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審決分類 審判    B23C
審判    B23C
管理番号 1165612
審判番号 無効2006-40013  
総通号数 95 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2007-11-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2006-12-07 
確定日 2007-10-01 
事件の表示 上記当事者間の登録第3085593号実用新案「板材の端面加工装置」の実用新案登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 手続の経緯
本件実用新案登録第3085593号の請求項1乃至9に係る考案についての出願は、平成13年10月25日に出願され、平成14年2月13日にその考案について実用新案権の設定登録がされたものである。
これに対し、平成18年12月7日に、請求人・協和機工株式会社により、請求項5乃至6について無効審判の請求がなされたところ、被請求人・株式会社三洋技研より平成19年2月16日付けで審判事件答弁書の提出がなされ、請求人より同年5月21日に口頭審理陳述要領書が提出され、同年6月4日に第1回口頭審理が実施され、その後、被請求人より同年6月13日付けで上申書が提出され、請求人より同年6月25日付けで上申書が提出されたものである。

第2 本件考案
本件実用新案登録の請求項5乃至6の記載は、次のとおりのものである。
「【請求項5】 前記回動手段における回動の中心線は、前記定盤の表面が属する仮想平面上の直線である請求項4記載の板材の端面加工装置。
【請求項6】 前記回動手段における回動の中心線は、前記定盤の表面が属する仮想平面と前記刃物台に設ける刃物よって加工可能な面が属する仮想平面との交線である請求項4記載の板材の端面加工装置。」

本件実用新案登録の請求項5乃至6に係る考案は、請求項4に従属しており、更に請求項4は、請求項1または3に従属している。そして、請求項1、3、4に記載された考案は、願書に添付した明細書(以下、「本件実用新案明細書」という。)及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1、3、4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】 所定方向に走行可能な刃物台と、材料を載置する定盤と、この定盤上で刃物台に向かって移動可能な位置決め定規とを有する加工装置において、上記定盤の上方に昇降可能に設けられ定盤表面上に載置される材料を押圧する固定部材と、上記定盤を支持する定盤支持部と、この定盤支持部を介して上記定盤を回動させる回動手段とを備えたことを特徴とする板材の端面加工装置。
【請求項3】 所定方向に走行可能な刃物台と、材料を載置する定盤と、この定盤上で刃物台に向かって移動可能な位置決め定規とを有する加工装置において、上記定盤と刃物台との中間で昇降可能に設けられ上記定盤表面上を移動する材料の端面を当接させるストッパと、上記定盤の上方に昇降可能に設けられ定盤表面上の材料を押圧して固定する固定部材と、上記定盤を支持する定盤支持部と、この定盤支持部を介して定盤を回動させる回動手段と、上記刃物台を上記材料の端面に対して移動させる移動部材とを備えたことを特徴とする板材の端面加工装置。
【請求項4】 前記回動手段は、前記刃物台の走行方向に平行で、かつ該刃物台と前記定盤との中間において定めた任意の直線を中心線として前記定盤を回動する回動手段である請求項1または3記載の板材の端面加工装置。」

そうすると、請求項1に従属する請求項4に、更に従属する請求項5に係る考案は、次のとおりである。
「所定方向に走行可能な刃物台と、材料を載置する定盤と、この定盤上で刃物台に向かって移動可能な位置決め定規とを有する加工装置において、上記定盤の上方に昇降可能に設けられ定盤表面上に載置される材料を押圧する固定部材と、上記定盤を支持する定盤支持部と、この定盤支持部を介して上記定盤を回動させる回動手段とを備えたことを特徴とする板材の端面加工装置であって、
前記回動手段は、前記刃物台の走行方向に平行で、かつ該刃物台と前記定盤との中間において定めた任意の直線を中心線として前記定盤を回動する回動手段であり、
前記回動手段における回動の中心線は、前記定盤の表面が属する仮想平面上の直線である板材の端面加工装置。」(以下、「本件考案1」という。)

同様に、請求項1に従属する請求項4に、更に従属する請求項6に係る考案は、次のとおりである。
「所定方向に走行可能な刃物台と、材料を載置する定盤と、この定盤上で刃物台に向かって移動可能な位置決め定規とを有する加工装置において、上記定盤の上方に昇降可能に設けられ定盤表面上に載置される材料を押圧する固定部材と、上記定盤を支持する定盤支持部と、この定盤支持部を介して上記定盤を回動させる回動手段とを備えたことを特徴とする板材の端面加工装置であって、
前記回動手段は、前記刃物台の走行方向に平行で、かつ該刃物台と前記定盤との中間において定めた任意の直線を中心線として前記定盤を回動する回動手段であり、
前記回動手段における回動の中心線は、前記定盤の表面が属する仮想平面と前記刃物台に設ける刃物によって加工可能な面が属する仮想平面との交線である板材の端面加工装置。」(以下、「本件考案2」という。)

なお、本件考案の請求項6に記載された「刃物台に設ける刃物よって加工可能な面」について、「刃物よって」は「刃物によって」の誤記であることが認められるから、本願の請求項6を上記のように認定した。(第1回口頭審理調書参照。)

また、請求項3に従属する請求項4に、更に従属する請求項5に係る考案、及び、請求項3に従属する請求項4に、更に従属する請求項6に係る考案を、それぞれ本件考案1’及び本件考案2’という。

第3 請求人の主張の概要
審判請求人は、証拠方法として後記の書証をもって、以下に示す無効理由1乃至無効理由2により、本件実用新案登録の請求項5及び6に係る考案は、無効にされるべきものであると主張している。

[無効理由1]
本件の実用新案登録請求の範囲の記載は、実用新案登録を受けようとする考案が明確ではなく、実用新案法第5条第6項第2号の規定する要件を満たしていない。

[無効理由2]
本件請求項5乃至6に係る考案は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。

[証拠方法(書証)]
甲第1号証:特開平8-168947号公報
甲第2号証:特開平10-315127号公報

第4 被請求人の主張の概要
被請求人は、上記請求人の主張に対して、本件実用新案登録の請求項5乃至6に係る考案は明確であり、また、本件実用新案登録の請求項5乃至6に係る考案は、甲第1乃至2号証に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものではない、と主張している。

第5 無効理由1について
1.無効理由1の内容
請求人は、本件実用新案登録請求の範囲の記載は、次の(1)乃至(3)の点について不備があるから、実用新案登録を受けようとする考案が明確でないと主張している。

(1)請求項5について、定盤は回転するのであるから、その定盤の位置によって「定盤の表面が属する仮想平面」は変化する。定盤が水平であれば仮想平面も水平であるが、定盤が下方向に傾けば、それに応じて仮想平面も傾いて変化する。すなわち、定盤の位置が特定されていない以上、「定盤の表面が属する仮想平面」も特定されない。その結果、請求項5の構成は不明瞭となっている。(審判請求書第7ページ下から6乃至2行目参照。)
請求項4の記載において、刃物台と定盤とは同一平面にあるとの限定は無いので、刃物台と定盤との間にある空間に存在する任意の直線を回転中心とすることができる。したがって回転中心も装置との関係で一定の位置に決定されなければならないものであるところ、定盤の位置により回転中心が変化するとの規定は装置の構成を不明瞭にするものである。(陳述要領書第2ページ第11乃至20行参照。)
また、刃物台の走行方向が不明であるので、刃物台の走行方向に平行な方向も不明である。(陳述要領書第2ページ第24乃至25行参照。)

(2)請求項6について、上記(1)に加え、「刃物台に設ける刃物によって加工可能な面」についても何らの定義規定がないため、かかる面がどこの面をいうのか不明である。(陳述要領書第3ページ第6乃至7行参照。)

(3)本件実用新案明細書の段落0027、段落0030乃至0032等の記載から、定盤の表面が属する仮想平面と前記刃物台に設ける刃物によって加工可能な面が属する仮想平面との交線を回転中心とすることは、装置の特性ではなく、装置の使用方法に属する要件であることが明らかである。したがって、このような構成要件により装置を特定することはできず、その結果考案の構成要件が不明瞭となっていることは明らかである。(陳述要領書第4ページ第11乃至15行参照。)
また、同段落0021乃至0022の記載から、請求項6に記載される「定盤の表面が属する仮想平面と前記刃物台に設ける刃物によって加工可能な面が属する仮想平面との交線」も、使用者によって作業条件に応じて適宜調節・決定される事項である。(平成19年6月25日付け上申書第2ページ下から5行目乃至第3ページ第2行参照。)

2.当審の判断
(1)について
「定盤の表面が属する仮想平面」とは、定盤の表面を含む平面ということができるから、回動の中心線は定盤の表面の延長上に存在するといえる。
また、定盤が水平であれば仮想平面も水平であるが、定盤が下方向に傾けば、それに応じて仮想平面も傾いて変化することは、請求人の主張のとおりである。しかしながら、請求項5に係る考案は、回動の中心線が、定盤の表面が属する仮想平面上の直線であると特定したものであり、定盤が水平状態であっても、傾いた状態であっても、回動の中心線は前記仮想平面上にあるから、定盤は前記仮想平面上のただ一つの直線を中心に回動するものと解される。
したがって、定盤の回動によって、前記仮想平面が特定されないことをもって、回動の中心線が明確でないとすることはできない。そして、上記のとおり、定盤との関連で前記回動の中心線が前記仮想平面上の直線であることが理解されるから、刃物台と定盤とが同一平面上にあること、及び、刃物台の走行方向の限定がないことをもって、請求項5に係る考案が明確でないということはできない。
よって、前記回動の中心線が、刃物台の走行方向に平行で、かつ刃物台と定盤との中間において定めた任意の直線であり、更に定盤の表面が属する仮想平面上に存在する直線であることが、明確でないとはいえない。

(2)について
請求項1に「所定方向に走行可能な刃物台」と記載があり、請求項6においては、所定方向に走行可能な刃物台に設ける刃物によって板材の端面が加工されるものである。してみると、前記加工において、「刃物によって加工可能な面」は、板材の端面を加工するための刃物台の走行する所定方向と加工を行うときの刃物によって定まる加工面であることは、当業者が十分理解できることである。
よって、「刃物台に設ける刃物によって加工可能な面」が、明確でないとはいえない。

(3)について
本件実用新案明細書の段落0027の第一文は、「本実施形態は、以上のような構成であり、次に、本実施形態の作動態様について説明する。」と記載されている。この意味は、「段落0021、0022を含む段落0026以前で説明した構成を有する装置について、その作動態様を、段落0027以降で述べる。」と解すべきである。
同様に、段落0030の第一文は「次に、面取り加工における作動態様について説明する。」と記載されている。この意味は、「段落0021、0022を含む段落0026以前で説明した構成を有する装置について、その面取り加工における作動態様を、段落0030以降で述べる。」と解すべきである。
よって、段落0027以降は、請求項に係る考案である「板材の端面加工装置」の作動態様を記載した箇所であることは明らかである。そして、上述のとおり、「刃物によって加工可能な面」は、板材の端面を加工するための刃物台の走行する所定方向と加工を行うときの刃物によって定まる加工面であることは、当業者が十分理解できることである。
よって、請求項6の記載が、装置の特性ではなく、装置の使用方法に属する要件であるから明確でないという、請求人の主張は採用できない。

以上のとおりであり、本件考案1及び本件考案2が明確でないとすることはできない。
また、本件考案1’及び本件考案2’についても、同様に明確でないとすることはできない。


第6 無効理由2について
1.甲号各証の記載事項
請求人が提出した甲第1号証乃至甲第2号証には、以下の技術的事項が記載されている。

(1)甲第2号証
(1-a)特許請求の範囲
「【請求項1】 基台に設けたガイドレール上を往復動する側面研磨機と、このガイドレールに隣接して設けられ、研磨する石材を載せるテーブルと、このテーブルの研磨機側の底面に連結された回動軸と、前記基台に取付けられ回動軸を支持する軸受と、回動軸に一端側を接続した回動アームと、この回動アームの他端側に連結されたシリンダーとからなり、シリンダーの伸縮により回動アームを介してテーブルを傾斜させることを特徴とするテーブル傾動式研磨装置。
【請求項2】 側面研磨機が、ガイドレールに可動自在に設けられた移動支柱と、この移動支柱の上部に揺動自在に支持された揺動フレームと、この揺動フレームの先端側に設けられたハンドルおよび石材の側面を研磨する研磨盤と、研磨盤に回転力を伝達する動力伝達機構と、揺動フレームの後端側に取付けられたバランスウエイトとからなることを特徴とする請求項1記載のテーブル傾動式研磨装置。
【請求項3】 テーブルの上面に、分割式の門形フレームを設け、ここに石押えクランプを設けたことを特徴とする請求項1記載のテーブル傾動式研磨装置。
【請求項4】 ガイドレールが基台の側面に取付けられ、ここに移動支柱を取付けて側面研磨機が往復動することを特徴とする請求項1又は2記載のテーブル傾動式研磨装置。」

(1-b)段落0007乃至0009
「図において1はテーブルでこの上に面取りする石材2を載せて石押えクランプ3で固定するようになっている。4はテーブル1に隣接して設けられた側面研磨機で、このテーブル1側に研磨盤5が伸出自在に取付けられている。
側面研磨機4は図2に示すように、基台6の上部に、2本のガイドレール8、8が平行に取付けられている。このガイドレール8、8の上には、図3に示すように前後が開口した箱形の移動支柱9が前後に往復動自在に取付けられている。この箱形の移動支柱9の上部には図4に示すように回動軸10が設けられ、ここに揺動フレーム11の左右側壁に接続されて、揺動フレーム11をシーソー状に揺動自在に支持している。
またガイドレール8、8の中間には図3および図5に示すようにガイドパイプ12が取付けられ、これは箱形の移動支柱9の内側を摺動自在に貫通している。更にガイドパイプ12には、石材2の側面の横幅に合わせて、移動支柱9の移動距離を規制するストッパーボス13が取付けられている。」

(1-c)段落0011乃至0015
「またモーター19はプーリー20aに接続され、これは主軸21に取付けたプーリー20bとベルト22で連結されて、モーター19の回転力を主軸21に取付けた研磨盤5に伝達する動力伝達機構が形成されている。なお23はベルトカバー、24は操作盤である。
また図3および図5に示すように主軸21の先端に取付けられた研磨盤5はスプラインにより前後進自在に支持され、更に主軸21の側方に取付けたエアーシリンダー25にブラケット26を介して連結され、先端に取付けた研磨盤5を石材2に押し付けるようになっている。またブラケット26の上部には、位置決めストッパー27が前後進自在に取付けられ、研磨盤5を任意の位置まで前進できるようになっている。・・・
またガイドレール8、8に隣接して設けられたテーブル1は、図2および図4に示すように、研磨盤5側の底面両側にブラケット30、30が突設され、この間に回動軸31が連結されている。更にこの回動軸31の中間部には、基台6の上部に設けた軸受32、32に回動自在に軸支されている。また回動軸31は回動アーム33の一端側に挿着して固定され、他端側がシリンダー34の先端に連結されている。このシリンダー34は基台6にヒンジ35で回動自在に取付けられ、シリンダー34の伸縮により回動アーム33を介してテーブル1を傾動させるようになっている。
またテーブル1の一方の側面には図1に示すように、水平部に石押えクランプ3を取付けたL形スタンド38が水平方向に回動自在に設けられている。またテーブル1の他方の側面には、先端に連結ピン40を突設したスタンド39が上下方向に回動自在に取付けられている。これはL形スタンド38とスタンド39を回動させて組合せ、連結ピン40で連結することにより図2に示す分割式の門形フレーム37が構成されるようになっている。
また図1において41はテーブル1の縁に設けられた滑り止めストッパーでテーブル1を傾斜させた時に石材2が滑るのを防止している。更にテーブル1の底面には図3に示すように、長孔42を開孔したステー43が回動自在に連結され、基台6に取付けたロックレバー44が長孔42に挿着されてステー43を固定し、テーブル1の傾斜角度を固定するようになっている。」

(1-d)段落0016乃至0018
「上記構成のテーブル傾動式研磨装置で石材2の側面を研磨する時には、先ず図1に示すようにテーブル1を水平に支持した状態で石材2を載せ、L形スタンド38を水平に回動させ、スタンド39を上方に回動させて連結ピン40で連結して門形フレーム37を組み立て、シリンダーで形成された石押えクランプ3で固定すると共に滑り止めストッパー41で側面を支持する。
・・・次に操作盤24のレバーを操作してシリンダにより主軸21を伸出させると、研磨盤5が石材2の側面に押し付けられて研磨が開始される。この後、ハンドル15を手に持って上下させると、揺動フレーム11が回動軸10で移動支柱9の上部にシーソー状に支持されているので、上下に研磨盤5が揺動しながら研磨する。・・・
石材2の側面研磨が終わったら、ロックレバー44を解除して、基台6に取付けたシリンダー34の先端を収縮させると図3に仮想線で示すように回動アーム33が回動してこれに連結した回動軸31が回動する。この回動軸31はテーブル1に一体に連結され、基台6の軸受32、32で軸支されているので、テーブル1は回動軸31と共にこれを中心として傾動してくる。」

(1-e)段落0020
「また本発明はガイドパイプ12の代わりにネジシャフトを取付け、この端部にモーターを接続し、移動支柱9の内側に前記ネジシャフトに螺合するナットを取付け、モーターにより自動的に往復動するようにした構造でも良い。・・・また移動支柱9の下部側にはモーターを取付け、このモーターに取付けたカム板を、連結棒を介して揺動フレーム11に連結することにより、揺動フレーム11の揺動も自動的に行なうことができる。」

そして、図1乃至図3の記載から、石押さえクランプ3は、石材方向に昇降可能であること、並びに、回動軸31が、ガイドレール8、8と平行であることが看取される。

これらの記載からみて、甲第2号証には、次の考案が記載されていると認められる。
「基台6の上部に2本のガイドレール8、8が平行に取付けられ、ガイドレール8、8上を自動的に往復動し、テーブル1側に研磨盤5が伸出自在に取付けられている側面研磨機4と、石材2を載置するテーブル1とを有するテーブル傾動式研磨装置において、
L形スタンド38を水平に回動させ、テーブル1の上方に配置した後、シリンダーを駆動して石材2を押圧する石押えクランプ3と、
テーブル1の研磨盤5側の底面に、ガイドレール8、8と平行になるように回動軸31が設けられ、回動軸31は基台6の上部に設けた軸受32に回動自在に軸支されるとともに、シリンダー34の伸縮により回動アーム33を介してテーブル1を回動軸31を回動の中心線として傾動させるテーブル傾動式研磨装置。」(以下、「引用考案」という。)

(2)甲第1号証
(2-a)段落0016乃至0019
「ところで、半導体ウエハ10の周縁部は、図5の(A)に示すように、その両隅が所定角度θで面取り10b及び10cされている。通常ノッチ部10aの両隅も図5の(B)、図5の(C)及び図5の(D)に示すように、所定角度θ、例えば11度、22度等の角度で面取りしてノッチ面取り部1(当審注:公報では丸付き数字)及び3(同上)が形成されている。そのため、本発明ウエハノッチ部の鏡面加工装置において、前記ウエハチャックテーブル12を所定角度上下に回動させて半導体ウエハ10を所定角度傾斜させ、前記面取り部1(同上)及び3(同上)も鏡面加工できるように構成されている。
以下、前記ウエハ10を傾斜させるための前記ウエハチャックテーブル12の傾斜機構を図3及び図4に基づいて説明する。図3及び図4において、前記ウエハチャックテーブル12を支持するブラケット11、11側のウエハチャックテーブル両端部において、回動の支点となるピン23、23の頭部23a、23aにウエハチャックテーブル12が固定されている。
一方、前記ウエハチャックテーブル12の下面には、その中心にバキュームチューブ25が接続された回動板24が固定されており、該回動板24の両側にL字状連結部材26、26がボルト等で固着されている。
さらに、前記ブラケット11には前記ピン23、23の中心23bを中心とする円弧状スリット27が形成されており、該円弧状スリット27を通して締め付け手段28、例えば六角ボルトが前記L字状部材26と螺合するするように設けられている。そして、前記回動板24を前記ピン23を支点として回転させるには、前記六角ボルト28を手動で緩めて前記円弧状スリット27に沿って六角ボルト28をスライドさせる。」

(2-b)段落0020乃至0023
「そして、前記回動板24を水平位置に保持するために、前記六角ボルト28の締め付け位置を前記スリット27の中央に位置するように設定する。このようにすれば、六角ボルト28を前記スリット27の中央から上方又は下方にスライドさせると、前記回動板24と連動して前記バキュームチャックテーブル12は前記ピン23を支点として上下に傾き、その結果、半導体ウエハ10も上下に所定角度傾くことになる。
この際、半導体ウエハ10が所定角度傾いても、ノッチ部10a(図5)の鏡面加工箇所が常に前記研磨ディスク8の回転中心8cに向かって当接するように前記ピン23の回転中心23bの位置を設定する。このようにすると、図4に示すように、前記スライド手段14(図1)により前記研磨ディスク8の回転中心8cは、前記ピン23の回転中心23bに向けて移動するように構成されているので、研磨布7の弾性作用により研磨布7が沈み込んだ際でも、これに応じて研磨ディスク8が移動するので、研磨布7に対して常にその法線方向からノッチ部の鏡面加工箇所が押圧されることになり、均一な鏡面加工面が得られる。また、前記面取り部、及び非面取り部の鏡面加工を行う際、鏡面加工箇所に変更があっても、変更の度にノッチ部10aまたは前記研磨ディスク8の上下方向の位置補正を行わなくて済み、容易に鏡面加工を行うことができる。
・・・
ここで、前記ノッチ面取り部及びの鏡面加工を行う際の半導体ウエハ10の傾斜角度の一例について説明する。前記上下両隅が22度の角度で面取りされた半導体ウエハのノッチ面取り部及びを鏡面加工する場合、研磨布7の弾性作用を考慮し、半導体ウエハ10の加工傾斜角度が約45度になるように前記六角ボルト28を上下にスライドさせて固定し、非ノッチ面取り部を鏡面加工する際は、前記六角ボルト28を前記スリット27の中央位置で固定する。」

(2-c)段落0027乃至0028
「以下、前記構成を備えるノッチ部鏡面加工装置によってウエハ10のノッチ部10aの鏡面加工方法を説明する。前記面取りされたノッチ部10aを備えたウエハ10を前記ウエハチャックテーブル12上に、バキュームチャック手段12bにて水平に吸着、保持させた後、スラリーの供給を開始する。次に前記研磨ディスク8の回転を開始し、所定回転速度に達したら、前記主軸台取り付け架台13をスライドさせて研磨布7をノッチ部10aに当接する。この状態でノッチ部10aの前記非面取り部2(当審注:公報では丸付き数字)の鏡面加工を行う。 この非面取り部2(同上)の鏡面加工後、前記研磨ディスク8の回転を止めて、前記六角ボルト28を操作して、前記回動台24を所定角度上向き又は下向きに傾斜させて再び研磨ディスク8を回転させ、前記ノッチ面取り部1(同上)または3(同上)(図5)の鏡面加工を行う。かくして、ノッチ部表面全体の鏡面加工を行うことにより、ノッチ部表面全体が均等に鏡面研磨されることになる。」

また、摘記事項(2-b)の「バキュームチャックテーブル12」は、「ウエハチャックテーブル12」の誤記であることは明らかである。

これらの記載及び図3乃至5からみて、甲第1号証には、次の考案が記載されていると認められる。
「ウエハ傾斜機構を有するウエハチャックテーブル12の表面に半導体ウエハ10を載置し、半導体ウエハ10は、周縁部が両隅で所定角度θ、例えば11度、22度等の角度で面取りしたウエハノッチ部の面取り部1、3及び非面取り部2を有し、半導体ウエハ10に回転する研磨ディスク8を当接させて鏡面加工するウエハノッチ部の鏡面加工装置であって、ウエハ傾斜機構は、ウエハチャックテーブル12を支持するブラケット11、11側のウエハチャックテーブル両端部において、回動の支点となるピン23、23の頭部23a、23aにウエハチャックテーブル12が固定されており、ウエハチャックテーブル12は前記ピン23を支点として上下に傾くことによって、ウエハチャックテーブル12に載置された半導体ウエハ10を上下に所定角度傾くことができる構成となっており、半導体ウエハ10が所定角度傾いても、ウエハノッチ部10aの鏡面加工箇所が常に前記研磨ディスク8の回転中心8cに向かって当接するように前記ピン23の回転中心23bの位置を設定することにより、面取り部、及び非面取り部の鏡面加工を行う際に鏡面加工箇所に変更があっても、変更の度にウエハノッチ部10aまたは前記研磨ディスク8の上下方向の位置補正を行わなくても鏡面加工ができるウエハ傾斜機構を有するウエハノッチ部の鏡面加工装置。」(以下、「甲第1号証記載の事項」という。)

2 対比・判断
(1)本件考案1について
本件考案1と引用考案とを対比すると、後者の「石材2」、「テーブル1」、「L形スタンド38を水平に回動させ、テーブル1の上方に配置した後、シリンダーを駆動して石材2を押圧する石押えクランプ3」は、それぞれ前者の「材料」、「定盤」、「定盤の上方に昇降可能に設けられ定盤表面上に載置される材料を押圧する固定部材」に相当する。
そして、引用考案における「ガイドレール8、8上を自動的に往復動し、テーブル1側に研磨盤5が伸出自在に取付けられている側面研磨機4」は、所定方向に走行可能な加工手段という限りにおいて「所定方向に走行可能な刃物台」と共通している。
また、引用考案の「テーブル傾動式研磨装置」は、本件考案1の「板材の端面加工装置」ということができる。
そうすると、本件考案1と引用考案とは、
「所定方向に走行可能な加工手段と、材料を載置する定盤とを有する加工装置において、上記定盤の上方に昇降可能に設けられ定盤表面上に載置される材料を押圧する固定部材と、上記定盤を回動させる回動手段とを備え、回動手段の回動の中心線は、加工手段の走行方向に平行である板材の端面加工装置。」
で一致し、次の点で相違する。
[相違点1]
本件考案1では、加工手段が刃物台であり、定盤上で刃物台に向かって移動可能な位置決め定規を有するのに対し、引用考案では、加工手段は側面研磨機4であり、位置決め定規を有するものではない点。
[相違点2]
回動手段について、本件考案1では、定盤を支持する定盤支持部を介しているのに対して、引用考案では、シリンダー34の伸縮により回動アーム33を介して回動させている点。
[相違点3]
回動手段の回動の中心線について、本件考案1では、刃物台と前記定盤との中間において定めた任意の直線であって、定盤の表面が属する仮想平面上の直線であるのに対して、引用考案では、テーブル1の底面に設けた回動軸31を回動の中心線としている点。

上記相違点のうち、相違点3について検討する。
甲第1号証記載の事項の「周縁部が両隅で所定角度θ、例えば11度、22度等の角度で面取りしたウエハノッチ部の面取り部1、3及び非面取り部2を有する半導体ウエハ10」という記載及び図5の記載から、面取り部10b及び10c、並びにノッチ面取り部1及び3は、同じ角度で面取りされていると解される。
また、甲第1号証記載の事項の「半導体ウエハ10が所定角度傾いても、ウエハノッチ部10aの鏡面加工箇所が常に前記研磨ディスク8の回転中心8cに向かって当接するように前記ピン23の回転中心23bの位置を設定することにより、面取り部、及び非面取り部の鏡面加工を行う際に鏡面加工箇所に変更があっても、変更の度にウエハノッチ部10aまたは前記研磨ディスク8の上下方向の位置補正を行わなくても鏡面加工ができる」という記載から、ウエハノッチ部10aまたは前記研磨ディスク8の上下方向の位置補正をせずに、ウエハノッチの面取り部1及び3を加工するためには、ウエハチャックテーブル12(回動板24)の面取り部1を加工するときの上方への傾斜角度と、面取り部3を加工するときの下方への傾斜角度とを、同じ角度にすべきことは明らかである。
その場合、ウエハチャックテーブル12の回動中心がウエハチャックテーブル12の表面上にあれば、ウエハチャックテーブル12を上方及び下方へ同じ角度だけ傾斜させたとき、面取り部1、3は、それぞれ上下方向にずれるから、研磨ディスク8の上下方向の位置補正をせずに面取り部1、3の加工を行うことはできない。
したがって、ウエハチャックテーブル12の回転中心が、請求人の主張するウエハチャックテーブル12の表面上、もしくは、ウエハチャックテーブル12の表面を含む仮想平面上にあるということはできない。

請求人は、この点について、陳述要領書の第4ページ(2)イ)ii)において、「図面の簡単な説明によれば、図3は本発明実施例におけるウエハ傾斜機構の要部正面図とあり、図4は本発明実施例におけるウエハ傾斜機構の要部側面図とある。すなわち、図4は図3の装置の側面図ではない。したがって、図3と図4においてピン23の中心23bの位置が相違していても問題はなく、甲第一号証には、ピン23の中心23bの位置として2つの場合が開示されている。」と、陳述要領書第5ページ(2)ロ)ii)において、「研磨ディスク8の回転中心8cとピン23の回転中心23bとの関係は図4に示されているのである。図4を見れば、回転中心23bはウエハチャックテーブル12の表面上にあり、更に研磨ディスク8の回転中心8cがウエハチャックテーブル12の表面および回転中心23bと同一表面上にあることは明らかである。」と、それぞれ主張している。
しかしながら、甲第1号証には、段落[0017]に、「前記ウエハ10を傾斜させるための前記ウエハチャックテーブル12の傾斜機構を図3及び図4に基づいて説明する。図3及び図4において、前記ウエハチャックテーブル12を支持するブラケット11、11側のウエハチャックテーブル両端部において、回動の支点となるピン23、23の頭部23a、23aにウエハチャックテーブル12が固定されている。」と記載されている。上記記載によれば、甲第1号証におけるウエハチャックテーブル12の傾斜機構の一実施例が図3及び図4に基づいて説明されているのであって、ピン23の中心23bの位置として2つの場合が開示されているということはできない。
そうすると、ウエハ傾斜機構の要部正面図である図3と要部側面図である図4とで、ピン23の中心23bについて異なる位置が示されているから、図3と図4の記載から中心23bの位置について判断することはできない。
そこで、甲第1号証の明細書の記載についてみると、甲第1号証には、「ウエハチャックテーブル12がピン23の中心23bを回動の支点として傾斜すること」は明記されているが(段落[0017]参照)、請求人が主張する「ピン23の中心23bがウエハチャックテーブル12の表面と同一平面上にある」点については、甲第1号証の明細書には何ら記載されておらず、また当該技術分野において技術常識ともいえない。
そして、上述のとおり、ウエハノッチ部10aまたは前記研磨ディスク8の上下方向の位置補正をせずに、ウエハノッチの面取り部1及び3を加工するためには、ウエハチャックテーブル12(回動板24)の面取り部1を加工するときの上方への傾斜角度と、面取り部3を加工するときの下方への傾斜角度とを、同じ角度にすべきことは明らかであるところ、ウエハチャックテーブル12の回動中心がウエハチャックテーブル12の表面上にあれば、ウエハチャックテーブル12を上方及び下方へ同じ角度だけ傾斜させたとき、面取り部1、3は、それぞれ上下方向にずれるから、研磨ディスク8の上下方向の位置補正をせずに面取り部1、3の加工を行うことはできない。
したがって、甲第1号証に「ピン23の中心23bがウエハチャックテーブル12の表面と同一平面上にある」ことが記載されているとすることはできない。

そして、本件考案1は、上記相違点3に係る構成を具備することによって、「定盤を回動させる際の中心は、常に一定であるので、当該回動の中心と刃物台による切削位置との関係を一定にすることができ、所望の面取りに必要な送り量を容易に演算でき、また、当該回動による定盤の傾斜角度または材料の肉厚に関係なく均一な面取り加工が行える」という明細書に記載された格別な作用効果を奏するものである。

したがって、本件考案1は、他の相違点について検討するまでもなく、甲第1号証及び甲第2号証に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることができない。

また、甲第1号証を主引用考案として、甲第2号証を組み合わせたとしても、上記のとおり甲第1号証には「ピン23の中心23bがウエハチャックテーブル12の表面と同一平面上にある」点が記載されているとすることができず、また当該技術分野において技術常識ともいえない。したがって、本件考案1は、甲第1号証及び甲第2号証に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることができない。

さらに、たとえ甲第1号証の記載から、「ピン23の中心23bがウエハチャックテーブル12の表面と同一平面上にある」と解されたとしても、甲第1号証はウエハノッチ部の鏡面加工を行うものであって、甲第1号証記載の研磨ディスクは本件考案1における所定方向に走行することができないものであるから、甲第1号証記載の事項を引用考案に適用する動機付けがない。したがって、本件考案1が、甲第1号証及び甲第2号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることができない。

(2)本件考案2について
本件考案2と引用考案とは、その特定事項に(1)に示したものと同様の対応関係があるから、両者は、
「所定方向に走行可能な加工手段と、材料を載置する定盤とを有する加工装置において、上記定盤の上方に昇降可能に設けられ定盤表面上に載置される材料を押圧する固定部材と、上記定盤を回動させる回動手段とを備え、回動手段の回動の中心線は、加工手段の走行方向に平行である板材の端面加工装置。」
で一致し、前記相違点1、2に加え、次の点で相違する。
[相違点4]
回動手段の回動の中心線について、本件考案2では、刃物台と前記定盤との中間において定めた任意の直線であって、定盤の表面が属する仮想平面と前記刃物台に設ける刃物によって加工可能な面が属する仮想平面との交線であるのに対して、引用考案では、そのようになっていない点。

上記相違点のうち、相違点4について検討する。
上記相違点4において、「回動手段における回動の中心線」は、前記定盤の表面が属する仮想平面上にあることが特定されていると解される。そして、前記(1)の相違点3について検討したとおり、甲第1号証において、ウエハチャックテーブル12の回転中心は、請求人の主張するウエハチャックテーブル12の表面上、もしくは、ウエハチャックテーブル12の表面を含む仮想平面上にあるといえない。
したがって、甲第1号証に「回動手段における回動の中心線は、前記定盤の表面が属する仮想平面と前記刃物台に設ける刃物よって加工可能な面が属する仮想平面との交線である」ことが記載されているとすることはできない。

そして、本件考案2は、上記相違点4に係る構成を具備することによって、「定盤を回動させる際の中心は、常に一定であるので、当該回動の中心と刃物台による切削位置との関係を一定にすることができ、所望の面取りに必要な送り量を容易に演算でき、また、当該回動による定盤の傾斜角度または材料の肉厚に関係なく均一な面取り加工が行える」という明細書に記載された格別な作用効果を奏するものである。

したがって、本件考案2は、他の相違点について検討するまでもなく、甲第1号証及び甲第2号証に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることができない。

また、甲第1号証を主引用考案として、甲第2号証を組み合わせたとしても、甲第1号証に「ピン23の中心23bがウエハチャックテーブル12の表面と同一平面上にある」点が記載されているとすることができず、また当該技術分野において技術常識ともいえない。したがって、本件考案2は、甲第1号証及び甲第2号証に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることができない。

さらに、たとえ甲第1号証の記載から、「ピン23の中心23bがウエハチャックテーブル12の表面と同一平面上にある」と解されたとしても、甲第1号証はウエハノッチ部の鏡面加工を行うものであって、甲第1号証記載の研磨ディスクは本件考案2における所定方向に走行することができないものであるから、甲第1号証記載の事項を引用考案に適用する動機付けがない。したがって、本件考案2が、甲第1号証及び甲第2号証に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることができない。

(3)本件考案1’及び本件考案2’について
本件考案1’及び本件考案2’についても、それぞれ本件考案1及び本件考案2における特定事項に加えて、「上記定盤と刃物台との中間で昇降可能に設けられ上記定盤表面上を移動する材料の端面を当接させるストッパ」、「上記刃物台を上記材料の端面に対して移動させる移動部材」という特定事項を、更に有しているから、甲第1号証及び甲第2号証に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたとすることができない。

第8 むすび
以上のとおりであり、本件実用新案登録請求の範囲は、実用新案登録を受けようとする考案が明確でないといえないから、実用新案法第5条第6項第2号に規定の要件を満たしていないとすることができない。
また、本件実用新案登録の請求項5及び請求項6に係る考案は、甲第1号証及び甲第2号証に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものではなく、実用新案法第3条第2項の規定に違反して実用新案登録されたものではない。
審判に関する費用については、実用新案法第41条で準用する、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-07-26 
結審通知日 2007-07-31 
審決日 2007-08-20 
出願番号 実願2001-6977(U2001-6977) 
審決分類 U 1 124・ 537- Y (B23C)
U 1 124・ 121- Y (B23C)
最終処分 不成立    
特許庁審判長 前田 幸雄
特許庁審判官 加藤 昌人
菅澤 洋二
登録日 2002-02-13 
登録番号 実用新案登録第3085593号(U3085593) 
考案の名称 板材の端面加工装置  
代理人 辻永 和徳  
代理人 井川 浩文  
代理人 柴田 肇  

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