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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 無効とする。(申立て全部成立) E04F
管理番号 1067659
審判番号 無効2001-35460  
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2002-12-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-10-19 
確定日 2002-09-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第2006012号実用新案「フロアパネル」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 登録第2006012号の実用新案登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1.経緯

本件実用新案登録第2006012号は、昭和62年5月30日に出願され、平成5年5月17日に出願公告(実公平5-18427号)され、平成6年2月14日に登録されたものであって、平成13年10月19日にコクヨ株式会社より本件無効審判の請求があり、平成14年1月25日付けで答弁書が提出され、平成14年3月28日付けで弁駁書が提出され、平成14年5月1日付けで無効理由通知がなされ、平成14年6月10日付けで請求人より、平成14年7月8日付けで被請求人よりそれぞれ意見書が提出された。

2.本件考案について

本件考案は、実用新案登録請求の範囲に記載された次のものと認められる。
「中空で下面が開放している剛性小片駒の多数個を、隣り合う小片駒との間に微少間隙を置いて平面状に並設し、隣り合う小片駒相互を、対面する側面間の薄肉連結部を介して一体成形により連結して成るフロアパネル。」
(以下、実用新案登録請求の範囲に記載された考案を本件考案という。)

3.両当事者の主張

3-1 請求人は、審判請求書及び弁駁書において、本件実用新案登録を無効とするとの審決を求め、無効理由として
(1)本件考案は、甲第1号証の1に記載されており、実用新案法第3条の2の規定により実用新案登録を受けることができない。
(2)本件考案は、甲第2号証に記載された考案であるから、実用新案法第3条第1項第3号の規定により実用新案登録を受けることができない。
(3)本件考案は、甲第2号証ないし甲第6号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものであるから、実用新案法第3条第2項第の規定により実用新案登録を受けることができない。
と主張し、甲第1号証の1ないし甲第6号証を提出する。

3-2 被請求人は、答弁書において、本件審判の請求は成り立たないとの審決を求め、請求人主張の無効理由に対して、無効理由はいずれも理由がない旨主張する。

4.無効理由について

4-1 当審は、本件考案について平成14年5月1日付けで無効理由通知をなした。その通知の内容は、以下のとおりである。

「3.本件考案についての無効理由

3-1 本件考案出願前に頒布された刊行物及びそれに記載された技術的事項
(1)刊行物1:実願昭57-53884号(実開昭58-156930号)のマイクロフィルム
刊行物1には次の記載が認められる。
(ア)実用新案登録請求の範囲
矩形または正方形の繰返し単位と該繰返し単位の四隅に設けられた脚部と、さらに該繰返し単位を結合する可撓性を有する連続体の連接部とからなる床パネル基体の表面に床仕上げ材が貼着されていることを特徴とする床パネル。
(イ)考案の詳細な説明
「本考案は床パネル、特に事務用機器を設置した部屋に適した床パネルに関する。」(明細書1頁11?12行)
「繰返し単位1および脚部2はABS樹脂・硬質塩化ビニル樹脂・ポリプロピレン等の合成樹脂により得られる。辺の長さが10?20cmの矩形または正方形の繰返し単位1の四隅に脚部2が設けられている。3は繰返し単位の連接部分で繰返し単位の外側に設けられている。・・・繰返し単位1は前後左右に連接部3を介して一辺40?60cmの一枚の床パネル基体4を形成している。連接部3は望ましくは厚さが1mm以下の可撓性を有する連続体になっているため床パネル基体4はその連接部3で曲げることが可能で床下地の不陸に対応できる。連接部3は薄い帯状物を上記繰返し単位と一体成型してもよく、また繰返し単位と同じ厚さの部分に一部を残すように切込み溝を入れてもよい。」(明細書2頁14行?3頁10行)
以上の記載事項を含む明細書全体の記載及び図面から、繰返し単位1は、事務用機器を設置した部屋に適した床パネルの床パネル基体を構成するものであり、一定の剛性を有するものであるから、刊行物1には、
「下面に脚部を有する剛性繰返し単位の多数個を、隣り合う繰返し単位との間に微少間隙を置いて平面状に並設し、隣り合う繰返し単位相互を、対面する側面間の薄肉連結部を介して一体成形により連結して成る床パネル。」
が記載されていると認められる。

(2)刊行物2:特開昭61-158558号公報(請求人提出の甲第4号証)
刊行物2には、フリーアクセスフロア用パネルに関する発明が記載されており、明細書及び図面の記載から、フロア下にエアコンの送排水の配管や機器のケーブルが配置される二重床板のフリーアクセスフロアにおいて、中空で底面が開放された軽合金ダイカスト製の方形ブロック状のフリーアクセスフロア用パネルが記載されていると認められる。

3-2 本件考案と刊行物1に記載されたものとの対比・判断
(1)本件考案と刊行物1に記載されたものとを対比すると、刊行物1記載の繰返し単位は本件考案の小片駒に相当するから、両者は、
「剛性小片駒の多数個を、隣り合う小片駒との間に微少間隙を置いて平面状に並設し、隣り合う小片駒相互を、対面する側面間の薄肉連結部を介して一体成形により連結して成るフロアパネル。」
である点で一致し、次の点で相違していると認められる。
相違点1:本件考案の剛性小片駒は中空で下面が開放しているのに対し、刊行物1記載の剛性小片駒は中空で下面が開放していない点
(2)相違点に対する検討
刊行物2には、フロア下にエアコンの送排水の配管や機器のケーブルが配置される二重床板のフリーアクセスフロアにおいて、中空で底面が開放された軽合金ダイカスト製の方形ブロック状のフリーアクセスフロア用パネルが記載されており、刊行物1に記載された繰返し単位(本件考案の小片駒に相当)に代えて、刊行物2に記載された上記方形ブロック状のフリーアクセスフロア用パネルを適用することを阻害すべき事由もないことから、本件考案の上記相違点にかかる構成は刊行物1、2に記載されたものから当業者がきわめて容易に想到できた事項にすぎない。
したがって、本件考案は、上記刊行物1、2に記載されたものから当業者がきわめて容易に考案できたものであり、実用新案法第3条第2項に該当するものである。」

4-2 そして、上記の無効理由通知は適正なものである。

4-3 被請求人は、上記無効理由通知に対して意見書において次のように主張する。
(ア)本件考案の「小片駒」には、平板に脚状のものを備えて、耐荷重性を発揮する物はその文言に含まれない。従って、刊行物1記載の繰り返し単位は、本件考案の「小片駒」に相当するものではない。
(イ)本件考案の「小片駒」は、中空で下面が開放した構造を有するから、その空洞内に配線コード等の収納は不可能であるのに対し、刊行物1記載の繰り返し単位は、その単位の内部に配線コード7を収納するための空間6を有する構造であって、当業者においてはいわゆる支持脚型パネルの構造に分類されている。
(ウ)刊行物2は単に板状のパネルが記載されているにすぎず、中空とはいえない。即ち、刊行物2記載のパネルは中空で下面が開放しているブロック状パネルとする明白な記載はなく、しかも、中央部を省略した図であるから、方形ブロック状ではなく、1枚の大版サイズのような板状フロアである。
また、刊行物2のパネルは床に直接設置されるのではなく、別途支持脚の上に設置され、床との間に空間を確保するものである。従って、本件考案とは二重床パネルとしては共通するが、技術分野及び施工方法は全く異なる。
(エ)刊行物1記載の繰り返し単位を刊行物2記載の構造のものとした場合は、配線コード等を収納する床下空間がなくなり、床パネルの本来の機能が害されることになり、両者の組み合わせを阻害する要因がある。

しかしながら、上記(ア)、(イ)については、中空で下面が開放した構造について、本件考案と刊行物1記載のものとの相違点(相違点1)として挙げ、当該相違点1については、刊行物2に記載されており、刊行物1記載の「繰り返し単位」に代えて刊行物2記載のパネルを適用することは当業者にとってきわめて容易であると判断しているのであって、刊行物1記載の「繰り返し単位」がそっくり本件考案の「(中空で下面が開放している)剛性小片駒」に相当するとしているのではない。
次に上記(ウ)については、刊行物2記載のパネルが中空である旨当該公報の明細書において明記されていないものの、明細書全体の記載、及び図面(特に第2図)から、当業者であればパネルが中空であると理解するのは自然である。
そして、刊行物2記載のパネルがいわゆる支持脚型パネルとしても、当該パネルについて、支持脚から独立して、「中空で下面が開放」したパネルという技術思想が認定できるのであって、当該認定に当たり大きさや施工方法は関係のない事項である。
次に(エ)については、刊行物1記載の繰り返し単位を刊行物2記載のパネルに代えた場合には、被請求人の主張するように床下空間がなくなるものの、本件考案のフロアパネルも、「床の配線が不要な部分、例えば書棚・ロッカー・キャビネットなどを置く位置・・・に布設する」(公告公報1欄13行ないし15行)ものであって、配線等の床下空間の必要がない部分に用いられるものであるから、配線の必要がない部分に敷設する場合に、刊行物1記載の繰り返し単位の脚部を、刊行物2記載のパネルのように下面が開放した側壁とすることを阻害する要因があるとはいえない。

したがって、被請求人の主張はいずれも採用できない。

5.まとめ
以上のように、本件考案に係る実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、平成5年改正前の実用新案法第37条第1項第1号に該当し、無効とすべきものである。
審判費用の負担については、実用新案法第41条の規定により準用され、特許法第169条第2項の規定によりさらに準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2002-07-22 
結審通知日 2002-07-25 
審決日 2002-08-07 
出願番号 実願昭62-83832 
審決分類 U 1 112・ 121- Z (E04F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 服部 秀男  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 中田 誠
鈴木 公子
登録日 1994-02-14 
登録番号 実用新案登録第2006012号(U2006012) 
考案の名称 フロアパネル  
代理人 伊藤 哲夫  
代理人 元井 成幸  
代理人 高橋 隆二  
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