• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正  訂正する B65D
審判 訂正  訂正する B65D
審判 訂正 旧特126条1項1号 請求の範囲の減縮 訂正する B65D
管理番号 1058316
審判番号 訂正2001-39231  
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2002-06-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2001-12-21 
確定日 2002-03-01 
訂正明細書 有 
事件の表示 実用新案登録第2054523号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 実用新案登録第2054523号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、実用新案登録第2054523号(平成2年8月20日実用新案登録出願、平成6年6月29日出願公告(実公平6-24346号)、平成7年3月6日設定登録)の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記a?fのとおり訂正することを求めるものである。
【訂正事項】
a;本件明細書(平成5年9月6日提出の全文訂正明細書、以下同じ)の実用新案登録請求の範囲の【請求項1】の第11行(本件公告公報(実公平6-24346号公報、以下同じ)第1欄第11行)に「嵌合された」とあるのを「嵌合されているとともに、前記車軸は最も内側の車輪の内側面より突出する突出部を有し、該突出部は容器体下部に形成された軸受部に受容されている」と訂正する。この訂正に伴い、本件明細書第4頁第17行(本件公告公報第3欄第36行)に「嵌合された」とあるのを「嵌合されているとともに、前記車軸は最も内側の車輪の内側面より突出する突出部を有し、該突出部は容器体下部に形成された軸受部に受容されている」と訂正する。
b;本件明細書第3頁第13行(本件公告公報第3欄第15行)「固着させなければ。」を「固着させなければならない。」と訂正する。
c;本件明細書第5頁第6行(本件公告公報第3欄第44行)「介を挿させる」を「を介挿させる」と訂正する。
d;本件明細書第8頁第4行(本件公告公報第4欄第46行)「軸受面13とへ」を「軸受面13へと」と訂正する。
e;本件明細書第9頁第8行(本件公告公報第5欄第16行)「該該1の」を「該第1の」と訂正する。
f;本件明細書第10頁第10行(本件公告公報第5欄第37行)「以上の述べたように」を「以上述べたように」と訂正する。

2.当審の判断
2-1.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
そこで、上記訂正事項a?fについて検討する。
上記訂正事項aは、本件明細書第8頁第19行?第9頁第4行(本件公告公報第5欄第9?13行)の「そして、前記車軸17の前記連結部20は、前記第1のフランジ2に切欠された前記円形部9(第2図)に回転自在に嵌合されるとともに、前記車軸17の前記突出部18が、前記第3のフランジ5が形成する前記軸受部12に受容されている。」との記載、及び第1図?第4図、第7図に基づいて、本件明細書の請求項1に記載された考案の車軸及び車軸の支持構造を「車軸は最も内側の車輪の内側面より突出する突出部を有し、該突出部は容器体下部に形成された軸受部に受容されている」ものに限定しようとするものであり、併せて、この請求項1の記載の訂正と考案の詳細な説明との記載を整合させるために考案の詳細な説明の欄の[課題を解決するための手段]の記載を同様に訂正するものである。
そうすると、上記訂正事項aは、実用新案登録請求の範囲の減縮と明りょうでない記載の釈明を目的とした訂正に該当するものである。
上記訂正事項b?fは、明細書中の明白な誤記を訂正するものであるから、誤記の訂正を目的とした訂正に該当するものである。
そして、上記訂正事項a?fは、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内で明細書の記載を訂正するものであって、かつ、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

2-2.独立実用新案登録要件について
当審が審理した本件実用新案登録第2054523号に係る無効審判事件(無効2001-35308号)において、平成13年11月21日付けで「実用新案登録第2054523号の請求項1,2に係る考案についての実用新案登録を無効とする。」旨の審決がなされたことを踏まえて、独立実用新案登録要件の有無を検討する。

ア;本件訂正考案1,2
本件訂正考案1,2は、訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される下記のとおりのものである。
「【請求項1】上面開口状の容器体と前記上面を覆う蓋体とからなる樹脂製収納箱の前記容器体下部に、収納箱を移動させるための移動車が設けられた構造において、前記移動車は、一体成形された複数の車輪と該複数の車輪を連結する車軸とからなり、前記容器体下部には切り欠きを有する凸部が突設され、前記切り欠きは、前記車軸より大径状の円形部と、一対の相対向する膨出部の間に形成され、前記円形部を部分的に前記凸部の周縁に開放する間隙部とを有し、前記円形部には前記車軸が回転自在に嵌合されているとともに、前記車軸は最も内側の車輪の内側面より突出する突出部を有し、該突出部は容器体下部に形成された軸受部に受容されていることを特徴とする樹脂製収納箱の移動車取付構造。
【請求項2】前記双方の膨出部の間隙部と前記凸部の周縁との間に切り欠き溝が形成され、前記円形部が前記間隙部と前記切り欠き溝とを介して前記凸部の周縁に開放されたことを特徴とする請求項1記載の樹脂製収納箱の移動車取付構造。」

イ;引用例の記載事項
上記無効審判事件(無効2001-35308号)において、無効審判請求人の提出した証拠(甲第1号証?甲第9号証;下記引用例1?9に相当)には、下記の事項が記載されている。
引用例1(KIKUYA CO.LTD.、平成2年7月発行、’90BEST SELLECTION FALL&WINTER Vol.11、表紙、第21頁、裏表紙)の第21頁の「平和製コロ」の写真(左下の2枚の写真)からは、本件訂正考案1の用語に倣って表現すると、
「上面開口状の容器体と前記上面を覆う蓋体とからなる樹脂製収納箱の前記容器体下部に、収納箱を移動させるための移動車が設けられた構造の樹脂製収納箱の移動車取付構造。」が見てとれる。
引用例2(意匠登録第340290号公報)からは、上面開口状の容器体と前記上面を覆う蓋体とからなる整理箱(収納容器)の下部に移動車が設けられていることが見てとれる。
引用例3(意匠登録第788275号公報)からは、衣類整理箱(収納容器)の下部に複数の車輪と該複数の車輪を連結する車軸とからなる移動車が設けられていることが見てとれる。
引用例4(株式会社バンダイ発売のおもちゃ「ハイコミカルモデル、超時空要塞マクロス:スーパーバルキリー(商品名)」の写真及び遊び方の説明図表裏)からは、本件訂正考案1の用語に倣って表現すると、スーパーバルキリー(商品名)に切り欠きを有する凸部を突設し、前記切り欠きは車軸より大径状の円形部と、一対の相対向する膨出部の間に形成され、前記円形部を部分的に前記凸部の周縁に開放する間隙部とを有し、複数の車輪と複数の車輪を連結する車軸とからなる移動車を前記切り欠きの前記円形部に移動車の車軸を回転自在となるように嵌合させていることが見てとれる。
引用例5(角川書店、昭和60年4月1日発行、Newtype(月刊ニュータイプ、創刊号)、表紙、目次、第135頁、裏表紙)からは、刊行物4の写真のスーパーバルキリー(商品名)が、本件実用新案登録の出願前に販売されていたものであることが認められる。
引用例6(江崎グリコ株式会社の証明書)からは、江崎グリコ株式会社の商品菓子「グリコ」に封入されたプラスチック製のおもちゃである「ミキサー車」、「乗物」が、それぞれ昭和61年、昭和58年に公知であり、これらのおもちゃは、合成樹脂製のおもちゃ本体の下部に切り欠きを有する凸部を形成し、前記切り欠きを有する凸部にそれぞれ形成した車軸より大径の円形部に合成樹脂製の複数の車輪を連結した車軸を回転自在に嵌合した構造を有するものであることが認められる。
引用例7(実公昭63-27750号公報)には、走行ブロック玩具に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
「さらに、第2b図に示す如く、動力装置20を内蔵したブロック本体10に、駆動部を有しない前輪33の取付け部16を設け、1つの走行ブロック体に前輪33と駆動車輪21をいっしょに取り付けられるようにすることもできる。」(第2頁4欄23行?27行)
また、第2b図からは、前輪33の取付け部16は、車軸より大径状の円形部と、前記円形部を部分的に開放する間隙部とを有し、前輪33の車軸を前記円形部に回転自在となるように嵌合させていることが見てとれる。
引用例8(実公昭35-28014号公報)には、軟質合成樹脂製軸承に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
「1は台版、2は支持子で車軸孔3を透設し、通常此れから下を割切り、此の割切面に凹孔4及此れに嵌合する突部5をそれぞれ設ける。凹孔4は蟻溝とし、突部5は此れに適応したものとする。以上を以て本実用新案軸承とし、軟質合成樹脂製とする。・・・中略・・・
本実用新案は主として玩具用走行車の車軸に使用するものであって、第4図図示の様に台版1を車台8に溶着し、車軸7,7aを車軸孔3に挿込めば、車軸7,7aを支持する。」(第1頁左欄7行?右欄2行)
引用例9(実公昭51-29109号公報)には、模型、玩具車輪の枢支構造に関して、下記の事項が図面とともに記載されている。
「この考案は車輪軸1の径よりも稍々狭い切欠2の上方に車輪軸1が自由にはまる広さの切欠3を形成した左右一対の可撓性プラスチック軸受片4,4’を玩具本体6に一体に吊設し、該軸受片4,4’の外側面には前記切欠3の外面の一部を塞ぐ突片5を隆起し、かつ前記玩具本体6には金型が入る孔7を派生した模型、玩具車輪の枢支構造である。」(第1頁1欄25行?2欄6行)

ウ;対比・判断
【本件訂正考案1について】
引用例1からは、上記技術事項が見てとれるものであるから、本件訂正考案1と引用例1に記載された考案とを対比すると、両者は、「上面開口状の容器体と前記上面を覆う蓋体とからなる樹脂製収納箱の前記容器体下部に、収納箱を移動させるための移動車が設けられた構造の樹脂製収納箱の移動車取付構造。」で一致しており、下記の点で相違している。
相違点;本件訂正考案1では、(A)移動車は、一体成形された複数の車輪と該複数の車輪を連結する車軸とからなり、容器体下部には切り欠きを有する凸部が突設され、前記切り欠きは、前記車軸より大径状の円形部と、一対の相対向する膨出部の間に形成され、前記円形部を部分的に前記凸部の周縁に開放する間隙部とを有し、前記円形部には前記車軸が回転自在に嵌合されているとともに、(B)前記車軸は最も内側の車輪の内側面より突出する突出部を有し、該突出部は容器体下部に形成された軸受部に受容されているものであるのに対して、引用例1に記載された考案では、移動車の具体的構成及び移動車の容器体下部への取付構造が不明である点。
上記相違点について検討するに、引用例2?引用例9からは、上記摘記したとおりの車輪及び車軸の取付構造が記載又は見てとれるものであるから、当業者であれば、引用例2?引用例9に記載された技術事項から、本件訂正考案1の上記相違点に係る構成のうち(A)については、きわめて容易に想到することができるものと認められる。
しかしながら、本件訂正考案1の上記相違点に係る構成のうち(B)については、引用例2?引用例9には記載されておらず、また、本件の出願前当業者において既に知られていた技術事項であるとも認めることはできない。
そうすると、引用例1に記載された考案に引用例2?引用例9に記載された技術事項を総合したとしても、本件訂正考案1の上記相違点に係る構成のうち(B)については、当業者が考案をするための契機がないものであるから、当業者がきわめて容易に想到することができるものとは認めることができない。
したがって、本件訂正考案1は、引用例1?引用例9に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとは認めることができない。

【本件訂正考案2について】
本件訂正考案2は、本件訂正考案1の技術事項を引用するとともに、更に、「前記双方の膨出部の間隙部と前記凸部の周縁との間に切り欠き溝が形成され、前記円形部が前記間隙部と前記切り欠き溝とを介して前記凸部の周縁に開放されたこと」と構成を限定したものである。
そして、本件訂正考案1が、引用例1?引用例9に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとは認めることができないことは、上記したとおりである。
したがって、本件訂正考案2も、引用例1?引用例9に記載された考案に基づいて当業者が容易に考案をすることができたものとは認めることができない。

エ;まとめ
また、他に本件訂正考案1,2について、独立実用新案登録要件がないとする証拠も発見しない。
よって、本件訂正考案1,2が、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができない考案とすることはできない。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、平成5年法律第26号附則第4条第2項において読み替えるものとする実用新案法第40条第2項の規定及び同法第40条第5項で準用する同法第39条第2-4項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
樹脂製収納箱の移動車取付構造
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 上面開口状の容器体と前記上面を覆う蓋体とからなる樹脂製収納箱の前記容器体下部に、収納箱を移動させるための移動車が設けられた構造において、前記移動車は、一体成形された複数の車輪と該複数の車輪を連結する車軸とからなり、前記容器体下部には切り欠きを有する凸部が突設され、前記切り欠きは、前記車軸より大径状の円形部と、一対の相対向する膨出部の間に形成され、前記円形部を部分的に前記凸部の周縁に開放する間隙部とを有し、前記円形部には前記車軸が回転自在に嵌合されているとともに、前記車軸は最も内側の車輪の内側面より突出する突出部を有し、該突出部は容器体下部に形成された軸受部に受容されていることを特徴とする樹脂製収納箱の移動車取付構造。
【請求項2】 前記双方の膨出部の間隙部と前記凸部の周縁との間に切り欠き溝が形成され、前記円形部が前記間隙部と前記切り欠き溝とを介して前記凸部の周縁に開放されたことを特徴とする請求項1記載の樹脂製収納箱の移動車取付構造。
【考案の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本考案は、衣料や雑貨などを収納する樹脂製の収納箱に設けられる移動車取付構造に関する。
[従来の技術]
従来、各種の事業所にあっては書類等を整理するために、また、一般家庭にあっては衣料や雑貨等を整理するため樹脂製の収納箱が用いられている。殊に一般家庭においては、前記収納箱は押し入れなどに収納される場合が多く、押し入れへの出し入れを容易にするために移動車が設けられた収納箱が多く使われている。
なお、かかる収納箱における移動車取付構造は第8図に示すようなものである。すなわち、樹脂製の収納箱80の下面に相対向して平行に突設された一対のフランジ81,81間には、車輪82が介挿されている。そして、前記双方のフランジ81,81間には、前記車輪82中央の軸穴84を貫通する金属製の車軸83が架橋固着されている。これにより前記車輪82は前記車軸83と、矢示ニ方向へ回転自在に嵌合され、前記車輪82と前記車軸83とによって移動車が形成されているのである。
[考案が解決しようとする課題]
しかしながら、このような従来の移動車取付構造においては、収納箱に移動車を取り付ける際に、前記双方のフランジ81,81間に前記車輪82を介挿させたのち、前記車軸83を一方のフランジ81の側面から挿入し、移動車82の軸穴84を貫通させ、他方のフランジ81の側面へと突出させる。また、前記車軸83は前記フランジ81,81に固着させなければならない。このため、収納箱の製造時においては、移動車の取付作業が煩雑であるとともに作業効率も悪い。
また、移動車が前記車輪82と前記車軸83との別製品で構成されていることから、製品のコストダウンを図るうえでの妨げとなっていた。
本考案は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、製造時における収納箱と移動車との取付作業を簡易にすることで作業効率を向上させ、さらに、車輪と車軸とを一体化させることで、製品のコストダウンを実現させる収納箱の移動車取付構造の提供を目的とする。
[課題を解決するための手段]
前記課題を解決するため本考案にあっては、上面開口状の容器体と前記上面を覆う蓋体とからなる樹脂製収納箱の前記容器体下部に、収納箱を移動させるための移動車が設けられた構造において、前記移動車は、一体成形された複数の車輪と該複数の車輪を連結する車軸とからなり、前記容器体下部には切り欠きを有する凸部が突設され、前記切り欠きは、前記車軸より大径状の円形部と、一対の相対向する膨出部の間に形成され、前記円形部を部分的に前記凸部の周縁に開放する間隙部とを有し、前記円形部には前記車軸が回転自在に嵌合されているとともに、前記車軸は最も内側の車輪の内側面より突出する突出部を有し、該突出部は容器体下部に形成された軸受部に受容されていることを特徴としている。
また、前記双方の膨出部の間隙部と前記凸部の周縁との間に切り欠き溝が形成され、前記円形部が前記間隙部と前記切り欠き溝とを介して前記凸部の周縁に開放された構成であることが望ましい。
[作用]
前記構成を有する樹脂製収納箱において、前記移動車の取付作業を行うには、複数の車輪間に凸部を介挿させるとともに、車軸を切欠部の膨出部へ当接させたのち、車軸を円形部へ向かって押圧する。このとき、容器体が樹脂製であるため、双方の膨出部は車軸によって押圧変形されて双方間の間隙部を押し拡げられる。これにより、車軸が膨出部間を摺動しつつ通過したのち円形部へ達し、車軸は円形部に回転自在に内嵌される。
一方、双方の膨出部は、車軸の押圧から解放されると本来の形状に復帰するため、円形部に嵌合された後の車輪は、相対向する膨出部によって車軸に対し垂直方向への離脱を防止され、また、複数の車輪間には前記凸部が介挿されるため、前記車軸の軸方向への離脱も防止される。よって、収納箱へ車輪を極めて容易に取り付けることができる。
また、前記双方の膨出部の間隙部と前記凸部の周縁との間に切り欠き溝が形成され、前記円形部が前記間隙部と前記切り欠き溝とを介して前記凸部の周縁に開放されていれば、移動車の取付作業時には、車軸が切り欠き溝によって一対の膨出部に案内される。
[実施例]
以下、本考案にかかる一実施例を図面に従って説明する。すなわち、第5図、第6図に示すように、合成樹脂製の収納箱51は、断面略矩形状の容器体52と、該容器体52の上面開口部を覆う蓋体53と、前記容器体52下部に設けられた移動車1とから構成されている。
前記容器体52の側面54下方には、第1図?4図に示すように、前記移動車1が配設された凹部55が設けられており、該凹部55には、前記収納箱51の移動方向、すなわち容器体52の長尺方向に延在する、凸部である第1のフランジ2と、該第1のフランジ2に平行して延在する第2のフランジ3とが突設されている。そして、前記第2のフランジ3には、その中程部から前記第1のフランジ2と逆方向に突出したのち、鈍角状に折曲して前記容器体52の底面部4と連設された第3のフランジ5が設けられている。
第2図に示すように、前記第1のフランジ2には、その下端部に切り欠き溝7および円形部9からなる切り欠きが設けられている。前記切り欠き溝7は矩形状をなすとともに、該切り欠き溝7の開口縁には、相対向して突出成形された一対の膨出部8,8が設けられている。そして一対の膨出部8には円形状の前記円形部9が連続形成されている。なお、前記切り欠き溝7は前記車輪1の車軸6(詳細は後述)の直径よりも幅広であり、前記円形部9の直径は前記車輪1の車軸17(詳細は後述)の直径よりも大径状に成形されている。
また、前記第1のフランジ2と平行に延在する前記第2のフランジ3には、第3図に示すように、その下端部に前記切り欠き溝7よりも幅広の略矩形状の切り欠き溝10が設けられており、該切り欠き溝10の上端部には前記円形部9と同口径の円形部11が形成されている。該円形部11の周縁は、第2のフランジ3より突出した前記第3のフランジ5(第1,3,4図参照)によって形成された軸受部12の軸受面13へと連設されている。
一方、前記凹部55に配設された前記移動車1は、第1図に示すように、合成樹脂で一体的に形成された、外輪14及び内輪15からなる一対の車輪16と、車軸17とから構成されている。前記外輪14と前記内輪15は互いに平行であり、前記外輪14の外周縁は前記内輪15と反対方向へ略垂直に突出成形されている。また、前記車軸17は前記外輪14と前記内輪15双方の中心部を連結する連結部20と、前記内輪14の一側面より突出する突出部18を有している。前記車軸17内部には軸方向に延在するとともに、前記突出部18から前記外輪14の略中心内部に至る中空部19が設けられている。
そして、前記車軸17の前記連結部20は、前記第1のフランジ2に切欠された前記円形部9(第2図)に回転自在に嵌合されるとともに、前記車軸17の前記突出部18が、前記第3のフランジ5が形成する前記軸受部12に受容されている。
以上の構成にかかる本実施例において、前記移動車1を前記容器体52に取り付ける際には、前記一対の車輪16間に前記第1のフランジ2を介挿させ、該第1のフランジ2の前記切り欠き溝7に前記車軸17の前記連結部20を挿入させるとともに、車軸17の前記突出部18を前記第2のフランジ3の前記切り欠き溝10へ挿入させる。
そして、連結部20と前記一対の膨出部8,8が当接したのち、移動車1を前記円形部9へ向かって押圧すると、前記容器体5が合成樹脂製により成形されているため、前記一対の膨出部8,8は、前記連結部20によって押圧変形されて双方間の間隙部を押し拡げられる。このため前記連結部20は、一対の膨出部8,8間を摺動しつつ通過したのち前記円形部9へ達し、前記車軸17は前記円形部9と回転自在に嵌合される。
一方、前記一対の膨出部8,8が前記連結部20の押圧から解放され本来の形状に復帰することから、前記円形部9に嵌合された後の前記移動車1は、前記双方の膨出部8,8によって前記車軸17と垂直方向(第1図矢示イ方向)への離脱を防止され、また、前記一対の車輪16間には前記第1のフランジ2が介挿されているため、前記車輪17が車軸方向(第1図矢示ロ方向)への離脱することも防止される。
以上述べたように、前記容器体52への前記移動車1の取付作業を簡易に行うことができ、生産時における作業効率を向上させることができる。また、前記一対の車輪16と前記車軸17とが一体成形されたことから、従来よりも部品の点数を減少させることができ、前記収納箱51自体の製品コストを下げることができる。
なお、第7図に示すように、前記第1のフランジ2と前記第2のフランジ3との間に、前記第1のフランジ2と同一の、凸部である第4のフランジ25を設け、また、前記移動車1においては、前記外輪14と前記内輪15との間に、前記内輪15と同一の第3の車輪26を設けた場合においては、前記収納箱51の荷重を前述した複数のフランジと複数の車輪とで支えることとなる。よって、前述したような取付作業の簡易さを損なうことなく、容易に前記移動車1の荷重に対する強度を増すことが可能となる。
[考案の効果]
以上説明したように、本考案にあっては、樹脂製収納箱の容器体下部に移動車が設けられた構造において、容器体下部に切り欠きを有する凸部が突設され、前記切り欠きが、円形部と、一対の相対向する膨出部の間に形成され、前記円形部を部分的に前記凸部の周縁に開放する間隙部を有し、前記一部の膨出部を押圧変形させることにより、移動車の車軸を前記円形部に内嵌させるようにした。
よって、製造時における収納箱と移動車との取付作業を極めて簡易なものすることができ、作業効率を向上させることが可能となる。また、移動車の複数の車輪と車軸とを一体化したことから、製品のコストダウンを図ることが可能となる。
また、一対の膨出部の間に形成された間隙部と凸部の周縁との間に切り欠き溝が形成され、円形部が間隙部と切り欠き溝を介して凸部の周縁に開放されていれば、切り欠き溝によって車軸を一対の膨出部に案内させることができる。よって、取付作業時における移動車の位置決めが容易になり、収納箱への移動車の取り付けをより簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の第1実施例を示す第6図A部に相当する拡大部分断面図、
第2図は、移動車を除去した状態における第1図矢示B方向側面図、
第3図は、同状態における第1図III-III線に沿う断面図、
第4図は、第1図IV-IV線に沿う断面図、
第5図は、本考案にかかる第1実施例の収納箱の正面図、
第6図は、同実施例の同側面図、
第7図は、本考案の第2実施例を示す、第1図に相当する断面図、
第8図(a)は、従来例を示す要部側面図、
第8図(b)は、第8図(a)VIII-VIII線に沿う断面図である。
1……移動車、2……第1のフランジ(凸部)、7……切り欠き溝(切欠部)、8……膨出部、9……円形部、14……外輪、15……内輪、16……車輪、17……車軸、26……第3のフランジ、51……収納箱、52……容器体、53……蓋体。
訂正の要旨 訂正の要旨
訂正事項a
実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、本件明細書(平成5年9月6日提出の全文訂正明細書、以下同じ)の実用新案登録請求の範囲の【請求項1】の第11行(本件公告公報(実公平6-24346号公報、以下同じ)第1欄第11行)に「嵌合された」とあるのを「嵌合されているとともに、前記車軸は最も内側の車輪の内側面より突出する突出部を有し、該突出部は容器体下部に形成された軸受部に受容されている」と訂正する。この訂正に伴い、明りょうでない記載の釈明を目的として、本件明細書第4頁第17行(本件公告公報第3欄第36行)に「嵌合された」とあるのを「嵌合されているとともに、前記車軸は最も内側の車輪の内側面より突出する突出部を有し、該突出部は容器体下部に形成された軸受部に受容されている」と訂正する。
訂正事項b
誤記の訂正を目的として、本件明細書第3頁第13行(本件公告公報第3欄第15行)「固着させなければ。」を「固着させなければならない。」と訂正する。
訂正事項c
誤記の訂正を目的として、本件明細書第5頁第6行(本件公告公報第3欄第44行)「介を挿させる」を「を介挿させる」と訂正する。
訂正事項d
誤記の訂正を目的として、本件明細書第8頁第4行(本件公告公報第4欄第46行)「軸受面13とへ」を「軸受面13へと」と訂正する。
訂正事項e
誤記の訂正を目的として、本件明細書第9頁第8行(本件公告公報第5欄第16行)「該該1の」を「該第1の」と訂正する。
訂正事項f
誤記の訂正を目的として、本件明細書第10頁第10行(本件公告公報第5欄第37行)「以上の述べたように」を「以上述べたように」と訂正する。
審理終結日 2002-02-05 
結審通知日 2002-02-08 
審決日 2002-02-19 
出願番号 実願平2-86943 
審決分類 U 1 41・ 812- Y (B65D)
U 1 41・ 813- Y (B65D)
U 1 41・ 811- Y (B65D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 新海 栄粟津 憲一  
特許庁審判長 村本 佳史
特許庁審判官 鈴木 美知子
山崎 豊
登録日 1995-03-06 
登録番号 実用新案登録第2054523号(U2054523) 
考案の名称 樹脂製収納箱の移動車取付構造  
代理人 福迫 眞一  
代理人 福迫 眞一  
代理人 畑中 芳実  
代理人 畑中 芳実  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ