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審決分類 審判    A63F
審判    A63F
管理番号 1005268
審判番号 実用新案無効審判1996-40007  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-05-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 1996-02-22 
確定日 1999-11-05 
事件の表示 上記当事者間の登録第3012830号実用新案「パチンコ遊技場における煙草の吸殻等の自動回収装置」の登録無効審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 (手続の経緯・本件考案)
本件登録第3012830号実用新案は、平成5年5月19日付けの出願に係る実願平5-31267号を、平成6年12月21日付けで新法適用を受けるため実願平6-16815号に出願変更し、平成7年4月19日に設定の登録がなされたものである。そして、本件の実用新案登録を受けようとする考案(以下、「本件考案」という。)は、平成7年審判第40024号に係る実用新案登録無効審判(審判請求日平成7年11月21日)における平成8年2月26日付けの実用新案登録訂正書、及び平成8年審判第40007号に係る実用新案登録無効審判(審判請求日平成8年2月22日)における平成8年7月2日付けの実用新案登録訂正書により訂正された明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項4に記載された次のとおりのものと認める。
請求項4:「複数のパチンコ遊技機を並列載置した台部に沿って樋部を設け、この樋部と前記各パチンコ遊技機に対応して設けた灰皿と連通させ、前記台部の少なくとも一端部に前記樋部と連通する回収容器を設けると共に、前記樋部内に前記灰皿より投入されたタバコの吸殻を前記回収容器へ移送する移送手段を設けたものにおいて、前記樋部に沿って前記灰皿と連通している排煙ダクトを設け、この排煙ダクトに排風機を接続させると共に、前記樋部はその側部或は上部をガード板で覆ったもので構成し、このガード板を開閉或は着脱自在に構成したことを特徴とする、請求項1記載のパチンコ遊技場における煙草の吸殻等の自動回収装置。」
そして、上記の請求項1には次のように記載されている。
請求項1:「複数のパチンコ遊技機を並列載置した台部に沿って樋部を設け、この樋部と前記各パチンコ遊技機に対応して設けた灰皿と連通させ、前記台部の少なくとも一端部に前記樋部と連通する回収容器を設けると共に、前記樋部内に前記灰皿より投入されたタバコの吸殻を前記回収容器へ移送する移送手段を設けたものにおいて、前記樋部に沿って前記灰皿と連通している排煙ダクトを設け、この排煙ダクトに排風機を接続させたことを特徴とする、パチンコ遊技場における煙草の吸殻等の自動回収装置。」
(審判請求理由)
これに対して、請求人は、本件考案は平成5年5月19日付けの実願平5ー31267号を平成6年12月21日付けで実願平6ー16815号に出願変更した際に、当初の明細書には何ら記載されておらず、且つ、当業者が一義的に導き出される事項でない当初の明細書の記載を逸脱する新規事項が追加されていることから、本件考案の出願日は新法適用を受けるために出願変更をした平成6年12月21日になる。それ故、本件考案は、出願前公知の甲第1号証の特開平6-182052号公報、甲第2号証の特開昭61-50581号公報及び甲第3号証の特開昭60ー45371号公報の各記載に基づいて、当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により登録を受けることができない(無効理由1)、
仮に、本件考案の出願日が当初の明細書の出願日に遡及するとしても、本件考案は本件考案の出願前の出願であって、その出願後に公開された甲第1号証の特願平4-339115号(特開平6-182052号)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「先願明細書」という。)に記載された考案と同一であって、実用新案法第3条の2の規定に該当するから(無効理由2)、
同法第37条第1項第2号の規定によって本件考案は無効にされるべきである旨、主張している。
なお、請求人は、審判請求書において請求項1乃至請求項7について緩々と無効理由を述べているが、実用新案登録訂正書により、請求項の削除がなされた結果、本件考案は請求項4の記載に限られることから、無効理由1、2を上記の如く整理した。
(甲各号証の記載)
請求人の提出した甲第1号証乃至甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
1.甲第1号証には、複数のパチンコ遊技機3を並列載置した中空体1に沿って細長い内部空間6を設け、この内部空間と各パチンコ遊技機の前に設けた灰皿29の開口孔31とを連通させ、前記中空体の一端部に前記内部空間と連通する回収装置7を設けると共に、前記内部空間内に前記灰皿より投入されたタバコの吸殻を前記回収装置へ移送する移送手段を設けたものにおいて、網目状フィルタ37及びパイプ39を介して前記灰皿と連通している排煙ダクト42を前記内部空間に沿わせて設け、この排煙ダクトに排風機44を接続させた、パチンコ遊技場における煙草の吸殻処理装置が記載されている。
2.甲第2号証には、列状に配列した各パチンコ機の前方に突出して設置した灰皿の底面をタバコの吸殻が落下し易い網目状に形成し、且つ、各パチンコ機の灰皿の下方と連通して底面から落下したタバコの吸殻を載せて列状に配列したパチンコ機列の一方から他方に搬送するためのベルトコンベアを回動可能に設置し、ベルトコンベアで搬送された吸殻を溜めるための吸殻回収ケースをベルトコンベアの他方端位置に設置したパチンコ機用タバコの吸殻処理装置が記載されている。
3.甲第3号証には、パチンコ台近傍に据付けられた灰皿と、灰皿の中の吸殻、パチンコ玉等を搬送するための灰皿の底部と連絡する管路と、この管路を介して落下する吸殻、パチンコ玉等をベルト及びキャリアよりなるベルトコンベアと、ベルトコンベァ上のパチンコ玉を磁気によって分離する手段と、分離された吸殻及びパチンコ玉をそれぞれ収納する収納箱とを備えた吸殻等の収集分別装置が記載されており、公報第2頁左下欄第12?17行目及び図面第4図には、灰皿と連通したダクトを設け、このダクトを空気吸引手段と接続してダクト内を負圧にする技術手段が記載されている。
(当審の判断)
1.無効理由1について
請求人は、本件考案は平成5年5月19日付けの実願平5-31267号の明細書には記載されていない新規事項が追加されたことにより、出願を変更した時点に出願日が繰り下がるべきであると主張しているが、係る主張には合理的な説得力があるとは言い難い。
しかしながら、被請求人は、請求人の主張する新規事項を含むとされる請求項3及び請求項6について答弁書と同時に提出した実用新案登録訂正書により、早期に権利の安定化を図るとの観点から請求人が指摘した請求項について全て削除をしたことにより、無効理由で挙げられた出願日の繰り下げはあり得ないことから、甲第1号証の特開平6ー182052号公報は、本願考案における出願前公知の文献ではない。
そこで、本件考案と甲第2号証及び第3号証の記載とを対比すると、本件考案の必須の構成要件である「樋部はその側部或は上部をガード板で覆ったもので構成し、ガード板を開閉或は着脱自在に構成した」点については、前記甲各号証には何ら記載乃至示唆されていない。
本件考案は、上記甲各号証には記載乃至示唆されていないそれぞれ特有の構成を具備することにより、明細書記載の格別な効果(段落番号【0021】【0022】参照。)を奏するものであり、このような効果は甲各号証に記載されたものには期待することができないものである。
したがって、本件考案は、甲第2号証及び甲第3号証の記載から当業者といえどもきわめて容易に想到し得るものではない。
2.無効理由2について
本件考案と先願明細書に記載されたものとを対比すると、本件考案の「台部」、「樋部」、「灰皿」、「回収容器」、「自動回収装置」は、先願明細書の「中空体1」、「細長い内部空間6」、「灰皿の開口孔31」、「回収装置7」、「処理装置」にそれぞれ相当するから、先願明細書には、「複数のパチンコ遊技機を並列載置した台部に沿って樋部を設け、この樋部と各パチンコ遊技機に対応して設けた灰皿と連通させ、台部の少なくとも一端部に樋部と連通する回収容器を設けると共に、樋部内に灰皿より投入されたタバコの吸殻を回収容器へ移送する移送手段を設けたものにおいて、樋部に沿って灰皿と連通している排煙ダクトを設け、この排煙ダクトに排風機を接続させたパチンコ遊技場における煙草の吸殻等の自動回収装置。」が記載されている。
しかしながら、本件考案の必須の構成である「樋部はその側部或いは上部をガード板で覆ったもので構成し、ガード板を開閉或は着脱自在とした」点については、先願明細書に「なお、前記ダクト42は、図3に示すように中空体1の内部に並設しても良いが、中空体1と分離して、取り外し可能にパイプなどにて形成して掃除をさらに容易にできるようにしてもよい。」(段落番号【0046】参照。)との記載があるだけであって、排煙ダクトを中空体1に対し取り外し自在のパイプとした技術手段が開示されていても、直ちに排煙ダクトとは機能の異なる中空体までも着脱自在にしなくてはならないとする技術的蓋然性が認められないことから、先願明細書には、上記の構成については何ら記載されておらず、また、それを示唆するところもない。それ故、本件考案は、先願明細書に記載された事項と同一であるとは到底認められない。
以上のとおり、無効理由1及び2はいずれも正当なものとして採用できない。
(むすび)
したがって、請求人が主張する無効理由及び証拠方法によっては、本件登録第3012830号実用新案を無効にすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-08-09 
結審通知日 1999-08-24 
審決日 1996-08-27 
出願番号 実願平6-16815 
審決分類 U 1 111・ 161- Y (A63F)
U 1 111・ 121- Y (A63F)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 石田 惟久
特許庁審判官 平瀬 博通
紀 俊彦
登録日 1995-04-19 
登録番号 実用登録第3012830号(U3012830) 
考案の名称 パチンコ遊技場における煙草の吸殻等の自動回収装置  
代理人 山本 輝美  
代理人 伊藤 捷雄  
代理人 大菅 義之  
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