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審決分類 審判 判定 審理一般(別表) 属さない(申立て不成立) F24D
管理番号 1056864
判定請求番号 判定2001-60082  
総通号数 29 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案判定公報 
発行日 2002-05-31 
種別 判定 
判定請求日 2001-07-24 
確定日 2002-03-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第2150528号の判定請求事件について、次のとおり判定する。   
結論 (イ)号図面及びその説明書に示す「湯沸設備制御装置」は、登録第2150528号実用新案の技術的範囲に属しない。
理由 1.請求の趣旨
本件判定請求は、イ号図面及びその説明書に示す「給湯器(HOL1650AQ)」(以下、「イ号物件」という。)は、実用新案登録第2150528号の技術的範囲に属する、との判定を求めたものである。

2.本件考案
実用新案登録第2150528号の請求項1に係る考案(以下、「本件考案」という。)は、明細書及び図面の記載から見て、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであり、本件考案を分説すると、以下のとおりである(以下「構成要件A」乃至「構成要件G」という)。
A.サーミスタ等の各種センサの検知状況と燃焼シークエンスとを監視し、この監視下で異常発生態様に対応した各種の異常検出をなし得る異常検出手段と、
B.前記燃焼シークエンスを実行するとともに前記異常検出手段にて異常検出がなされたとき前記燃焼シークエンスのシークエンス状態を停止する方向へ遷移させる制御を行なうシークエンスコントロール手段と、
C.前記異常検出手段にて異常検出がなされたとき異常報知をエラーコード表示等で行なう異常報知手段と、
D.所定の異常解除操作に応答して前記異常検出手段及び前記異常報知手段を初期化するための制御を行なう異常解除手段と、
E.を具備する湯沸設備制御装置において、
F.前記異常検出手段にて異常検出がなされる毎に異常検出内容を順次記憶するとともに
G.貯えている異常検出内容を前記異常解除手段の初期化動作後に前記異常報知手段へ出力することができる異常記憶手段が付設されてなることを特徴とする湯沸設備制御装置。

3.イ号物件
請求人が提出したイ号図面及びその説明書の内容、並びに判定請求書の「5 本件登録実用新案の構成要件との対比」の各記載を参考にすると、イ号物件は、次のa?gからなるものとするのが相当と認める。
a 各種の異常を検出するセンサ入力手段と、異常検出手段3及び異常処理手段4はこのセンサ入力手段の検知状況を監視し、異常発生態様に対応した各種の異常検出をなし得る異常検出手段であること。
b 湯沸かし器のシーケンスを司るシーケンスコントロール手段1は、燃焼シークエンスを監視、実行するとともに異常検出手段3にて異常検出がなされたとき、湯沸し器を非常停止、即ちシークエンス状態を停止する方向に遷移させる制御を行うこと。
c 異常なセンサ情報(例えば、立ち消え等)が異常検出手段3にて検出されたとき、リモコンRCの表示手段11にエラーコードが点滅表示されると共に、異常報知手段で20秒間ブザー報知がなされること。
d 異常解除手段7は、水栓締切操作又は運転ONからOFFの操作によって非常停止状態から異常処理手段4、シーケンスコントロール手段1をリセットする機能実現手段を意味すること。
e 湯沸設備制御装置であること。
f 異常なセンサ情報b(例えば立ち消え等)が異常検出手段3に送信されると、異常検出手段3から異常検出信号cが異常処理手段4に送信され、異常処理手段4から異常記憶手段5にエラーコード信号eが送信されて記憶されること。
g 運転ON状態から運転ON/OFF制御手段14により運転をOFFして、尚そのまま5秒間押し続けると運転ON→OFF連続5秒押し検知手段13から来歴エラーコード呼び出し信号gが異常記憶手段5に出され、異常記憶手段5は来歴エラーコード呼び出し信号gを受け通信手段6に来歴エラーコード信号fを送出してエラーコードが表示されること。

4.イ号物件の各構成が本件考案の構成を充足するか否かの判断
(1)イ号物件と本件考案との対比
両者を対比すると、イ号物件が構成要件A,B,C,D,E,Fを具備していると認められ、また、請求人及び被請求人の間で、イ号物件がこれらの構成を具備していることについて争いはない。
しかし、イ号物件が構成要件Gを充足しているか否かについては、当事者間に争いがある。

(2)当審の判断
(2-1)構成要件Gとイ号物件の構成gの対比
本件考案の構成要件Gは、「貯えている異常検出内容を前記異常解除手段の初期化動作後に前記異常報知手段へ出力することができる異常記憶手段が付設されていること」であるのに対し、イ号物件の構成gは、「運転ON状態から運転ON/OFF制御手段14により運転をOFFして、尚そのまま5秒間押し続けると運転ON→OFF連続5秒押し検知手段13から来歴エラーコード呼び出し信号gが異常記憶手段5に出され、異常記憶手段5は来歴エラーコード呼び出し信号gを受け通信手段6に来歴エラーコード信号fを送出してエラーコードが表示される」というものであり、少なくとも、文言上の差異がある。

(2-2)本件明細書の記載並びに拒絶査定不服審判請求理由補充書及び判定請求書において請求人が主張した事項
本件明細書には、「これを詳述すると、異常記憶手段7は、異常検出手段3にて異常検出がなされる毎に、異常発生信号S2のタイミングでエラーコード信号S4の内容を順次記憶するとともに、貯えているエラーコード信号S4の内容を示す記憶エラーコード信号S6を異常解除手段6の初期化動作後に表示制御手段4へ送出することができるようになされている。
つまり、異常解除手段6の初期化動作によって、この異常解除手段6から異常記憶手段7へ異常解除信号S5が送出され、これにより異常記憶手段7から表示制御手段4へ記憶エラーコード信号S6が送出されることになる。」(願書に最初に添付した明細書第8頁第14行?第9頁第6行(実用新案出願公告公報第2頁右欄第49行?第3頁左欄第9行))と記載されている。

また、本件考案に係る出願は、異議申立の結果、平成10年3月2日付けで拒絶査定がされ、それに対して、平成10年5月20日付けで審判請求がなされ、請求人は平成10年6月22日付けの審判請求理由補充書において、「「表示灯4-1?4-n」は、引用例公報の第3頁左下欄第17?第20行に記載のとおり、読み出しボタン12とコントローラ11によって読み出すことにより、異常を表示するものであって、本願考案のように、異常を検出したときに自動的に表示されるとともに、初期化する異常解除手段により継続して表示される「異常報知手段」ではない。
引用例1の「リセット接点5」が押されると、リセットされるのは「記憶回路2-1?2-n」であって、この「記憶回路2-1?2-n」が本願考案のどこの部分に相当するのか根拠が示されていないうえ、審査官殿の主張のように引用例1の「表示灯4-1?4-n」が「異常報知手段」に相当するとすれば、この「リセット接点5」によって「記憶回路2-1?2-n」が初期化された後に、どのように「表示灯4-1?4-n」に異常状態が表示されるのであろうか、理解できない。引用例1には「表示灯4-1?4-n」は、読み出し指令ボタン12とコントローラ11によってはじめて補助メモリ10に蓄えられた記憶を表示する旨の記載があるだけで、これを相当するというのは困難であると思料する。」(第4頁第27行?第5頁第11行)と主張している。
これは、異議決定の際に引用された特開昭63-94397号公報に記載された考案が、リセット接点5とは別の手段である読み出し指令ボタン12とコントローラ11により表示灯4-nから故障内容を表示させるものであることから、その相違点を明確にするために、本件考案は初期化動作を行う異常解除手段によって異常記憶手段から異常報知手段に出力するということを主張したものである。

さらに、請求人は判定請求書においても、「請求人は、本件登録実用新案に係る出願について、拒絶査定不服審判請求時の審判請求理由補充書において、審査官が示した引用例1に対して、『「表示灯4-1?4-n」は、引用例公報の第3頁左下欄第17?20行に記載のとおり、読み出しボタン12とコントローラ11によって読み出すことにより、異常を表示するものであって、本願考案のように、異常を検出したときに自動的に表示されるとともに、初期化する異常解除手段により継続して表示される「異常報知手段」ではない。』旨主張した経緯がある。
これは、(ア)異常を検出したときに自動的に表示される「異常報知手段」であること、(イ)初期化するための異常解除手段により表示される「異常報知手段」であること、(ウ)継続して表示される「異常報知手段」であること、が本願考案の要件であるとし、引用例1は上記の要件を満足しない点で本願考案と相違することを主張したものである。」(第7頁第19行?第8頁第3行)と主張している。

これらの主張からみて、本件考案の「貯えている異常検出内容を異常解除手段の初期化動作後に異常報知手段へ出力することができる異常記憶手段」との構成は、異常解除手段の動作によって、初期化動作を行い、さらにその異常解除手段の動作によって異常記憶手段から異常検出内容を異常報知手段へ出力する、という意味であると解すことができる。

(2-3)イ号物件が構成要件Gを充足するか否かの検討
この点に関して、イ号物件を検討すると、さきに認定し、「3.イ号物件」で示した内容によれば、イ号物件は、「運転ON状態から運転ON/OFF制御手段14により運転をOFFして、尚そのまま5秒間押し続けると運転ON→OFF連続5秒押し検知手段13から来歴エラーコード呼び出し信号gが異常記憶手段5に出され、異常記憶手段5は来歴エラーコード呼び出し信号gを受け通信手段6に来歴エラーコード信号fを送出してエラーコードが表示される」ものである。すなわち、運転ON→OFF連続5秒押し検知手段13から来歴エラーコード呼び出し信号gが送出されて異常記憶手段5に入力され、この来歴エラーコード呼び出し信号gを受け異常記憶手段5が来歴エラーコード信号fを送出してエラーコードが表示されることから、イ号物件においては、異常記憶手段5から来歴エラーコード信号fを送出させるのは、異常解除手段7とは別の制御手段である、運転ON→OFF連続5秒押し検知手段13である。
イ号物件の「来歴エラーコード信号」は、イ号説明書によると、リモコンのボタンを繰り返し押すことにより、新しい順に順次表示されるものであり、本件考案の「貯えている異常検出内容」に相当する。
よって、イ号物件において、異常記憶手段から貯えている異常検出内容を出力させるのは、異常解除手段の動作ではなく、運転ON→OFF連続5秒押し検知手段であり、イ号物件は、異常解除手段の動作によって異常記憶手段から異常検出内容を異常報知手段へ出力する本件考案の構成要件Gを充足しない。

(3)そうすると、イ号物件は、本件考案の構成要件のすべてを充足するものではない。
(なお、請求人は、請求書及び判定事件弁駁書において、均等の主張をしていないため、本件判定では、均等について判断しない。)

5.むすび
以上のとおりであるから、イ号図面並びにその説明書に示す給湯器(HOL1650AQ)は、本件発明の技術的範囲に属しない。
よって、結論の通り判定する。
別掲
(イ号説明書)
イ号物件の制御装置をブロック図で示せば図1のとおりである。
湯沸し器のシーケンスを司るシーケンスコントロール、各種の異常を検知するセンサ入力手段2、異常検出手段3、異常処理手段4、異常記憶手段5、通信手段6、異常解除手段7、水栓ON/OFF検出手段8は機器側にあるものであり、通信手段9、表示制御手段10、表示手段11、異常報知手段12、運転ON→OFF連続5秒押し検知手段13、運転ON/OFF制御手段14はリモコンRC側にある。
尚、上記の異常解除手段7は、水栓締切操作又は運転ONからOFFの操作によって非常停止状態から異常処理手段4、シーケンスコントロール手段1をリセットする機能実現手段を意味する。
リモコンRCに設けた運転スイッチのON操作によってシーケンスコントロール手段1が作動して、湯沸し器を動作させ、OFF操作によって湯沸し器を停止させる。

正常運転中は表示手段に時計表示がなされ、停止後は時計表示がなされ、さらに、エラー発生後は点滅表示がなされる。
シーケンスコンロール手段1からシーケンス状態信号a(運転、停止等)が異常処理手段4に常時入力されていて、運転状態信号(例えば、給湯開始等)が入力されているとき、センサ入力手段2によって異常なセンサ情報b(例えば、立ち消え等)が異常検出手段3に送信されると、異常検出手段3から異常検出信号Cが異常処理手段4に送信され、異常処理手段4からはエラー発生信号dがシーケンスコントロール手段1に送信され、湯沸し器は非常停止する。
この時、異常処理手段4から通信手段6にエラー発生信号dとエラーコード信号eが送信されリモコンRCの表示手段11にエラーコードが点滅表示されるとともに異常報知手段12で20秒間ブザー報知がなされ、また、異常処理手段4から異常記憶手段5にエラーコード信号eが送信されて記憶される。

エラー発生時に水栓が閉じられると、水栓ON/OFF信号jがシーケンスコントロール手段1に送信され、シーケンスコントロール手段1から異常解除手段7に水栓OFFによるリセット信号kが送信される。水栓OFFによるりセット信号kを受けると異常解除手段7が異常解除信号iを異常処理手段4に送信してリセットし、エラー発生信号dを停止させて、シーケンスコントロール手段1をリセット(初期化)させると同時にエラーコード信号e、エラー発生信号dを通信手段6に送信することを中止することによりエラーコードの点滅表示を停止させる。この時、エラーが解消していれば、リモコンRCはONであるから、水栓を開くと水栓ON/OFF信号jがシーケンスコントロール手段1に送信され、湯沸し器が再起動して運転が継続される。

他方、運転ON/OFF制御手段14によって運転スイッチリセット信号hが異常解除手段7に送信され、異常解除手段7から異常処理手段4に異常解除信号iが送信されたときに、エラー発生信号dとエラーコード信号eは一度解除されるが、エラーが解消されていない場合には、再び異常検出信号Cが送信され続ける。この時前述の運転ON/OFF制御手段14によるエラー発生信号dとエラーコード信号eの解除と同時にシ一ケンスコンロール手段1に対してシーケンス不許可信号lが出されているため、湯沸器の起動は不可能(運転OFF)なので、異常検出信号Cを異常処理手段4が受付ずエラーコードは表示されない(時計表示)。この状態でリモコンの運転ON/OFF制御手段14により運転をONすれば、異常処理手段4は異常検出信号Cからの信号を受取り、エラーコードが点滅表示されるし、湯沸器も停止状態(エラーによるOFF)となる。

運転ON状態(エラーによる湯沸器停止状態や、初期化によるリセット後の湯沸器運転可能状態に関わらず)から、運転ON/OFF制御手段14により運転をOFFして(エラーによる湯沸器停止状態ではエラー発生信号dとエラーコード信号eの解除がされるとともにシーケンス不許可信号lが出され、湯沸器運転可能状態ではシーケンス不許可信号lのみが出される。)、尚そのまま5秒間押し続けると運転ON→OFF連続5秒押し検知手段13から来歴エラーコード呼び出し信号gが異常記憶手段5に出されると同時に、運転ON→OFF連続5秒押し検知手段13からシーケンス不許可信号mが通信手段を経由して機器側のシーケンスコントロール手段1に送出され湯沸し器を停止させる。異常記憶手段5は来歴エラーコード呼び出し信号gを受け通信手段6に来歴エラーコード信号fを送出してエラーコードが表示される。この状況からリモコンの給湯温度▽ボタンを繰り返して押すことで新しい順にエラーコードが順次表示される。しかし、5秒間押し続けている間は、来歴エラーコード呼び出し信号gが出されないのでリモコンは時計表示となる。


(拒絶査定不服審判請求理由補充書)
(3)本願考案が登録されるべき理由
1本願考案の説明
本願請求項1に係る考案の特徴は、出願公告された明細書の実用新案登録請求の範囲に記載された構成のうち、「前記異常検出手段にて異常検出がなされる毎に異常検出内容を順次記憶するとともに貯えている異常検出内容を前記異常解除手段の初期化動作後に前記異常報知手段へ出力することができる異常記憶手段が付設されてなること」点にある。
そして、本願考案は、このような構成を採用したことにより、発生した異常が一時的で再現性が乏しい異常であった場合でも、修理時に表示制御手段及び表示手段の組合せで代表される異常報知手段にて異常の態様を認識することができる。また、装置が動作不能となっても、異常状態を知ることができる、という明細書に記載の顕著な作用効果を奏するものである。

2引用例の説明
引用例1には、審査官殿が登録異議の決定謄本に記載されたとおりの、プラントや各種装置に接続されて、その故障を集中表示するための補助メモリ付き故障表示装置について記載され、
プラントの様々な箇所に接続されて各箇所の故障状態を検出する故障検出入力部1-1?1-nと、
この故障検出入力部1-1?1-nからの故障検出信号を記憶する記憶回路2-1?2-nと、
この記憶回路2-1?2-nからの出力を、出力回路6にリレー部7を介して接続し、故障を検出したときプラント等の運転を停止させるためのトリップ信号を出力するトリップ端子8と、
記憶回路2-1?2-nを一斉に復帰させるためのりセット接点5と、
前記故障検出入力部1-1?1-nに上記記憶回路2-1?2-nと並列に接続され、故障検出入力部1-1?1-nからの故障検出信号のオン・オフ変化を順次シフトさせて記憶する補助メモリ10と、
この補助メモリ10に接続し、故障検出入力部1-1?1-nがオンの時にこれと対応する故障箇所や故障状態を表示する表示灯4-1?4‐nと、
補助メモリ10に対して記憶内容の読み出し又はリセットを指示するコントローラ11とを有し、
上記構成から、故障が発生すると、故障箇所に対応する故障検出入力部1-1?1-nから故障検出信号が送出され、対応する記憶回路2-1?2-nがオンとなり、これに伴い、回路6から故障信号が発せられ、これを受けたトリップ端子8からプラント等の運転停止を指示するトリップ信号が出力され、同時に、故障検出入力部1-1?1-nからの故障検出信号が、補助メモリ10の各スタックにおいて、それぞれオン・オフの変化毎に順次記憶され、プラント再起動時にリセット接点5を操作しても、補助メモリ10内の記憶はリセットされることがなく、そのため、記憶回路2-1?2-nのリセット後においても、補助メモリ10内の記憶内容を読み出すことが可能となり、その結果、故障の進行状態を再現することが可能となるものが記載されている(第1図参照)。
引用例2に記載の発明は、給湯機の異常状態の表示を数字または記号等によって行なうことで、表示を見やすくするとともに、多くの種類の状態を表示できるようにしたもので、給湯機の各種状態を検出するセンサーと、これらセンサーの信号によって給湯機の加熱手段の制御を行なう制御手段とを備え、前記制御手段によって駆動され、異常状態を分類表示するデジタル表示器を設けたものである。そして、デジタル表示器に分類表示する際に、一定時間間隔で複数の表示に切り換えて表示するようにしたものである。
引用例3の考案は燃焼機に設けた単一の保安表示ランプの点灯状態を例えば「連続」と「点滅」に変えることにより当該燃焼機の運転状態を表示することで、その所要表示ランプ数の減少ならびに燃焼機の正常運転状態と故障状態の判別ができるようにしたものである(第1頁第1欄第17行?第22行参照)。

3本願考案と引用例との対比
1.本願請求項1について
審査官殿は、引用例1の「トリップ端子8」が本願考案の「シークエンスコントロール手段」に相当し、引用例1の「表示灯4-1?4一n」が本願考案の「異常報知手段」に相当し、引用例1の「リセット接点5」が、本願考案の「異常解除手段」に相当すると主張しているが、誤認であると思料する。
「トリップ端子8」は、故障信号を受けて作動するリレー部7の作動に伴いプラントの運転を停止するためのトリップ信号を出力する端子であって、本願考案の、異常状態を検知した信号によって、燃焼シークエンスのシークエンス状態を停止する方向へ遷移させる制御を行う「シークエンスコントロール手段」がなぜ相当するのか理解できない。
「表示灯4-1?4-n」は、引用例公報の第3頁左下欄第17?第20行に記載のとおり、読み出しボタン12とコントローラ11によって読み出すことにより、異常を表示するものであって、本願考案のように、異常を検出したときに自動的に表示されるとともに、初期化する異常解除手段により継続して表示される「異常報知手段」ではない。
引用例1の「リセット接点5」が押されると、リセットされるのは「記憶回路2-1?2-n」であって、この「記憶回路2-1?2-n」が本願考案のどこの部分に相当するのか根拠が示されていないうえ、審査官殿の主張のように引用例1の「表示灯4‐1?4一n」が「異常報知手段」に相当するとすれば、この「リセット接点5」によって「記憶回路2-1?2-n」が初期化された後に、どのように「表示灯4-1?4-n」に異常状態が表示されるのであろうか、理解できない。引用例1には「表示灯4-1?4-n」は、読み出し指令ボタン12とコントローラ11によってはじめて補助メモリ10に蓄えられた記憶を表示する旨の記載があるだけで、これを相当するというのは困難であると思料する。
引用例1がプラント等の制御装置であって、本願考案が湯沸設備制御装置であること以外に相違点がないという主張は、上記のように相当するという根拠がないものであるから失当と言わざるをえない。
また、本願考案の「・・・おいて」前記の部分が、明細書に従来例として記載されているからといって、また、引用例2にも、給湯機の、運転状態や異常が発生したときの内容を表示器に分類表示するものが記載されているからといって、上記のように、相当すると考えられない箇所がある以上、引用例1に記載されたプラント等の制御装置から本願考案が極めて容易にすることができたという主張には根拠がない。
さらに、上記のように、相当すると考えられない箇所がある以上、本願考案の効果も、引用例1記載のものを湯沸設備の制御装置に適用したとき、当業者が予測しうる効果であるという主張には根拠がない。
(第2頁第22行?第5頁第23行)
判定日 2002-03-07 
出願番号 実願平1-1179 
審決分類 U 1 2・ 0- ZB (F24D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村本 佳史田澤 英昭  
特許庁審判長 滝本 静雄
特許庁審判官 大槻 清寿
井上 茂夫
登録日 1999-04-02 
登録番号 実用新案登録第2150528号(U2150528) 
考案の名称 湯沸設備制御装置  
代理人 三好 秀和  
代理人 園田 敏雄  
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