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審決分類 審判 一部申し立て   F01M
管理番号 1002414
異議申立番号 異議1999-71024  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-03-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-03-16 
確定日 1999-07-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 実用新案登録第2581096号「2サイクルエンジンの潤滑装置」の請求項1に係る実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 実用新案登録第2581096号の請求項1に係る実用新案登録を維持する。
理由 1.手続きの経緯
登録実用新案第2581096号の請求項1及び2に係る考案は、平成4年5月28日に実用新案登録出願され、平成10年7月3日にその登録実用新案の設定登録がなされ、その後、大和哲夫より請求項1に対し実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年6月9日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
(a)実用新案登録請求の範囲に関する訂正
実用新案登録請求の範囲の請求項1において、「ガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入されるクランク室と前記ガバナ室とを連通させ、」を
「クランク室とガバナ室とを遮断し、このガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入される前記クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、」と訂正する。
(b)考案の詳細な説明に関する訂正
▲1▼明細書中の段落番号「0008」の記載
「【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案は、ガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入されるクランク室と前記ガバナ室とを連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させた。」を、
「【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案は、クランク室とガバナ室とを遮断し、このガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入される前記クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開ロさせた。」と訂正する。
▲2▼明細書中の段落番号「0010」の記載
「【作用】
請求項1記載の考案では、ガバナ装置を収納したガバナ室へは濃厚な潤滑油が直接供給されるため、潤滑油の供給量を少なくした場合でもガバナ装置の潤滑が良好に行なわれる。また、ガバナ室内へ供給された潤滑油は、クランク室内へ吸入されると共にクランク室内おいて混合気に混合され、クランク室内やピストンを潤滑する。」を、
「【作用】
請求項1記載の考案では、ガバナ装置を収納したガバナ室へは濃厚な潤滑油が直接供給されるため、潤滑油の供給量を少なくした場合でもガバナ装置の潤滑が良好に行なわれる。また、ガバナ室内へ供給された潤滑油は、連通口からクランク室内へ吸入されると共にクランク室内において混合気に混合され、クランク室内やピストンを潤滑する。」と訂正する。
▲3▼明細書中の段落番号「0021」の記載
「【考案の効果】
請求項1記載の考案は、ガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入されるクランク室と前記ガバナ室とを連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させたので、ガバナ室へは濃厚な潤滑油を直接供給することができ、従って、潤滑油の供給量を少なくした場合でもガバナ装置の潤滑を良好に行なわせることができると共に潤滑不足によるガバナ装置の焼損事故の発生を防止することができ、また、ガバナ室内へ供給された潤滑油はクランク室内へ供給された潤滑油はクランク室内へ吸入されると共にクランク室内において混合気に混合されるため、混合気に混合された潤滑油によってクランク室内やピストン等の潤滑をも良好に行なうことができる等の効果を有する。」を、
「【考案の効果】
請求項1記載の考案は、クランク室とガバナ室とを遮断し、このガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入される前記クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させたので、ガバナ室へは濃厚な潤滑油を直接供給することができ、従って、潤滑油の供給量を少なくした場合でもガバナ装置の潤滑を良好に行なわせることができると共に潤滑不足によるガバナ装置の焼損事故の発生を防止することができ、また、ガバナ室内へ供給された潤滑油は連通口からクランク室内へ吸入されると共にクランク室内において混合気に混合されるため、混合気に混合された潤滑油によってクランク室内やピストン等の潤滑をも良好に行なうことができる等の効果を有する。」と訂正する。
▲4▼明細書第6頁第7行ないし第14行(公報第3頁第6欄第19行ないし26行)の記載
「 【符号の説明】
1 2サイクルエンジン
7 クランク室
9 ガバナ装置
10 ガバナ室
24 潤滑油ポンプ
25 吐出口
28 吐出口」を、
「【符号の説明】
1 2サイクルエンジン
7 クランク室
9 ガバナ装置
10 ガバナ室
11 連通口
24 潤滑油ポンプ
25 吐出口
28 吐出口」と訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無及び拡張 変更の存否
上記訂正事項(a)については実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、上記訂正事項(b)▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼については実用新案登録請求の範囲の上記訂正事項(a)に伴って考案の詳細な説明の記載を整合させるものであり 明瞭でない記載の釈明に該当する。そして、これらの訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり 実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)独立実用新案登録要件の判断
(a)訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に係る考案は、次のとおりのものと認める。
「【請求項1】クランク室とガバナ室とを遮断し、このガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入される前記クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させたことを特徴とする2サイクルエンジンの潤滑装置」
(b)刊行物1[異議申立人が提出した甲第1号証…実願昭58-167551号(実開昭60-75617号)のマイクロフィルム。]には、「第1図に示すように、ガバナ関係部品はクランクケース1とクランク軸2のウェブに囲まれた室(以下ガバナ室と略称)となっているためクランクケース1内に吸引された燃料はガバナ室に入り難い。」(第2頁6行?10行)、「本考案は燃料をピストン4が下死点より上昇行程により吸気ポート14が開となるまでの期間、クランクケースl内圧力の負圧を利用し連通路16及び逆止弁17を介してガバナ室15内に吸引噴出させるため、ガバナ部品は常に燃料中のオイルにより潤滑され磨耗及び変形が防止され、」(第4頁18行?第5頁3行)と記載されている。
したがって、刊行物1には、図面及び上記記載からみて、クランク室とガバナ室とを連通させ、混合気(燃料と空気との混合気体)に潤滑油を混合させてクランク室内へ吸入させると共にこの混合気をガバナ室へ流入させ、混合気中に含まれる潤滑油によってガバナ装置を潤滑する第二潤滑方式が記載されていると認められる。
刊行物2[異議申立人が提出した甲第2号証…実願昭59-177206号(実開昭61-91621号)のマイクロフィルム。]には、「このように形成された2サイクルエンジンにおけるクランク軸の潤滑装置では、オイルポンプによって圧送されたオイルが、上記した図示しないオイルチューブ、ユニオンボルト26およびオイル通路25を介して孔24内に供給される。一方、このエンジンでは、クランク室27内で一次圧縮された混合気の一部が、掃気通路23を介して孔24内に流入されている。したがって、このクランク軸の潤滑装置では、オイル通路25から孔24内に供給されるオイルは、その混合気によって希釈されてクランク軸28の潤滑に供給される。」(第5頁8行?19行)と記載されている。
したがって、刊行物2には、オイルポンプによって圧送されたオイルがクランク軸の潤滑装置に供給される点が記載されているものと認められる。
(c)訂正明細書の請求項1に係る考案と引用例1,2に記載されたものとを対比すると、引用例1,2はいずれも訂正明細書の請求項1に係る考案の構成に欠くことができない事項である、「ガバナ室がクランク室から遮断されている」及び「クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させる」という構成が記載されていない。
そして、訂正明細書の請求項1に係る考案は上記構成により訂正明細書に記載のとおりの「クランク室とガバナ室とを遮断し、このガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入される前記クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させたので、ガバナ室へは濃厚な潤滑油を直接供給することができ、従って、潤滑油の供給量を少なくした場合でもガバナ装置の潤滑を良好に行なわせることができると共に潤滑不足によるガバナ装置の焼損事故の発生を防止することができ、また、ガバナ室内へ供給された潤滑油は連通口からクランク室内へ吸入されると共にクランク室内において混合気に混合されるため、混合気に混合された潤滑油によってクランク室内やピストン等の潤滑をも良好に行なうことができる」という顕著な効果を奏するものと認められる。
したがって、訂正明細書の請求項1に係る考案は、刊行物1,2記載の考案からきわめて容易に考案をすることができたものであるともいえない。
また、訂正明細書の請求項1に係る考案は、上記2.(1)(a)(b)の訂正により明確になった。
よって、訂正明細書の請求項1に係る考案は、実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものである。
(d)以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項及び同条3項で準用する第126条第2?4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.実用新案登録異議申立てについての判断
(1)異議申立ての理由の概要
異議申立人大和哲夫は、請求項1に係る考案は甲第1号証…実願昭58-167551号(実開昭60-75617号)のマイクロフィルム、甲第2号証…実願昭59-177206号(実開昭61-91621号)のマイクロフィルムを基にきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項に該当する考案として登録されるべきでない旨主張している。
(2)判断
訂正明細書の請求項1に係る考案は、上記2.(3)で示したように、実用新案登録異議申立人大和哲夫が提出した各刊行物に記載された考案からきわめて容易に考案をすることができたものとすることはできない。
4.むすび
以上のとおりであるから、訂正明細書の請求項1に係る考案は、実用新案登録異議申立人が主張する理由及び提出した証拠によって取り消すことはできない。
また、他に訂正明細書の請求項1に係る考案を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
2サイクルエンジンの潤滑装置
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 クランク室とガバナ室とを遮断し、このガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入される前記クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させたことを特徴とする2サイクルエンジンの潤滑装置。
【請求項2】 潤滑油ポンプの吐出口をクランク室に開口させたことを特徴とする請求項1記載の2サイクルエンジンの潤滑装置。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ガバナ装置を備えた2サイクルエンジンの潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガバナ装置を備えた2サイクルエンジンにおけるガバナ装置の潤滑方式には二つの方式があり、第一潤滑方式は、クランク室とガバナ室とを遮断すると共にガバナ室内に潤滑油を貯留し、この潤滑油によってガバナ装置を潤滑する方式である。
【0003】
第二潤滑方式は、クランク室とガバナ室とを連通させ、混合気(燃料と空気との混合気体)に潤滑油を混合させてクランク室内へ吸入させると共にこの混合気をガバナ室内へ流入させ、混合気中に含まれる潤滑油によってガバナ装置を潤滑する方式である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
第一潤滑方式を採用した2サイクルエンジンにおいては、クランク室とガバナ室とをシール部材を用いて完全に遮断する必要があるが、シール部材が劣化した場合にはガバナ室内の潤滑油がクランク室内に吸込まれ、混合気と共に燃焼室へ供給されて消費されてしまい、ガバナ装置が無潤滑状態となって焼損する危険性がある。このため、ガバナ室内の潤滑油の油面レベルを常時監視する必要があり、手間がかかると共に煩雑である。
【0005】
また、ガバナ室内に貯留されている潤滑油は、長期間使用していると劣化して潤滑機能を失うために定期的に交換する必要があり、この交換を怠った場合にもガバナ装置が焼損する危険性がある。
【0006】
さらに、ガバナ室とクランク室とを仕切るシール部材や、潤滑油の液面レベルを監視するためのレベルゲージ等が必要であり、部品点数が増加すると共に2サイクルエンジンの外形寸法や重量が大きくなり、製造コストも上昇する。
【0007】
一方、第二潤滑方式を採用した2サイクルエンジンにおいては、混合気に混合されている潤滑油の濃度が希薄であるため、潤滑不足となり易い。特に、負荷が小さく燃料消費が少ない状態では供給される潤滑油の絶対量も少なくなり、ガバナ装置が焼損する危険性がある。なお、このような不具合を解消するためには混合気中に含まれる潤滑油の濃度を増すことが考えられるが、その場合には排気ガス中の未燃焼潤滑油が増加し、大気汚染の原因となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案は、クランク室とガバナ室とを遮断し、このガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入される前記クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させた。
【0009】
請求項2記載の考案は、請求項1記載の考案において、潤滑油ポンプの吐出口をクランク室に開口させた。
【0010】
【作用】
請求項1記載の考案では、ガバナ装置を収納したガバナ室へは濃厚な潤滑油が直接供給されるため、潤滑油の供給量を少なくした場合でもガバナ装置の潤滑が良好に行なわれる。また、ガバナ室内へ供給された潤滑油は、連通口からクランク室内へ吸入されると共にクランク室内において混合気に混合され、クランク室内やピストンを潤滑する。
【0011】
請求項2記載の考案では、潤滑油がガバナ室のみならずクランク室へも直接供給されるため、ガバナ装置の潤滑が良好に行なわれると共にクランク室内やピストンの潤滑がより一層良好に行なわれる。
【0012】
【実施例】
本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。まず、図1は2サイクルエンジン1の全体構成を示した縦断正面図であり、シリンダ2内にはピストン3が摺動自在に設けられている。前記シリンダ2の上端側にはシリンダヘッド4が連結されると共にシリンダ2の下端側にはクランクケース5が連結されており、このクランクケース5内には混合気が吸入されると共に掃気通路6を介して前記シリンダ2内に連通されたクランク室7が形成されている。
【0013】
前記クランクケース5にはガバナケース8が連結されており、このガバナケース8内にはガバナ装置9を収納するガバナ室10が形成され、ガバナ室10と前記クランク室7とが連通口11によって連通されている。そして、ベアリング12,13により保持されたクランクシャフト14がこれらのクランク室7とガバナ室10とを挿通する状態に取付けられており、このクランクシャフト14と前記ピストン3とがコンロッド15を介して連結されている。また、前記ガバナ装置9は前記クランクシャフト14の外周部に取付けられており、このガバナ装置9は、クランクシャフト14に固定されたウェイトホルダ16、ウェイトホルダ16にピン17により回動自在に取付けられたフライウェイト18、フライウェイト18に押されてスライドするスライダ19、スライダ19の動きをガバナシャフト20に伝えるフォロア21等により形成されている。
【0014】
つぎに、潤滑油を貯留した油タンク22が設けられており、この油タンク22には吸込パイプ23を介して前記2サイクルエンジン1により駆動される潤滑油ポンプ24が接続されている。そして、前記ガバナ室10に開口した吐出口25と前記潤滑油ポンプ24とが吐出管26を介して接続されている。さらに、前記吐出管26の途中からは分岐吐出管27が分岐されており、この分岐吐出管27の先端部は前記クランク室7に開口した吐出口28に接続されている。
【0015】
このような構成において、2サイクルエンジン1の運転時には混合気がクランク室7内に吸入され、この混合気は下降するピストン3により圧縮されると共に掃気通路6がシリンダ2内に連通したタイミングでシリンダ2内に噴出される。
【0016】
一方、2サイクルエンジン1により潤滑油ポンプ24が駆動され、油タンク22内の潤滑油が吸込パイプ23と吐出管26とを経て吐出口25からガバナ室10内に供給される。ガバナ室10内に供給された潤滑油は、まずガバナ装置9を潤滑し、ついで連通口11からクランク室7内に吸入されると共にその吸入過程でベアリング12を潤滑する。そして、クランク室7内に吸入された潤滑油はクランク室7内に吸入されている混合気と混合され、ベアリング13、クランクシャフト14とコンロッド15との連結部に設けられているベアリング29、コンロッド15とピストン3との連結部に設けられているベアリング30、ピストン3とシリンダ2との摺接面等を潤滑し、さらに、混合気と共にシリンダ2内に供給されて消費される。
【0017】
ここで、ガバナ室10へは濃厚な潤滑油が直接供給されるため、潤滑油の供給量を少なくしてもガバナ装置9の潤滑を良好に行える。また、ガバナ装置9を潤滑した後の潤滑油がクランク室7内に流入して混合気と混合されるため、混合気に混合された潤滑油によってクランク室7内のベアリング12,13,29,30やピストン3とシリンダ2との摺接面等の潤滑を行なえる。
【0018】
従って、本考案に係る潤滑装置においては、従来例において説明した第一潤滑方式と比較した場合、ガバナ室10内に潤滑油溜りを設ける必要がなく、さらに、ガバナ室10とクランク室7とを仕切る仕切壁やシール部材及びガバナ室10内の潤滑油の量を監視するレベルゲージ等が不要になる。従って、2サイクルエンジン1の軽量化や小型化及び部品点数の削減を図ることができ、また、潤滑油の残量監視や交換等が不要となるために取扱いや点検が容易になる。
【0019】
つぎに、潤滑油ポンプ24により供給された潤滑油の一部は分岐吐出管27を経て吐出口28からクランク室7内へ供給される。このため、クランク室7内のベアリング13,29やピストン3等の潤滑をより一層良好に行なえる。
【0020】
なお、本実施例においては、吐出口28をクランク室7に開口するように設けたが、エンジンの内部であれば吸気通路やクランクシャフト壁又はシリンダ壁に吐出口を開口させても同様の効果を有する。
【0021】
【考案の効果】
請求項1記載の考案は、クランク室とガバナ室とを遮断し、このガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入される前記クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させたので、ガバナ室へは濃厚な潤滑油を直接供給することができ、従って、潤滑油の供給量を少なくした場合でもガバナ装置の潤滑を良好に行なわせることができると共に潤滑不足によるガバナ装置の焼損事故の発生を防止することができ、また、ガバナ室内へ供給された潤滑油は連通口からクランク室内へ吸入されると共にクランク室内において混合気に混合されるため、混合気に混合された潤滑油によってクランク室内やピストン等の潤滑をも良好に行なうことができる等の効果を有する。
【0022】
請求項2記載の考案は、請求項1記載の考案において、潤滑油ポンプの吐出口をクランク室に開口させたので、潤滑油がガバナ室のみならずクランク室へも直接供給されるため、ガバナ装置の潤滑を良好に行なうことができると共にクランク室内やピストンの潤滑をより一層良好に行なうことができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案の一実施例を示した縦断正面図である。
【符号の説明】
1 2サイクルエンジン
7 クランク室
9 ガバナ装置
10 ガバナ室
11 連通口
24 潤滑油ポンプ
25 吐出口
28 吐出口
訂正の要旨 訂正の要旨
a.実用新案登録請求の範囲の請求項1中の「ガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入されるクランク室と前記ガバナ室と連通させ、」を請求の範囲の減縮を目的として「クランク室とガバナ室とを遮断し、このガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入される前記クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、」と訂正する。
b.明細書中の段落番号「0008」の
「 【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案は、ガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入されるクランク室と前記ガバナ室とを連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させた。」
を、明瞭でない記載の釈明を目的として、
「 【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案は、クランク室とガバナ室とを遮断し、このガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入される前記クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させた。」
に訂正する。
c.明細書中の段落番号「0010」の
「【作用】
請求項1記載の考案では、ガバナ装置を収納したガバナ室へは濃厚な潤滑油が直接供給きれるため、潤滑油の供給量を少なくした場合でもガバナ装置の潤滑が良好に行なわれる。また、ガバナ室内へ供給された潤滑油は、クランク室内へ吸入されると共にクランク室内において混合気に混合され、クランク室内やピストンを潤滑する。」
を、明瞭でない記載の釈明を目的として、
「 【作用】
請求項1記載の考案では、ガバナ装置を収納したガバナ室へは濃厚な潤滑油が直接供給されるため、潤滑油の供給量を少なくした場合でもガバナ装置の潤滑が良好に行なわれる。また、ガバナ室内へ供給された潤滑油は、連通口からクランク室内へ吸入されると共にクランク室内において混合気に混合され、クランク室内やピストンを潤滑する。」
に訂正する。
d.明細書中の段落番号「0021」の
「【考案の効果】
請求項1記載の考案は、ガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入されるクランク室と前記ガバナ室とを連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させたので、ガバナ室へは濃厚な潤滑油を直接供給することができ、従って、潤滑油の供給量を少なくした場合でもガバナ装置の潤滑を良好に行なわせることができると共に潤滑不足によるガバナ装置の焼損事故の発生を防止することができ、また、ガバナ室内へ供給された潤滑油はクランク室内へ吸入されると共にクランク室内において混合気に混合されるため、混合気に混合された潤滑油によってクランク室内やピストン等の潤滑をも良好に行なうことができる等の効果を有する。」
を、明瞭でない記載の釈明を目的として、
「 【考案の効果】
請求項1記載の考案は、クランク室とガバナ室とを遮断し、このガバナ室内にガバナ装置を収納した2サイクルエンジンにおいて、混合気が吸入される前記クランク室とこのクランク室から遮断された前記ガバナ室とを連通口によって連通させ、前記ガバナ室に潤滑油ポンプの吐出口を開口させたので、ガバナ室へは濃厚な潤滑油を直接供給することができ、従って、潤滑油の供給量を少なくした場合でもガバナ装置の潤滑を良好に行なわせることができると共に潤滑不足によるガバナ装置の焼損事故の発生を防止することができ、また、ガバナ室内へ供給された潤滑油は連通口からクランク室内へ吸入されると共にクランク室内において混合気に混合されるため、混合気に混合された潤滑油によってクランク室内やピストン等の潤滑をも良好に行なうことができる等の効果を有する。」
に訂正する。
e.明細書第6頁第7行ないし第14行(実用新案登録第2581096号公報第3頁 第6欄第19行ないし26行)の
「 【符号の説明】
1 2サイクルエンジン
7 クランク室
9 ガバナ装置
10 ガバナ室
24 潤滑油ポンプ
25 吐出口
28 吐出口」
を、明瞭でない記載の釈明を目的として、
「 【符号の説明】
1 2サイクルエンジン
7 クランク室
9 ガバナ装置
10 ガバナ室
11 連通口
24 潤滑油ポンプ
25 吐出口
28 吐出口」
に訂正する。
異議決定日 1999-06-22 
出願番号 実願平4-35835 
審決分類 U 1 652・ 121- YA (F01M)
最終処分 維持  
前審関与審査官 黒瀬 雅一高木 進  
特許庁審判長 藤田 豊比古
特許庁審判官 山口 直
清田 栄章
登録日 1998-07-03 
登録番号 実用登録第2581096号(U2581096) 
権利者 石川島芝浦機械株式会社
東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目32番7号
考案の名称 2サイクルエンジンの潤滑装置  
代理人 柏木 慎史  
代理人 柏木 明  
代理人 小山 尚人  
代理人 柏木 慎史  
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