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審決分類 審判 全部申し立て   A01G
審判 全部申し立て   A01G
管理番号 1062950
異議申立番号 異議1998-73605  
総通号数 33 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2002-09-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-07-17 
確定日 2001-12-17 
異議申立件数
事件の表示 実用新案登録第2566080号「連杭」の実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 実用新案登録第2566080号の実用新案登録を取り消す。
理由 1.手続の経緯
本件実用新案登録第2566080号は、出願日が平成5年2月5日である実願平5-2940号の実用新案登録出願に係り、平成9年12月12日に設定登録がなされたもので、その後株式会社大橋今右衛門(以下、申立人という。)から実用新案登録異議の申立てがなされ、当審において取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年2月15日に訂正請求がなされた後、訂正拒絶理由が通知され、その指定期間内である平成11年6月18日に意見書が提出されたものである。
2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正の概要
本件訂正の趣旨は、本件明細書を請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正を求めるにあり、その訂正の要旨は、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、請求項1を
「一側が偏平面に形成された平面視略半円状の焼杭本体を複数形成して、これら複数の焼杭本体の長さ方向一端部を、先端に向かうに従って先細となるように斜めにカットすると共に、焼杭本体の表面を焼いて防虫防腐塗装を施し、これら複数の焼杭本体を、その扁平面が同一側方に位置する状態に並べる一方、折り曲げ可能なステンレス製の撚り線を各焼杭本体の扁平面に沿って上下2段に配設して、これらの各撚り線を各焼杭本体の扁平面における左右両側の2箇所に又釘により係止していることを特徴とする連杭。」
と訂正し、かつ当該訂正に伴い不明りょうとなった「考案の詳細な説明」の記載を「明りょうでない記載の釈明」を目的として訂正するものである。
2-2.独立登録要件について
上記取消理由通知及び訂正拒絶理由通知で指摘した
刊行物1;「PRO EXTERIOR タカショー総合カタログ 1992」 タカショー株式会社 1992.8.31発行、表紙、46頁、最終頁(申立人の提出する甲第1号証参照。)
刊行物2;「RETAIL PRICELIST OF HILLHOUT GARDEN PRODUCTS 1991/1.」(ヒルホウルトガーデンプロダクト社の小売価格リスト 1991.1)、HILLHOUT EDGING,PERGOLA.(ヒルホウルト花壇縁取り、蔓植物用棚が記載された第10頁)(申立人の提出する甲第2号証参照。)
には、それぞれ以下の事項が記載されている。
2-2-1.各刊行物記載の事項
[刊行物1]

花壇フリー20」と記載されている。
▲2▼「GC-20 先割花壇フリー20」を撮影した写真には、「一側面が偏平面に形成された平面視略半円状複数の杭本体を複数形成して、これら複数の杭本体の長さ方向の一端部を、先端に向かうに従って先細となるように斜めにカットすると共に、杭本体の表面は何等かの処理により黒く変色し、これら複数の杭本体を、その偏平面が同一側方に位置する状態に並べる一方、線を各杭本体の偏平面に沿って上下2段に配設して、これらの各線を各杭本体の偏平面における左右両側の2カ所に係止していることを特徴とする連杭。」が記載されている。
[刊行物2]
▲1▼最も上段の品目に対応する説明文
「巻き上げ可能な花壇の縁:機械によって半円形に切断された柵を高い耐久性の結合を得るために、亜鉛メッキ製staplesによって、亜鉛メッキ製ワイヤーをそれぞれ柵にしっかり結びつけたもの。」
▲2▼最も上段の品目の図面
「一側が偏平に形成された平面視略半円状の柵本体を複数形成して、これら複数の柵本体を、その偏平面が同一側方に位置する状態に並べる一方、ワイヤーを各柵本体の偏平面に沿って上下2段に配設して、これらの各ワイヤーを各柵本体の偏平面における左右両側の2カ所により係止していることを特徴とする連柵。」が図面として記載されている。
▲3▼表紙
「ヒルトホウルトガーデンプロダクト社の小売り価格リスト
1991/1.」
2-2-2.当審の判断
刊行物2には、「ヒルトホウルトガーデンプロダクト社の小売り価格リスト」と表紙に表題が記載されている。小売価格は随時変更されるものである。「小売り価格リスト」の発行された時期は、当該「小売り価格リスト」を読む者にとって非常に重要なものであるので、小売り価格リストのいずれかの箇所に記載されているのが普通である。そして、表紙のように目立つ箇所に意味不明なコード番号や記号を「大きな文字」で記載することは通常あり得ない。そうすると、「1991/1」という表記は、1991年1月の意味であるとするのが相当である。
もっとも、実用新案登録権者は「本件のように実用新案件が取り消されるか否かの極めて重要な判断において「1991/1」という記号を1991年1月と類推すること自体不当であり、当然、権利者が疑義を述べれば、異議申立人において、その公知日を客観的に証明すべき事項である。」旨を主張する。
しかしながら、上記したような一般的常識から導かれる具体的理由を訂正拒絶理由に提示して「1991/1」という表記を、1991年1月と解すると認定したのに対して、実用新案登録権者の主張は、具体的な理由を何等述べないまま単に疑義を指摘するに止まるものである。
したがって、一般的な常識からして上記したように解するのが相当であって、実用新案登録権者の主張を採用することはできず、刊行物2は本出願前公知の刊行物であると認められる。
そこで、訂正された請求項1に係る考案(以下、訂正考案という。)と刊行物2記載の考案を対比する。
刊行物2には先に摘記したように「巻き上げ可能な花壇の縁:機械によって半円形に切断された柵を高い耐久性の結合を得るために、亜鉛メッキ製staplesによって、亜鉛メッキ製ワイヤーをそれぞれ柵にしっかり結びつけたもの。」(刊行物2摘記事項▲1▼)と記載されており、各柵は亜鉛メッキ製ワイヤーで結びつけられ「巻き上げ可能」に連結されていると認められる。
また、刊行物2記載の図面には亜鉛メッキ製ワイヤーが杭本体にまたぐようにstaplesが打ってあり、また、「新英和中辞典 携帯版」研究社発行第3版第1499頁によれば、staplesは、「留め金、製本・書類などのU字状の針金」という意味を有することから、刊行物2記載のstaplesは、本件考案の又釘に相当すると認められる。
してみると、刊行物2には、「一側が偏平面に形成された平面視略半円状の柵本体を複数形成して、これら複数の柵体を、その扁平面が同一側方に位置する状態に並べる一方、折り曲げ可能な亜鉛メッキ製ワイヤーを各柵本体の扁平面に沿って上下2段に配設して、これらの各ワイヤーを各柵本体の扁平面における左右両側の2箇所に又釘により係止していることを特徴とする連柵。」が記載されているものと認められる。
そうすると、両者は以下(1)?(3)の点で構成が相違し、その他の点で一致する。
(1)前者が焼杭本体の表面を焼いて防虫防腐塗装を施すのに対して、後者はそのように構成されていない点
(2)前者が折り曲げ可能なステンレス製の撚り線を使用しているのに対して、後者は亜鉛メッキ製ワイヤーである点。
(3)前者が複数の杭本体の長さ方向の一端部を、先端に向かうに従って先細となるように斜めにカットされた杭であるのに対して、後者は柵であって長さ方向の一端部を、先端に向かうに従って先細となるように斜めにカットされてもいない点
そこで、これらの相違点について順に検討する。
[相違点(1)]
花壇用杭や植木鉢等の木製の園芸用品を焼くことは、本件出願前より慣用の技術的事項である(例えば、実願平1-11027号(実開平2-102935号)のマイクロフィルム、実願昭52-108301号(実開昭54-35252号)のマイクロフィルム、特開昭59-17917号公報)。また、木製品に防腐処理をすることも、例示するまでもなく本件出願前より慣用の技術的事項である。
よって、刊行物2記載の考案に、上記慣用の技術的事項を付加することに何の困難性も認められない。
[相違点(2)]
刊行物2記載の考案においてワイヤーは、亜鉛メッキされていることから、ワイヤーの素材は亜鉛メッキした金属であると認められる。そして、「高度の耐久性の結合を得るために、亜鉛メッキ製のワイヤーを結びつける」旨の記載からみて、耐久性を高めるためにこの素材を使用していると認められる。他方、ステンレスは、高度の耐久性を有する素材であることが知られている。そうすると、より高い耐久性を得るために、刊行物2記載のワイヤーの素材をステンレスに置換することに何の困難性も認められない。
また、刊行物2に記載のものは「ワイヤー」であって、「撚り線」ではない。しかし、両者は金属製の線条体であることで共通しており、ワイヤーを撚り線としたことにより格別な作用効果が奏されるとも認められない。よって、この点は、金属製の線条体を単に撚り線と限定したものに過ぎず、当業者が適宜案出し得る設計事項と認められる。
[相違点(3)]
刊行物1には、複数の杭本体の長さ方向の一端部を、先端に向かうに従って先細となるように斜めにカットした連杭が記載されている。刊行物2記載の連柵において、刊行物1記載の技術的事項を適用し訂正考案の如く構成することは、両者が花壇の縁に関する技術という点で共通していることから当業者がきわめて容易になし得たものと認められる。
そして、訂正考案により奏される効果も格別なものとは認められない。
したがって、訂正考案は、刊行物1及び2記載の考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により独立して実用新案登録を受けることができない。
2-3.むすび
したがって、この訂正は、平成6年法律第116号附則第9条2項の規定により準用される特許法第120条の4第3項で更に準用する特許法第126条第4項の規定が、平成6年法律第116号附則第6条第1項の規定により「なお従前の例による」とされることから適用される平成5年特許法第126条第3項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。
3.実用新案登録異議の申立てについて
3-1.本件考案
「一側が偏平面に形成された平面視略半円状の焼杭本体を複数形成して、これら複数の焼杭本体を、その偏平面が同一側方に位置する状態に並べる一方、折り曲げ可能な索条を各焼杭本体の偏平面に沿って、該索条を各焼杭本体の偏平面に留め具により係止していることを特徴とする連杭。」
3-2.本件考案と刊行物2記載の考案との対比
本件考案と上記取消理由に引用した刊行物2記載の考案を対比すると、(1)前者が焼杭本体であるのに対して、後者はそのように構成されていない点で相違し、その他の点で一致する。
しかしながら、花壇用杭や植木鉢等の木製の園芸用品を焼くことは、本件出願前より慣用の技術的事項である(例えば、実願平1-11027号(実開平2-102935号)のマイクロフィルム、実願昭52-108301号(実開昭54-35252号)のマイクロフィルム、特開昭59-17917号公報)。
よって、本件考案は、刊行物2記載の考案に、上記慣用の技術的事項を付加したものにすぎず、当業者がきわめて容易に考案することができたものである。
3-3.むすび
本件考案は、実用新案法第3条第2項の規定に違反して実用新案登録されたものである。
4.むすび
したがって、本件考案についての実用新案登録は、拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第1項及び第2項の規定により、上記のとおり決定する。
異議決定日 1999-08-15 
出願番号 実願平5-2940 
審決分類 U 1 651・ 121- ZB (A01G)
U 1 651・ 113- ZB (A01G)
最終処分 取消  
前審関与審査官 坂田 誠  
特許庁審判長 徳廣 正道
特許庁審判官 大高 とし子
郡山 順
登録日 1997-12-12 
登録番号 実用登録第2566080号(U2566080) 
権利者 株式会社タカショー
和歌山県海南市阪井489番地
考案の名称 連杭  
代理人 杉本 巌  
代理人 恩田 博宣  
代理人 杉本 勝徳  
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