• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判    E04G
管理番号 1051686
審判番号 無効2000-40014  
総通号数 26 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2002-02-22 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-06-21 
確定日 2001-04-23 
事件の表示 上記当事者間の登録第3059806号実用新案「コンクリ?ト吹付機」の請求項1ないし2に係る実用新案登録の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は請求人の負担とする。
理由 (一)手続の経緯
出願:平成10年12月11日(実願平10-10438号)
登録:平成11年3月31日(実用新案登録第3059806号)請求項2
無効審判請求:平成12年6月21日
答弁書:平成12年8月28日
実用新案登録訂正書:平成12年8月28日
書面審理通知:平成12年12月25日
(二)請求人の主張及び提出した証拠方法
請求人は、平成12年6月21日付け審判請求書において、「登録第3059806号実用新案登録の請求項1及び2に係る考案についての登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めている。
無効理由として、請求項1及び2に係る考案は、実用新案法第3条第2項の規定に違反しており、その実用新案登録は、実用新案法第37条第1項第2号に該当し、無効にすべきであると主張している。
そして、平成12年6月21日付け審判請求書と同時に次の証拠方法を提出している。 甲第1号証:特公平5-74423号公報
甲第2号証:実公昭57-45140号公報
甲第3号証:実公平2-5890号公報
(三)被請求人の主張
被請求人は、平成12年8月28日付け答弁書において、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めている。
被請求人は、平成12年8月28日付け実用新案登録訂正書において、実用新案登録請求の範囲の請求項1を削除している。
(四)無効理由についての検討
1.本件考案
本件考案は、平成12年8月28日付け実用新案登録訂正書において、実用新案登録請求の範囲の請求項1を削除しているので、実用新案登録明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項2に記載されたとおりのものであると認められ、請求項2に係る考案は請求項1に係る考案を引用する形式のものであるから、請求項2に係る考案は次のとおりのものである。
「下端に向かうほど開口面積が小さくなるホッパー1を有し、該ホッパー1に投入された乾式吹付用または湿式吹付用のコンクリート材料を、コンクリート吹付機本体2側に設けたロータ3のチャンバ4に落し込むようにしたコンクリート吹付機に於いて、
前記ホッパー1の上部周縁部5はコンクリート吹付機本体2に取付けられた数本の取付立設杆6…の上端にゴム等の第1弾性部材7…を介して取付けられ、更にホッパー1でロータ3のチャンバ4に指向した開口部8の下部周縁部9はゴム等の第2弾性部材10を介してコンクリート吹付機本体2に取付けられ、又更にホッパー1に振動を与える振動発生具11をホッパー1に取付け、該振動発生具11にはホッパー1内に挿入する棒状振動部材を取付け、且つ棒状振動部材12の先端には水平状のリング体13を設け、且又水平状のリング体13は開口部8の上部に位置して取付けられたことを特徴とするコンクリート吹付機。」(以下、「本件考案」という。)
2.甲各号証の記載事項
甲第1号証:特公平5-74423号公報(以下、「引用例1」という。)には、例えば、次のような記載がある。
(1)「第1図及び第3図において、本実施例ではホッパー1が下部ホッパー17と、下部ホッパー上に連接された上部ホッパー18とから構成されている。この場合、上部ホッパー18は金属で作られているが、下部ホッパー17はその少なくとも周面の1部分がゴム等の可撓性材料で作られた振動防止部19が設けられている。上部ホッパー18はその上方で吹付機本体に防振ゴム20を介して支承されている。従って、ホッパー1は吊られる如くして吹付機本体に支持されている。上部ホッパー18にはホッパー1を振動させるためのバイブレータ21として構成された振動発生手段が取付けられている。」公報第3頁右欄。
前記(1)の記載事項と図面の記載からみて、引用例1には、下端に向かうほど開口面積が小さくなる上部ホッパー18を有し、該上部ホッパー18に投入された乾式吹付用または湿式吹付用のコンクリート材料を、コンクリート吹付機本体2側に設けたロータ4のチャンバ5に落し込むようにしたコンクリート吹付機に於いて、
前記上部ホッパー18はその周面上方でコンクリート吹付機本体4に取付けた複数の支持部材の上端に防振ゴム20を介して支承され、更に上部ホッパー18の下部にはゴム等の可撓性材料で振動防止部19となる下部ホッパー17が連接され、下部ホッパー17がロータ4のチャンバ5に指向した開口部に取付けら、上部ホッパー18に振動を与える振動発生手段21を取付けたコンクリート吹付機が記載されている。
甲第2号証:実公昭57-45140号公報(以下、「引用例2」という。)には、コンクリート資料等混合物の連続施工装置において、コンクリート連続施工装置の機体に立設された複数本の支柱の上端にホッパー上部を取り付けた構成が記載されている。
甲第3号証:実公平2-5890号公報(以下、「引用例3」という。)には、例えば、次のような記載がある。
(2)「かく構成された湿式コンクリート吹付機は、まずホッパー1内に生コンクリートCが注入されるとともにローター5が回転する。そして、ホッパー1内の生コンクリートCが開口13,14を介して各分配室9へ落し込まれ、生コンクリートが入った分配室9が半回転する」公報第2頁右欄。
(3)「第3図及び第4図において、バイブレータ装置21はバイブレータ22が第1バイブレータアーム23の一端に取付けられている。第1バイブレータアーム23の他端は第5図に示すように断面凹の字状に形成され、その溝内に第2バイブレータアーム24の一端が嵌装され、固定ネジ25によって一体化されている。第2バイブレータアーム24の他端側はホッパー本体2の壁面に沿ってその下部近くまで達し、ホッパー1内のアーム24にはこれとほぼ直交するように複数枚のブレード26が固定されている。そして、上記バイブレータアーム23は防振板27を介してホッパー本体2に固着された支持部材28に支持されている。」公報第3頁左欄。
(4)「かく構成されたバイブレータ装置21は、バイブレータ22の振動によりアーム23,24及びブレード26が主に振動するとともにアーム23、防振板27及び支持部材28を介してホッパー本体2が微振動する。従って、アーム23,24及びブレード26とホッパー本体2との振動の位相、振幅が大きく異なり、生コンクリートを効率よく落とすことができる。」公報第3頁左欄。
前記(2)?(4)の記載事項と図面の記載からみて、引用例3には、下端に向かうほど開口面積が小さくなるホッパー1を有し、該ホッパー1に投入された湿式吹付用の生コンクリートを、コンクリート吹付機本体側に設けたロータの分配室に落し込むようにしたコンクリート吹付機に於いて、
前記ホッパー1のホッパー本体2に固着された支持部材28に防振板27を介して第1バイブレータアーム23が支持され、第1バイブレータアーム23にバイブレータ22が取付られ、第1バイブレータアーム23に第2バイブレータアーム24が連結され、第2バイブレータアーム24はホッパー1内の下部近くまで達し、第2バイブレータアーム24にはこれと直交するように複数枚のブレード26を固定したことを特徴とするコンクリート吹付機が記載されている。
3.対比
本件考案と引用例1に記載の考案を対比する。
引用例1に記載の考案おける、「上部ホッパー18」、「複数の支持部材」、「防振ゴム20」、「ゴム等の可撓性材料で振動防止部19となる下部ホッパー17」及び「振動発生手段」は、本件考案における、「ホッパー」、「数本の取付立設杆」、「第1弾性部材」、「第2弾性部材」及び「振動発生具」に対応するものであるから、本件考案と引用例1に記載の考案は、下記の一致点において両者の構成は一致し、下記の相違点において両者の構成は相違する。
一致点:下端に向かうほど開口面積が小さくなるホッパーを有し、該ホッパーに投入された乾式吹付用または湿式吹付用のコンクリート材料を、コンクリート吹付機本体側に設けたロータのチャンバに落し込むようにしたコンクリート吹付機に於いて、前記ホッパーの上部周縁部はコンクリート吹付機本体に取付けられた数本の取付立設杆の上端にゴム等の第1弾性部材を介して取付けられ、更にホッパーでロータのチャンバに指向した開口部の下部周縁部はゴム等の第2弾性部材を介してコンクリート吹付機本体に取付けられ、又更にホッパーに振動を与える振動発生具をホッパーに取付けたコンクリート吹付機。
相違点:本件考案においては、振動発生具にはホッパー内に挿入する棒状振動部材を取付け、且つ棒状振動部材の先端には水平状のリング体を設け、且又水平状のリング体は開口部の上部に位置して取付けられるとしたのに対して、引用例1に記載の考案においては、ホッパー内の振動部材の構成を有しない点。
4.判断
前記相違点について検討する。
引用例3に記載の考案における、「バイブレータ」及び「第2バイブレータアーム」は、本件考案における、「振動発生具」及び「棒状振動部材」に対応するものであるから、引用例3には、コンクリート吹付機に生コンクリートを供給するホッパーに、振動発生具を取付け、該振動発生具にはホッパー内に挿入する棒状振動部材を取付け、棒状振動部材にこれと直交する複数枚のブレードを固定した構成が記載されている。
しかし、前記相違点にあげた本件考案においては、「棒状振動部材の先端に水平状のリング体を設け、水平状のリング体を開口部の上部に位置させて取付ける」という構成にしたのに対して、引用例3に記載の考案においては、「棒状振動部材にそれと直交する複数のブレードを取付る」という構成とした点において両者のホッパー内の振動部材の構成は相違する。
本件考案と引用例3に記載の考案の棒状振動部材は、共に振動発生具に連結され、ホッパー内のコンクリート内で振動し、ホッパーからのコンクリートの落し込みを促進するという目的において共通するものであるが、本件考案においては、コンクリートが詰まりやすいホッパー下部の開口部の上部に棒状振動部材の先端に取付けた水平状のリング体を位置させ、主にホッパーの出口開口部付近のコンクリートに振動を付加して、振動部材の形状を水平状のリング体とすることによりホッパー出口開口からのコンクリートの落し込みの抵抗を少なくし、コンクリート吹付機本体へのコンクリートの落し込みをスムーズにするというものであるのに対して、引用例3に記載の考案は、棒状振動部材に複数のブレードを取付け、ホッパー内のコンクリート全体に振動を付加してコンクリート吹付機本体へのコンクリートの落し込みをスムーズにするというものであり、前記両者の構成の相違により、その作用効果にも差違が生じるものである。
また、引用例2にも、前記相違点にあげた本件考案の構成に関する記載はない。
従って、本件考案は、引用例1?3に記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとは認めることができない。
5.むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張する理由及び提出した証拠方法によっては、本件請求項2に係る考案の実用新案登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-02-08 
結審通知日 2001-02-23 
審決日 2001-03-06 
出願番号 実願平10-10438 
審決分類 U 1 111・ 121- YA (E04G)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 片寄 武彦
特許庁審判官 宮崎 恭
鈴木 憲子
登録日 1999-03-31 
登録番号 実用新案登録第3059806号(U3059806) 
考案の名称 コンクリ?ト吹付機  
代理人 木下 憲男  
代理人 永井 義久  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ