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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正しない D06F
審判 訂正 1項3号刊行物記載 訂正しない D06F
管理番号 1066093
審判番号 訂正2002-39082  
総通号数 35 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2002-11-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2002-03-27 
確定日 2002-10-11 
事件の表示 実用新案登録第2123867号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1. 手続の経緯、請求の要旨
(i)本件審判の請求の要旨は、実用新案登録第2123867号考案(平成1年11月9日実用新案登録出願、平成7年11月1日出願公告(実公平7-47110号)、平成8年6月20日設定登録)の願書に添付した明細書を、審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものである。
(ii)これに対して、当審において、訂正拒絶の理由を通知したところ、平成14年7月25日付けで、訂正は認められるべき旨の意見書及び手続補正書が提出された。
(iii)上記手続補正書により補正された訂正事項は、願書に添付した明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に、
「洗濯物の衣類等から、弾性膜を備えた加圧体で水分を圧搾により脱水する脱水機において、
加圧体の上昇、下降、待機時の非圧搾時に同加圧体を回転させる加圧部回転装置を有することを特徴とする脱水機。」とあるのを、以下のとおりに訂正することを含むものである。
「洗濯物の衣類等から、弾性膜を備えた加圧体で水分を圧搾により脱水する脱水機において、
前記脱水機は、前記加圧体の上昇、下降、待機時の非圧搾時に同加圧体を回転する加圧部回転装置を備え、
前記加圧部回転装置は、前記加圧体を支持するプレス板と、前記プレス板に押し付けられた状態で前記加圧体に対して回転力を付与する回転付与手段と、前記回転付与手段を前記プレス板に押し付ける押し付け手段と、を備えることを特徴とする脱水機。」

2. 訂正拒絶の理由
(i)一方、平成14年5月22日付けで通知した訂正の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
「(1)本件訂正後の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されている考案(以下、「訂正考案」という。)は、本件出願前に頒布された特開平1-124670号公報(以下、[引用例]という。)に記載された考案であるので、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第1項の規定によりなおその効力を有するとされる、改正前の実用新案法第3条第1項第3号に該当し本件出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものである。
(2)請求項2乃至4を追加する訂正は、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものではなく、また、「誤記の訂正」及び「明りょうでない記載の釈明」のいずれをも目的とするものではない。さらに、請求項2乃至4を追加する訂正に伴った、考案の詳細な説明中の記載の訂正は、「実用新案登録請求の範囲の減縮」、「誤記の訂正」及び「明りょうでない記載の釈明」のいずれをも目的とするものではない。
よって、本件審判請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第1項の規定によりなおその効力を有するとされる改正前の実用新案法第39条第1項(同附則第4条第2項の規定により読み替えて適用)及び第3項の規定に適合していない。」
(ii)なお、上記した訂正の拒絶の理由(2)については、上記手続補正書により、審判請求書に添付した訂正明細書が補正され、実質的に、請求項2乃至4を追加する訂正事項については削除された(審判請求書に記載された訂正事項については補正がされていない。)ため、訂正の拒絶の理由は解消している。

3. 引用例
(i)上記した訂正拒絶の理由(1)において引用した、特開平1-124670号公報には、以下のように記載されている。
(イ)「本発明は圧搾される被圧搾物質から液体を搾出するためのラム形圧搾機に関するもので、特に纏められた一回分の濡れた織物から液体を絞り上げる圧搾機に関する。」(第2頁左下欄第19行から右下欄第2行)
(ロ)「圧搾頭部11は図面に示されていない機械フレームに強固に結合されている。」(第4頁左下欄第5行から第6行)
(ハ)「一抱えの濡れた回分洗浄物質を収容しそこから液体を搾り取るための円筒形状の圧搾外筒15が設置される。」(第4頁左下欄第7行から第10行)
(ニ)「しかしながら、連結部材37として一本の連結棒を使用することもできる。この場合この連結棒の両端において連結ねじが関節連結部として付属する。この連結部材37の長さは圧搾頭部11の下側面と圧搾ラム13の上面間の最大距離よりも大きく選定され、下方向きの圧搾ラム13の作動行程完了時に圧搾ラム13は上記連結部材37により第2図に示した矢印方向に90度だけ回転される。」(第5頁右下欄第4行から第13行)
(ホ)「連結部材37としてその下端部分に摩擦部材例えばゴム脚を取り付けた非屈曲性棒材を使用することもできる。その間に圧搾ラム13が下方位置にあるときその上端部は圧搾頭部11の下側面から関節連結により懸吊される。圧搾ラムが上昇すればそのとき該圧搾ラムは該ラム上に働く連結部材の摩擦部材により回転される。」(第5頁右下欄第14行から第20行)
(ii)そして、上記記載において、圧搾ラム13が上昇するとき、連結棒ないし非屈曲性棒材には、上向きの力が作用し、圧搾頭部11が固定されていることから、上記上向きの力の反作用として、圧搾ラム13には、連結棒ないし非屈曲性棒材からの押し付け力が作用するため、その結果として、圧搾ラム13が回転することは明らかである。よって、圧搾頭部11及び連結棒ないし非屈曲性棒材は、「押し付け手段」及び「回転付与手段」として機能するものと認められる。
よって、上記記載及び図面の記載を総合すると、上記刊行物には、以下の考案(以下、「引用考案」という。)が記載されているものと認められる。
「濡れた織物から、弾褥部材18で水分を圧搾により脱水するラム形圧搾機において、
前記ラム形圧搾機は、前記弾褥部材18の上昇、下降、待機時の非圧搾時に同弾褥部材18を回転する加圧部回転装置を備え、
前記加圧部回転装置は、前記加圧体を支持する圧搾ラム13と、前記圧搾ラム13に押し付けられた状態で前記弾褥部材18に対して回転力を付与する回転付与手段と、前記回転付与手段を前記プレス板に押し付ける押し付け手段と、を備えることを特徴とするラム形圧搾機。」

4. 対比、判断
(i)訂正考案と引用考案とを対比すると、後者における「濡れた織物」は、前者における「洗濯物の衣類等」に外ならないから、両者は脱水の対象を同じくしているし、後者における「弾褥部材18」は、前者における「弾性膜を備えた加圧体」に、「圧搾ラム13」は、「プレス板」に、「ラム形圧搾機」は、「脱水機」に、それぞれ、その機能からみて相当するから、両者は、構成の全てにおいて一致しており、相違点は見当たらない。
(ii)よって、訂正考案は、上記刊行物に記載された考案であるので、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第1項の規定によりなおその効力を有するとされる、改正前の実用新案法第3条第1項第3号に該当し、出願の際独立して実用新案登録を受けることができないものである。

5. 請求人の主張
(i)審判請求人は、平成14年7月25日付け意見書において、請求項1には、「前記回転手段を前記プレス板に押し付ける押し付け手段」と記載されており、この「押し付け手段」という文言は、それ自身で押し付け力を発生する機能を有することを表明するためのものである旨、また、第1乃至第3の実施例においては、押し付け手段(エアシリンダ8、26及び71)が、いずれも、自発的な力をもって、回転付与手段(回転ローラ6、フリクションローラ24、フリクションパッド76)をプレス板52に押し付けており、これらの実施例の記載を参酌すると、上記「押し付け手段」とは、押し付け力を発生する作用をなすことを必要とするものである旨を述べ、そうであれば、引用考案における圧搾頭部11は、「押し付け力」を自発的に発生し、かつ付与するものではなく、「押し付け手段」に相当しないと主張している。
(ii)しかしながら、上記訂正明細書中には、「押し付け手段」がそれ自身で(自発的な力をもって)押し付け力を発生するものであるとの定義ないし説明は何ら記載されていないし、また、この「押し付け手段」が、実施例のものに限定されると伺える記載も見当たらないから、上記請求人の主張は到底採用できない。
(iii)なお、付言すれば、第3実施例において、エアシリンダ71にエアが送られると、「プレス板52の上面にフリクションパッド76が押し付けられ」るが、「エアシリンダ71はフリクションパッド76の摩擦力を発生させつつ、プレス板52の上昇により圧縮させて角度β丈回転をする」ものであり(上記訂正明細書第6頁第9行から第13行)、押し付け力は、プレス板52の上昇によっても発生するものと認められるから、このエアシリンダ71は、それ自身で押し付け力を発生するものであると言うことができないものである。

6. むすび
したがって、本件審判請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第1項の規定によりなおその効力を有するとされる改正前の実用新案法第39条第3項の規定に適合していない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-08-14 
結審通知日 2002-08-19 
審決日 2002-08-30 
出願番号 実願平1-130161 
審決分類 U 1 41・ 856- Z (D06F)
U 1 41・ 113- Z (D06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 阿部 寛  
特許庁審判長 梅田 幸秀
特許庁審判官 千壽 哲郎
和泉 等
登録日 1996-06-20 
登録番号 実用新案登録第2123867号(U2123867) 
考案の名称 脱水機  
代理人 古部 次郎  
代理人 古部 次郎  
代理人 大場 充  
代理人 大場 充  
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