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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F24C
管理番号 1064502
審判番号 審判1999-12987  
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2002-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-08-04 
確定日 2002-09-17 
事件の表示 平成 9年実用新案登録願第 523号「レンジフードカバー」拒絶査定に対する審判事件〔平成 9年 8月 5日出願公開、実開平 9- 429、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。   
結論 原査定を取り消す。 本願の考案は、実用新案登録すべきものとする。
理由 1.手続の経緯・本願考案
本願は、平成1年4月24日付の実願平1-48132号出願に基づき国内優先を主張して平成1年12月4日に出願した実願平1-140743号の一部を平成7年7月28日に新たな実用新案登録出願として出願した実願平7-7850号の一部を平成9年2月7日にさらに新たな実用新案登録出願としたものであって、その請求項1に係る考案(以下、請求項1に係る考案を「本願考案」という。)は、平成9年3月10日付、平成10年3月5日付、平成11年4月16日付、及び平成11年9月2日付で補正された明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】 平板状であって、その面内における外端縁をカーリングして形成される縁巻部を備えた対向する2辺を少なくとも有する金属箔成形体の前記2辺で区画された空間にフィルタを取付けた、第1の分割体と第2の分割体とからなるレンジフードカバーであって、前記2辺の形成方向における両端にのみ取付具が設けられ、前記取付具の一方が設けられる前記第1の分割体の対向する2辺の各々の縁巻部に、前記取付具の他方が設けられる前記第2の分割体の対向する2辺の各々の縁巻部を挿入することによって、前記第1の分割体と前記第2の分割体とを相互にスライドさせることができ、かつスライド方向に対して直角方向への分離を阻止するように互いに係合させるとともに、前記スライド時の前記分割体の各々の重なり部分における、縁巻部を横切る方向での断面形状が縁巻部を含めてほぼ同一であることを特徴とする、レンジフードカバー。」

2.引用された刊行物に記載された考案
原査定の拒絶理由に引用された刊行物1(実願昭61-101341号(実開昭62-160629号)のマイクロフィルム)には、
「第1図?第3図は本考案の第1実施例を示しており、これらの図に示されているレンジフード用フィルター(A)は、縦寸法及び機寸法がそれぞれ27cm×32cmの方形の枠部(1)に、例えば目付けの小さい繊維ウェブによって形成されたフィルター部材(2)が装着されてフィルター面が形成されている。(3)…は該枠部(1)の開放部に残存せしめた補強桟であって、これらの補強桟(3)…は枠部(1)を斜めの2方向に横切って中央の2箇所でX字状に交差する状態で配設されている。この枠部(1)の一方の対向辺の外側には、それぞれ幅寸法が約3cmの短フラップ(4)(4)が延設されており、各短フラップ(4)には1条の折曲線(l)が形成されている。
また、該枠部(1)の他方の対向辺の外側にはそれぞれ幅寸法が約8cm長フラップ(5)(5)が延設されており、各長フラップ(5)には3条の折目線(l_(1))(l_(2))(l_(3))が形成されていて、長短両フラップ(5)(4)の端縁はそれぞれ縁巻き(6)(6)されている。そして、各フラップ(4)(5)の適所にはそれぞれ1対ずつの永久磁石片(7)(8)が配設されている。上記構成のフィルター(A)は全体として長方形状をなしていて、フィルター部材(2)を除く各部は1枚のアルミニウムシートによって構成されている。」(明細書第5頁18行?第6頁末行)、及び、
「更にまた、第7図に示すような俗に深型と称されるレンジフード(R_(4))で吸気口(11c)が可成り大きく、1枚のフィルターで不足する場合には、第8図に示すように、該フィルター(A)を2枚使用し、長短各フラップ(5)(4)の折り曲げ方向は前記第4図または第5図において説明した方向とは反対側方向、つまり各永久磁石片(7)(8)が各フラップ(4)(5)の外側面に位置するように順次折り曲げる。即ち、長フラップ(5)(5)及び外側一方の短フラップ(4)(4)を前述した反対側方向に折り曲げ、内側に位置した短フラップ(4)(4)を重ね合わせ、適度な大きさとなしたのちレンジフード(R_(4))の吸気口内周壁に取り付けるようになすとよい。尚、吸気口(11c)の大きさによっては折目線(l_(1))(l_(2))(l_(3))のいずれかを適宜選択して折り曲げ、該吸気口(11c)の寸法に適うように寸法調整すればよく、また幅方向においては2枚を重ね合わせた部分でスライド調整するようになすとよい。」(明細書第8頁7行?第9頁4行)ことが図面とともに記載されている。

同じく、原査定の拒絶理由に引用された刊行物2(実願昭60-198848号(実開昭62-106617号)のマイクロフィルム)には、
「第1図はこの考案の一実施例を示す斜視図である。カバー枠部1の中央には、開口部2が形成されており、該開口部2の周縁には開口周縁部5が設けられている。該開口周縁部5のまわりからは、側壁部4が下方に向かって延びるように連続して設けられている。該側壁部4の周辺には、台座部3が連続して設けられており、該台座部3のまわりには台座部縁巻3aが形成されている。間口周縁部5の対向する2辺の上には、カバー枠側嵌合部としての縁巻6,7がそれぞれ平行に延びるよう設けられている。
フィルタ部10の縁部11の内側には、フレーム12が取付けられており、フレーム12の間には、フィルタ13が張設されている。縁部11のまわりの4辺には、フィルタ側嵌合部としての縁巻14,15,16,17がそれぞれ形成されている。
カバー枠部1にフィルタ部10を取付ける際には、カバー枠部1の縁巻6,7の端に、フィルタ部10の縁巻14,15をそれぞれ差込み、スライドさせて取付ける。」(明細書第5頁7?第6頁7行)ことが図面とともに記載されている。

3.対比・判断
そこで、上記刊行物1、2に記載の考案と、本願考案とを対比すると刊行物1、2には、本願考案の構成要件である「平板状であって、その面内における外端縁をカーリングして形成される縁巻部を備え」るとともに「第1の分割体と第2の分割体とからなるレンジフードカバーであって、前記2辺の形成方向における両端にのみ取付具が設けられ、前記取付具の一方が設けられる前記第1の分割体の対向する2辺の各々の縁巻部に、前記取付具の他方が設けられる前記第2の分割体の対向する2辺の各々の縁巻部を挿入することによって、前記第1の分割体と前記第2の分割体とを相互にスライドさせることができ、かつスライド方向に対して直角方向への分離を阻止するように互いに係合させる」点については記載されておらず、また、示唆もされていない。
刊行物1には、1つ1つが独立して使用可能なレンジフード用フィルタ2つをそれぞれコの字状に折り曲げ、これらを重なり代を持たせて配置し、給気口の寸法に合わせて互いにスライドさせて寸法調整してレンジフードに取付けることが記載されているが、個々のレンジフード用フィルタは、独立した完成品であって、レンジフードへの取り付けもそれぞれのフィルタに設けた取り付け手段である磁石片によって個々に取り付けるものであり、本願考案のように両者をスライド可能に連結一体化して完成品とし、その完成品の両端に設けた取り付け手段によりレンジフードに取付けるものではない。
また、刊行物2には、縁巻き部を係合して2部材を連結する手段が記載されているが、この縁巻部は、両部材をスライドさせて、大きさの調整をするために用いられるものではない。
そして、本願考案は、上記構成を有することによって、使用するレンジフードの深さを特に必要とせず、また、その寸法形状等に合わせて、各々の分割体が外れることなくスライド方向に長さを調節して用いることができる。従って、この状態で分割体の各々の端部に設けられた取付具を用いて容易に被取付体に取付けることができ使い勝手がよい。しかも、各分割体同士をスライドさせるための縁巻部は、金属箔成形体と同一面内に形成されているためスライド動作がスムーズになる。また、2枚の金属箔を部分的に重ね合わせることにより、従来と同様の成形工程によって成形することができ、余分な成形工程を必要としない。さらに、成形後にスライドさせて寸法を大きくさせることができるため、スライドさせて延ばしたときには大きな寸法形状のレンジフードカバーであっても、より小さな寸法形状の金型で成形することができるという刊行物1、2に記載された各考案には期待できない格別の効果を奏するものと認められる。

4.以上のとおりであるので、本願考案は、上記刊行物1、2に記載の考案から当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2002-08-27 
出願番号 実願平9-523 
審決分類 U 1 8・ 121- WY (F24C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岩本 正義関口 哲生豊島 唯永石 哲也  
特許庁審判長 橋本 康重
特許庁審判官 原 慧
岡本 昌直
考案の名称 レンジフードカバー  
代理人 葛西 泰二  
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