「上記第1取出口31aは、ポール1の中空部11に連通して、二点鎖線で示すように、ケーブル21をポール1の軸方向S(下方v)に取出可能とするものである。一方、上記第2取出口32aは、第1取出口31aを介して、ポール1の中空部11に連通して、ケーブル21を水平方向(ポール1の軸方向Sと直交する方向)に取出可能とするものである。」(段落【0015】)の記載を根拠として、請求項1中の「上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする取出口とを備えている」を、「上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする第2取出口とを備え、前記第1取出口と前記第2取出口とが互いに連なっている」と訂正して、実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された「取付ベース」を限定しようとするものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。また、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正であり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (c)訂正事項c 訂正事項cは、実用新案登録請求の範囲の請求項4中の「請求項1,2もしくは3において」を、「請求項2又は3において」と訂正しようとするものであって、この訂正により、多数項引用形式請求項である請求項4の引用請求項は減少することになるので、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。また、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正であり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (d)訂正事項d 訂正事項dは、登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項4に、登録明細書の「取付ベース3は、中空円筒形のポール1を挟持する挟持部30、第1取付フランジ31および第2取付フランジ32が一体に成形されてなる。」(段落【0013】)の記載を根拠として、請求項4中の「とされている検出器のスタンド型取付具」を、「され、また、前記スタンド型取付具は、前記ポールの下端部を挟持してこれを固定するための挟持部を有し、該挟持部が、前記第1取付フランジ及び第2取付フランジと一体に形成されていることを特徴とする検出器のスタンド型取付具」と訂正して、実用新案登録請求の範囲の請求項4に記載された「スタンド型取付具」を限定しようとするものであるから、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。また、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正であり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (e)訂正事項e 訂正事項eは、考案の詳細な説明の欄の段落番号【0008】、【0009】、【0024】及び【0030】中の記載の訂正であり、訂正事項a及びbによる実用新案登録請求の範囲の請求項1の訂正に伴い、実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載との整合を図るためのものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。また、この訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正であり、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 3.訂正の適否についてのむすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書および第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 III.実用新案登録異議の申立てについての判断 1.実用新案登録異議の申立ての理由の概要 申立人は、甲第1号証(刊行物2)、甲第2号証(刊行物3)、甲第3号証(実願昭50-23378号(実開昭51-104688号)のマイクロフィルム)、甲第4号証(刊行物1)、甲第5号証(実願昭61-135393号(実開昭63-41835号)のマイクロフィルム)及び甲第6号証(実願平2-63928号(実開平4-23039号)のマイクロフィルム)を提出し、本件登録の請求項1ないし4に係る考案は、甲第1号証ないし甲第6号証に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易になし得た考案であるから、実用新案法第3条第2項の規定に該当し実用新案登録を受けることができないと主張している。 ( )内の刊行物1?3の記載は、当審において通知した取消し理由において引用したものである。 2.本件考案 前述のとおり、本件訂正が認められたことにより、本件実用新案登録第2605236号の請求項1?4に係る考案(以下、それぞれ、「本件考案1」、「本件考案2」 、「本件考案3」、 「本件考案4」という。また、それらを総称して「本件考案」という。)は、明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録の範囲の請求項1?4に記載されたとおりのものと認められ、それを分説して示すと、次のとおりである。 【請求項1】 (ア)中空のポールを取付ベースを介して機器に設置し、 (イ)上記ポールにブラケットを介して検出器を取り付ける検出器のスタンド型取付具において、 (ウ)上記取付ベースは、ポールの軸方向に直交する第1平面に取り付けられる第1取付フランジと、 (エ)該第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジと、 (オ)上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、 (カ)上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする第2取出口とを備え、 (キ)前記第1取出口と前記第2取出口とが互いに連なっていることを特徴とする検出器のスタンド型取付具。 【請求項2】 (ク)中空のポールを取付ベースを介して機器に設置し、 (ケ)上記ポールにブラケットを介して検出器を取り付ける検出器のスタンド型取付具において、 (コ)上記取付ベースは、ポールの軸方向に直交する第1平面に取り付けられる第1取付フランジと、 (サ)この第1取付フランジからポールを軸方向に立設され、上記第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジと、 (シ)上記第1フランジに形成され、上記ポールの中空部に連通して、検出器のケーブルをポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、 (ス)上記第2取付フランジに形成され、上記ポールの中空部に連通して、検出器のケーブルをポールの軸方向と直交する方向に取出可能とする第2取出口とを備えていることを特徴とする検出器のスタンド型取付具。 【請求項3】 請求項2において、 (セ)上記第1および第2取付フランジは、断面L字状に一体に形成され、且つ、両取付フランジには、それぞれ、一対のボルト挿入孔が形成されている検出器のスタンド型取付具。 【請求項4】 請求項2又は3において、 (ソ)上記ポールの軸方向が鉛直方向に設定され、かつ、上記ポールの軸方向に直交する平面が水平面とされ、 (タ)また、前記スタンド型取付具は、前記ポールの下端部を挟持してこれを固定するための挟持部を有し、該挟持部が、前記第1取付フランジ及び第2取付フランジと一体に形成されていることを特徴とする検出器のスタンド型取付具。 3.通知した取消しの理由に引用した刊行物に記載された考案 (1)刊行物1:実願昭50-45602号(実開昭51-125878号)のマイクロフィルム (2)刊行物2:特開昭61-168829号公報 (3)刊行物3:実願昭63-61650号(実開平1-171192号)のマイクロフィルム (刊行物1) 刊行物1には、下記の技術事項が記載されている。 (イ)「図面はスタンド形装飾用照明装置を示し(1)は基部である。この基部(1)は基盤(2)にカバー(3)を被着してこれら基盤(2)とカバー(3)との間に室(4)を形成してあり、この室(4)内には取付台(5)が設けられている。この取付台(5)は上記基盤(2)に固定されており、その中央に固定孔(6)を有している。上記固定孔(6)には中空状の支柱(7)が嵌入立設されており、この支柱(7)は前記カバー(3)に形成した貫通孔(8)を遊貫して垂直に延長されている。そしてこの支柱(7)の上端には受板(9)を介してソケット(10)が一体的に固着されている。上記ソケット(10)には後述する光源構体(11)に装着した口金(12)が螺合される。」(第3頁第4行?第4頁第3行)、 また、刊行物1には、第2図から、 (ロ)「中空の支柱7を基部1を介してスタンドの基盤2に設置し、支柱7に受板9を介して照明装置の光源構体を取り付ける照明装置の光源構体のスタンド形取付具において、基部1は、支柱7の軸方向に直交する平面に取り付けられる取付台5と、支柱7の中空状部分に連通し照明装置の光源構体のリード線を支柱7の下部側面から支柱7の径方向に取出可能とする取出口とを備えている照明装置の光源構体のスタンド形取付具。」、 (ハ)「中空の支柱7を基部1を介してスタンドの基盤2に設置し、支柱7に受板9を介して照明装置の光源構体を取り付ける照明装置の光源構体のスタンド形取付具において、上記基部1は、支柱7の軸方向に直交するスタンドの基盤2に取り付けられる取付台5と、取付台5に形成され、支柱7の中空状部分に連通して、照明装置の光源構体のリード線を支柱7の径方向に取出可能とする取出口とを備えている照明装置の光源構体のスタンド形取付具。」、 (ニ)「取付台5は、断面平板状に形成され、かつ、取付台5には、ボルト挿入孔が形成されている照明装置の光源構体のスタンド形取付具。」、 (ホ)「支柱7の軸方向が垂直方向に設定されている照明装置の光源構体のスタンド形取付具。」 の技術事項が看取できる。 したがって、刊行物1の上記記載事項、明細書及び図面の記載からみて、刊行物1には下記の考案(以下、「引用考案1」、「引用考案2」、「引用考案3」、及び「引用考案4」という。)が記載されているものと認められる。 【引用考案1】 (ア)中空の支柱7を基部1を介してスタンドの基盤2に設置し、 (イ)上記支柱7に受板9を介して照明装置の光源構体を取り付ける照明装置の光源構体のスタンド形取付具において、 (ウ)上記基部1は、支柱7の軸方向に直交する平面に取り付けられる取付台5と、 (カ)上記支柱7の中空状部分に連通し照明装置の光源構体のリード線を支柱7の下部側面から支柱7の径方向に取出可能とする取出口とを備えている照明装置の光源構体のスタンド形取付具。 【引用考案2】 (ク)中空の支柱7を基部1を介してスタンドの基盤2に設置し、 (ケ)上記支柱7に受板9を介して照明装置の光源構体を取り付ける照明装置の光源構体のスタンド形取付具において、 (コ)上記基部1は、支柱7の軸方向に直交するスタンドの基盤2に取り付けられる取付台5と、 (シ)上記取付台5に形成され、上記支柱7の中空状部分に連通して、照明装置の光源構体のリード線を支柱7の径方向に取出可能とする取出口とを備えている照明装置の光源構体のスタンド形取付具。 【引用考案3】 (セ)引用考案2において、上記取付台5は、断面平板状に形成され、かつ、取付台5には、ボルト挿入孔が形成されている照明装置の光源構体のスタンド形取付具。 【引用考案4】 (ソ)引用考案2又は3において、上記支柱7の軸方向が垂直方向に設定されている照明装置の光源構体のスタンド形取付具。 (刊行物2) 刊行物2には、第1図から、 (ヘ)「収納筒2の下端部に設けられた収納筒2を固着するための取付部材として機能するフランジ部材、及び同フランジ部材に設けられた少なくとも3個の取付孔」の技術事項が看取できる。 (刊行物3) 刊行物3には、 (ト)「支持板3の支柱取付部には、支柱21の空洞部21aと繋る垂直方向に形成された穴3aが設けられている。さらに、この支持板3の裏面には、穴3aに連続し、かつ背面方向に水平に形成された溝3bが設けられている。したがって、スピーカシステム4に接続されたスピーカコード5は、支柱21の背面側に設けられた穴21bから空洞部21aを通って、支持板3の穴3aおよび溝3bを経て外部に引き出され、増幅器6に接続される。」(第5頁第6?15行)と記載されている。 4.対比・判断 【請求項1】について 本件考案1と引用考案1とを対比すると、それぞれの有する機能に照らして、引用考案1の「支柱7」は本件考案1の「ポール」に、以下同様に、「基部1」は「取付ベース」、「受板9」は「ブラケット」、「スタンド形」は「スタンド型」、「平面」は「第1平面」、「取付台5」は「第1取付フランジ」、「中空状部分」は「中空部」、「リード線」は「ケーブル」、「取出口」は「第2取出口」にそれぞれ相当するので、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。 <一致点> 中空のポールを取付ベースを介して被取付部材に設置し、上記ポールにブラケットを介して電気部品を取り付ける前記部品のスタンド形取付具において、上記取付ベースは、ポールの軸方向に直交する被取付部材に取り付けられる第1取付フランジと、上記ポールの中空部に連通し電気部品のケーブルをポールの下部近傍から取出可能とする取出口とを備えている電気部品のスタンド型取付具。 <相違点> (1-1)スタンド型取付具に取付られる電気部品が、本件考案1は、「検出器」であるのに対し、引用考案1は、照明装置の光源構体である点。 (1-2)取付フランジが取り付けられる被取付部材が、本件考案1は、「機器」又は「平面」であるのに対し、引用考案1は、スタンドの基盤である点 (1-3)本件考案1は、第1取付フランジに加えて、ポールの軸方向に直交する第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジを備えているのに対し、引用考案1は、これを具備していない。 (1-4)本件考案1は、ケーブルをポールの取付端部からポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、ポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする第2取出口とを備えているのに対し、引用考案1は、ケーブルをポールの下部側面からポールの径方向に取出可能とする第2取出口を具備している点。 (1-5)本件考案1は、第1取出口と前記第2取出口とが互いに連なっているのに対し、引用考案は、第2取出口のみであり、そのような構成を具備していない。 上記相違点について検討する。 1)相違点(1-1)について 検出器をスタンド型取付具に取り付けることは、従来周知の技術手段(必要であれば、刊行物2の記載を参照)である。引用考案1や上記従来周知の技術手段は、照明装置や検出器等のケーブルを配線する必要のある電気部品のスタンド型取付具としてその技術分野を同じくするものである以上、引用考案1の照明装置の光源構体に代えて検出器とすることにより、上記相違点(1-1)に係る本件考案1の構成とすることは、当業者が技術的に格別の困難性を有することなくきわめて容易に想到し得たものと認める。 2)相違点(1-2)について スタンド型取付具の被取付部材を、載置する必要のある機器又は平面とすることは、技術的に自明の事項(必要であれば、刊行物2の記載を参照)に過ぎない。 3)相違点(1-3)?(1-5)について 「ポールの軸方向に直交する第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジを備え」る構成、「ケーブルをポールの取付端部からポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、ポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする第2取出口とを備え」る構成、及び「第1取出口と前記第2取出口とが互いに連なっている」構成を同時に備えた点については、刊行物1?3のいずれにも記載も示唆もされていない。また、この点については、甲第3号証、甲第5及び6号証にも記載も示唆もされていない。 そして、本件考案1は、この構成により、「互いに直交する第1および第2フランジを取付ベースに設けたので、スタンド型取付具を機器の水平面および鉛直面の双方に取り付けることができるとともに、第1および第2の取出口からケーブルを2方向に取り出すことができるので、水平面および鉛直面のいずれかに取り付けても、ケーブルの取り出しが容易になる。」(段落番号【0031】)という明細書記載の格別の効果を奏するものと認められる。 結局、本件考案1は、当業者が刊行物1?3、及び甲第3号証、甲第5及び6号証に記載された考案及び従来周知の技術手段に基いてきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。 【請求項2】について 本件考案2と引用考案2とを対比すると、それぞれの有する機能に照らして、引用考案2の「支柱7」は本件考案2の「ポール」に、以下同様に、「基部1」は「取付ベース」、「受板9」は「ブラケット」、「スタンド形」は「スタンド型」、「平面」は「第1平面」、「取付台5」は「第1取付フランジ」、「中空状部分」は「中空部」、「リード線」は「ケーブル」、「取出口」は「第1取出口」にそれぞれ相当するので、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。 <一致点> 中空のポールを取付ベースを介して被取付部材に設置し、上記ポールにブラケットを介して電気部品を取り付ける電気部品のスタンド型取付具において、上記取付ベースは、ポールの軸方向に直交する被取付部材に取り付けられる第1取付フランジと、上記第1フランジに形成され、上記第1取付フランジに形成され、上記ポールの中空部に連通して、電気部品のケーブルをポールの所定方向に取出可能とする第1取出口とを備えている電気部品のスタンド型取付具。 <相違点> (2-1)スタンド型取付具に取付られる電気部品が、本件考案2は、「検出器」であるのに対し、引用考案2は、照明装置の光源構体である点。 (2-2)取付フランジが取り付けられる被取付部材が、本件考案2は、「機器」又は「平面」であるのに対し、引用考案2は、スタンドの基盤である点 (2-3)本件考案2は、第1取付フランジに加えて、ポールの軸方向に直交する第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジを備えているのに対し、引用考案2は、これを具備していない。 (2-4)本件考案2は、第1取付フランジに形成され、ケーブルをポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、第2取付フランジに形成され、ポールの軸方向と直交する方向に取出可能とする第2取出口とを備えているのに対し、引用考案2は、第1取付フランジに形成され、ケーブルをポールの径方向に取出可能とする第1取出口を具備している点。 上記相違点について検討する。 1)相違点(2-1)について 検出器をスタンド型取付具に取り付けることは、従来周知の技術手段(必要であれば、刊行物2の記載を参照)である。引用考案2や上記従来周知の技術手段は、照明装置や検出器等のケーブルを配線する必要のある電気部品のスタンド型取付具としてその技術分野を同じくするものである以上、引用考案2の照明装置の光源構体に代えて検出器の取付具とすることにより、上記相違点(2-1)に係る本件考案2の構成とすることは、当業者が技術的に格別の困難性を有することなくきわめて容易に想到し得たものと認める。 2)相違点(2-2)について スタンド型取付具の被取付部材を、載置する必要のある機器又は平面とすることは、技術的に自明の事項(必要であれば、刊行物2の記載を参照)に過ぎない。 3)相違点(2-3)及び(2-4)について 第1取付フランジに加えて、「ポールの軸方向に直交する第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジを備え」る構成とともに、「第1取付フランジに形成され、ケーブルをポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、第2取付フランジに形成され、ポールの軸方向と直交する方向に取出可能とする第2取出口とを備え」る構成を同時に備えた点については、刊行物1?3のいずれにも記載も示唆もされていない。また、この点については、甲第3号証、甲第5及び6号証にも記載も示唆もされていない。 そして、本件考案2は、この構成により、「互いに直交する第1および第2フランジを取付ベースに設けたので、スタンド型取付具を機器の水平面および鉛直面の双方に取り付けることができるとともに、第1および第2の取出口からケーブルを2方向に取り出すことができるので、水平面および鉛直面のいずれかに取り付けても、ケーブルの取り出しが容易になる。」(段落番号【0031】)という明細書記載の格別の効果を奏するものと認められる。 結局、本件考案2は、当業者が刊行物1?3、及び甲第3号証、甲第5及び6号証に記載された考案及び従来周知の技術手段に基いてきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。 【請求項3及び4】について 本件の請求項3及び4は独立請求項である請求項2の従属請求項であり、本件考案3及び4は、本件考案2の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当するものである。 そして、本件考案2は、上記「【請求項2】について」で記載した理由により、当業者が刊行物1?3、及び甲第3号証、甲第5及び6号証に記載された考案及び従来周知の技術手段に基いてきわめて容易に考案をすることができたものとはいえないから、本件考案3及び4も同様の理由により、当業者が刊行物1?3、及び甲第3号証、甲第5及び6号証に記載された考案及び従来周知の技術手段に基いてきわめて容易に考案をすることができたものとはいえない。 5.実用新案登録異議の申立てについてのむすび 以上のとおり、本件考案は、刊行物1?3、及び甲第3号証、甲第5及び6号証に記載された考案及び従来周知の技術手段に基いてきわめて容易に考案をすることができたものとはいえないので、本件考案についての実用新案登録は実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものではない。 IV.むすび 以上のとおりであるから、実用新案登録異議の申立ての理由によっては本件考案についての実用新案登録を取り消すことができない。 また、他に本件考案についての実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。 したがって、本件考案についての実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものとは認めない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 検出器のスタンド型取付具 (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 中空のポールを取付ベースを介して機器に設置し、上記ポールにブラケットを介して検出器を取り付ける検出器のスタンド型取付具において、 上記取付ベースは、 ポールの軸方向に直交する第1平面に取り付けられる第1取付フランジと、 該第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジと、 上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、 上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする第2取出口とを備え、 前記第1取出口と前記第2取出口とが互いに連なっていることを特徴とする検出器のスタンド型取付具。 【請求項2】 中空のポールを取付ベースを介して機器に設置し、上記ポールにブラケットを介して検出器を取り付ける検出器のスタンド型取付具において、 上記取付ベースは、 ポールの軸方向に直交する第1平面に取り付けられる第1取付フランジと、 この第1取付フランジからポールを軸方向に立設され、上記第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジと、 上記第1フランジに形成され、上記ポールの中空部に連通して、検出器のケーブルをポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、 上記第2取付フランジに形成され、上記ポールの中空部に連通して、検出器のケーブルをポールの軸方向と直交する方向に取出可能とする第2取出口とを備えていることを特徴とする検出器のスタンド型取付具。 【請求項3】 請求項2において、上記第1および第2取付フランジは、断面L字状に一体に形成され、且つ、両取付フランジには、それぞれ、一対のボルト挿入孔が形成されている検出器のスタンド型取付具。 【請求項4】 請求項2又は3において、上記ポールの軸方向が鉛直方向に設定され、かつ、上記ポールの軸方向に直交する平面が水平面とされ、 また、前記スタンド型取付具は、 前記ポールの下端部を挟持してこれを固定するための挟持部を有し、 該挟持部が、前記第1取付フランジ及び第2取付フランジと一体に形成されていることを特徴とする検出器のスタンド型取付具。 【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、中空のポールにブラケットを介して検出器を取り付ける検出器のスタンド型取付具に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 機器のフレームなどから離れた位置に検出器を取付ける場合には、スタンド型取付具を用いる。従来のこの種の取付具を図7に示す。 【0003】 図7(a)において、中空のポール1は、取付ベース100を介して、機器のフレーム101などに固定されている。ポール1の上部には、ブラケット102およびアーム103を介して、検出器2が取り付けられている。検出器2のケーブル21は、ポール1の中空部11に挿通され、フレーム101に形成した取出孔(図示せず)から、機器のフレーム101の下方に取出されている。 【0004】 【考案が解決しようとする課題】 このように、この従来のスタンド型取付具は、機器のフレーム101に取出孔(図示せず)を形成する必要があるので、ユーザの設計上の負担や製造上の負担が大きくなるうえ、取出孔にケーブル21を挿通せねばならず、取付作業も面倒になる。 【0005】 一方、図7(b)のように取付ベース100を機器のフレーム101の鉛直面Vに取り付けるタイプでは、ケーブル21をポール1の下方から、そのまま取り出すことができる。しかし、取付ベース100を機器のフレーム101の水平面Hに設置することはできない。 【0006】 本考案は上記従来の課題に鑑みてなされたもので、ポールの軸方向に直交する平面に取り付けられるスタンド型取付具において、機器のフレームなどに取出孔を形成しなくても、ケーブルを取り出すことができる検出器のスタンド型取付具を提供することを主目的とする。 【0007】 また、図7(a)、(b)の従来技術では、取付ベース].00を機器の水平面Hまたは鉛直面Vのいずれか一方にしか取り付けることができず、機器の構造・形状などによって、その都度、取付具を選択して使用しなければならないという不便があった。したがって、本考案の他の目的は、機器のフレームなどの水平面および鉛直面のいずれにも設置することができる検出器のスタンド型取付具を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段および作月】 上記主目的を達成するために、請求項1のスタンド型取付具は、中空のポールを取付ベースを介して機器に設置し、上記ポールにブラケットを介して検出器を取り付ける検出器のスタンド型取付具において、 上記取付ベースは、 ポールの軸方向に直交する第1平面に取り付けられる第1取付フランジと、 該第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジと、 上記ボールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、 上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする第2取出口とを備え、 前記第1取出口と前記第2取出口とが互いに連なっていることを特徴とする。 【0009】 請求項1の考案によれば、互いに直交する第1平面、第2平面に夫々取り付けられる第1および第2フランジを有しているので、取付具を機器の水平面および鉛直面の双方に取り付けることができ、機器の水平面に取り付けた場合は、ケーブルをポールの径方向に取り出すことができ、一方、機器の鉛直面に取り付けた場合は、ケーブルを下方へ取り出すことができる。したがって、水平面を構成する機器のフレームなどに、別途、取出孔を形成する必要がない。 【0010】 上記他の目的を達成するために、請求項2のスタンド型取付具は、取付ベースが、ポールの軸方向に直交する第1平面に取り付けられる第1取付フランジと、この第1取付フランジからポールの軸方向に立設され上記第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジと、上記第1取付フランジに形成され上記ポールの中空部に連通して検出器のケーブルをポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、上記第2取付フランジに形成され上記ボールの中空部に連通して検出器のケーブルをポールの軸方向と直交する方向に取出可能とする第2取出口とを備えている。 【0011】 請求項2の考案によれば、互いに直交する第1および第2フランジを有しているので、取付具を機器の水平面および鉛直面の双方に取り付けることができる。第1取付フランジを機器の水平面に取り付けた場合は、第2取出口からケーブルを側方へ取り出し、一方、第2取付フランジを機器の鉛直面に取り付けた場合は、第1取出口からケーブルを下方へ取り出すことができる。 【0012】 この場合、上記第1および第2取出フランジを、断面L字状に一体に形成し、かつ、両取付フランジに、それぞれ、一対のボルト挿入孔を形成するのが好ましい。なお、本考案の取付具を用いる場合は、一般にポールの軸方向が鉛直方向に設定され、かつ、上記ポールの軸方向に直交する平面が水平面に設定される。 【0013】 【実施例】 以下、本考案の実施例を図面にしたがって説明する。図1ないし図5は本考案の第1実施例を示す。まず、本考案の要部である図1の取付ベース3について説明する。図1(a)において、取付ベース3は、中空円筒形のポール1を挟持する挟持部30、第1取付フランジ31および第2取付フランジ32が一体に成形されてなる。上記第2取付フランジ32は第1取付フランジ31の端部からポール1の軸方向Sに立設されており、つまり、上記第1取付フランジ31および第2取付フランジ32は、断面L字状に形成されており、それぞれ、一対のボルト挿入孔33、34を有している。 【0014】 上記第1取付フランジ31は、図2(b)に示すように、ポール1の軸方向Sに直交する水平面(第1平面)Hに取り付けられる。一方、第2取付フランジ32は、図2(a)の鉛直面(第1平面に直交する第2平面Vに取り付けられる。上記水平面Hおよび鉛直面Vは、たとえば機器のフレーム101で構成される。 【0015】 図1(b)に示すように、上記第1取付フランジ31は、ポール1の下方の部分がU字状に切欠されており、一方、上記第2取付フランジ32は、ポール1の下端部(取付端部)12の近傍が図1(a)のように矩形状に切欠されている。こうして、図1(t))の第1取付フランジ31および第2取付フランジ32には、それぞれ、第1取出口31aおよび第2取出口32aが形成されている。上記第1取出口31aは、ポール1の中空部11に連通して、二点鎖線で示すように、ケーブル21をポール1の軸方向S(下方v)に取出可能とするものである。一方、上記第2取出口32aは、第1取出口31aを介して、ポール1の中空部11に連通して、ケーブル21を水平方向(ポール1の軸方向Sと直交する方向)に取出可能とするものである。なお、この実施例では、図2(a)に明示するように、取付ベース3に断面L字状の切欠部が設けられて、上記両取出口31a、32aが互いに区画されていない状態で形成されている。 【0016】 上記挟持部30は、第2取付フランジ32から水平方向hに突出し、図1(a)、(b)に示すように、すり割部35を有している。この挟持部30には、第1締付ボルト41がねじ込まれており、この第1締付ボルト41の締付力によって、ポール1の下端部12が挟持部30に挟持されて固定されている。 【0017】 つぎに、ポール1に対する図3の検出器2の取付構造について、簡単に説明する。図3において、ポール1には、たとえば上端部13に、第1ブラケット5を介して、第2ブラケット6が取り付けられている。上記第2ブラケット6には、固定具7によって、検出器2が固定されてしいる。 【0018】 上記第1ブラケット5は、図4の平面図に示すように、平面断面が略U字状で第2締付ボルト42の締付力により図3のポール1を挟持して、ポール1に固定されている。この第1ブラケット5は、左右に第1および第2突起部51、52を有しており、一方の突起部51(52)に上記第2ブラケット6の嵌合孔が嵌め込まれている。 【0019】 上記第2ブラケット6は、図2(a)の上記突起部51(52)を中心に回転自在になっており、円弧孔62を貫通する第3締付ボルト43により、第1ブラケット5に固定されている。なお、ポール1の上端部13には、樹脂製の保護筒8が挿入されており、ケーブル21は保護筒8を通して、ポール1内に挿入されている。 【0020】 つぎに、上記固定具7について図5を用いて簡単に説明する。図5(a)に明示するように、上記固定具7は、一対の締付ねじ71、71、スプリングワッシャ72、72、平ワッシャ73、73と、長い座金74と、係止片75とで構成されている。上記係止片75は、100μm?数百μm程度の厚さの樹脂板で、図5(b)のように、一対の締付ねじ71、71のねじ口の谷部に係合して、一対の締付ねじ71、71が矢印A方向に離脱するのを防止している。これにより、小さな部品71、72、73、74を一体として取り扱うことができ、したがって、組立作業が容易になるとともに、小さな部品71?74を紛失するおそれもない。 【0021】 つぎに、上記スタンド型取付具の使用方法について説明する。図2(b)のように、スタンド型取付具をフレーム101の水平面Hに取り付ける際には、取付ベース3の第1取付フランジ31を水平面H上に載せ、図1のボルト挿入孔33に図示しない取付ボルトを挿通して、図2(b)の取付ベース3をフレーム101に固定する。この際、ケーブル21は、第2取出口32aから側方に取り出される。したがって、ケーブル21を取り出すための孔をフレーム101に設ける必要がない。その結果、ユーザ側において、ケーブル21の取出孔の位置を設定する必要がなく、また、機器のフレーム101に取出孔を設ける必要もないので、ユーザの設計および製造上の負担が小さくなる。また、取付時にケーブル21をフレーム101の取出孔に挿通させるという面倒な作業も必要としないので、取付作業が容易になる。 【0022】 一方、図2(a)のように、スタンド型取付具をフレーム101の鉛直面Vに取り付ける際には、取付ベース3の第2取付フランジ32を鉛直面Vに当接し、図1のボルト挿入孔34に図示しない取付ボルトを挿通して、図2(a)の取付ベース3をフレーム101に固定する。この際、ケーブル21は、第1取出口31aから取り出す。 【0023】 このように、この実施例では、互いに直交する一対の取付フランジ31、32を設けたので、スタンド型取付具をフレーム101の鉛直直Vおよび水平面Hのいずれの面にも設置することができる。 【0024】 ところで、上記第1実施例では、一対の取付フランジ31、32を設けたが、取付フランジを一対設ける必要はない。たとえば図6の第2実施例のように、水平面に取り付けられる取付フランジ31Aのみを設け、この取付フランジ31Aにおけるポール1の下端部12の近傍を切欠して、取出口32aを形成してもよい。 【0025】 さらに、上記図1の第1実施例では、第1取付フランジ31および第2取付フランジ32を断面L字状に形成したが、第1取付フランジ31および第2取付フランジ32は、互いに直交する2つの平面に取付可能となっておればよく、たとえば直方体状のブロックにボルト挿入孔33、34を設けて、第1取付フランジ31および第2取付フランジ32を形成してもよい。 【0026】 また、本考案は、ポール1を取付ベース3に固定する方法を限定するものではなく、たとえば、図6の第2実施例のように止めねじ41Aにより、ポール1を取付ベース3に固定してもよい。なお、図6において、図1の第1実施例と同一部分または相当部分には同一符号を付している。また、上記各実施例では、ポール1の軸方向Sを鉛直方向に設定したが、ポール1の軸方向Sは水平方向に設定してもよく、あるいは、斜めに設定してもよい。 【0027】 ところで、検出器が光検出器である場合には、図4のように、投光側の検出器2と、受光側の検出器2とを互いに対向させて設置する。ここで、上記第1実施例では、第1ブラケット5の左右に第1および第2突起部51、52を設けている。つまり、第1ブラケット5の左右に、第2プラケット6を取付可能としている。したがって、一方(受光側)の第2ブラケット6を第1突起部51側に取り付け、他方(投光側)の第2ブラケット6を第2突起部52側に取り付けることで、両取付ベース3の矢印B方向の位置を同じ位置に設定することができる。その結果、取付ベース3の取付位置の設計が容易になるとともに、製造も容易になる。 【0028】 なお、本考案においては、図3のポール1の上部における検出器2の取付構造を何ら限定するものではなく、図7の従来例などの種々の取付構造を採用し得る。また、取り付けられる検出器2は、光電検出器に限らず、近接スイッチなどの他の検出器であってもよい。 【0029】 また、図1の取付ベース3は、一般に金属製とされるが、樹脂などで形成してもよい。また、取付ベース3の一対の取付フランジ31、32には、ボルト挿入孔33、34を設ける必要はなく、何らかの方法によって機器のフレームに固定できる構造になっていればよい。 【0030】 【考案の効果】 以上説明したように、請求項1の考案によれば、検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向及び軸線方向に取り出すことができるので、機器の水平面に取り付けた場合であっても、水平面を構成する機器のフレームなどに、別途、取出孔を形成する必要がない。その結果、設計上や製造上のユーザ側の負担が小さくなるとともに、機器の取付孔にケーブルを挿通させる必要もないので、現場における取付作業も容易になる。 【0031】 さらに、請求項2の考案によれば、互いに直交する第1および第2フランジを取付ベースに設けたので、スタンド型取付具を機器の水平面および鉛直面の双方に取り付けることができるとともに、第1および第2の取出口からケーブルを2方向に取り出すことができるので、水平面および鉛直面のいずれかに取り付けても、ケーブルの取り出しが容易になる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本考案の第1実施例の要部を示す斜視図および破断した斜視図である。 【図2】 スタンド型取付具の一部断面した側面図である。 【図3】 同正面図である。 【図4】 スタンド型取付具の使用方法の一例を示す平面図である。 【図5】 固定具の分解斜視図および組立状態を示す斜視図である。 【図6】 第2実施例を示す要部の斜視図である。 【図7】 従来例を示す斜視図である。 【符号の説明】 1:ポーノレ 11:中空部 12:取付端部 2:検出器 21:ケーブル 3:取付ベース 31:第1取付フランジ 31A:第1取出口 32:第2取付フランジ 32A:第2取出口 33、34:ボルト挿入孔 5、6:ブラケット |
訂正の要旨 |
1)訂正事項a 実用新案登録第2605236号の願書に添付された明細書(以下、「登録明細書」という。)の実用新案登録請求の範囲の請求項1中の「ポールの軸方向に直交する平面に取り付けられる取付フランジと」を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、「ポールの軸方向に直交する第1平面に取り付けられる第1取付フランジと、該第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジと」と訂正する。 2)訂正事項b 登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1中の「上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする取出口とを備えている」を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、「上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からボールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする第2取出口とを備え、前記第1取出口と前記第2取出口とが互いに連なっている」と訂正する。 3)訂正事項c 登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項4中の「請求項1,2もしくは3において」を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、「請求項2又は3において」と訂正する。 4)訂正事項d 登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項4中の「とされている検出器のスタンド型取付具」を、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、「され、また、前記スタンド型取付具は、前記ポールの下端部を挟持してこれを固定するための挟持部を有し、該挟持部が、前記第1取付フランジ及び第2取付フランジと一体に形成されていることを特徴とする検出器のスタンド型取付具」と訂正する。 5)訂正事項e 登録明細書の考案の詳細な説明の段落【0008】、【0009】、【0024】、【0030】の記載を、明りょうでない記載の釈明を目的として、下記のように訂正する。 (a)登録明細書の段落【0008】中の「ポールの軸方向に直交する平面に取り付けられる取付フランジと、上記ポールの中空部に連通し、検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする取出口とを取付ベースに形成している。」を、「中空のポールを取付ベースを介して機器に設置し、上記ポールにブラケットを介して検出器を取り付ける検出器のスタンド型取付具において、上記取付ベースは、ポールの軸方向に直交する第1平面こ取り付けられる第1取付フランジと、該第1平面に直交する第2平面に取り付けられる第2取付フランジと、上記ボールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの軸方向に取出可能とする第1取出口と、上記ポールの中空部に連通し検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取出可能とする第2取出口とを備え、前記第1取出口と前記第2取出口とが互いに連なっていることを特徴とする。」と訂正する。 (b)登録明細書の段落【0009】中の「取付フランジを機器の水平面に取り付けた場合、ケーブルを取出口から水平方向に取り出すことができる。」を、「互いに直交する第1平面、第2平面に夫々取り付けられる第1及び第2フランジを有しているので、取付具を機器の水平面及び鉛直面の双方に取り付けることができ、機器の水平面に取り付けた場合は、ケーブルをポールの径方向に取り出すことができ、一方、機器の鉛直面に取り付けた場合は、ケーブルを下方へ取り出すことができる。」と訂正する。 (c)登録明細書の段落【0024】中の「請求項1の考案では、」を削除する。 (d)登録明細書の段落【0030】中の「ポールの中空部に連通し、検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向に取り出す取出口を取付ベースに形成したので、取付フランジを機器の水平面に取り付けた場合、ケーブルを取出口から水平方向に取り出すことができる。したがって、」を、「検出器のケーブルをポールの取付端部からポールの径方向及び軸線方向に取り出すことができるので、機器の水平面に取り付けた場合であっても、」と訂正する。 |
異議決定日 | 2001-07-23 |
出願番号 | 実願平5-71854 |
審決分類 |
U
1
651・
121-
YA
(F16B)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 岩谷 一臣 |
特許庁審判長 |
船越 巧子 |
特許庁審判官 |
常盤 務 秋月 均 |
登録日 | 2000-04-21 |
登録番号 | 実用新案登録第2605236号(U2605236) |
権利者 |
株式会社キーエンス 大阪府大阪市東淀川区東中島1丁目3番14号 |
考案の名称 | 検出器のスタンド型取付具 |
代理人 | 神津 尭子 |
代理人 | 平井 正司 |
代理人 | 神津 尭子 |
代理人 | 平井 正司 |