ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する E03B |
---|---|
管理番号 | 1078059 |
審判番号 | 訂正2003-39019 |
総通号数 | 43 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2003-07-25 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2003-02-04 |
確定日 | 2003-04-21 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 実用新案登録第2517498号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 実用新案登録第2517498号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.経緯 本件実用新案登録第2517498号に係る出願は、平成2年11月1日に出願(実願平2-114927号)され、平成8年8月20日に設定登録され、平成15年2月4日付けで訂正審判の請求がなされた。 2.訂正の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判請求の趣旨は、実用新案登録第2517498号の明細書を審判請求書に添付した明細書のとおり訂正することを求めるものであり、訂正の内容は、明細書の実用新案登録請求の範囲の誤記の訂正を目的として、次のとおりである。 (訂正の内容) 実用新案登録請求の範囲の請求項2の 「請求項1記載の不凍給水栓において、前記流入口と、外套管取付口と、排水口とは、前記シリンダ部に、前記シリンダ部の下端部、上端部、中間部において連通するように構成され、前記迂回路は、前記シリンダ部の前記下端部と前記中間部との間の位置で前記迂回路に運通している、不凍給水栓。」 を、 「請求項1記載の不凍給水栓において、前記流入口と、外套管取付口と、排水口とは、前記シリンダ部に、前記シリンダ部の下端部、上端部、中間部において連通するように構成され、前記迂回路は、前記シリンダ部の前記下端部と前記中間部との間の位置で前記シリンダ部に運通している、不凍給水栓。」 と訂正する。 3.当審の判断 (1)上記訂正の内容は実用新案登録請求の範囲の請求項1を引用した請求項2を訂正するものであって、請求項1には次のように記載されている。 「【請求項1】流入口と、外套管取付口と、排水口とを備えた本体と、上部に流出口を備え、前記本体の外套管取付口に取り付けられて、前記流入口から前記本体内を通って前記流出口に至る流出流路を形成する外套管と、前記本体内部に前記外套管と同心に形成されたシリンダ部と、前記外套管の上部から前記外套管を通って前記シリンダに上下動可能に挿入されたスピンドルとを備え、前記流入口と外套管取付口と排水口とは、前記シリンダ部内部の少なくとも一部を介して互いに連通するようになっており、前記スピンドルを移動させることにより、前記流入口と外套管取付口と排水口との間の連通を切替えて、通水状態と止水、排水状態とを切替えるように構成するとともに、前記シリンダ部から分岐して該シリンダ部の少なくとも一部を迂回して前記外套管取付口へ通じる迂回路を設け、通水時に前記流出流路が、前記流入口、前記シリンダ部、前記迂回路、前記外套管取付口及び前記外套管により構成されるようになっている、不凍給水栓。」 (2)請求項2は上記請求項1を限定するものであって、請求項1において「迂回路」は、「前記シリンダ部から分岐して該シリンダ部の少なくとも一部を迂回して前記外套管取付口へ通じる迂回路を設け、」と記載され、不凍給水栓には、シリンダ部から分岐して、該シリンダ部の少なくとも一部を迂回して外套管取付口へ通じる迂回路が設けられていることが記載されている。すなわち、迂回路は一端においてシリンダ部に連通し、他端において外套管取付口に連通するものであることが記載されている。 そして、請求項2の後段において「前記迂回路は、前記シリンダ部の前記下端部と前記中間部との間の位置で前記迂回路に連通している」と記載されており、これは文意不明である。 (3)一方、実用新案登録公報によれば、明細書の考案の詳細な説明及び図面において、「迂回路」について次のように記載されている。 (ア)課題を解決するための手段において、「・・そして、シリンダ部から分岐して該シリンダ部を迂回し、通水時には流入口と流出口とを連通させる迂回路を設ける。」(公報3欄38行?40行) (イ)第1図ないし第3図に図示された第1の実施例では、「シリンダ部30から分岐して外套管取付口29に連通するバイパス流路が設けられている。」(同4欄26行?28行)と記載されており、このバイパス流路47は実用新案登録請求の範囲にいう「迂回路」を意味し、流入口22がシリンダ部30の下端部(第3の摺接部43)に、排水口23がシリンダ部30の中間部に形成された拡大径部44に連らなり、外套管取付口29がシリンダ部30の上端部(第1摺接部41)に連らなっている。そして、バイパス流路47(迂回路)が、シリンダ部30の下端部(第3の摺接部43)と、中間部にある拡大径部44との間の位置に形成されたもう一つの拡大径部45において、シリンダ部30から分岐しており、バイパス流路47はシリンダ部30を迂回して、その他端部は外套管取付口29に連らなり、通水時には流入口と流出口とを連通させることが記載されている。 また、第4図に図示された第2の実施例においても、排水口23’がシリンダ部30’の下端部(第3の摺接部43’)に、流入口22’がシリンダ部30’の中間部に形成された拡大径部44’に、外套管取付口(符合無し)がシリンダ部30’の上端部(第1摺接部41’)にそれぞれ連らなっている。そして、バイパス流路(迂回路)47’の一端が、シリンダ部30’の中間部と下端部との間に位置する拡大径部45’においてシリンダ部30’に連らなり、通水時には流入口と流出口とを連通させることが記載されている。 このように、明細書の考案の詳細な説明及び図面には、バイパス流路(迂回路)はシリンダ部の下端部と中間部との間の位置から迂回して、その他端が外套管取付口に連らなり、通水時には流入口と流出口とを連通させることが記載されている。 (4)そうすると、訂正前の請求項2の記載の「前記迂回路は、前記シリンダ部の前記下端部と前記中間部との間の位置で前記迂回路に連通している」は文意不明であり、正しくは、考案の詳細の説明の記載及び図面全体から訂正後の請求項2に記載されたように、「前記迂回路は、前記シリンダ部の前記下端部と前記中間部との間の位置で前記シリンダ部に連通している」を意味するものであって、訂正前の請求項2の「前記迂回路は、前記シリンダ部の前記下端部と前記中間部との間の位置で前記迂回路に連通している」は、「前記迂回路は、前記シリンダ部の前記下端部と前記中間部との間の位置で前記シリンダ部に連通している」の誤記であると認められる。 (5)よって、上記訂正は、実用新案法第39条第1項ただし書き第2号に規定された誤記の訂正を目的とするものと認められる。 また、上記訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内であって、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 4.まとめ 以上のように、本件訂正審判の請求は、実用新案法第39条第1項ただし書き、及び同条第2項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 不凍給水栓 (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 流入口と、外套管取付口と、排水口とを備えた本体と、上部に流出口を備え、前記本体の外套管取付口に取り付けられて、前記流入口から前記本体内を通って前記流出口に至る流出流路を形成する外套管と、前記本体内部に前記外套管と同心に形成されたシリンダ部と、前記外套管の上部から前記外套管を通って前記シリンダに上下動可能に挿入されたスピンドルとを備え、前記流入口と外套管取付口と排水口とは、前記シリンダ部内部の少なくとも一部を介して互いに連通するようになっており、前記スピンドルを移動させることにより、前記流入口と外套管取付口と排水口との間の連通を切替えて、通水状態と止水、排水状態とを切替えるように構成するとともに、前記シリンダ部から分岐して該シリンダ部の少なくとも一部を迂回して前記外套管取付口へ通じる迂回路を設け、通水時に前記流出流路が、前記流入口、前記シリンダ部、前記迂回路、前記外套管取付口及び前記外套管により構成されるようになっている、不凍給水栓。 【請求項2】 請求項1記載の不凍給水栓において、前記流入口と、外套管取付口と、排水口とは、前記シリンダ部に、前記シリンダ部の下端部、上端部、中間部において連通するように構成され、前記迂回路は、前記シリンダ部の前記下端部と前記中間部との間の位置で前記シリンダ部に連通している、不凍給水栓。 【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は不凍給水栓に関し、さらに詳細に言えば、不凍栓内部を通水路として地上に立ち上げ、給水、水抜きを行う不凍給水栓に関する。 従来の技術及び考案が解決しようとする課題 この種の不凍給水栓の一例として、例えば第6図に示すものがある。この給水栓1は、図示の状態ではスピンドル2の下部に取り付けられた平パッキン3が排水口4に通じる弁座5に着座して本体6内部との連通を遮断し、他の平パッキン7が本体6に設けられた流入口8へ通じる弁座9から離座して、流入口8から本体6内部、及び外套管11内部を通り外套管の上部に設けられた流出口(図示せず)に通じる流路12を開き、通水状態としている。スピンドル2を下げて平パッキン3を弁座5から離座させ、平パッキン7を弁座9に着座させると、流路12は閉じられて止水され、同時に排水口4に設けられた逆止ボール13を押し上げて外套管11あるいは本体6内の水が排水される。しかしこのタイプのものでは、平パッキンは封止を確実に行うために封止時に部分的に過度に圧縮され、従って平パッキンの耐久性に問題がある。また構造的にもかなり複雑なものとなる。 他の従来例として、実公昭49-678号に記載のものがあるが、その不凍給水栓では外套管内に挿通されたピストン内部に流入口から流出口に通じる流路の一部が形成されている。そのため流路面積が狭く損失水頭が非常に大きくなり、水圧の低いところでは十分な給水が行えない。 課題を解決するための手段 本考案は上記課題を解決すべくなされたものであり、耐久性に優れ、十分広い流路面積を備えた不凍給水栓を提供することを目的とする。 上記目的を達成すべく、本発明に係る不凍給水栓は、流入口と排水口とを備えた本体に、流出口を備えた外套管を接続して内部に流路を形成すると共に、外套管の上部から外套管および本体内へとスピンドルを挿通し、該スピンドルを操作して通水状態及び止水、排水状態の切り替えを行う不凍給水栓において、本体内に流入口と排水口とが連通するシリンダ部を形成し、該シリンダ部にスピンドルの下部が摺動自在に挿入される。そのスピンドルの下部にはシール部材が装着され、スピンドルが操作されることにより流入口と排水口のシリンダ内との連通が開閉される。そしてシリンダ部から分岐して該シリンダ部を迂回し、通水時に流入口と流出口とを連通させる迂回流路を設ける。 実施例 以下、図面に基づき本考案の実施例を説明する。 第1図は本考案の第1実施例に係る不凍給水栓20の縦断面図であり、通水状態を示している。 21は不凍給水栓20の本体であり、その下部に水道配管の上流側に接続される流入口22と、流入口22の上方で側方に向かって排水口23が形成されている。この排水口23は水道の不使用時に下流側の水を抜いて凍結を防止するものであり、逆止弁装置24が取り付けられている。この排水口23の機能あるいは逆止弁装置24等については周知であるのでこれ以上の説明は省略する。 本体21の上部開口部即ち外套管取付口29には中空の外套管25が取り付けられている。外套管25の上端には側方に開く流出口27を備えたチーズ26が取り付けられている。28はチーズ26の上部に取り付けられたボンネットである。 30は本体21内に形成されたシリンダ部であり、外套管25と同心となるように形成されている。そしてこのシリンダ部内部に流入口22と排水口23とが図示のごとく連通している。 31はその軸部がボンネット28内へ挿通されたハンドルであり、その下端にナット32を用いてロッド33が取り付けられ、外套管25内を下方へと伸びている。そしてロッド33の下端にさらにスピンドル34がピン35を用いて取り付けられている。スピンドル34はシリンダ部30内へ挿通されている。ハンドル31の軸部はボンネット28と螺合しており、従ってハンドル31を回転させることによりスピンドル34はシリンダ部30内を上下動する。 第2図は第1図の状態における本体21とスピンドル34のみを示した断面図である。 本体21のシリンダ部30には上から順に第1、第2、第3の摺接部41、42、43が設けられ、第1の摺接部41と第2の摺接部42との間、及び第2の摺接部42と第3の摺接部43との間にはそれぞれ拡大径部44と45が形成されている。そして流入口22は第3の摺接部43の下端に連通し、排水口23は拡大径部44に連通している。また、このシリンダ部30から分岐して外套管取付口29に連通するバイパス流路が設けられている。具体的には、シリンダ部30の拡大径部45の側壁に開口46が形成され、シリンダ部30を迂回してシリンダ部30の内部を外套管25の内部、従って流出口27へ連通させるバイパス流路47が本体21内に形成されている。 スピンドル34の外周上には第1、第2、第3の摺接部41、42、43にそれぞれ対応して第1、第2、第3のシール部材としてのOリング48、49、50が取り付けられ、通水状態においては第2図に示すように第1、第2のOリング48、49がそれぞれ第1、第2の摺接部41、42に当接して排水口23を封止し、第3のOリング50は第3の摺接部43から上方に外れていて、流入口22を開いている。従って、水は流入口22からバイパス流路47を通って流出口27へと流れる。 第1図あるいは第2図の通水状態から止水、水抜き状態とするには、ハンドル31を回転させてスピンドル34を下降させ、第3図に示す状態とする。この状態では第1、第2のOリング48、49がそれぞれ第1、第2の摺接部41、42から外れ、拡大径部44、45に位置し、第3のOリング50が第3の摺接部43に当接している。従って流入口22は閉じられ、一方排水口23は開かれ、拡大径部44、シリンダ部30の内部を介して外套管25内部に通じ、従って下流側の水は排水口23から排水される。 第4図は本考案の第2実施例の部分縦断面図である。第1実施例の部材に対応する部材には同じ番号に’を付して示してある。図示の状態は通水状態を示している。 本実施例においては排水口23’が本体21’の下部に形成され、第3の摺接部43’の下端部に連通するようになっており、流入口22’は排水口23’より上の位置で側方に開いて第1と第2の摺接部41’、42’の間の拡大径部44’に連通して設けられている。51は本体21’の下端部を閉じるキャップである。 図示の通水状態においては、第1と第3のOリング48’と50’が第1と第3の摺接部41’と43’とにそれぞれ当接し、第2のOリング49’は第2の摺接部42’から上方に外れ、拡大径部44’に位置している。従って流入口22’は拡大径部44’,シリンダ部30’の内部、バイパス流路47’を介して外套管25’内へと連通している。 スピンドル34’が下方に下げられると、第2のOリング49’が第2の摺接部42’に当接し、第3のOリング50’が第3の摺接部43’から下方に外れる。第1のOリング48’は下方に移動するが第1の摺接部41’に当接したままである。従って流入口22’は閉じられ、下流側の水は排水口23’から排水される。 第5図は本考案の第3実施例を示し、その不凍給水栓20”は通水状態にある。第1実施例の部材に対応する部材には同じ数字に”を付して示している。 本実施例においては排水口23”が本体21”に第1の摺接部41”と第2の摺接部42”との間の拡大径部44”に連通して形成され、流入口22”はその下方で第2と第3の摺接部42”、43”の間の拡大径部45”に連通して設けられている。本体21”の下端部は閉じている。 図示の通水状態においては、第1と第2のOリング48”と49”が第1と第2の摺接部41”と42”とにそれぞれ当接し、第3のOリング50”は第3の摺接部43”から上方に外れ、拡大径部45”に位置している。従って流入口22”は拡大径部45”,シリンダ部30”の内部、バイパス流路47”を介して外套管25”内へと連通している。 この場合、バイパス通路47”は、シリンダ部30”の途中ではなく、その端部の開口46”に連通しているが、本明細書では、「シリンダ部から分岐している」と言う概念にこのような場合も含めている。 スピンドル34”が下方に下げられると、第1のOリング48”が第1の摺接部41”から外れて拡大径部44”に位置し、第3のOリング50”が第3の摺接部43”に当接する。第2のOリング49”は下方に移動するが第2の摺接部42”に当接したままである。従って流入口22”は閉じられ、下流側の水は排水口23”から排水される。 考案の効果 以上の説明から明らかな通り、本考案にかかる不凍給水栓においては、本体内に通水時における水の流路となるバイパス流路を形成したので十分な流路面積を確保することが出来、水頭損失が少なく、水圧が低い地域等においても支障無く使用できる。またシール部材はスピンドル下部の外周に取り付け、シリンダ部に摺接させるようにしたので、封止時に過度に圧縮する必要は無く、十分な耐久性を確保することができる。 【図面の簡単な説明】 図1は本考案の第1実施例の縦断面図であり通水状態を示し、第2図はその部分拡大図、第3図は止水、水抜き状態の部分拡大図、第4図、第5図はそれぞれ第2、第3実施例の縦断面図で、通水状態を示している。第6図は一従来例を示す部分断面図である。 21:本体、22:流入口、23:排出口、25:外套管、27:流出口、30:シリンダ部、34:スピンドル、41:第1の摺接部、42:第2の摺接部、43:第3の摺接部、47:バイパス流路、48:第1のOリング、49:第2のOリング、50:第3のOリング |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2003-04-09 |
出願番号 | 実願平2-114927 |
審決分類 |
U
1
41・
852-
Y
(E03B)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 浅香 理 |
特許庁審判長 |
田中 弘満 |
特許庁審判官 |
長島 和子 藤原 伸二 |
登録日 | 1996-08-20 |
登録番号 | 実用新案登録第2517498号(U2517498) |
考案の名称 | 不凍給水栓 |
代理人 | 醍醐 邦弘 |
代理人 | 醍醐 邦弘 |
代理人 | 清水 徹男 |
代理人 | 清水 徹男 |