• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判    B30B
管理番号 1048632
審判番号 無効2001-40010  
総通号数 24 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2001-12-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-05-07 
確定日 2001-10-17 
事件の表示 上記当事者間の登録第3042975号実用新案「ヘッダー」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1.手続の経緯
本件登録実用新案第3042975号は、平成9年4月28日に出願され、平成9年8月20日に設定登録されたものである。これに対し、実用新案登録無効審判請求人、株式会社阪村機械製作所は、平成13年5月7日に審判請求書を提出し、該書類の副本は、答弁書提出の期間を指定して、平成13年6月18日に実用新案権者である被請求人の株式会社中島田鉄工所に送達され、その期間内の平成13年7月10日に審判事件答弁書が提出された。
2.本件考案
本件考案は、本件実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1?2に記載された次のとおりのものである。
「 【請求項1】 ダイと、パンチを備えたラムと、ラムをダイに対して往復動させるフライホイールと、フライホイールを回転させるモータと、手動回転操作することによりモータを駆動するパルスを発生するパルス発生機とを備えたことを特徴とするヘッダー。
【請求項2】 前記パルス発生機が、前記ダイ、ラム、フライホイールを内蔵する本体ボックスの上部に設置されたことを特徴とする請求項1記載のヘッダー。」
3.請求人の主張
これに対して、請求人は、本件実用新案登録の請求項1?2に係る考案は、本件出願前に頒布された刊行物に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、したがって、本件実用新案登録の請求項1?2に係る考案の登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してされたと主張している。そして、証拠方法として、甲第1号証の特開平8-192241号公報、甲第2号証の特開平7-40099号公報、甲第3号証の特開平8-206897号公報、甲第4号証の特開平5-200589号公報、及び甲第5号証の特開平6-106248号公報を、更に、周知の事項の証拠として、参考文献1の特開昭62-44340号公報、参考文献2の特開平9-16263号公報、及び参考文献3の特開平9-62361号公報の各刊行物を提出している。
4.甲第1?5号証及び参考文献1?3の記載事項
(1)甲第1号証
「図1及び図2は、図21に示す軸部aと該軸部の一端にリング状頭部bを有する軸体Xを製造する多段式圧造成形機であって、この圧造成形機1は、機台2の所定位置にダイブロック3が配設されており、該ダイブロック3には図1に示すようにダイ11?16が所定間隔おいて並設されている。また、上記ダイブロック10の前方における機台2に装備され、ダイブロック3に対し前後動されるラム4の前面に、それぞれのダイ11?16に対応する複数のパンチ21?26が取り付けられることにより、それぞれが各ダイ11?16とパンチ21?26とからなる複数の圧造ステーションS1?S6が構成され、上記ラム4の前進によってそれぞれの圧造ステーションS1?S6において素材が各ダイ内に順次打ち込まれて圧造加工がなされる。上記ラム4の後端には、当該圧造成形機1の駆動用モータ5により回転されるフライホイール6に一体的に設けられたクランク軸7が連結部材8を介して連結されており、駆動モータ5の駆動により連結部材8を介してラム4が上記ダイブロック3側に向かって前後勤するようになっている。また、これらの圧造ステーションS1,S2,S3,S5,S6間にわたる素材の移送は、図11に概略的に示す素材移送用チャック9a?9fによって順次行われる。」(段落0019)
上記段落0019、図1及び図2の記載より、甲第1号証には、
ダイ11?16と、パンチ21?26を備えたラム4と、ラム4をダイ11?16に対して往復動させるフライホイール8と、フライホイール8を回転させるモータ5と、を備えた圧造成形機1。
の考案が記載されている。
(2)甲第2号証
ア 「本発明の実施例を図面を参照して説明する。本プレスの緩速運転装置は、図1に示す如く、プレス10に必須のクラッチ21とブレーキ25とを利用可能としかつ速度設定手段(34H,34L)と速度検出手段(14E)と作動圧力切替手段40と半ブレーキ運転制御手段(31,32)と緩速運転制御手段(31,32)とを設け、ブレーキ25を半ブレーキ運転させつつクラッチ21をON-OFF制御してフライホイール15の回転エネルギーを保持したままの状態でプレスを緩速運転できるように構成されている。」(段落0011)
イ 「図1において、プレス10は、クラウン11とベッド19とをコラム18で一体的に結合したフレームを形成し、スライド17Sをコネクティングロッド16を介してクランク軸12(偏心部12C)に連結する。このスライド17Sには上型がセットされ、対応する下型はボルスタ17Bにセットされる。したがって、クランク軸12を回転すれば、スライド17Sを上下ストローク運動させたプレス運転ができる。」(段落0012)
ウ 「メインモータ(図示省略)で回転されるフライホイール15は、クラッチ21,回転軸14および歯車機構13を介してクランク軸12と連結可能とされ、クラッチ21がONでブレーキ25がOFFの場合に回転エネルギーをクランク軸12に伝達してプレス運転ができる。一方、クラッチ21をOFF,ブレーキ25をONとすることにより連結が解かれブレーキ作用によってプレスを停止できる。」(段落0013)
エ 「本発明によれば、速度設定手段と速度検出手段と半ブレーキ運転制御手段と緩速運転制御手段とを設け、半ブレーキ状態においてクラッチをON-OFF制御して回転エネルギーを保持したまま緩速運転できる構成とされているので、回転エネルギーの無駄な消費と減速の長時間待機あるいは専用モータの複雑な切替運転という従来欠点を一掃して、型合せ作業を迅速かつ簡単に行えコスト低減,装置小型化も達成でき、さらに半ブレーキ作用により急増速化と遅減速化とを防止しつつ高精度で安定した低速域による円滑な緩速運転ができる。」(段落0036)
上記ア?エの記載より、甲第2号証には、
ボルスタと、スライドと、スライドをボルスタに対して往復動させるフライホイールと、フライホイールを回転させるメインモータとを備えたプレス。
の考案が記載されている。
(3)甲第3号証
ア 「クランク角度毎にクランク機構の影響を考慮したタイマー時間をあらかじめ設定記憶するタイマー装置を有し、クランク軸の回転位置であるクランク角度を検出するエンコーダからの信号と、スライド運転用の起動スイッチからの起動信号から、スライド運転のためのタイマー時間を得て、スライド運転装置により、スライドは運転される。」(段落0008)
イ 「作業者によりスライド運転用の起動スイッチが押されて、前記のクランク角度に応じてあらかじめ記憶したタイマー時間を得て、その得たタイマー時間が過ぎたら、作業者がスライド運転用の起動スイッチを押し続けていても、スライド運転装置によりスライドの運転を停止させるようにしている。このことによりスライドを一定量だけ運転出来る。」(段落0009)
ウ 「図1に本発明の一実施例を示す。本発明の機械プレス1は、モータ2を動力源として、フライホイール3に設けたクラッチ4とブレーキ5に係合するクランク軸6と、スライド8とを連結するコネクチングロッド7から構成される。」(段落0010)
エ 「クランク軸6の回転位置であるクランク角度を検出するエンコーダ9から、クランク角度がスライド運転装置10に入力される。タイマー装置11には、その機械プレス1にふさわしいタイマー時間が、あらかじめクランク角度毎に入力され記憶されている。」(段落0011)
オ 「機械プレスで部品を生産する場合には、通常スライドの運転は、安全一行程にして、作業者の安全を確保するための防護装置が使用されているが、金型の交換や調整等の作業中は、寸動で防護装置の作動しない状態で行われることが多い。このような時に、スライドの動作量を一定の量以下、例えば6mm以下の一定量にすれば、作業者の安全確保に役立つものとなる。」(段落0016)
上記ア?オの記載より、甲第3号証には、
スライドと、スライドを往復動させるフライホイールと、フライホイールを回転させるモータとを備えた機械プレス。
の考案が記載されている。
(4)甲第4号証
ア 「このように、雄型12が図の上下方向に往復運動することにより成型加工が行われることになるが、本発明の特徴は、この往復運動の動力源に第1のパルスモータ31を用いた点にある。第1のパルスモータ31の回転運動は、クランク機構によって往復運動に変換される。すなわち、第1のパルスモータ31の回転運動は、基体40に支持された減速輪41にギア機構によって伝達され、減速輪41の回転運動は、クランクロッド42および43によって往復運動に変換される。クランクロッド42の下端は、減速輪41の固定点Pに回動自在に固定され、上端はクランクロッド43の下端に回動自在に固定されている。また、クランクロッド43は、ステージ10に設けられた貫通孔を挿通することにより、上下運動のみが許される状態に支持されている。こうして、減速輪41が1回転すると、クランクロッド43の上端に固着された雄型12が1往復することになる。」(段落0013)
イ 「この実施例のもうひとつの特徴は、搬送系20を駆動するための動力源として、第2のパルスモータ32を用いている点である。しかも、第1のパルスモータ31および第2のパルスモータ32は、いずれも制御装置50(たとえば、マイクロコンピュータ)によって制御される。別言すれば、制御装置50から与えられるパルスに基づいて、両パルスモータは駆動する。」(段落0014)
ウ 「以上のとおり本発明に係るプレス加工装置によれば、加工工程の動力源にパルスモータを用い、被加工物の搬出入時の速度と加工時の速度とを変えるような制御を可能にしたため、単純な構造で、多数の被加工物に対して連続的な加工を行うのに適したプレス加工装置が実現できる。また、パルスモータの回転角度を制御することにより、加工深度を自由に設定できるようになるため、多様な加工に対応することができる。」(段落0021)
(5)甲第5号証
ア 「次に、オペレータは、ワーク80をバックゲージ60につき当たる位置にセットし、足でフットスイッチ230の右側を押し下げる。これによりステップ1030のラムの下降が実行される。ラム20は機械原点からD軸に沿って下降する。ティーチングに先立って、ワーク80の板厚寸法と、パンチ22の番号、ダイ14の番号が入力されている。これらのデータにより、NC装置はパンチ先端がワークの上面に当接する座標値を演算できる。このデータに基づいて、ラム20はパンチ22の先端がワーク80の上面に接する位置まで急速度でアプローチする。仮想キー部は、ステップ1035で手動モードに切り換えると同時に、ラム軸の加圧力をオンさせ、ラム軸を手動曲げモードにセットする。これにより手動パルス発生ハンドルによりラムは送られることになる。つぎに、ラム軸に供給する油圧力をセットする。アプローチが完了すると、オペレータは操作盤の手動パルス発生器240を操作してステップ1040の手動曲げを実行する。」(段落0012)
イ 「これに先立ち、バックゲージ60を後退させるプルバックを行なうが、プルバック量は任意に設定することができる。手動パルス発生器240は、例えばダイヤル式のもので、1目盛で1パルスを発生し、ラムはD軸に沿って、0.01mm降下する。ダイヤルを1回転させると、ラムは1mm降下する。オペレータが手動パルス発生器を操作してラム20をD軸に沿って押し下げると、パンチ22はワーク80をダイ14の溝に押圧し、ワーク80を折り曲げる。手動曲げを進めていき、ワーク80を所定の角度まで折り曲げる。」(段落0013)
(6)参考文献1
「(1)工作機械本体と、該工作機械本体に保持され工作物を保持する加工台と、該工作機械本体に該加工台と相対移動可能に保持され加工工具を保持する工具保持装置と、数値情報で該加工台と該工具保持装置を相対移動させる制御信号を出力する数値制御装置と、該加工台と該工具保持装置をその駆動力で相対移動させるサーボモータと、該サーボモータを駆動するサーボモータ駆動回路とを有し、前記数値制御装置から入力した制御信号に応じて該サーボモータを閉ループ方式で駆動するサーボ機構と、手動ハンドルを有し該手動ハンドルの操作量に応じて、前記加工台と前記工具保持装置を相対移動させる指令パルスを前記数値制御装置に出力する手動パルス発生器とを有する数値制御工作機械に於いて、前記手動パルス発生器は、前記サーボ機構の閉ループ内で前記サーボモータ駆動回路の入力側の信号に応じて抗力を発生させる抗力発生手段を有する事を特徴とする数値制御工作機械。」(特許請求の範囲)
(7)参考文献2
「数値制御装置では正確な切削工具の移動を手動で行わせるために手動パルス発生器を使用する。」(段落0002)
(8)参考文献3
「一方、NC旋盤1には手動ハンドル7が設けられ、手動ハンドル7の回転情報がパルスジェネレータ8を介して電気的にパルスモータ2に与えられるようになっている。手動ハンドル7を作業者の手9によって操作することで、パルスモータ2の駆動を手動で行ない、工具4を手動で移動させて作業者の意思を反映させた加工を行なうことも可能となっている。」(段落0004)
5.対比・判断
1)請求項1について
無効審判請求人は、甲第1?3号証に記載された基本構成に、甲第4号証に記載されたパルスモータ31と、甲第5号証に記載された手動パルス発生器240とを適用すれば、本件請求項1に係る考案を、当業者であればきわめて容易に考案をすることができる旨主張している(審判請求書第7頁第8?16行参照)ので、基本構成の記載された各甲第1?3号証と本件登録実用新案請求項1に係る考案をそれぞれ対比させて、検討する。
ア 甲第1号証に記載の考案に甲第4号証及び甲第5号証に記載の考案の適用
本件登録実用新案請求項1に係る考案(前者)と甲第1号証に記載された考案(後者)を対比すると、後者の圧造成形機が、前者のヘッダーに相当しており、両者は「ダイと、パンチを備えたラムと、ラムをダイに対して往復動させるフライホイールと、フライホイールを回転させるモータと、」を備えたヘッダーにおいて一致しているが、前者が「手動回転操作することによりモータを駆動するパルスを発生するパルス発生機」を更に備えているのに対し、後者はこの構成を備えていない点で両者は、相違している。
そこで、この相違点を検討するに、この種のプレス機械において、フライホイール付きでパルスで駆動されるモータを使用したものはない。一般的に、パルスで駆動されるモータは、位置制御・速度制御を行うために用いられるものであるが、駆動系にフライホイールがあるようなものは回転制御できないから、パルスで駆動されるモータは使用することはない。そして、甲第1号証に記載されたものは、フライホイールを備えているうえ、モータを低速で回転させてラムの位置を制御する必要性についても記載されていないから、甲第4号証及び甲第5号証にプレス装置の駆動にパルスモータを用いるものがあるからといって、甲第1号証に記載されたプレス機械の駆動にパルスモータを用いることがきわめて容易であるということはできない。甲第4号証のものも、パルスモータを使用していて径の大きな減速輪を設けているが、この減速輪は、その減速という機能を奏するのみであって、フライホイールのようにエネルギーを蓄積するものではない。
そして、前者は、「本考案によれば、オペレータは軽作業でパルス発生機を手動回転させてフライホイールをゆっくり回転させながら、所望の調整作業を安全・容易に行うことができる。またパルス発生機は本体ボックスの上面などの任意の場所に設置できるので、ヘツダーの機種やサイズに応じて調整作業を行いやすい最適場所に設置することができる。」という、各甲第1、4、5号証及び各参考文献の考案にはみられない格別な効果を奏するものである。
イ 甲第2号証に記載の考案に甲第4号証及び甲第5号証に記載の考案の適用
本件登録実用新案請求項1に係る考案(前者)と甲第2号証に記載された考案(後者)を対比すると、後者のボルスタ、スライド、メインモータ、及びプレスが、前者のダイ、ラム、モータ、及びヘッダーにそれぞれ相当しており、両者は「ダイと、ラムと、ラムをダイに対して往復動させるフライホイールと、フライホイールを回転させるモータと、」を備えたヘッダーにおいて一致しているが、
次の2点で相違している。
(ア) 前者のラムは、パンチを備えているのに対し、後者はパンチを備えているのか不明である点。(相違点1)
(イ) 前者が「手動回転操作することによりモータを駆動するパルスを発生するパルス発生機」を更に備えているのに対し、後者はこの構成を備えていない点。(相違点2)
相違点1を検討すると、スライドにパンチを設けることは、周知技術(例えば、実開平4-125100号公報参照)であり、後者のスライドにパンチを設けて前者の如くすることは、当業者であれば適宜なし得る程度のものである。
次に、相違点2を検討すると、甲第2号証に記載されたフライホイールは、緩速運転の際半ブレーキ状態において、該フライホイールの回転エネルギーを保持したままクラッチをON-OFF制御するものであり、モータを制御して緩速運転するものではない。そして、前記アで認定したとおり、フライホイールを備えた駆動系にパルスで駆動されるモータを使用することはないから、甲第4号証及び甲第5号証にプレス装置の駆動にパルスモータを用いるものがあるからといって、甲第2号証に記載されたプレス機械の駆動にパルスモータを用いて速度制御することがきわめて容易であるということはできない。
ウ 甲第3号証に記載の考案に甲第4号証及び甲第5号証に記載の考案の適用
本件登録実用新案請求項1に係る考案(前者)と甲第3号証に記載された考案(後者)を対比すると、後者のスライド、機械プレスが、前者のラム、ヘッダーにそれぞれ相当しており、両者は、
ラムと、ラムを往復動させるフライホイールと、フライホイールを回転させるモータと、を備えたするヘッダー。
で一致しているが、次の2点で相違している。
(ア) 前者のラムは、パンチを備え、ダイに対して往復動されるのに対して、後者はこのようになっていない点。(相違点1)
(イ) 前者が「手動回転操作することによりモータを駆動するパルスを発生するパルス発生機」を更に備えているのに対し、後者はこの構成を備えていない点。(相違点2)
相違点1を検討すると、この種のプレス機械において、ラムにパンチを設けること、及びラムをダイに対して往復動させることは、何れも周知技術(例えば甲第1号証及び実開平4-125100号公報参照)であるから、後者にこの周知技術を適用して前者の如くすることは、当業者であれば、適宜なし得る程度のものである。
相違点2を検討すると、甲第3号証に記載された機械プレスは、スライド8の動作量を一定にするスライド定量寸動運転時に、クランク角度毎のクランク機構を考慮したタイマー時間に基づいて起動信号を切り、クラッチによりクランク軸からフライホイールを切り離し、ブレーキ作用によりスライドを停止させるものであり、モータを速度制御して定量寸動運転するものではない。そして、前記アで認定したとおり、フライホイールを備えた駆動系にパルスで駆動されるモータを使用することはないから、甲第4号証及び甲第5号証にプレス装置の駆動にパルスモータを用いるものがあるからといって、甲第3号証に記載された機械プレスの駆動にパルスモータを用いて速度制御することがきわめて容易であるということはできない。
以上のごとく、本件登録実用新案請求項1に係る考案は、甲第1?5号証及び参考文献1?3に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。
2)請求項2について
本件登録実用新案請求項2に係る考案は、請求項1に係る考案を引用しており、この点ですでに、本件登録実用新案請求項2に係る考案が、甲第1?5号証及び参考文献1?3に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。
6.むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件登録実用新案の請求項1?2に係る考案の登録を無効とすることができない。
審判に関する費用については、実用新案法第41条で準用する特許法第169条第2項の規定で更に準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-08-17 
結審通知日 2001-08-22 
審決日 2001-09-05 
出願番号 実願平9-3931 
審決分類 U 1 111・ 121- Y (B30B)
最終処分 不成立    
特許庁審判長 小林 武
特許庁審判官 中村 達之
三原 彰英
登録日 1997-08-20 
登録番号 実用新案登録第3042975号(U3042975) 
考案の名称 ヘッダー  
代理人 高松 利行  
代理人 福岡 正明  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ