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審決分類 |
審判 訂正 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) 訂正する E04D |
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管理番号 | 1099777 |
審判番号 | 訂正2004-39032 |
総通号数 | 56 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2004-08-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2004-02-13 |
確定日 | 2004-06-04 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 実用新案登録第2555618号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 実用新案登録第2555618号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.請求の要旨 本件審判の請求の要旨は、実用新案登録第2555618号(平成4年2月12日出願、平成9年8月8日設定登録)の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものである。 その訂正内容は、次のとおりである。 [訂正事項A] 実用新案登録請求の範囲の請求項1を「建物の屋上等の施工面に固設した窓枠に該窓枠の開口を閉塞するガラス板を支持した構造、または、建物の屋上等の施工面に固設した窓枠の開口を開閉する障子に該障子の開口を閉塞するガラス板を支持した構造をなす天窓において、前記窓枠、または、前記窓枠と前記障子を、屋内側に面するステンレス鋼製の内周構成部材と屋外側に面するアルミニウム合金製の外周構成部材とからなる二重構造とし、前記内周構成部材と前記外周構成部材とからなる二重構造体がステンレス鋼製のブラケットによって、建物に固定されていることを特徴とする天窓。」と訂正する。 [訂正事項B] 明細書の段落【0004】を「【課題を解決するための手段】本考案は、上記課題を解決するための手段として、の課題を解決するため、窓枠、または、窓枠と障子を、屋内側に面するステンレス鋼製の内周構成部材と屋外側に面するアルミニウム合金製の外周構成部材とからなる二重構造とし、前記内周構成部材と前記外周構成部材とからなる二重構造体がステンレス鋼製のブラケットによって、建物に固定される構成とした。」と訂正する。 2.当審の判断 そこで、上記各訂正事項について検討する。 (1)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正事項Aは、訂正前の実用新案登録請求の範囲の請求項1の「建物の屋上等の施工面に固設した窓枠」における「建物」に対する「窓枠」の固設構成について、訂正前の明細書の段落【0006】の「窓枠2には、枠内周構成体3の樋部4にステンレス鋼製のリベツト8により固定されるとともに枠外周構成体5の水切り傾斜部6に嵌合されたステンレス鋼製の固定用ブラケツト9が取り付けられており、この固定用ブラケツト9を窓孔1の周縁部に設けた差筋10に溶接して結合することにより窓枠2が建物に固定されている。」の記載及び図1,2に記載の実施例に合わせて技術的に限定したものであり、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、上記訂正事項Bは、上記訂正事項Aによる実用新案登録請求の範囲の減縮に伴って、考案の詳細な説明の記載を訂正するものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。 さらに、各訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、実質上、実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)独立実用新案登録要件 訂正後の請求項1に係る考案が、実用新案登録出願の際、独立して実用新案登録を受けることができないとする理由を発見できない。 3.むすび 以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第4条第2項の規定により読み替えて適用される当該法律第26号による改正前の実用新案法第39条第1項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第3項ないし第5項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【考案の名称】 天窓 (57)【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】建物の屋上等の施工面に固設した窓枠に該窓枠の開口を閉塞するガラス板を支持した構造、または、建物の屋上等の施工面に固設した窓枠の開口を開閉する障子に該障子の開口を閉塞するガラス板を支持した構造をなす天窓において、前記窓枠、または、前記窓枠と前記障子を、屋内側に面するステンレス鋼製の内周構成部材と屋外側に面するアルミニウム合金製の外周構成部材とからなる二重構造とし、前記内周構成部材と前記外周構成部材とからなる二重構造体がステンレス鋼製のブラケットによって、建物に固定されていることを特徴とする天窓。 【考案の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、建物の屋上等の施工面に固設した窓枠にその窓枠の開口を閉塞するガラス板を支持した構造、または、建物の屋上等の施工面に固設した窓枠の開口を開閉する障子にその障子の開口を閉塞するガラス板を支持した構造をなす天窓であって、火災発生時にガラス板を支持する窓枠や障子が熱のために変形することによってガラス板が屋内に落下するのを防止するようにした天窓に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、建物の屋上等の施工面に固設した窓枠にその窓枠の開口を閉塞するガラス板を支持した構造をなす天窓、または、建物の屋上等の施工面に固設した窓枠の開口を開閉する障子にその障子の開口を閉塞するガラス板を支持した構造をなす天窓では、窓枠や障子がアルミニウム合金製の押出し型材によって形成されており、窓枠や障子の屋内側に臨む内周面にはアルミニウム合金が露出する状態となっていた。 【0003】 【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、アルミニウム合金は比較的熱に弱いため、従来の天窓では、火災発生時に窓枠や障子の内周面が屋内で立ちのぼる炎に曝された場合に、窓枠や障子が早期のうちに炎の熱によって変形を生じ、ガラス板が割れて屋内に落下するという危険があった。 【0004】 【課題を解決するための手段】 本考案は、上記課題を解決するための手段として、の課題を解決するため、窓枠、または、窓枠と障子を、屋内側に面するステンレス鋼製の内周構成部材と屋外側に面するアルミニウム合金製の外周構成部材とからなる二重構造とし、前記内周構成部材と前記外周構成部材とからなる二重構造体がステンレス鋼製のブラケットによって、建物に固定される構成とした。 【0005】 【考案の作用及び効果】 火災の発生により屋内に炎が立ちのぼると、窓枠や障子はその内周構成部材が炎に曝されるが、この内周構成部材はアルミニウム合金よりも耐熱性に優れているステンレス鋼でできている。したがって、窓枠や障子の炎に曝される内周部がアルミニウム合金製であった従来の天窓と比較すると、炎の熱による窓枠や障子の変形が生じ難く、窓枠や障子の熱変形によるガラス板の屋内への落下が早期に来すのを回避することができる効果がある。 【0006】 【実施例】 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて説明する。建物の屋上面に設けた窓孔1には、方形をなす窓枠2が固設されている。この窓枠2は、ステンレス鋼製であって下端縁内側に樋部4が形成された枠内周構成体(本考案の構成要素である内周構成部材に相当する)3と、アルマイト処理済みのアルミニウム合金製であって下端縁に外側へ突出する水切り傾斜部6が形成された枠外周構成体(本考案の構成要素である外周構成部材に相当する)5と、両枠構成体3、5の間に挟まれた断熱材7とからなる。窓枠2には、枠内周構成体3の樋部4にステンレス鋼製のリベット8により固定されるとともに枠外周構成体5の水切り傾斜部6に嵌合されたステンレス鋼製の固定用ブラケット9が取り付けられており、この固定用ブラケット9を窓孔1の周縁部に設けた差筋10に溶接して結合することにより窓枠2が建物に固定されている。 【0007】 窓枠2には、その開口12を開閉するための障子15が、ステンレス鋼製の図示しない開閉駆動部材に支持された状態で装着されている。この障子15の框は、ステンレス鋼製の框内周構成体(本考案の構成要素である内周構成部材に相当する)17と、アルマイト処理済みのアルミニウム合金製であって下端縁に庇部19が形成された框外周構成体(本考案の構成要素である外周構成部材に相当する)18と、両框構成体17、18の間に挟まれた断熱材20とからなる。 【0008】 障子15の框には、框内周構成体17の上端部にステンレス鋼製のボルト21で固定されて框権外周構成体18の上端を覆うようにして外周側へ突出するステンレス鋼製のガラス受けブラケット22が取り付けられている。また、障子15の框の開口部23内においては、平面形状が十字形をなして開口23を4つに区画するステンレス鋼製のガラス受け枠24が、その端部をステンレス鋼製のブラケット25とステンレス鋼製のボルト26とを用いて框内周構成体17に固定することにより設けられている。 【0009】 ガラス受け枠24により区画された4つの開口23aには、夫々、ガラス板28が、そのパッキン29の嵌着された周縁部を前記ガラス受けブラケット22とステンレス鋼製の平板状をなすガラス押えブラケット30との間、及び、前記ガラス受け枠24とステンレス鋼製のL字形をなすガラス押えブラケット31との間で挟み付けることによって固着されている。 【0010】 さらに、障子15には、その上方を覆うアクリルドーム35が、その周縁部をスペーサ36を介して上記ガラス押えブラケット30に載置してステンレス鋼製のボルト37で結合することにより固設されている。 【0011】 本実施例の天窓は、上述のように、窓枠2の屋内側に臨む面がすべてステンレス鋼製の部材によって構成されているとともに、障子15の屋内側に臨む面及びガラス板28を支持する部分がすべてステンレス鋼製の部材によって構成されている。 【0012】 このため、火災が発生した場合に、屋内に立ちのぼった炎に曝されるのは上記ステンレス鋼製の部分であって、屋外側のアルミニウム合金製の部分が炎に曝されることはない。ステンレス鋼はアルミニウム合金よりも耐熱性に優れるため、窓枠と障子がアルミニウム合金だけでできていた従来の天窓と比較すると、窓枠2と障子15の熱による変形が生じ難く、窓枠2と障子15の熱変形によってガラス板28が屋内に落下するという危険な事態は火災発生後長時間にわたって回避される。 【0013】 本実施例においては、障子15の開口23を4つに仕切って夫々にガラス板28を固着する構造としたから、寸法の大きい1枚のガラス板を障子に固着した構造とした場合に比べて、ガラス板が割れ難くなっている。 【0014】 本実施例においては、窓枠2の開口12を開閉する障子15を設けた開閉式の天窓に適用した場合について説明したが、本考案は、障子を設けずに窓枠にガラス板を支持した嵌め殺し式の天窓にも適用することができるものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】断面図である。 【図2】窓枠と障子の部分拡大断面図である。 【図3】障子のガラス板を支持する部分の断面図である。 【図4】アクリルドームを除去した状態の障子の斜視図である。 【符号の説明】 2:窓枠 3:枠内周構成体(内周構成部材) 5:枠外周構成体(外周構成部材) 12:(窓枠の)開口 15:障子 17:框内周構成体(内周構成部材) 18:框外周構成体(外周構成部材) 23:(障子の)開口 28:ガラス板 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2004-05-25 |
出願番号 | 実願平4-13939 |
審決分類 |
U
1
41・
832-
Y
(E04D)
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最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
伊波 猛 |
特許庁審判官 |
田中 弘満 木原 裕 |
登録日 | 1997-08-08 |
登録番号 | 実用新案登録第2555618号(U2555618) |
考案の名称 | 天窓 |
代理人 | 生田 哲郎 |
代理人 | 生田 哲郎 |
代理人 | 高橋 淳 |
代理人 | 松本 雅利 |
代理人 | 高橋 淳 |
代理人 | 松本 雅利 |