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審決分類 審判 判定 利用 属する(申立て成立) G01G
管理番号 1071947
判定請求番号 判定2001-60103  
総通号数 39 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案判定公報 
発行日 2003-03-28 
種別 判定 
判定請求日 2001-09-14 
確定日 2003-02-21 
事件の表示 上記当事者間の登録第2006724号の判定請求事件について、次のとおり判定する。   
結論 (イ)号図面及びその説明書に示す「選花機」は、登録第2006724号実用新案の技術的範囲に属する。
理由 1 .請求の趣旨及び経緯
本件判定の趣旨は、「イ号図面並びにその説明書に示す選花機(以下、「イ号装置」という。)は、実用新案登録第2006724号考案(以下、「本件考案」という。)の技術的範囲に属する、との判定を求める。」というものであって、その経緯は、以下のとおりである。
平成13年9月14日 判定請求
平成13年11月12日 答弁書提出
平成14年3月11日 判定弁駁書及び手続補正書提出
平成14年7月17日 第2回答弁書提出
平成14年9月18日 第3回答弁書提出
平成14年10月11日 第4回答弁書提出
平成14年10月28日 判定弁駁書提出
平成15年1月20日 被請求人より上申書提出

2.本件考案
2-1.本件考案の構成
本件考案は、明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲に記載されたとおりの「選花機」であって、その考案を構成要件毎に符号を付して示すと、次のとおりである。(以下、「構成要件A」などという。)
「A.無端回動チエンと、
B.無端回動チエンに回転自在に架設された回転棒と、
C.この回転棒に並設されて、この無端回動チエンにより搬送される花卉 の支持アームと、
D.上記無端回動チエンと平行に配設されて、上記回転棒の一端部から突 出するスライダを摺動案内するガイドレールと、
E.搬送路の側方に配設されて、回転杆の後端部に重錘を装着して成る上 記支持アームの秤量装置とを備えた選花機であって、
F.上記回転杆が、上記ガイドレールの切欠部を補完するようにこのガイ ドレールと平行に配設された先端部と、
G.この先端部からガイドレールの外側へ延出し、かつ支点部に回転自在 に軸支された中央部と、
H.この中央部の後端部から上方に立設された起立部から成り、
I.上記重錘をこの起立部に上方から着脱自在に装着するようにした
ことを特徴とする選花機。」

2-2.本件考案の目的と効果
従来、「リンゴやミカンやジャガイモ等の塊状農産物の選別機における秤量手段は、水平な回転杆の後端部に重錘を螺着し、この重錘を回転杆に沿って移動させることにより、重錘の重量による回転モーメント長を変えて、設定重量を変更するようになっていた。しかしながら、上記従来の秤量手段は、重錘による設定重量を設定或いは変更するのに多大な労力と時間を要する上、設定重量が把握しにくく、かつ正確に秤量しにくい問題があった。したがって本考案は上記従来の農産物の選別機における問題点を鑑み、この問題点の解決を選花機に応用して、重錘による設定重量を簡単に設定若しくは変更できかつその値を把握しやすく、しかも正確に秤量できる選花機を提供することを目的とする」(本件公告公報第1欄下から第4行?第2欄第13行参照)ものである。
そして、本件考案の上記構成により、「様々な重量を有する重錘を自由に組み合わせて起立部6cに装着することにより、重錘による設定重量を簡単に設定若しくは変更でき、しかもその設定重量を把握することができる。またこの場合、支点部21から重錘が装着された力点部までの距離すなわち重錘の重量による回転モーメント長が一定であることから、正確に秤量できる。」(同第6欄第19?26行参照)という効果を有するものである。

3.イ号装置
イ号装置は、平成14年3月11日付け手続補正書により補正されたイ号図面及びその説明書からみて、イ号装置は、次の構成を具備するものと認められる。(以下、「構成a」などという。)
a.無端回動チェン9と、
b.無端回動チエン9に回転自在に架設された回転棒15と、
c.この回転棒15に並設されて、この無端回動チエン9により搬送され る花卉の支持アーム16と、
d.上記無端回動チエン9と平行に配設されて、上記回転棒15の一端部 から突出するスライダ1を摺動案内するガイドレール4と、
e.搬送路の側方に配設されて、回転杆6の後端部に重錘を装着して成る 上記支持アームの秤量装置を備えた選花機であって、
f.上記回転杆6が、上記ガイドレール4の切欠部34を補完するように このガイドレール4と平行に配設された先端部6aと、
g.この先端部6aからガイドレール4の外側へ延出し、かつ支点部21 に回転自在に軸支された中央部6bと、
h.この中央部6bの後端部のねじ部には、ナットaとアングル部材6c 1と平衡錘(重量バランサー)cが装着され、このアングル部材6c1 は、ナットaと平衡錘(重量バランサー)cとにより左右からはさみつ けられて固定されているとともに、その上に直立杆6c2が立設されて おり、
i.この直立杆6c2に重錘7,7’を上方から着脱自在に装着するよう になっている選花機。

4.当審の判断
4-1.構成要件AないしGについて
イ号装置の構成aないしgは、本件考案のAないしGと実質的に相違するところがない。
したがって、イ号装置は、本件考案の構成要件AないしGを充足する。

4-2.構成要件Hについて
(1)イ号装置における「直立杆6c2」は、中央部6bの後端部にナットaと円柱形の平衡錘(重量バランサー)cにより左右からはさみつけられて固定されたアングル部材6c1上に立設されているものであるから、本件考案の「中央部の後端部から上方に立設された起立部」に相当する。
そうすると、イ号装置は、「中央部の後端部から上方に立設された起立部
」を具備するから、本件考案の構成要件Hを充足する。
(2)この点に関し、被請求人は、本件考案の目的からみて、本件考案においては、「モーメント長が一定」であることが、必須の要件であるのに対し、イ号装置の「直立杆6c2」は、平衡錘cに固定されたアングル部材6c1上に立設されているために、「平衡錘c」の回転杆上での位置の変化に伴いその位置、すなわち回転モーメント長も変化するものである点で異なっている旨主張している。
しかしながら、本件考案の構成要件は、前述のとおり、本件の実用新案登録請求の範囲に記載されたとおりのものであり、「モーメント長が一定」であることが本件考案の必須の要件であるとすることはできないから、該主張は採用できない。

4-3.構成要件Iについて
(1)イ号装置における「重錘7、7’」は、回転杆6の後端部に装着されている重錘であって、前記「直立杆6c2」の上方から着脱自在に装着するようになっている。
そして、該「重錘7、7’」は、甲第1、2号証の「重量調整は分銅を乗せ換えるだけで誰にでも簡単に変えられます」という記載から明らかなように、最終需要者である農家が選花作業の際に工場で設定された基準重量を調整するために用いられる重錘であって、本件考案と同様に、「様々な重量を有する重錘を自由に組み合わせて起立部6cに装着することにより、重錘による設定重量を簡単に設定若しくは変更できる。」という効果を奏しているものと認められる。
そうすると、イ号装置における「重錘7、7’」は、本件考案の回転杆の後端部に装着された重錘に相当するものであるから、イ号装置は、本件考案の構成要件Iを充足する。
(2)この点に関し、被請求人は、イ号装置における基本重量の設定は、「平衡錘(重量バランサー)c」によるものであって、「重錘7,7’」による重量調整は予備的に準備された任意的作業であって、重量設定ではない旨主張している。
しかしながら、本件明細書に「設定重量を簡単に設定若しくは変更でき」と明記されていることからも明らかなように、本件考案においては、重錘の着脱が、等級別の重量の設定ばかりでなく変更に使用される場合を含むものであるから、該主張は採用できない。

4-4.イ号装置の平衡錘(重量バランサー)cについて
(1)イ号装置は、上記「重錘7、7’」の他に、平衡錘(重量バランサー)cを有しているので、以下、該平衡錘(重量バランサー)cについて検討する。
甲第1,2号証及び両当事者の主張によれば、前述のとおり上記「重錘7、7’」は、最終需要者である農家が選花作業の際に工場で設定された基準重量を調整するために用いられる重錘であるのに対し、イ号装置における「平衡錘(重量バランサー)c」は、選花機を工場から出荷する前に、選花機メーカーがその位置及び重量を調整して、等級別に基準重量を設定するために用いる重錘であると認められる。
しかしながら、イ号装置は、「平衡錘(重量バランサー)c」という付加的な構成を備えることにより、上記のような出荷時の重量調整が可能となるものであるとしても、前述のとおり、需用者による重量調整は、該「平衡錘(重量バランサー)c」の位置を変更しないままで、「重錘7,7´」を乗せ換えるだけで行われるのであるから、「平衡錘(重量バランサー)c」という付加的な構成有することによって、イ号装置が有している、本件考案と同じ「重錘による設定重量を簡単に設定若しくは変更でき、しかもその設定重量を把握することができる。」という作用・効果が損なわれるものではない。
したがって、イ号装置が「平衡錘(重量バランサー)c」という付加的な構成を備えることは、前項4-1.ないし4-3.において述べた上記充足性の判断を左右するものではない。
(2)この点について、被請求人は、本件考案の目的からみて、本件考案においては、「モーメント長が一定」及び「設定重量が起立部に装着された重錘のみによって決定される」ということが、必須の要件であるから、モーメント長が一定でなく、平衡錘cによって重量の設定が行われるイ号装置は、本件考案の技術的範囲に属しない旨主張している。
しかしながら、前述のとおり、本件考案の構成要件は、本件の実用新案登録請求の範囲に記載されたとおりのものであって、「モーメント長が一定」であること、及び「設定重量が起立部に装着された重錘のみによって決定される」ことを必須の要件とするものではないので、該主張は採用できない。

5.むすび
以上のとおり、イ号装置は、本件考案の構成要件AないしIのすべてを充足するから、本件考案の技術的範囲に属する。
よって、結論のとおり判定する。
別掲 イ号図面

【図2】

説明書
1.物品の名称
選花機

2.図面の簡単な説明
図1は、選花機の部分斜視図
図2は、選花機の部分断面図

3.構造および作用の説明
イ号装置は、
A.無端回動チェン9と、
B.無端回動チェン9に回転自在に架設された回転棒15と、
C.この回転棒15に並設されて、この無端回動チェン9により搬送され る花卉の支持アーム16と、
D.上記無端回動チェン9と平行に配設されて、上記回転榛15の一端部 から突出するスライダ1を摺動案内するガイドレール4と、
E.搬送路の側方に配設されて、回転杵6の後端部に重錘7を装着して成 る上記支持アーム16の秤量装置35とを備えた選花機であって、
F.上記回転杵6が、上記ガイドレール4の切欠部34を補完するように このガイドレール4と平行に配設された先端部6aと、
G.この先端部6aからガイドレール4の外側へ延出し、かつ支点部21 に回転自在に軸支された中央部6bと.
H.この中央部6bの後端部から上方に立設された起立部6cから成り、
I.上記重錘7をこの起立部6cに上方から着脱自在に装着するようにし たことを特徴とする選花機、
なる構成を有している。その動作は次のとおりである。
支持アーム16に1本づつ載せられた花卉32は、無端回動チェン9によって搬送される。そしてスライダ1がガイドレール4上を摺動し、回転杵6の先端部6aに移乗すると、その状態で秤量装置85により秤量される。そして秤量結果により、支持アーム16側の重量モーメントが重錘7による設定重量のモーメントよりも大きいと、支持アーム16は回転棒15を回転中心として下方へ回転し、花卉32は落下選別される。また選別される花卉32の品種や大きさが変更される場合には、重錘7を起立部6cから取りはずし、その花井32の重量にあった新たな重錘を起立部6cに装着するなどして設定重量を調整する。
判定日 2003-02-10 
出願番号 実願昭61-112498 
審決分類 U 1 2・ 2- YA (G01G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 片寄 武彦  
特許庁審判長 江藤 保子
特許庁審判官 高橋 泰史
三輪 学
登録日 1994-02-24 
登録番号 実用新案登録第2006724号(U2006724) 
考案の名称 選花機  
代理人 田中 香樹  
代理人 平木 道人  
代理人 高松 利行  
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