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審決分類 審判 全部申し立て   G03G
審判 全部申し立て   G03G
審判 全部申し立て   G03G
管理番号 1047008
異議申立番号 異議2000-72960  
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2001-11-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-07-28 
確定日 2001-08-27 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2602857号「マグネットロール」の請求項1、2に係る実用新案登録に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 登録第2602857号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 1. 手続きの経緯
実用新案登録第2602857号(以下、「本件登録」と言う。)の請求項1および2に係る考案は、平成4年7月1日に実用新案登録出願され、平成11年9月28日に登録査定され、平成11年11月26日にその実用新案権が登録された。そして、平成12年1月31日に実用新案登録公報が発行され、実用新案登録異議申立期間内である平成12年7月28日に、実用新案登録異議申立人キヤノン株式会社から実用新案登録異議の申し立てがされた。これを受けて、当審が平成12年10月12日付けで取消理由を通知したところ、その応答期間内である平成12年12月25日付けで訂正請求書および意見書が提出された。その後、当審から実用新案権者および実用新案登録異議申立人のそれぞれに対し、平成13年4月19日付けで審尋書が送付され、平成13年7月6日付けで実用新案権者から、平成13年7月9日付けで実用新案登録異議申立人から、それぞれ回答書が提出された。

2. 訂正の適否についての判断
2.1. 訂正の内容
平成12年12月25日付けの訂正請求書は、本件登録明細書を、当該訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものである。そして、訂正請求書の請求の要旨によると、以下の訂正事項を含んでいる。

(訂正事項1)
実用新案登録請求の範囲の請求項1に「軸心方向に沿った磁極が円周方向に複数極配置された電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットロールにおいて、現像剤の特性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えたことを特徴とするマグネットロール。」とあるのを、「軸心方向に沿った磁極が円周方向に複数極配置された電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットロールにおいて、現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えるようにし、高透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の劣る現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向下流側に向けるようにし、一方、低透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の高い現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向上流側に向けるようにしたことを特徴とするマグネットロール。」と訂正する。

(訂正事項2)
実用新案登録請求の範囲の請求項2を削除する。

(訂正事項3)
考案の詳細な説明の段落【0008】に「現像剤の特性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えたことを特徴としている。」とあるのを、「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えるようにし、高透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の劣る現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向下流側に向けるようにし、一方、低透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の高い現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向上流側に向けるようにしたことを特徴としている。」と訂正する。

(訂正事項4)
考案の詳細な説明の段落【0009】に「現像剤の種類により」とあるのを、「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性により」と訂正する。

(訂正事項5)
考案の詳細な説明の段落【0013】に「現像剤の種類により」とあるのを、「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によって」と訂正する。

(訂正事項6)
考案の詳細な説明の段落【0014】に「現像剤の特性によって」とあるのを、「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によって」と訂正する。

(訂正事項7)
考案の詳細な説明の段落【0014】に「現像剤の特性を把握するだけで」とあるのを、「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性を把握するだけで」と訂正する。

2.2. 訂正の目的の適否、新規事項の有無および実用新案登録請求の範囲の拡張または変更の存否
2.2.1. 訂正事項1について
上記訂正は、本件登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された「現像剤の特性」を「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性」と具体化して限定するとともに、「ドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えた」を「ドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えるようにし、高透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の劣る現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向下流側に向けるようにし、一方、低透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の高い現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向上流側に向けるようにした」と訂正して、現像剤に含まれるキャリアの透磁率および現像剤の流動性と磁気吸引力の接線成分の向きとの関係を具体化して限定するものである。
「現像剤の特性」が具体的には現像剤に含まれるキャリアの透磁率および現像剤の流動性を意味すること、および、高透磁率のキャリアを含む現像剤または流動性の劣る現像剤を用いる場合には、磁気吸引力の接線成分の向きを現像剤の搬送方向下流側に向け、低透磁率のキャリアを含む現像剤または流動性の高い現像剤を用いる場合には、上記接線成分の向きを現像剤の搬送方向上流側に向けることは、本件登録の願書に添付した明細書の考案の詳細な説明の段落【0009】の「本考案者の知見によれば、ドクターブレード抜け性は現像剤の流動性と透磁率(μ)に大きく依存している。したがって、現像剤の流動性及び透磁率を勘案してドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを決定する。鉄粉キャリアのように高透磁率のキャリアを含む現像剤を用いる場合や流動性が劣る現像剤を用いる場合には、ドクターブレード直下の接線成分磁力の方向は現像剤の搬送方向下流側に向けるものとし、またフェライトキャリアのように低透磁率のキャリアを含む現像剤を用いる場合や流動性が高い現像剤を用いる場合には、ドクターブレード直下の接線成分磁力の方向は現像剤の搬送方向上流側へ向けるものである。」に記載されている。
上記訂正は、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的としたものであって、願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内においてされており、実質上、実用新案登録請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。

2.2.2. 訂正事項2について
この訂正は、訂正前の請求項2を削除するものである。
そして、この訂正は、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的としたものであって、願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内においてされており、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。

2.2.3. 訂正事項3?7について
これらの訂正は、本件登録明細書の考案の詳細な説明の記載のうち、実用新案登録請求の範囲の請求項1が上記訂正事項1のとおりに訂正されることによって不明瞭となる部分を、願書に添付された明細書または図面に記載した事項の範囲内で、訂正後の請求項1の記載と一致させ、明瞭にしようとするものである。
そして、この訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的としたものであって、願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内においてされており、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。

2.3. むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成11年法律第41号)附則第15条の規定による改正後の特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項および第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3. 実用新案登録異議の申し立てについての判断
3.1. 本件訂正考案
「2.3.むすび」で述べたとおり、上記訂正が認められる。したがって、本件登録の訂正後の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」と言う。)は、訂正明細書および図面の記載から見て、その請求項1に記載された次のとおりのものであると認める。

【請求項1】 軸心方向に沿った磁極が円周方向に複数極配置された電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットロールにおいて、現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えるようにし、高透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の劣る現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向下流側に向けるようにし、一方、低透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の高い現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向上流側に向けるようにしたことを特徴とするマグネットロール。

3.2. 取消理由通知の概要
本件登録の訂正前の請求項1および2に係る考案は、本件登録に係る出願の前に国内で頒布された

刊行物1:実願昭59-176736号(実開昭61-92959号)
のマイクロフィルム、および、
刊行物2:特開昭60-87353号公報

に記載された考案に基づいて当業者が容易に考案をすることができたものであるから、本件登録の訂正前の請求項1および2に係る考案は、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。

3.3. 引用刊行物および実用新案登録異議の申し立ての証拠に記載された事項
3.3.1. 刊行物1
刊行物1には、以下の(1)および(2)の事項が図面とともに記載されている。

(1) 明細書第3ページ第1行から第9行まで
「本考案は、帯電、露光、現像、転写及びトナー除去を繰り返す公知の電子写真装置に活用する現像装置に関する。…本考案も現像装置の磁気ブラシ形成時におけるトナー飛散減少の為、成されたものであり、本考案は特に複数の磁極位置間に磁気ブラシ形成の為のドクターブレード取付位置の設定にある。」

(2) 明細書第5ページ第8行から第7ページ第12行まで
「更にマグネットローラ4は、主磁極N_(1)に対し現像剤14の収集側に角度90°隔て、補助磁極S_(1)を付してある。補助磁極S_(1)は、スリーブ5上に現像剤14の収集及び搬送を兼ねる。ドクターブレード3は、主磁極位置N_(1)及び補助磁極S_(1)の磁極近くを離れ、かつ上記磁極間隔内の所定位置に配する。
実験を踏まえてドクターブレード3の位置設定を述べる。第2図に示すごとく、主磁極N_(1)の磁束密度をNガウス、補助磁極S_(1)の磁束密度をSガウスとし、主磁極N_(1)及び補助磁極S_(1)間の角度をθ_(0)とした場合の補助磁極S_(2)とドクターブレード3の設定位置間の角度をθ_(S)、主磁極N_(1)とドクターブレード3の設定位置間の角度をθ_(N)とする。上記θ_(N)とθ_(S)の比率を求める場合、(N^(2)/S^(2))^(2)=K。上記Kはθ_(N)を求める為の比率係数であり、θ_(S)を1とした場合、θ_(S)のK倍がθ_(N)である事を実験により見い出した。主磁極N_(1)と補助磁極S_(1)間の角度θ_(0)内におけるドクターブレード3の取付位置を設定する為の割合がθ_(S):θ_(N)である。…θ_(0)は現像装置の構造上90°程度が望ましい。例えばθ_(0)を90°とし、主磁極N_(1)を800ガウス、補助磁極S_(1)を690ガウスにした場合、…θN=90×1.8/(1+1.8)=58°、θS=90/(1+1.8)=30°となる。次に上式をもとに試験を行った結果を第3図により説明する。第3図はドクターブレード取付位置と、トナー飛散量の関係を示すグラフである。曲線Aは上記の計算との対比を実験にて表示したものであり、曲線B及びCは主磁極N_(1)を850ガウス、及び800ガウスにし、補助磁極S_(1)を690ガウス、及び750ガウスにそれぞれし、計算は省くが、実験値との対応において主磁極N_(1)及びドクターブレード取付位置間の角度が63°,51°及びドクターブレード取付位置及び補助磁極S_(1)との角度が27°,39°であった。以上は計算上の設定位置であるが、マグネットローラの磁束密度のバラツキを考慮すると、設定した角度の-12°?+12°の範囲にドクターブレードを取付ければよい。」

以上の記載事項を総合すると、刊行物1には、

「軸心方向に沿った主磁極N_(1)および補助磁極S_(1)が円周方向に配置された、電子写真装置に活用される現像装置に用いられるマグネットローラ4において、主磁極N_(1)と補助磁極S_(1)の磁束密度に応じてドクターブレード3の取り付け位置を変えたマグネットローラ4」

(以下、「引用考案」と言う。)が記載されていると認められる。
そして、刊行物1の上記(2)に記載された事項と第2図および第3図に示された事項とを総合すると、引用考案のドクターブレード3は、主磁極N_(1)の磁束密度が大きくなればなるほど、また、補助磁極S_(1)の磁束密度が小さくなればなるほど、主磁極N_(1)から遠く、補助磁極S_(1)に近い位置に取り付けられることが分かる。

3.3.2. 刊行物2
刊行物2には、以下の(1)?(9)の事項が図面とともに記載されている。

(1) 第2ページ左上欄第6行から第9行まで
「本発明は乾式現像剤を用いて現像剤保持部材上に現像剤の薄層を形成して現像に供するための現像剤薄層形成方法及び薄層形成用磁性粒子に関する。」

(2) 第2ページ左下欄第18行から右下欄第2行まで
「本発明の目的は、磁性粒子拘束部材からの磁性粒子の漏れを防止し、現像剤保持部材表面に現像剤の薄層を長期にわたって安定して形成する現像剤薄層形成方法及び薄層形成用磁性粒子を提供することにある。」

(3) 第3ページ右上欄第8行から第20行まで
「一方、磁極17よりもスリーブ回転方向下流側の点19の位置では、磁性体よりなる磁性粒子拘束部材としての磁性ブレード23をスリーブ12との間隔dで、点19の位置におけるスリーブ12の法線nに対しブレードの中心線lとの為す角度δをもたせてスリーブ移動方向下流側に傾けて配置してある。磁性粒子16は重力と磁気力及び磁性ブレード23の存在による効果に基づく拘束力と、スリーブ12の移動方向への搬送力との釣合によってスリーブ12表面の点19で拘束され、循環層18よりもおそい相対速度を有する多少は動き得るが殆んど不動の磁気ブラシ層20を形成する。」

(4) 第3ページ左下欄第11行から右下欄第13行まで
「循環層18では重力と磁極による磁気力と摩擦力及び磁性粒子の流動性(粘性)によって矢印cの如く磁気ブラシの循環が行なわれ、磁気ブラシはこの循環の際に磁性粒子層の上にある現像剤層から非磁性現像剤15を取込んで現像剤供給容器14の下部に戻り、以下この循環を繰返す。磁性ブレード23は直接にはこの循環には関与しない。
次に、磁性粒子の拘束条件について詳細に説明する。
スリーブ上の点19において、スリーブ12の法線nの方向に働く磁極17による磁気力の強さをRr、接線方向に働く磁気力の強さをRθ、摩擦係数をf、磁性粒子の磁気ブラシ層20の重量をM、スリーブの中心oを通る垂直線mと法線nとの成す角をθ、重力加速度をg、磁性ブレードによる効果をαとすると、搬送力をF1及び拘束力F2は、
搬送力 F1=f・(Rr+Mgcosθ) … (1)
拘束力 F2=Rθ+Mgsinθ+α … (2)
と表わされる。よって拘束条件(必要条件)は、
F=F2-F1≧0 … (3)
となる。」

(5) 第4ページ左下欄第13行から右下欄第3行まで
「第3図にマグネットの法線方向(実線)と接線方向(破線)の磁束密度分布曲線をBell社製620型ガウスメータで測定した一例を示す。磁界のベクトルの方向は通常法線方向磁界で定義されるが、第3図からN極の位置90°では法線方向に、零ガウスの点ωでは接線方向にあることがわかる。第3図のマグネットの場合において、ブレード23を配置するのに適当な角度λ=0?90°について磁界ベクトルの方向とスリーブ法線nとの成す角を第4図中の実線で示す。」

(6) 第5ページ左上欄第6行から右上欄第1行まで
「しかし、本発明ではブレードの先端位置を前述のHr<Hθ、すなわち磁極においてスリーブ表面磁束がスリーブ法線方向Hrよりスリーブ接線方向Hθのほうが強い領域に配置したので、スリーブ法線方向の圧力よりもスリーブ接線方向の力が支配的となるため、上述の圧力による現像剤の劣化及び磁性粒子の漏れが防止できるものである。…本発明では磁性ブレード部での法線方向の磁気力は殆んどないか弱く、また接線方向の磁気力が強くなるので、磁性粒子を容易に拘束できるのである。」

(7) 第5ページ右上欄第16行から第19行まで
「この循環層の循環速度は磁極17の位置π、磁気力の強さRr、及び磁性粒子(あるいは磁性粒子と非磁性現像剤の混合物)の流動性(粘性)、磁気力などによって決定される」

(8) 第7ページ右下欄第12行から第15行まで
「第3図のマグネットは、表面磁束密度の最大値が約500ガウスであるが、使用する現像剤特に流動性の若干悪い現像剤では、この強さを更に強くすることが好ましい。」

(9) 第8ページ左上欄第15行から右上欄第1行まで
「この実施例において、磁性粒子として粒径100?80μ(150/200メッシュ)の鉄製粒子(最大磁化190emu/g)を用い、非磁性現像剤として、スチレン/ブタジエン共重合体系樹脂100部に銅フタロシアニン系顔料5部から成る平均粒径10μのドナー粉体にコロイダルシリカ0.6%を外添したブルートナーを用いた」

3.3.3. 実用新案登録異議申し立ての証拠
実用新案登録異議申立人が提出した甲第1号証(特開昭61-160764号公報)、甲第2号証(特開平1-120582号公報)および甲第3号証(特開平1-94370号公報)には、軸心方向に沿った磁極が円周方向に配置された、電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットローラであって、そのマグネットローラに対向または接触するように設けられたドクターブレードを有するマグネットローラが記載されている。
このうち、甲第1号証の第2ページ右上欄第18行から第20行までには、「現像剤担持体表面上の接線方向の磁界の強さを200ガウス以上に設定し」と記載されている。

3.4. 対比・判断
3.4.1. 対比
本件考案と引用考案とを比較すると、両者は、

「軸心方向に沿った磁極が円周方向に複数極配置された、電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットロール」

である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点)
本件考案では、

「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えるようにし、高透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の劣る現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向下流側に向けるようにし、一方、低透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の高い現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向上流側に向けるようにした」

とされているのに対し、引用考案では、

「主磁極N_(1)と補助磁極S_(1)の磁束密度に応じてドクターブレード3の取り付け位置を変えた」

とされている点。

3.4.2. 相違点の検討
刊行物1には、主磁極N_(1)と補助磁極S_(1)の磁束密度に応じてドクターブレード3の取り付け位置を変えることが記載されており、さらに具体的には、主磁極N_(1)の磁束密度が大きくなればなるほど、また、補助磁極S_(1)の磁束密度が小さくなればなるほど、主磁極N_(1)から遠く、補助磁極S_(1)に近い位置にドクターブレード3を取り付けることが記載されている。
しかし、刊行物1には、ドクターブレード3の取り付け位置における磁気吸引力の接線成分の向きについては、何も記載されておらず、上記磁気吸引力の接線成分が特定の向きにあることを伺わせるような記載もない。そして、現像剤に含まれるキャリアの透磁率または現像剤の流動性に応じて、上記磁気吸引力の接線成分の向き変えることについては、記載も示唆もされていない。
刊行物2には、磁性粒子を含む現像剤の挙動が、重力、磁気力、磁性ブレード23の存在および現像剤の流動性によって決定されることが記載されている。ここで、磁気力が磁場の強度および磁性粒子の透磁率に密接に関係することは技術常識であるから、上記磁気力は、磁場の強度および磁性粒子の透磁率と言い換えることができる。そうすると、刊行物2には、磁性粒子を含む現像剤の挙動が、重力、磁場の強度、磁性粒子の透磁率、磁性ブレード23の存在および現像剤の流動性によって決定されることが記載されていると言うことができる。特に、拘束力F2を表す式(刊行物2の記載事項(4)参照)からは、磁気力の接線成分Rθおよび磁性ブレード23の位置θが、現像剤の挙動に影響を及ぼしていることが理解できる。
これらのことから、刊行物2には、磁性粒子を含む現像剤の挙動を検討するにあたり、磁性粒子の透磁率、現像剤の流動性、磁性ブレード23の位置、磁気力の接線成分などを考慮しなければならないことが記載されていると言える。
さらに、刊行物2の記載事項(5)と第3図に示された事項とを総合すると、第3図上のλ<ωの範囲では、磁気力の接線成分が現像剤搬送方向下流側を向いており、ω<λ<90°の範囲では、磁気力の接線成分が現像剤搬送方向上流側を向いているものと推測できる。このことと、刊行物2の第4図に示された磁性ブレード23を配置するのに適当な角度とを併せて考慮すると、刊行物2には、磁性ブレード23(本件考案のドクターブレードに相当する。)の取り付け位置における磁気力の接線成分が、現像剤搬送方向下流側または上流側に向いていることまでは記載されていると見ることもできる。
しかし、刊行物2には、現像剤に含まれるキャリアの透磁率または現像剤の流動性に応じて、磁性ブレード23の取り付け位置における磁気力の接線成分を現像剤搬送方向下流側に向けるべきか、あるいは上流側に向けるべきかを判断できるような事項は記載されておらず、磁気力の接線成分を特定の向きに設定することは、記載も示唆もされていない。
甲第1号証には、現像剤担持体表面上の接線方向の磁界の強さに関する記載はあるものの、その磁界の向きについての記載はなく、現像剤に含まれるキャリアの透磁率および現像剤の流動性との関係も記載されていない。甲第2号証および甲第3号証にも、ドクターブレードの位置における磁気吸引力の接線成分を、現像剤に含まれるキャリアの透磁率または現像剤の流動性に応じて特定の方向に向けることは、記載も示唆もされていない。
以上のとおり、相違点の構成は、刊行物1および2並びに実用新案登録異議申し立ての証拠のいずれにも記載されておらず、また示唆もされていない。そして、本件考案は、相違点の構成を備えていることにより、現像剤の種類を問わずドクターブレード抜け性を高めることができるという効果を奏するものである。したがって、本件考案は、これらの文献に記載された考案に基づき、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとは認められない。

3.5. 明細書の記載不備について
実用新案登録異議申立人は、実用新案登録異議申立書および当審が送付した審尋書に対する回答書において、本件登録明細書の記載が実用新案法第5条第4項および第5項の規定に違反していると主張しているので、検討する。
まず、実用新案登録異議申立人は、「高透磁率」および「低透磁率」という表現が、どのような範囲の透磁率を意味しているのか不明確であると主張している。しかし、本件登録明細書(および訂正明細書)の考案の詳細な説明の段落【0009】に記載されているように、本件考案において「高透磁率」とされるのは、代表的には鉄粉キャリアであり、「低透磁率」とされるのは、代表的にはフェライトキャリアである。そして、当審が送付した審尋書に対する実用新案権者の回答書を参照すると、鉄粉キャリアの磁化が1500?1700emu/cm^(3)程度であるのに対し、フェライトキャリアの磁化は400?850emu/cm^(3)程度と、両者の磁化には大きな差があり、それによって両者は明確に区別されることが認められる。そうすると、本件考案において、「高透磁率」とされるのは、公知のキャリア材料の中で高い透磁率を有する鉄粉キャリアで代表されるようなキャリアであり、「低透磁率」とされるのは、同じく公知のキャリア材料の中で低い透磁率を有するフェライトキャリアで代表されるようなキャリアであって、「高透磁率」と「低透磁率」は、それぞれに対応する磁化の値によって、互いに明確に区別されていると理解することができる。したがって、「高透磁率」および「低透磁率」という表現が、どのような範囲の透磁率を意味しているのか不明確であると言うことはできない。
実用新案登録異議申立人は、「流動性の高い」および「流動性の劣る」という表現についても、どのような範囲の流動性を意味しているのか不明確であると主張している。しかし、本件考案は、現像剤の流動性に応じて磁気吸引力の接線成分の向きを変えると、ドクターブレード抜け性が劇的に変わるという、従来知られていなかった現象に着目したものであり、現像剤の流動性の相対的な大小に応じて、磁気吸引力の接線成分の向きをどのように決めるかについて新たな指針を与えるものであるから、「流動性の高い(劣る)」は相対的な意味で用いられていると認められる。したがって、その範囲が絶対的に規定されていなくても、「流動性の高い」および「流動性の劣る」という表現が不明確であると言うことはできない。
また、実用新案登録異議申立人は、ドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きをどのようにして変えるのかが不明であると主張しているが、これは、例えばドクターブレード部の取り付け位置を変えることによって実現でき、この程度のことは、明細書中に明示されていなくても実施し得る。したがって、実用新案登録異議申立人の主張は採用することができない。

3.6. むすび
以上のとおりであるから、本件考案は、刊行物1および2並びに実用新案登録異議の申し立ての証拠に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとは認められず、また、明細書の記載に不備があるとも認められないから、本件考案についての実用新案登録は、実用新案登録異議の申し立ての理由によっては取り消すことができない。
また、他に当該特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件考案についての実用新案登録は、拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
マグネットロール
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 軸心方向に沿った磁極が円周方向に複数極配置された電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットロールにおいて、現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えるようにし、高透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の劣る現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向下流側に向けるようにし、一方、低透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の高い現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向上流側に向けるようにしたことを特徴とするマグネットロール。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は複写機やファクシミリ、更にはレーザープリンタ等の電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットロールに関し、更に詳しくは、ドクターブレードでの現像剤の通過性(抜け性)を向上させたマグネットロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やファクシミリ等の電子写真方式の現像装置には、表面に複数磁極を着磁させた円柱状又は円筒状のマグネットロールMが組み込まれている。このマグネットロールMには、円筒状スリーブSしが回転自在に外装されるとともに、当該スリーブSしの全幅にわたって現像剤通過量規制板DB(以下、ドクターブレードDBと称す)が近接配置されている。そしてスリーブSLをマグネットロールMに対して回転させることで、スリーブSL表面に現像剤ボックスB内の現像剤を磁力により付着させ、次いでスリーブSL表面の現像剤をドクターブレードDBとの間に形成された現像剤通過間隙Sを通過させて現像剤の付着量を規制した後、この現像剤を静電潜像が形成された感光ドラムD表面に搬送している。
【0003】
現像剤の拾い上げから現像剤の回収にいたるまでの各工程はマグネットロールMの周面に設けられた各磁極によって担われており、例えばドクターブレードDB周辺の磁界分布としては図5で示される磁気パターンが採用されている。ドクターブレードDBはその直下を現像剤を通過させることで、スリーブ表面に均一厚さの現像剤層を形成するためのものであるが、スリーブ表面に均一厚さの現像剤層を形成するには、現像剤がドクターブレード下を抵抗なく通過することが重要であり、このことは所謂、「現像剤のドクターブレード抜け性」の問題としてドクターブレード周辺の磁界分布を設計する際の重要な課題として意識されている。
【0004】
ところで従来は、各極の磁気パターンの設計及び評価は主としてマグネットロール表面における法線方向磁束密度、即ち法線成分磁力に基づいて行っていることから、ドクターブレードDBが配置される部分の磁気パターンも図5で示すように法線成分磁力MSに基づいてのみ設計されている。そして、ドクターブレードDBに対面する部分の法線成分磁力MSがあまり強いとドクターブレードDBによる付着現像剤の過剰分の掻き落としが困難となるとともに現像剤通過間隙Sを通過する際に強い抵抗力を受けて「ドクターブレード抜け性」が低下するとの認識から、従来はドクターブレード部には隣接磁極間に存在する法線成分磁力MSの極小部分が位置づけられるように設計されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
このように従来方法では、ドクターブレードは隣接磁極間における法線成分磁力の極小位置付近に配置することが好ましいと判断されているものの、より具体的な設定位置については不明である。しかも具体的な設定位置は現像剤の特性によっても微妙に変化することが知られており、したがって従来は両隣の極位置を変更してトライアンドエラー方式で現像剤の抜け性が最もよい位置を探し当てているのが実情であり、開発に多大のコストと時間を要していた。
【0006】
本考案はかかる現況に鑑みてなされたものであり、極位置をトライアンドエラー方式で変更することによって探り当てられていたドクターブレードの設定位置を容易に決定することができ、「ドクターブレード抜け性」を高めたマグネットロールを提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案者らは上記課題を解決するために、「ドクターブレード抜け性」について再検討したところ、法線成分磁力の磁気パターンによってのみ考察されていた従来のドクターブレードの配置位置の設定方法が必ずしも完全ではなく、むしろ従来、考察対象となることがなかったマグネットロール表面における接線成分磁気吸引力が「ドクターブレード抜け性」の制御に大きく関与していることを見出した。
【0008】
このような認識に基づいてなされた本考案は、軸心方向に沿った磁極が円周方向に複数極配置された電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットロールにおいて、現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えるようにし、高透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の劣る現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向下流側に向けるようにし、一方、低透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の高い現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向上流側に向けるようにしたことを特徴としている。
【0009】
【作用】
本考案のマグネットロールでは、現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によりドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変える。本考案者の知見によれば、ドクターブレード抜け性は現像剤の流動性と透磁率(μ)に大きく依存している。したがって、現像剤の流動性及び透磁率を勘案してドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを決定する。鉄粉キャリアのように高透磁率のキャリアを含む現像剤を用いる場合や流動性が劣る現像剤を用いる場合には、ドクターブレード直下の接線成分磁力の方向は現像剤の搬送方向下流側に向けるものとし、またフェライトキャリアのように低透磁率のキャリアを含む現像剤を用いる場合や流動性が高い現像剤を用いる場合には、ドクターブレード直下の接線成分磁力の方向は現像剤の搬送方向上流側へ向けるものである。
【0010】
【実施例】
次に本考案の詳細を図示した実施例に基づき説明する。図1は本考案のマグネットロールの一実施例であり、ドクタープレードDBと当該ドクターブレードDB周辺の接線成分の磁気吸引力パターンとの関係を示している。図中MTが磁気吸引力の接線成分の分布を示し、図中の太い矢印は当該接線成分磁力の向きを示している。
【0011】
図2は及び図3は現像剤の種類に応じて、ドクターブレード部の接線成分磁気吸引力の向きを具体的に設定した場合である。図2は鉄粉キャリアのように高透磁率のキャリアを含む現像剤を用いる場合や流動性の劣る現像剤を用いる場合であり、この場合、ドクターブレード直下の接線成分磁気吸引力の方向は現像剤の搬送方向下流側に向けている。
【0012】
図3はフェライトキャリアのように低透磁率のキャリアを含む現像剤を用いる場合や流動性の高い現像剤を用いる場合であり、この場合、ドクターブレード直下の接線成分磁気吸引力の方向は現像剤の搬送方向上流側に向けている。
【0013】
本考案者は、高透磁率のキャリアを保有するが故にスリーブに強く吸引される現像剤や流動性が低い現像剤など、スリーブに対して相対移動しにくい現像剤を用いる場合は、ドクターブレード直下の接線成分磁気吸引力の方向を現像剤の搬送方向下流側に向けたときにドクターブレード直下における現像剤の通過が促進されることを実験により確認した。また、低透磁率のキャリアを保有するが故にスリーブヘの吸引力が弱い現像剤や流動性が高い現像剤など、スリーブに対して相対移動しやすい現像剤を用いた場合には、ドクターブレード直下の接線成分磁気吸引力の方向を現像剤の搬送方向上流側に向けたときに、現像剤の通過が促進されることも実験により確認した。そしてこのように現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によってドクターブレード直下の接線成分磁力の向きを変えた本マグネットロールは、過剰付着した現像剤の掻き落としを円滑に行なうことが可能で、現像剤の層厚を安定させることができるとともにドクターブレード部でのトルクも軽減させることができることも確認した。
【0014】
【考案の効果】
本考案のマグネット装置は、現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えているので、従来のように磁束密度の法線成分のみを考察対象としてドクターブレード抜け性の向上をはかる場合のように、トライアンドエラー方式でドクターブレード近傍の隣接極の極位置や磁束密度の強度を変更する必要がなく、現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性を把握するだけで、当該現像剤におけるドクターブレード抜け性を高めることができるマグネットロールを設計できるので、マグネットロールの設計に要する費用と時間を大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のマグネットロールの一実施例であり、ドクターブレードと当該ドクターブレード周辺の接線方向の磁気吸引力パターンとの関係を示す説明図
【図2】鉄粉キャリアのように高透磁率キャリアを含む現像剤を用いる場合や流動性の劣る現像剤を用いた場合におけるドクターブレード部の接線成分磁気吸引力の向きを示す説明図
【図3】フェライトキャリアのように低透磁率キャリアを含む現像剤を用いる場合や流動性の高い現像剤を用いた場合におけるドクターブレード部の接線成分磁気吸引力の向きを示す説明図
【図4】マグネットロール周辺の構造を示す簡略説明図
【図5】従来のマグネットロールを示し、法線成分磁力の分布曲線とドクターブレードの設定位置との配置関係を示す説明図
【符号の説明】
M マグネットロール
SL スリーブ
B 現像剤ボックス
D 感光ドラム
DB ドクターブレード
MT 接線成分磁気吸引力の分布曲線
MS 法線成分磁力の分布曲線
訂正の要旨 実用新案登録第2602857号の明細書中
1.実用新案登録請求の範囲の請求項1に
「軸心方向に沿った磁極が円周方向に複数極配置された電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットロールにおいて、現像剤の特性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えたことを特徴とするマグネットロール。」
とあるのを、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として
「軸心方向に沿った磁極が円周方向に複数極配置された電子写真方式の現像装置に用いられるマグネットロールにおいて、現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えるようにし、高透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の劣る現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向下流側に向けるようにし、一方、低透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の高い現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向上流側に向けるようにしたことを特徴とするマグネットロール。」
と訂正する。
2.実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、実用新案登録請求の範囲の請求項2を削除する。
3.考案の詳細な説明の段落【0008】に
「現像剤の特性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えたことを特徴としている。」
とあるのを、明瞭でない記載の釈明を目的として
「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によってドクターブレード部における磁気吸引力の接線成分の向きを変えるようにし、高透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の劣る現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向下流側に向けるようにし、一方、低透磁率のキャリアを含む現像剤又は流動性の高い現像剤を用いる場合には、前記接線成分の向きを現像剤の搬送方向上流側に向けるようにしたことを特徴としている。」
と訂正する。
4.考案の詳細な説明の段落【0009】に
「現像剤の種類により」
とあるのを、明瞭でない記載の釈明を目的として
「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性により」
と訂正する。
5.考案の詳細な説明の段落【0013】に
「現像剤の種類により」
とあるのを、明瞭でない記載の釈明を目的として
「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によって」
と訂正する。
6.考案の詳細な説明の段落【0014】に
「現像剤の特性によって」
とあるのを、明瞭でない記載の釈明を目的として
「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性によって」
と訂正する。
7.考案の詳細な説明の段落【0014】に
「現像剤の特性を把握するだけで」
とあるのを、明瞭でない記載の釈明を目的として
「現像剤に含まれるキャリアの透磁率及び現像剤の流動性を把握するだけで」
と訂正する。
異議決定日 2001-08-01 
出願番号 実願平4-52439 
審決分類 U 1 651・ 534- YA (G03G)
U 1 651・ 121- YA (G03G)
U 1 651・ 531- YA (G03G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 瀧本 十良三  
特許庁審判長 石川 昇治
特許庁審判官 小林 紀史
水垣 親房
登録日 1999-11-26 
登録番号 実用新案登録第2602857号(U2602857) 
権利者 鐘淵化学工業株式会社
大阪府大阪市北区中之島3丁目2番4号
考案の名称 マグネットロール  
代理人 柳野 隆生  
代理人 柳野 隆生  
代理人 倉橋 暎  
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