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審決分類 審判 判定 同一 属する(申立て成立) B43L
管理番号 1139404
判定請求番号 判定2006-60010  
総通号数 80 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案判定公報 
発行日 2006-08-25 
種別 判定 
判定請求日 2006-03-01 
確定日 2006-06-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第2593016号の判定請求事件について、次のとおり判定する。   
結論 イ号写真に示す「ホワイトボード用ラーフル」は、登録第2593016号実用新案の技術的範囲に属する。
理由 1.請求の趣旨及び手続きの経緯
本件判定の請求の趣旨は、イ号写真に示す「ホワイトボード用ラーフル」(以下、「イ号物件」という。)が、登録第2593016号実用新案の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に係る考案の技術的範囲に属する、との判定を求めるものである。
これに対し、平成18年3月24日付けで被請求人に請求書副本を送達するとともに、期間を指定して答弁書を提出する機会を与えたが、被請求人からは何らの応答もなかった。
その後、当審では請求人にイ号写真に示す「ホワイトボード用ラーフル」について現物の提出を、また判定請求書中で請求人が事情として説明する判定請求に至る説明用資料を求めた。
なお、請求人から提出された「ホワイトボード用ラーフル」と判定請求に至る説明用資料については被請求人に送付された。

2.本件登録実用新案
本件登録第2593016号実用新案は、その明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものであって、これを分説すると、次のとおりである。
「請求項1
A 握持部と、該握持部に設けられたイレイザーとからなるボードイレイザーにおいて、
B 前記握持部に、当該握持部を磁着する磁石を設けるとともに、前記イレイザーが抜き差し自在に装着される嵌入口を設ける一方、
C 前記握持部に、収容物を収容する収容部を開口し、該収容部への収容物の出し入れ方向が、前記嵌入口への前記イレイザーの抜き差し方向に対して交差するように、前記収容部と前記嵌入口との開口方向を設定した
D ことを特徴とするボードイレイザー。
請求項2
E 前記イレイザーを直方体形状に形成し、該イレイザーの周面に複数の払拭面を形成したことを特徴とする請求項1記載のボードイレイザー。」

3.イ号物件
本件判定請求書には、イ号写真について以下の説明が記載されている。
「写真1?5はイ号物件の正面、背面、平面、右側面、左側面をそれぞれ撮影したものであり、写真6はボードイレイザー1とイレイザー4との分解状態を撮影したもの、写真7はボードイレイザー1の収容部5にマーカーペンを収納した状態を撮影したものである。そして、写真8はボードイレイザー1のパッケージを撮影したものである。
また、写真9、10は、イレイザー4の正面、平面をそれぞれ撮影したものであり、写真11は、イレイザー4をボードイレイザー1の握持部2に設けられた嵌入ロ7に装着した状態を撮影したものである。
イ号物件は、写真6に示されるようにボードイレイザー1とイレイザー4とが装着自在に構成されており、握持部2からイレイザー4を取り外すことにより、イレイザー4のみの洗浄が可能になり、汚損発生時における洗浄作業が容易となります。また、使用時には、写真9、10に示されるように、イレイザー4の周面に設けられた複数の払拭面を使用します。
なお、写真2に示されるように、握持部2の背面に磁石3が設けられていますので、該ボードイレイザー1をホワイトボードに磁着して固定することができます。
また、写真6?写真7に示されるように、従来、ホワイトボード周りに放置されるままであったホワイトボード使用に伴うマーカーペンを収容部5に収容して、ホワイトボード周りを整理できる。また、ホワイトボードに固定し、握持部2に設けられた嵌入口7からイレイザー4を取り外すだけでイレイザー4のみを単独で使用することもできます。
更に、複数の払拭面をイレイザー4に形成していることにより、汚損が生じた時には、イレイザー4の面を取り換えるだけで常に新しい面を使って払拭ができます。
該イレイザー4が抜き差し自在に装着される嵌入口7は、その開口方向が収容部5の開口方向に対して交差するように設定されており、収容物が落ちないように前記収容部5の開口方向を上方へ向けて固定した際に、前記嵌入口7は下方へ向けて開口することがありません。そのため、嵌入口7は抜き差し自在に装着された前記イレイザー4の自重による不用意な離脱が防止されます。」(第2頁第27行?第3頁第20行)
写真8に示す「ホワイトボード用ラーフル R98S」及び「株式会社馬印」という記載があるパッケージがイ号物件のパッケージであると写真のみでは直ちに断定できないが、請求人から提出された「ホワイトボード用ラーフル」の現物から、ボードイレイザーの収容部にマーカーペン(黒・赤)を挿入した状態で、該ボードイレイザーが前記パッケージに納められていることが当審で確認された。
以上からイ号物件の構成を本件登録実用新案の分説と対応するよう分説すると、次のとおりのものと認められる。

a 握持部2と、該握持部2に設けられたイレイザー4とからなるボードイレイザー1が構成されている
b 握持部2に、当該握持部2を磁着する磁石3が設けられているとともに、握持部2にイレイザー4が抜き差し自在に装着される嵌入口7が設けられている
c 握持部2に、収容物を収容する収容部5を開口し、該収容部5への収容物の出し入れ方向が、前記嵌入口7への前記イレイザー4の抜き差し方向に対して交差するように前記収容部5と前記嵌入口7との開口方向を設定してある
d ボードイレイザー1
e 前記イレイザー4を直方体形状に形成し、該イレイザー4の周面に複数の払拭面11を形成してなり、前記a?dの構成を有している

4.対比・判断
そこで、本件登録実用新案の請求項1及び2に係る考案とイ号物件とを対比検討する。
イ号物件の構成aないしeが、本件考案の構成要件AないしEを充足することは、明らかである。

なお、被請求人は答弁書を提出していない。

5.その他
請求人が提出した判定請求に至る説明用資料によれば、アイリスオーヤマ株式会社(本件の請求人)が警告を行った際に、株式会社馬印(本件の被請求人)は、本件考案が無効理由を有する旨答弁していることが窺えるが、本件は判定請求事件であり、当該説明用資料における、無効理由について検討は要しない。本来、権利の有効無効は、無効審判で判断されるべきものであり、本件判定においては本件登録実用新案が現時点において有効な登録実用新案であることを前提とした判断である。

6.むすび
以上のとおり、イ号物件は、本件登録実用新案の実用新案登録請求の範囲の請求項1及び2に係る考案の構成要件をすべて充足するから、その技術的範囲に属するというべきである。
よって、結論のとおり判定する。

判定日 2006-06-19 
出願番号 実願平4-92872 
審決分類 U 1 2・ 1- YA (B43L)
最終処分 成立    
前審関与審査官 三輪 学原 光明  
特許庁審判長 酒井 進
特許庁審判官 長島 和子
國田 正久
登録日 1999-01-29 
登録番号 実用新案登録第2593016号(U2593016) 
考案の名称 ボードイレイザー  

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