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審決分類 審判 補正却下不服   B65F
管理番号 1005237
審判番号 補正審判1999-50069  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-05-26 
種別 補正却下不服の審決 
審判請求日 1999-04-28 
確定日 1999-11-25 
事件の表示 平成4年実用新案登録願第86759号「ダストキャッチボード」において、平成10年10月23日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 I.手続きの経緯
本願は平成4年10月9日の出願であって、その後、平成8年10月7日付け手続き補正書で明細書および図面の補正がなされ、その後、平成10年10月23日付け手続き補正がなされたものである。
そして、平成8年10月7日付け手続き補正は、平成10年4月7日付けで決定をもって却下され、該却下の決定は確定している。
さらに、平成10年10月23日付け手続き補正(以下「本件補正」という。)は、平成11年3月15日付けで決定をもって却下された。
II.原決定の理由
原決定における却下の理由は、「明細書の補正は、平成10年4月7日付け補正の却下の決定により補正却下された平成8年10月7日付け手続き補正書に基づきなされたもので、既に補正却下された平成8年10月7日付け手続き補正書(追加補正された第2図、第3図を含む)と同様に、実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載の「ダストキャッチボード」は装着装置Cを用いず「ボードをダストボックスの底まで差し込むもの」も含むものとなり、また、同様に「標的」は「図柄」のみならず「標語」を含むものとなり、さらに、「(図柄を)描く」あるいは「貼る」以外に新たに「刻印する」、「抜き落とす」ことにより「標的」を設けることも含むことになるが、これらの構成は出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内でないものとなり、考案の要旨を実質的に変更するものとなる。したがって、この補正は、実用新案法第13条の規定によって準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。」というものである。
III.審判請求の理由
これに対して、請求人は、請求の理由において、「補正は、考案の要旨を実質的に変更するものではないのであり、分かりやすく具体的かつ詳細に説明したものであって、考案の要旨実質的に変更するものではないので、補正却下は不当である。
「装着装置C使用の有無について」
装着装置Cは請求項1についての絶対必要条件ではないので、当初の登録願いでは「請求項2」として別扱いさせたものである。説明がくどくなるが、「請求項1において何々であるもの」という構成である(つもりであった)。その後、請求項として値しないと思い削除した。現在思うのは、課題を解決する手段や実施例で、「・・・設ける。」ではなく「・・・設けてもよい。」との表現をしておけばよかったと思う次第である。しかしながら、当初の明細書で、短い一文を別段落で表現してあることでも、理解できる筈である。同様に「板に標的を設ける。」との極めて短い文章も、独立した段落で表現してある。ついでに述べておくと当初の請求項1と請求項3であるものを一つの請求項にまとめたものである、ということである。
「図柄と標語について」
これについては、平成10年5月6日付けの審判請求書を参照されたい。
「標的の刻印、一体成形、抜き落としについて」
標的の設けかたの具体例を述べたものに過ぎず、特許庁がよく言うところの当該業者が容易に思い付く範囲、設計変更の範囲内のものであり、本考案の要旨を変更するものではない。
以上のように、補正は、出願当初の技術的事項の範囲内およびそこから容易に考案されるものであり、それを具体的に詳細にかつ明確に述べたものに過ぎず、補正却下は不当である。」
旨主張している。
IV.当審の判断
そこで上記決定について検討する。
1.出願当初の明細書及び図面をみると、実用新案登録請求の範囲の【請求項1】には、板を「ごみ投入口に取り付け」ること、また、【請求項2】には「板の取り付け装置。」が、さらに【課題を解決する手段】の【0005】欄には「板をダストボックスへ着脱可能な装置を設ける。」こと、さらに【実施例】の【0010】欄には「装着装置を設ける。」こと、さらに【図1】には、ダストボックス(A)にダストキャッチボード(B)が「装着装置C」によって装着されている図が記載されている。
これらの記載を見ると、出願当初に記載の明細書又は図面に開示された考案は、少なくともダストボックスの投入口に装着装置を用いて取り付けられる板であることは明らかである。
ところで、本件補正では、実用新案登録請求の範囲の【請求項1】の記載において、ダストキャッチボード(当初明細書の板に相当する)を「ダストボックス(A)の形状に馴染むように差し込んで取り付け・・・」と、また、【0004】の【課題を解決するための手段】の欄において「後部を高くするためのボード(B)をダストボックスに差し込んで取り付ける。」と、さらに【実施例】の【0013】欄において「基本的な取り扱いは、ボード(B)を湾曲させてダストボックス(A)に差し込む、そして抜き取るだけなので」と、さらに【0021】欄において「基本的な使用方法ではボード(B)をダストボックス(A)の底まで差し込むので」と、【図面の簡単な説明】の【図2】の欄において「本考案のダストキャッチボード(B)をダストボックス(A)の内側に差し込んでの使用状態を示す・・・」と補正している。
しかしながら、上記補正事項は、実用新案登録請求の範囲の請求項1に係る考案の「ダストキャッチボード(B)」は、ダストボックスに「装着装置」を用いず、「ボードをダストボックス(A)の底まで差し込むもの」をも含むことになり、この構成は出願当初の明細書又は図面に記載がなく、また出願当初の明細書又は図面の記載からみて自明の事項でもないから、この補正によって考案の構成に関する技術的事項は出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内でないものとなる。
2.同じく、「標的」に関して、出願当初の明細書又は図面の、実用新案登録請求の範囲の【請求項3】には「ごみを投げ当てる所に、標的となる図柄を描く。」こと、また、考案の詳細な説明の【実施例】の【0014】欄には「嫌で嫌いなモノを貼って標的がわりにすれば・・・」と記載している。
ところで、本件補正では、標的に関して、実用新案登録請求の範囲の【請求項1】において、「・・・ごみ(E)を投げ当てる所に標的(D)を設け・・・」と、【実施例】の【0014】欄において、標的(D)となる「図柄や記号や標語を設け」と、【0016】欄において、標語について述べるとし、「実用と遊び心を刺激するものとして以下のものが考えられる。しっかり(がっちり)貯めます!、・・・放るイン!、放るインOne!等々である。」と、【図面の簡単な説明】の欄において「【図3】本考案のボード(B)の標的(D)の一例を示す正面図であり、「放るイン1(One)」を図案化したものである。」と補正している。
しかしながら、本件補正により、「標的」の実施例に図柄のみならず概念の異なる【0016】欄に記載の「標語」をも含むことになり、この構成は出願当初の明細書又は図面に記載がなく、また出願当初の明細書又は図面の記載からみて自明な事項でもないから、本件補正によって考案の構成に関する技術的事項は出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内でないものとなる。
3.出願当初の明細書又は図面を見ると、「図柄を描く」ことに関して、実用新案登録請求の範囲の【請求項3】には「ごみを投げ当てる所に、標的となる図柄を描く。」こと、また、【実施例】の【0011】欄には「標的となる図柄を描く。」こと、また、【0014】欄には「・・・嫌やで嫌いなモノを貼って標的がわりにすれば・・・」との記載がある。
ところで本件補正は、「図柄を描く」ことに関して、実用新案登録請求の範囲の【請求項1】において、ごみ(E)を投げ当てる所に「標的(D)を設けたものであり・・・」と、【実施例】の【0014】欄において「具体的には、印刷する、刻印する、一体成形する、抜き落とす、シール上のモノを貼付するなどである。・・・標的(D)としたい任意の図画や文字を、例えばクリップやフックや粘着材などで固定してもよい。磁気に感応するものであれば、磁石を用いてもよい。」と、補正している。
しかしながら、本件補正において、「図柄を描くこと」に関して、実用新案登録請求の範囲において、「標的を設ける」と補正し、考案の詳細な説明中の記載において、標的の設け方の実施例を「描く」こと、「貼る」ことから、新たに「刻印する、一体成形する、抜き落とす」ことをも含む記載に補正することは、出願当初の明細書又は図面に記載がなく、また出願当初の明細書又は図面の記載から自明の事項でもないから、本件補正によって考案の構成に関する技術的事項は、出願当初の明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものではないものとなる。
V.むすび
以上のとおりであるから、本件補正は実用新案法第13条の規定で準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきとした原審の決定は妥当である。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-09-14 
結審通知日 1999-10-05 
審決日 1999-10-12 
出願番号 実願平4-86759 
審決分類 U 1 7・ 2- Z (B65F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 新井 克夫  
特許庁審判長 岡田 幸夫
特許庁審判官 藤本 信男
長崎 洋一
考案の名称 ダストキャッチボール  
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