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審決分類 |
審判 E02D |
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管理番号 | 1002328 |
審判番号 | 審判1998-40025 |
総通号数 | 3 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2000-03-31 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1998-12-17 |
確定日 | 1999-08-02 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3034165号実用新案「法面保護枠の補剛装置」の登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第3034165号実用新案の登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第一 本件考案 本件実用新案登録第3034165号に係る考案(平成8年7月30日出願、平成8年11月20日設定登録)は、明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲に記載されたとおりの次のものと認める。 「縦横線条を編組してなる半楕円形状のワイヤメッシュ部材を法面上に格子状に配置して定着し、前記ワイヤメッシュ部材にモルタルを吹き付けて同ワイヤメッシュ部材を型枠兼補強材とする法枠を構築した法面保護装置において、同法粋の幅よりも短尺で且つ両端に係上部を具えた水平のタイロツドを配設し、前記法枠のワイヤメッシュ部材における下部両側部片を狭窄して両側部片に、前記水平のタイロツドの両端係止部材を係着してなることを特徴とする法面保護枠の補剛装置。」 第二 当事者の主張 一 請求人の主張 請求人は、甲第1号証を提出して、本件考案は甲第1号証に開示された事項であり、実用新案法3条1項3号の規定に該当して実用新案登録を受けることができないものであるので、同37条1項2号により、無効とされるべきものである旨主張している。 甲第1号証:特開平7-109738号公報 二 被請求人の主張 本件審判請求について、被請求人には、審判請求書副本を送達し、期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えたが、被請求人からは何らの応答もされていない。 第三 当審の判断 一 甲第1号証の記載事項 その明細書及び図面によると、下記1?6の記載がある。 1 「【請求項1】法面上に、半楕円形断面のワイヤメッシュ部材を縦横に格子状に配置するとともに、アンカー材で固定し、前記ワイヤメッシュ部材に沿ってモルタルを吹付ける法面保護工法において、前記半楕円形断面のワイヤメッシュ部材の相対する両側脚片間に、同各側脚片間を弾性的に狭窄した状態で、両端にフック部を有する水平繋材を横架し、同繋材の前記両端フック部を前記両側脚片に夫々係止することを特徴とする法面保護工法。」 (同公報【特許請求の範囲】) 2 「その目的とする処は、施工性に優れ、法面の型枠兼補強筋の用を果す半楕円形断面のワイヤメッシュ部材を補強且つ補剛し、その垂直荷重による拡開を防止しうる法面保護工法を提供する点にある。」 (同2頁左欄段落【0004】7?10行) 3 「両側脚片は弾性的に復元して拡開しようとし、前記水平繋材の両端フック部に弾性的に係着し、同水平繋材は簡単に、しかも確固と半楕円形断面のワイヤメッシュ部材間に結合され、同ワイヤメッシュ部材に鉛直荷重が負荷されたとき、前記水平繋材の引張抵杭によって、前記ワイヤメッシュ部材の両側脚片の拡開が阻止され、同部材の変形が防止される。」(同2頁右欄段落【0006】8?14行) 4 「5は水平繋材で、両端にフック部5aが設けられている。而して前記半楕円形断面のワイヤメッシュ部材1の両側脚片1a下部の間隔Lを図4(イ)に示す状態より、図4(ロ)に示すように間隔L′(<L)が狭窄されるように加圧し、前記両側脚片1aが弾性的に閉縮した状態で、同各側脚片1aに水平繋材5の両端フック部5aを係合して、同各側脚片1aに対する加圧力を解放すると、同各側脚片1aが弾性的に旧位に復元しようとして、図4(ハ)に示す如く水平繋材5のフック部5aに弾性的に係着し、前記半楕円形断面のワイヤメッシュ部材の両側脚片1a,1aは引張力Tが導入された前記水平繋材5によって確固と連結される。」(同2頁右欄段落【0008】) 5 「前記法粋に被覆コンクリートその他の鉛直外力が作用して、半楕円形断面のワイヤメッシュ部材1に同部材の両側脚片1aを拡関させる力が働くとき、同ワイヤメッシュ部材10両側脚片1a,1aを両端フック部5a,5aを介して連結した水平繋材5に働く引張力によって、前記半楕円形断面のワイヤメッシュ部材1の拡開を防止し、法枠の剛性を保持し、同法粋の変形を防止するものである。」 (同2頁右欄段落【0009】6?13行) 6 「前記ワイヤメッシュ部材に鉛直力が作用して同部材の両側脚片が拡開しようとする場合、前記水平繋材にかかる引張力によって抵抗し、前記ワイヤメッシュ部材の両側脚片の拡開を防止し、同ワイヤメッシュ部材によって構成された法粋の剛性を保持し、構造的に信頼性のおける法面保護工法が行なわれるものである。」 (同3頁左欄段落【0010】8?14行) 二 甲第1号証に記載された考案と本件考案との対比、判断 上記「一 甲第1号証の記載事項」における、1?6の記載事項によると、甲第1号証には、本件考案と同一と認められる考案が記載されている。 してみると、本件考案は、実用新案法3条1項3号の規定に該当し、実用新案登録を受けることができない。 第四 むすび したがって、本件考案は、実用新案法37条1項2号により、無効とすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-05-18 |
結審通知日 | 1999-06-01 |
審決日 | 1999-06-08 |
出願番号 | 実願平8-7466 |
審決分類 |
U
1
111・
113-
Z
(E02D)
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最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
幸 長 保次郎 |
特許庁審判官 |
鈴木 公子 小野 忠悦 |
登録日 | 1996-11-20 |
登録番号 | 実用登録第3034165号(U3034165) |
考案の名称 | 法面保護枠の補剛装置 |