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審決分類 審判 全部申し立て   G03B
審判 全部申し立て   G03B
審判 全部申し立て   G03B
管理番号 1004123
異議申立番号 異議1998-76080  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-12-16 
確定日 1999-08-02 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 実用新案登録第2574982号「ストロボ装置」の請求項1ないし2に係る実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 実用新案登録第2574982号の請求項1ないし2に係る実用 新案登録を維持する。
理由 (1)手続きの経緯
本件実用新案登録第2574982号考案は、平成3年4月15日に実用新案登録出願され、平成10年4月3日にその考案の実用新案登録がなされ、その後、丸尾 昭恵及びコニカ 株式会社より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年4月26日に訂正請求がなされたものである。
(2)訂正の適否についての判断
ア.実用新案登録請求の範囲の訂正
a、訂正明細書の請求項1に係る考案は、その実用新案登録請求の範囲第1項に特定された、次のとおりのものである。
「【請求項1】電源から供給される電流によって充電が行われるメインコンデンサ及びトリガ用コンデンサと、前記メインコンデンサに蓄えられた電荷によって放電する放電管と、シンクロ接点の短絡によって前記トリガ用コンデンサに蓄えられた電荷が一次巻線に放電され二次巻線を介して二次電極からトリガ信号を送出するトリガ用トランスと、前記トリガ用コンデンサとトリガ用トランスとを保持したストロボ基板と、前記放電管と反射傘とを保持するとともに、前記ストロボ基板に取り付けられる保持部材と、弾性を有する薄板で構成され、一端を前記保持部材に組み込むことにより前記反射傘と接触して放電管と電気的に接続され、かつ保持部材から突出して前記トリガ用トランスの二次電極の近傍に延びた他端が二次電極に固着されたトリガ電極板と、を備えていることを特徴とするストロボ装置。」
イ.考案の詳細な説明の訂正
a、段落【0005】第3?4行(実用新案掲載公報第3欄段落【0005】第3?4)の「一端が反射傘との接触により放電管と電気的に接続された状態で保持部材に組み込まれ、」を「一端を保持部材に組み込むことにより反射傘と接触して放電管と電気的に接続され、」と訂正する。
b、段落【0014】第2?3行(実用新案掲載公報第6欄段落【0014】第2?3行)の「トリガ電極板の一端を反射傘を介して放電管と電気的に接続した状態で組み込むことで、」を「トリガ電極板が放電管と電気的に接続した状態となるように、トリガ電極板の一端を保持部材に組み込むこと
で、」と訂正する。
ウ.訂正の目的の適否及び拡張・変更の存否等
上記訂正ア.は、不明瞭な記載の釈明に該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、実質的に実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではなく、新規事項の追加もない。また、上記訂正イ.は、考案の詳細な説明の欄の明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、新規事項の追加もない。
エ.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律116号)附則第9条第2項の規定により準用され、同附則第10条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項、同条第3項で準用する第126条第2-4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
(3)実用新案登録異議の申立てについての判断
ア.申立ての理由の概要
申立人丸尾 昭恵は、証拠として甲第1号証(実願昭59-162065号〔実開昭61-76423号〕のマイクロフイルム、下記引用例2に同じ。)、甲第2号証(実願昭63-48339号〔実開平1-152498号〕のマイクロフイルム、下記引用例3に同じ。)、甲第3号証(実願昭63-8454号〔実開平2-7632号〕のマイクロフイルム、下記引用例4に同じ。)、及び甲第4号証(実願昭62-76469号〔実開昭63-185131号〕のマイクロフイルム、下記引用例5に同じ。)を提出し、請求項1及び2に係る考案は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであるから、実用新案登録を取り消すべき旨主張している。
申立人コニカ 株式会社は、証拠として甲第1号証(実願平4-23245号〔実開平5-83738号〕のマイクロフイルム、下記引用例1に同じ。)を提出し、請求項1に係る考案は、要旨変更により出願日が繰り下がり、実用新案法第3条第1項第3号の規定に違反してなされたものであるから、実用新案登録を取り消すべき旨主張し、また、証拠として甲第2号証(実願昭63-48339号〔実開平1-152498号〕のマイクロフイルム、下記引用例3に同じ。)、及び甲第3号証(実願昭46-53059号〔実開昭48-11769号〕のマイクロフイルム、下記引用例6に同じ。)を提出し請求項1に係る考案は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであるから、実用新案登録を取り消すべき旨主張し、さらに、請求項1に係る考案は、記載不備があり、実用新案法第5条第4および5項の規定に違反してなされたものであるから、実用新案登録を取り消すべき旨主張している。
イ.判断
(記載不備について)
訂正前明細書の請求項1に係る考案に対して、当審が通知した取消理由で指摘した記載不備ついては、「弾性を有する薄板」がトリガ電極板を限定するものである以上、トリガ電極板を前提として解すべきものであり、必ずしも、弾性の程度や厚みを具体的に開示する必要はなく、当業者にとって技術常識ないし設計的事項に属するものであるといえる。
それゆえ、本件請求項1に係る考案の実用新案登録は、実用新案法第5条第4,5項に規定する要件を満たす出願に対してなされたものである。
(要旨変更について)
実用新案登録異議申立人コニカ 株式会社が主張する要旨変更は、上記訂正によって解消されるものとなった。
すなわち、トリガ電極板の一端が保持部材に組み込まれることによって反射傘と接触することが明らかになり、また、その構成は、出願当初の明細書または図面に記載があったものである。
したがって、本件実用新案登録出願の出願日が繰り下がることはない。
(刊行物)
実用新案登録異議申立人丸尾 昭恵ないしコニ力 株式会社が提示した実願平4-23245号(実開平5-83738号)のマイクロフイルム(以下、引用例1という。)には、「ストロボ装置の発光装置」が記載され、
同じく提示した実願昭59-162065号(実開昭61-76423号)のマイクロフイルム(以下、引用例2という。)には、「電源1から供給される電流によって充電が行われる主コンデンサ4及びトリガコンデンサ6と、前記主コンデンサ4に蓄えられた電荷によって放電する放電管8と、トリガスイッチ5の短絡によって前記トリガコンデンサ6に蓄えられた電荷が一次巻線に放電され二次巻線を介して二次電極からトリガ信号を送出するトリガコイル7と、前記トリガコンデンサ6とトリガコイル7とを保持したプリント基板9と、トリガコイル7からの信号を放電管8に伝える配線を、プリント基板9と、該プリント基板9のトリガパターン9aに取付ねじやリベット等によって直接に接続される導電性反射傘10で構成したストロボトリガ回路の配線構造。」が記載され、
同じく提示した実願昭63-48339号(実開平1-152498号)のマイクロフイルム(以下、引用例3という。)には、[2つのコンデンサー、放電管10と、反射板11の湾曲凹面11aに押し込み、管表面10cで直接面接触する放電管10の両端部を押さえ部材13aにより弾性的に保持するプラスチック製のフレーム13と、フレーム13の内側及び側壁に張設され、反射板11に接触し、配線15を介してトリガ回路12の出力側と電気的に接続する、薄い銅板等の導体板14とを備えている閃光器の発光部構造。」が記載され、
同じく提示した実願昭63-8454号(実開平2-7632号)のマイクロフイルム(以下、引用例4という。)には、「クセノン管9と、前記クセノン管9とリフレクタ16とを取り付けるケ一ス14とを有し、トリガー線12を該リフレクタ16とケース14との間で狭持させたストロボ。」が記載され、
同じく提示した実願昭62-76469号(実開昭63-185131号)のマイクロフイルム(以下、引用例5という。)には、[閃光放電管11と、前記閃光放電管11と反射傘10とを保持するとともに、フレキシブルプリント基板14と一体となって光軸方向に移動する筐体12を備えているストロボ内蔵カメラ。」が記載され、
同じく提示した実願昭46-53059号(実開昭48-11769号)のマイクロフイルム(以下、引用例6という。)には、「放電管4と、基板1と、前記放電管4と導電板6とを保持するとともに前記基板1に取り付けられる接片2,2’と、導電板6にトリガーパルスを印加するための弾性を有する接片7を備える放電管の保持具。」が記載されている。
(対比・判断)
先ず、本件請求項1に係る考案と上記引用例2に記載された考案とを対比すると、本件請求項1に係る考案の「電源」、「メインコンデンサ」、「トリガ用コンデンサ」、「放電管」、「シンクロ接点」、「トリガ用トランス」、「ストロボ基板」は、夫々上記引用例2に記載された考案の「電源1」、「主コンデンサ4」、[トリガコンデンサ6」、「放電管8」、「トリガスイッチ5」、「トリガコイル7」、「プリント基板9」に相当するから、両者は、電源から供給される電流によって充電が行われるメインコンデンサ及びトリガ用コンデンサと、前記メインコンデンサに蓄えられた電荷によって放電する放電管と、シンクロ接点の短絡によって前記トリガ用コンデンサに蓄えられた電荷が一次巻線に放電され二次巻線を介して二次電極からトリガ信号を送出するトリガ用トランスと、前記トリガ用コンデンサとトリガ用トランスとを保持したストロボ基板とを備えているストロボ装置、で一致し、
A本件請求項1に係る考案は、前記放電管と反射傘とを保持するとともに、前記ストロボ基板に取り付けられる保持部材を備えているのに対して、上記引用例2に記載された考案は、それらの点に関する記載が無い点
B本件請求項1に係る考案は、弾性を有する薄板で構成され、一端を前記保持部材に組み込むことにより前記反射傘と接触して放電管と電気的に接続され、かつ保持部材から突出して前記トリガ用トランスの二次電極の近傍に延びた他端が二次電極に固着されたトリガ電極板とを備えているのに対して、上記引用例2に記載された考案は、それらの点に関する記載が無い点で相違する。
次に、本件請求項1に係る考案と上記引用例3に記載された考案とを対比すると、本件請求項1に係る考案の「メインコンデンサ及びトリガ用コンデンサ」、「放電管」、「トリガ用トランス」、「反射傘」、「保持部材」は、夫々上記引用例3に記載された考案の「2つのコンデンサー」、「放電管10」、「トリガコイル」、「反射板11」、「フレーム」に相当するから、両者は、メインコンデンサ及びトリガ用コンデンサと、放電管と、トリガ用トランスと、前記放電管と反射傘とを保持する保持部材とを備えているストロボ装置で一致し、
C本件請求項1に係る考案は、メインコンデンサ及びトリガ用コンデンサが、電源から供給される電流によって充電が行われるのに対して、上記引用例3に記載された考案は、その点に関する記載が無い点、
D本件請求項1に係る考案は、放電管がメインコンデンサに蓄えられた電荷によって放電するのに対して、上記引用例3に記載された考案は、その点に関する記載が無い点、
E本件請求項1に係る考案は、トリガ用トランスが、シンクロ接点の短絡によって前記トリガ用コンデンサに蓄えられた電荷が一次巻線に放電され二次巻線を介して二次電極からトリガ信号を送出するのに対して、上記引用例3に記載された考案は、その点に関する記載が無い点、
F本件請求項1に係る考案は、ストロボ基板がトリガ用コンデンサとトリガ用トランスとを保持するのに対して、上記引用例3に記載された考案は、その点に関する記載が無い点、
A’本件請求項1に係る考案は、保持部材がストロボ基板に取り付けられるのに対して、上記引用例3に記載された考案は、その点に関する記載が無い点、
B弾性を有する薄板で構成され、一端を前記保持部材に組み込むことにより前記反射傘と接触して放電管と電気的に接続され、かつ保持部材から突出して前記トリガ用トランスの二次電極の近傍に延びた他端が二次電極に固着されたトリガ電極板とを備えているのに対して、上記引用例3に記載された考案は、それらの点に関する記載が無い点で相違する。
次に、本件請求項1に係る考案と上記引用例4に記載された考案とを対比すると、本件請求項1に係る考案の「放電管」、「反射傘」、「保持部材」は、夫々上記引用例4に記載された考案の「クセノン管9」、「リフレクタ16」、「ケース14」に相当するから、両者は、放電管と、前記放電管と反射傘とを保持する保持部材とを有するストロボ装置で一致し、その余の点で相違する。
次に、本件請求項1に係る考案と上記引用例5に記載された考案とを対比すると、本件請求項1に係る考案の「放電管」、「反射傘」、「ストロボ基板」、「保持部材」は、夫々上記引用例5に記載された考案の「閃光放電管11」、「反射傘10」、「フレキシブルプリント基板14」「筐体12」に相当するから、両者は、放電管と、前記放電管と反射傘とを保持するとともに、ストロボ基板に取り付けられる保持部材を備えているストロボ装置で一致し、その余の点で相違する。
最後に、本件請求項1に係る考案と上記引用例6に記載された考案とを対比すると、本件請求項1に係る考案の「放電管」、「反射傘」、「ストロボ基板」、「保持部材」は、夫々上記引用例6に記載された考案の「放電管4」、「導電板6」、「基板1」、「接片2,2’」に相当するから、両者は、放電管と、ストロボ基板と、前記放電管と反射傘とを保持するとともに前記ストロボ基板に取り付けられる保持部材を備えているストロボ装置で一致し、その余の点で相違する。
してみれば、上記引用例2?6は、本件請求項1に係る考案の構成の一部である上記Bの構成を有しない。
そして、本件請求項1に係る考案は、上記Bの構成をとったことにより「トリガ用トランスの二次電極とトリガ用電極板とを接続する作業、すなわち、二箇所で半田付け等により固着する作業やリード線が予め定まった長さとなっているための困難な作業の効率アップを図り、ローコストでストロボ装置を提供する」という課題が達成でき、「本考案のストロボ装置によれば、トリガ電極板が放電管と電気的に接続した状態となるように、トリガ電極板の一端を保持部材に組み込むことで、トリガ電極板の他端が保持部材から突出してトリガ用トランスの二次電極の近傍に位置するから、この他端と二次電極とを固着すれば、固着作業が簡素化でき作業効率の向上を図ることができる、また、従来技術と比較してリード線の分だけコストダウンとなり、自動組立化の推進に大きく役立つ効果があ。」という明細書記載の効果を奏するものであるから、上記引用例2?6に記載された考案であるとも、上記引用例2?6に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に推考することができたものとも認められない。
本件請求項2に係る考案は、本件請求項1に係る考案の構成の一部をさらに限定したものであるから、本件請求項1に係る考案の判断と同じである。
なお、上記したように要旨変更は無く、本件実用新案登録出願の出願日が繰り下がることはないから、上記引用例1は、証拠として採用できない
ウ.むすび
以上のとおりであるから、実用新案登録異議申立の理由及び証拠によっては、本件請求項1及び2に係る考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1及び2に係る考案の実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
ストロボ装置
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 電源から供給される電流によって充電が行われるメインコンデンサ及びトリガ用コンデンサと、
前記メインコンデンサに蓄えられた電荷によって放電する放電管と、
シンクロ接点の短絡によって前記トリガ用コンデンサに蓄えられた電荷が一次巻線に放電され二次巻線を介して二次電極からトリガ信号を送出するトリガ用トランスと、
前記トリガ用コンデンサとトリガ用トランスとを保持したストロボ基板と、
前記放電管と反射傘とを保持するとともに、前記ストロボ基板に取り付けられる保持部材と、
弾性を有する薄板で構成され、一端を前記保持部材に組み込むことにより前記反射傘と接触して放電管と電気的に接続され、かつ保持部材から突出して前記トリガ用トランスの二次電極の近傍に延びた他端が二次電極に固着されたトリガ電極板と、
を備えていることを特徴とするストロボ装置。
【請求項2】 前記トリガ電極板は、前記他端側の一部が屈曲していることを特徴とする請求項1記載のストロボ装置。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ストロボ装置に関し、さらに詳しくはストロボ装置の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フイルムを内蔵した容器に簡単な撮影機構を組み込んで、低価格で提供されているレンズ付きフイルムユニットの中にはストロボ装置を備えたレンズ付きフイルムユニット「写ルンです フラッシュ」(登録商標)等が本出願人から提供されている。このようなレンズ付きフイルムユニットに用いられたストロボ装置においては、可能な限りローコストである必要からストロボ装置の構造を簡略化し、さらに、大量生産によるコストダウンを図るために自動組立が行えるような改善が施されている。というのは、自動組立化を考慮すると必ずリード線等の接続処理がネックとなり、このような配線処理を用いずに電気的接続を行うように改善されている。しかしながら、品質等の問題から全ての箇所において自動組立が行えるような改善が施されているわけではなく、例えば前述したストロボ装置の場合には、放電管の放電を開始させるトリガ用電極板とトリガ用トランスの二次巻線との接続箇所にはリード線を用いて接続していた。これはトリガ用トランスが配置されたストロボ基板とトリガ用電極板が配置された発光部との取り付けが遊嵌された状態でないとこれらをレンズ付きフイルムユニットに組み込み不可能となり、このためストロボ基板に対し発光部が遊動した場合、半田付け部分に負荷が加わり半田はずれ、又は接触不良等が発生するため、リード線によって負荷を吸収させるためである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、トリガ用トランスの二次電極とトリガ用電極板とをリード線を用いて接続する場合には、リード線の両端側を二次電極とトリガ用電極板との二箇所で半田付け等により固着する作業が必要となり作業効率の向上が望まれていた。さらにこのような作業はリード線が予め定まった長さとなっているため困難な作業となっていた。
【0004】
本考案はこのような従来技術の欠点を解決するためになされたもので、トリガ用トランスの二次電極とトリガ用電極板とを接続する作業の効率アップを図りローコストでストロボ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の考案では、弾性を有する薄板で構成され、一端が反射傘との接触により放電管と電気的に接続された状態で保持部材に組み込まれ、一端を保持部材に組み込むことにより反射傘と接触して放電管と電気的に接続され、かつ保持部材から突出してトリガ用トランスの二次電極の近傍に延びた他端が二次電極に固着されたトリガ電極板を備えたものである。また、請求項2記載の考案では、トリガ電極板の他端側の一部を屈曲させて、ストロボ基板と保持部材との遊動による負荷を吸収するようにしたものである。
【0006】
【実施例】
本考案に係るストロボ装置を用いたレンズ付きフイルムユニットの外観を示す図2において、このレンズ付きフイルムユニットはユニット本体10を紙箱11で覆って使用される。この紙箱11にはレンズフード12,レリーズボタン13,巻き上げノブ14,フイルムカウンタ表示窓15などの他、ファインダ開口部16,発光部17,指がかり18,19を露出させるための穴が開設され、これらの穴を通して撮影操作できるようにしてある。ユニット本体10は本体部20,前カバー21,及び後カバー22とを備えており、本体部20及び後カバー22との構造は、実開平4-1528号等に記載されている構造をそのまま利用することが可能である。前記本体部20には、その背面に部分的に露出してフイルム18のパーフォレーションに係合するスプロケット,蹴飛ばしレバー32,カウンタ円板23を含むシャッタ駆動機構26が組み込まれている。そして、シャッタボタン13を押すと蹴飛ばしレバー32の先端が図において右方向に瞬間的に移動して撮影が行われるようになっている。
【0007】
本体部20の中央部には露光用の開口27が開設されており、この開口27の上方にはシンクロ接点となる接片46a,46bが配置される。なお、このうちの接片46aは後述する駆動レバー33の移動路に位置している。前記開口27にはレンズホルダ28が嵌め込まれ、このレンズホルダ28には、第2レンズ29,間隔環30,シャッタ羽根31,シャッタカバ-35,第1レンズ37と順に組み込まれ、最後に抑え環39をレンズホルダ28に被せて嵌めることによって、これらは一体化される。
【0008】
前記間隔環30の中心部には、撮影レンズ41の開口径を決める絞り開口30aが形成され、これの前面で本体部20の前面に突設したピン51を中心にシャッタ羽根31が回動して絞り開口30aを開閉することができる。シャッタ羽根31の開閉は駆動レバー33によって行われる。駆動レバー33は本体部12の前面に植設されたピン57を中心に回動し、通常はバネ34によって反時計方向に付勢されている。そして、蹴飛ばしレバー32が右方向に瞬間的に移動する過程で駆動レバー33の一端33aを蹴飛ばすと、駆動レバー33はバネ34に抗して時計方向に揺動した後、再びバネ34の付勢により元の位置に戻る。なお、シャッタ羽根31が絞り開口30aを全開時に前記押圧部33cが前記接片46aを押圧し、接片46aが接片46bに接触する。また、シャッタ羽根31の揺動完了後に接片46aは前記押圧部Cが接片46から上方に退避するから元の状態に戻る。
【0009】
前記本体部20の前面右方にはストロボ基板42が配置されている。このストロボ基板42には前面上部に発光部43が備えられ、また、前面中間部に充電開始用接点45,下部に電池47,背面にはメインコンデンサ44等を含むストロボ回路48が取り付けられている。なお、前記発光部43は、放電管63と反射傘69とこれらを保持する保持部材70とから構成され、これらの前面に拡散板49が配置されている。また、前記前カバー21には、撮影レンズ41を露呈させる開口が設けられたレンズフ一ド12,ファインダ開口部16、指かかり18,19等が一体に設けられている。また、指がかり19は一部分が切り欠かれており、この切り欠かれた部分がストロボスイッチ19aとなっている。このスイッチ19aの背面側には、短絡板52が設けられており、このストロボスイッチ19aの押圧操作により短絡板52が前記充電開始用接点45を短絡させる。
【0010】
前記接片46a,46bの端部は、図4に示すようにストロボ回路48内のトリガ回路に接続されている。このストロボ回路48は、電池47を含む電源回路60と充電開始用接点45とが直列に接続されており、電源回路60からの高電圧出力は、トリガ用コンデンサ61及びメインコンデンサ44を充電する。トリガ用コンデンサ61にはトリガ用トランス62が接続され、その一次巻線62aには接片46aの端部が、二次巻線62bには放電管63の放電を開始させるためのトリガ電極板64がそれぞれ接続されている。
【0011】
前記トリガ電極板64は図1に示すような導電性の薄板形状となっており、上部に凹部64aを、また中央部に穴64bを備えている。このようなトリガ電極板64は、前記保持部材70の開口70bに挿入され、挿入されたトリガ電極板64は図5に示すように凹部64aが保持部材70の突起70aに係合し、中央部の両サイド側が反射傘69の背面に接触する。さらに、トリガ電極板64の細長い下部64cはトリガ用トランス62の二次巻線62bに接続された二次電極71上に位置する。この下部64cは、後に半田付け等で二次電極71に固着され、発光部43がストロボ基板42に固定される。なお、前記下部64cはこれの一部を屈曲させるような加工が施されており、輸送中に発光部43が振動したとしても、その振動は前記屈曲部分の弾性によって吸収される。したがって、輸送中の振動によってトリガ電極板64とトリガ用トランス62との半田付け部分が剥がれるという事故を防ぐことができる。
【0012】
次に、上記説明したストロボ装置の組立について簡単に説明する。先ず、図1に示すように保持部材70の開口70bにトリガ電極板64をこれの下部64cから挿入するとトリガ電極板64は、突起70aに凹部64aが係合して保持部材70に固定される。その後、保持部材70の前面側に反射傘69を挿入した後に放電管63を同図に示すように挿入すると図4に示す状態となる。これにより、トリガ電極板64の中央部は、穴64bの両サイド側が反射傘69の背面輪郭に沿って接触した状態となり、また、トリガ電極板64の下部64cは、トリガ用トランス62の二次電極71上に位置した状態となる。
【0013】
その後、下部64cを二次電極71に半田付け等により固着するが、下部64cが細長い形状をしているため折り曲げやすくなっており、簡単に半田付け作業が行えるとともに、自動組立化にも適応させることが可能となる。また、トリガ用トランス62はストロボ基板42にこれの背面から見て菱形状に配置されており、半田付け時にトランス本体を保護し半田付けの作業が安全に行え作業効率の向上が図られる。なお、半田付け作業が完了すると、発光部43はストロボ基板42に固定される。その後、放電管63の両端にメインコンデンサー44からの電圧が加えられるように接続すれば本考案に係るストロボ装置の組立が完了する。なお、本実施例では、レンズ付きフイルムユニットにストロボ装置を内蔵させた例としたが、本考案ではこれに限らずローコストタイプのカメラ等に内蔵させることが可能なのはいうまでもない。
【0014】
【考案の効果】
以上に説明したように本考案のストロボ装置によれば、トリガ電極板が放電管と電気的に接続した状態となるように、トリガ電極板の一端を保持部材に組み込むことで、トリガ電極板の他端が保持部材から突出してトリガ用トランスの二次電極の近傍に位置するから、この他端と二次電極とを固着すれば、固着作業が簡素化でき作業効率の向上を図ることができる。また、従来技術と比較してリード線の分だけコストダウンとなり、自動組立化の推進に大きく役立つ効果がある。さらに、請求項2記載の考案では、トリガ電極板の他端側の一部を屈曲させているため、ストロボ基板と保持部材との遊動によりトリガ電極板の他端に加わる負荷を屈曲した部分で吸収することができ、半田付け部分の保護の点でも信頼性の高い接続方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案に係るストロボ装置の要部を示した分解斜視図である。
【図2】
ストロボ装置を用いたレンズ付きフイルムユニットの外観を示す斜視図である。
【図3】
レンズ付きフイルムユニットの要部を示す分解斜視図である。
【図4】
ストロボ装置の電気的構成を示す回路図である。
【図5】
ストロボ装置の要部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
42 ストロボ基板
43 発光部
44 メインコンデンサー
48 ストロボ回路
49 拡散板
62 トリガ用トランス
63 放電管
64 トリガ用電極
70 保持部材
訂正の要旨 訂正の要旨
不明瞭な記載の釈明を目的として、下記(1)のように実用新案登録請求の範囲を訂正する。また、実用新案登録請求の範囲の訂正に応じて、考案の詳細な説明についても、適合性を持たせるために下記(2)、(3)のように訂正する。
(1)実用新案登録請求の範囲第1項を、次のとおり訂正する。
「【請求項1】電源から供給される電流によって充電が行われるメインコンデンサ及びトリガ用コンデンサと、前記メインコンデンサに蓄えられた電荷によって放電する放電管と、シンクロ接点の短絡によって前記トリガ用コンデンサに蓄えられた電荷が一次巻線に放電され二次巻線を介して二次電極からトリガ信号を送出するトリガ用トランスと、前記トリガ用コンデンサとトリガ用トランスとを保持したストロボ基板と、前記放電管と反射傘とを保持するとともに、前記ストロボ基板に取り付けられる保持部材と、弾性を有する薄板で構成され、一端を前記保持部材に組み込むことにより前記反射傘と接触して放電管と電気的に接続され、かつ保持部材から突出して前記トリガ用トランスの二次電極の近傍に延びた他端が二次電極に固着されたトリガ電極板と、を備えていることを特徴とするストロボ装置。」
(2)段落【0005】第3?4行(実用新案掲載公報第3欄段落【0005】第3?4行)の「一端が反射傘との接触により放電管と電気的に接続された状態で保持部材に組み込まれ、」を「一端を保持部材に組み込むことにより反射傘と接触して放電管と電気的に接続され、」と訂正する。
(3)段落【0014】第2?3行(実用新案掲載公報第6欄段落【0014】第2?3行)の「トリガ電極板の一端を反射傘を介して放電管と電気的に接続した状態で組み込むことで、」を[トリガ電極板が放電管と電気的に接続した状態となるように、トリガ電極板の一端を保持部材に組み込むことで、」と訂正する。
異議決定日 1999-07-13 
出願番号 実願平3-33935 
審決分類 U 1 651・ 113- YA (G03B)
U 1 651・ 534- YA (G03B)
U 1 651・ 121- YA (G03B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 昭喜  
特許庁審判長 高橋 美実
特許庁審判官 青山 待子
横林 秀治郎
登録日 1998-04-03 
登録番号 実用登録第2574982号(U2574982) 
権利者 富士写真光機株式会社
埼玉県大宮市植竹町1丁目324番地 富士写真フイルム株式会社
神奈川県南足柄市中沼210番地
考案の名称 ストロボ装置  
代理人 小林 和憲  
代理人 小林 和憲  
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