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審決分類 審判 全部申し立て   F16L
管理番号 1004014
異議申立番号 異議1998-72994  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-06-08 
確定日 1999-07-09 
異議申立件数
事件の表示 実用新案登録第2556772号「プラスチック製管継手」の実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 実用新案登録第2556772号の実用新案登録を取り消す。
理由 1、手続の経緯
実用新案登録第2556772号の請求項1に係る考案は、平成3年8月27日に実用新案登録出願され、平成9年8月22日にその実用新案登録の設定がなされたものである。
これに対して、実用新案登録異議申立人岡誠一より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内に訂正請求がなされ、その後訂正拒絶理由通知がなされたが、その指定期間内に意見書の提出がされなかったものである。
2、訂正の適否
2-1、訂正の内容
本件訂正請求は、実用新案登録請求の範囲の減縮と明りょうでない記載の釈明を目的としてa、bの訂正事項を訂正するものであるが、とりわけ訂正事項aのCは次のとおりである。
(C)、請求項1の「プラスチック管の電気融着接続に際しては、所定の口径未満の管継手本体を電気融着接続するための単一のコントローラを用いて、前記所定の口径未満の管継手本体においては前記一系統の電熱線に一度に通電して融着接続し、他方所定の口径以上の管継手本体においては前記複数系統の電熱線に別々に通電して個別に融着接続してなることを特徴とするプラスチック製管継手。」を、「前記管継手本体の接続口毎に埋め込んだ電熱線に、前記呼び口径が100mm未満の2本のプラスチック管を一度に融着接続するコントローラを用いて個別に通電し、前記プラスチック管を2回に分けて融着接続するように構成したことを特徴とするプラスチック製管継手。」と訂正するものである。
2-2、新規事項の有無
上記訂正事項(C)は、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として訂正することを求めたものであるが、上記訂正事項(C)のうちの「100mm未満」は実用新案登録明細書及び図面に記載されておらず、かつ、これらから直接的かつ一義的に導き出せるものでもないから、新規事項の追加に相当する。
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例とされる、特許法第120条の4第3項において準用する特許法第126条第2項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。
3、実用新案登録異議の申立てについて
3-1、本件考案
実用新案登録第2556772号の請求項1に係る考案は、それぞれ実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】複数本のプラスチック管を電気融着接続するためのプラスチック製管継手であって、小口径から大口径まで段階的に口径の異なる複数の管継手本体のうち、所定の口径以上の管継手本体にあっては当該管継手本体の内周部に複数のプラスチック管のそれぞれを個別に融着接続するための電熱線を複数系統に分けて埋込み、所定の口径未満の管継手本体にあっては当該管継手本体の内周部に複数のプラスチック管を一度に融着接続するための一系統の電熱線を埋込み、プラスチック管の電気融着接続に際しては、所定の口径未満の管継手本体を電気融着接続するための単一のコントローラーを用いて、前記所定の口径未満の管継手本体においては前記一系統の電熱線に一度に通電して融着接続し、他方所定の口径以上の管継手本体においては前記複数系統の電熱線に別々に通電して個別に融着接続してなることを特徴とするプラスチック製管継手。」
3-2、引用刊行物
当審が先に通知した取消理由において引用した刊行物1、3には、それぞれ次の内容が記載されている。
刊行物1(特開平2-253098号公報)には、エレクトロフュージョン継手が記載されており、特に第1頁左欄第13?16行、第2頁左下欄第7行?第3頁左下欄第12行の記載、第1、2図から、刊行物1には、「二本のポリオレフィンチューブを融着接合するためのエレクトロフュージョン継手であって、当該継手本体の内部、内表面にポリオレフィンチューブのそれぞれを個別に融着接合するための電熱線を二系統に分けて埋込んでなるエレクトロフュージョン継手。」が記載されていると云える。
刊行物3(「デュラパイプ社製品カタログ」第18、28頁)には、「口径の大きい継手には両端に二つずつのコネクタ、口径の小さい継手には両端に一つずつのコネクタ」が写真で示されている。なお、刊行物3の裏表紙最下行に「Issue7March1991・・・・Designed and Produced by Durapipe Publicity」と記載されているところから、刊行物3は1991年5月7日に頒布されたものと云える。
3-3、対比・判断
請求項1に係る考案(以下、本件考案という。)と刊行物1に記載の考案とを対比すると、刊行物1に記載の考案の「ポリオレフィンチューブ」、「内部、内表面」、「エレクトロフュージョン継手」は、本件考案の「プラスチック管」、「内周部」、「プラスチック製管継手」、にそれぞれ相当するから、両者は「複数本のプラスチック管を電気融着接続するためのプラスチック製管継手であって、管継手本体の内周部に複数のプラスチック管のそれぞれを個別に融着接続するための電熱線を複数系統に分けて埋込んでなることを特徴とするプラスチック製管継手。」で一致し、
ただ、▲1▼本件考案では、所定の口径未満の管継手本体では、複数のプラスチック管を一度に融着接続するための一系統の電熱線を埋込み、所定の口径以上の管継手本体では、複数のプラスチック管のそれぞれを個別に融着接続するための電熱線を複数系統に分けて埋込むのに対して、刊行物1に記載の考案では、その点に直接触れた記載のない点、
▲2▼本件考案では、電気融着接続に際して、所定の口径未満の管継手本体を電気融着接続するための単一のコントローラーを用いて、所定の口径未満の管継手本体においては一度に通電して融着接続し、所定の口径以上の管継手本体においては複数系統の電熱線に別々に通電して個別に融着接続するのに対して、刊行物1に記載の考案では、その点に直接触れた記載のない点で相違する。
そこで上記相違点▲1▼について検討する。
刊行物3から、口径の大きい管継手の場合に二系統の電熱線を埋込み、口径の小さい管継手の場合、一系統の電熱線を埋込むことが、本件出願前公知の技術であることが明らかであるから、刊行物1に記載の考案において、所定の口径以上の管継手には二系統の電熱線を埋め込み、所定の口径未満の管継手には一系統の電熱線を埋め込むことは当業者がきわめて容易に想到するものである。
次ぎに相違点▲2▼について検討する。
一般に、電気融着接続を行う管継手の通電に当たっては、通電時間を勘案して、電熱線の長さに応じた容量のコントローラーを用いるのは当然のことであるから、所定の口径未満の管継手本体を電気融着接続するための単一のコントローラーを用いて、二系統の電熱線を埋め込んだ所定の口径以上の管継手では二系統の電熱線に別々に通電して個別に融着接続することは当業者がきわめて容易に想到し得るものである。
結局、相違点▲1▼▲2▼は格別なものではなく、また、上記相違点▲1▼▲2▼を総合的に検討しても、これらによって奏される効果も予測される範囲内である。
4、むすび
以上のとおり、本件請求項1に係る考案は、刊行物1、3に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
したがって、本件考案についての実用新案登録は拒絶の査定をしなければならない実用新案登録出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法第116号)附則第9条第7項の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第3条第1項及び第2項の規定により、上記の結論のとおり決定する。
異議決定日 1999-05-28 
出願番号 実願平3-75699 
審決分類 U 1 651・ 121- ZB (F16L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 大橋 康史  
特許庁審判長 沼澤 幸雄
特許庁審判官 野田 直人
山田 充
登録日 1997-08-22 
登録番号 実用登録第2556772号(U2556772) 
権利者 日立金属株式会社
東京都千代田区丸の内2丁目1番2号 東京瓦斯株式会社
東京都港区海岸1丁目5番20号
考案の名称 プラスチック製管継手  
代理人 櫛渕 一江  
代理人 櫛渕 昌之  
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