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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B42D
管理番号 1055181
審判番号 不服2000-9284  
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2002-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-06-22 
確定日 2002-03-06 
事件の表示 平成 5年実用新案登録願第 2849号「ホログラム表示体」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年 8月 2日出願公開、実開平 6- 55753]について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成5年1月8日の出願であって、その請求項1に係る考案は、平成12年4月21日付け手続補正書及び平成12年7月19日付け手続補正書により補正された明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】所要の形状に切り欠いた開口部を有する基体と、
前記基体の少なくとも前記開口部の開口範囲に取り付けられており、白色光再生が可能なホログラム画像または反射回折光により目視可能な画像を記録した透明または半透明のホログラム形成体と
を備えるホログラム表示体において、
前記基体の下方に配置され前記開口部から少なくともその一部が目視可能であって、前記ホログラム形成体の画像と同調する濃厚色系の第2の基体を備える
ことを特徴とするホログラム表示体。」(以下、「本願考案」という。)

2.引用刊行物記載の考案
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用され、この出願の日前に頒布された、実願昭61-62390号(実開昭62-173958号)のマイクロフィルム(以下、「刊行物」という。)には、
「本考案は・・・複数頁を有してブック形式からなる書籍、写真集、アルバム等の適宜箇所に透明型ホログラム形成体を設けることにより、外観上、装飾性に優れた枚葉綴り体を提供することを目的とする。」(2頁8?12行)、
「本考案において透明型ホログラムとは、ホログラム形成体3の下方に位置する表示体を隠蔽させない性質、即ち透明性を有し、しかもこのようにそれ自体は透明でありながらホログラムの機能を備えているホログラムをいう。上記“透明”とは下方に位置する物(例えば表示部)を隠蔽させないことを意味するから、半透明のものも本考案に包含される。」(3頁16行?4頁3行)、
「ホログラム形成層は・・・・・白色光再生ホログラム、・・・・・ホログラフィク回折格子等を用いることができる。」(13頁3?15行)、
「上記構成からなる透明型ホログラム形成体3は綴り体構成頁体2の少なくとも1枚に設けられるものであり、綴り体構成頁体2の適宜箇所に接着剤等により貼着して設けることができ、又は第1図に示すように構成頁体2aの一部を切り抜いて窓部7を形成し、該窓部7を被覆するように設けることもできる。」(21頁8?14行)、
「尚、透明型ホログラム形成体3に形成されるホログラム画像は該形成体3の全面に設けても、或いは一部に設けてもよい。」(22頁2?4行)、
「本考案透明型ホログラム付枚葉綴り体は透明型ホログラム形成体を設けてなるため、 該形成体が存在する部分はホログラム画像が再生されて見えるため、従来の綴り体構成頁体の外観上なかった斬新で幻想的な装飾効果を付与することができる。例えばホログラム形成体をある角度でホログラム画像の絵柄が見え、ある角度で重ね合う印刷絵柄を見ることができるように構成でき、2つの情報を同時に提供することができるため、公告の社名、商品名等のアピールには効果的である。
また本考案によれば透明型ホログラム形成体の下方に位置する綴り体構成頁体の表示部を隠蔽する心配がなく、従って、ホログラム形成体を比較的自由に設けることができ、高質のデザイン効果を容易に得ることができる。」(22頁9行?23頁4行)と記載されている。
これらの記載及び図面第1、2図の記載からみて、上記刊行物には、
「所要の形状に切り抜いた窓部7を有する構成頁体2aと、
前記構成頁体2aの少なくとも前記窓部7の開口範囲に取り付けられており、白色光再生ホログラム、ホログラフィック回折格子等を用いた透明又は半透明のホログラム形成体3とを備えるホログラム付枚葉綴り体1において、前記構成頁体2aの下方に配置され前記窓部7から少なくともその一部が目視可能であって、印刷絵柄を表示した構成頁体2aを備えたホログラム付枚葉綴り体1。」の考案が記載されていると認められる。

3.対比
本願考案と上記刊行物に記載の考案とを対比すると、
刊行物に記載の考案の「切り抜いた」、「窓部7」、「窓部7を有する構成頁体2a」、「白色光再生ホログラム、ホログラフィック回折格子等を用いた透明又は半透明のホログラム形成体3」、「ホログラム付枚葉綴り体1」、「印刷絵柄を表示した構成頁体2a」は、それぞれ、本願考案の「切り欠いた」、「開口部」、「基体」、「白色光再生が可能なホログラム画像または反射回折光により目視可能な画像を記録した透明または半透明のホログラム形成体」、「ホログラム表示体」、「第2の基体」に相当すると認められるので、
両者は、
「所要の形状に切り欠いた開口部を有する基体と、
前記基体の少なくとも前記開口部の開口範囲に取り付けられており、白色光再生が可能なホログラム画像または反射回折光により目視可能な画像を記録した透明または半透明のホログラム形成体とを備えるホログラム表示体において、前記基体の下方に配置され前記開口部から少なくともその一部が目視可能な第2の基体を備えるホログラム表示体。」である点で一致するが、以下の点で相違する。
(相違点)
本願考案では、第2の基体は、「ホログラム形成体の画像と同調する濃厚色系」であるのに対して、上記刊行物記載の考案では、第2の基体は、ホログラム形成体の画像と同調する濃厚色系であるかどうか不明である点。

4.当審の判断
上記相違点について検討する。
本願明細書の「図3において、開口部3の下方に位置する本10のひらの一部(以下「下地10a」と称する。)が色彩,模様を含む図柄等(以下、単に「図柄」と称する。)を有する場合には、下地10aがホログラム形成体4と重なることにより、下地10aの図柄がホログラム形成体4に形成されたホログラム画像4aと同調する。すなわち、ホログラム画像4aと下地10aの図柄の色彩,模様等とが調和して、本10の美観を向上させることができる。なお、下地10aの色彩に、黒,紺等の濃厚色系を適用することにより、ホログラム画像4aをより浮き立たせる効果がある。」(段落0019)との記載を参照すると、
本願考案の「ホログラム形成体の画像と同調する濃厚色系の第2の基体」は、第2の基体の図柄の色彩,模様等がホログラム画像と調和するものであり、第2の基体の色彩には、黒,紺等の濃厚色系を適用するものであることを意味すると解せられる。
そうすると、外観上、装飾性に優れた枚葉綴り体を提供することを目的とする、上記刊行物に記載の考案において、外観上、装飾性に優れたものとしようとすれば、第2の基体の図柄の色彩,模様等がホログラム画像と調和するように構成することは、当業者であればきわめて容易に想到し得ることであり、第2の基体の色彩に黒,紺等の濃厚色系を適用することは、第2の基体の色彩がホログラム画像の背景となるものであることを考慮すれば、ホログラム画像が映えるような色彩を選択することは当然のことであるから、当業者が適宜になし得る設計的事項にすぎない。
したがって、上記相違点に係る本願考案の構成は、上記刊行物に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に想到し得るものである。
そして、本願考案の効果は、上記刊行物に記載の考案によって奏せられる効果、及び、上記刊行物に記載の考案から予測可能な効果にすぎない。

なお、審判請求書において、請求人は、「本願考案について実用新案登録することができないとの認定をなされた場合は、実用新案登録請求の範囲を補正する機会を与えられることを希望する。その際には、本出願人には、実用新案登録請求の範囲を、第1の実施例(図3に対応)、第2の実施例(図4に対応)、第6の実施例(図8に対応)に限定する補正を行う用意がある。」と述べているが、実用新案登録請求の範囲を補正する機会は審判請求時にあったものであり、しかも、いずれの実施例も、本願考案が属する技術分野又は本願考案と関連する技術分野において周知の事項に基いて、当業者がきわめて容易になし得る程度のものであるから、実用新案登録請求の範囲を補正する機会を与える必要があるとは認められない。

5.むすび
以上のとおり、本願考案は、上記刊行物に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により、実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-12-13 
結審通知日 2001-12-18 
審決日 2002-01-11 
出願番号 実願平5-2849 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (B42D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 塩崎 進  
特許庁審判長 小沢 和英
特許庁審判官 藤井 靖子
白樫 泰子
考案の名称 ホログラム表示体  
代理人 金山 聡  
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