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審決分類 審判 全部無効 1項1号公知 無効とする。(申立て全部成立) A01G
審判 全部無効 2項進歩性 無効とする。(申立て全部成立) A01G
審判 全部無効 1項3号刊行物記載 無効とする。(申立て全部成立) A01G
管理番号 1005269
審判番号 審判1997-10980  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-05-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 1997-06-25 
確定日 1999-11-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第1941815号実用新案「植木鉢」の登録無効審判事件についてされた平成10年7月21日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成10年(行ケ)第306号、平成11年5月13日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次の通り審決する。   
結論 登録第1941815号実用新案の登録を無効とする。 審判費用は、被謂求人の負担とする。
理由 第1 手続きの経緯
本件実用新案登録第1941815号(以下、本件登録という。)は、昭和61年10月24日に出願された実願昭61-163744号の実用新案登録出願(以下、本件出願という。)に係り、その出願が出願公告(実公平4-8752号)された後、平成4年12月10日に設定登録されたものである。
第2 本件登録に係る考案
本件登録に係る考案(以下、本件考案とし、う。)の要旨は、登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲に記載された以下のとおりと認める。
「底面と周壁下部との連接部に亘るスリット穴を複数条放射状に穿設したことを特徴とする植木鉢。」
第3 当事者の主張
1.請求人の主張
請求人は、本件登録を無効にする、審判費用は被請求人の負担とする、審決を求め、下記の証拠方法を提出し、以下の旨主張する。即ち、甲第1号証の1より、甲第1号証の2及び甲第1号証の4に添付された商品パンフレットは、本件出願前に頒布された刊行物であり、このパンフレットに記載された植木鉢は、本件考案と同一であり、またこのパンフレットに記載された植木鉢は、日本国内において販売されていた。さらには、甲第3号証には、本件考案と同一の植木鉢が記載されている。そうすると、本件考案は、本件出願前国内において頒布された刊行物に記載された考案もしくは公然知られ公然実施された考案であり、実用新案法第3条第1項第1、2、3号に該当し、実用新案登録を受けることができないものである。
または、本件考案は、前記パンフレット及び、または甲第3号証に記載された考案に基づき当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであり、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができないものである。
したがって、本件登録は、実用新案法第37条第1項第2号(平成5年法律第26号第4条第1項の規定によりなお従前の効力を有するとされる旧実用新案法第37条第1項第1号の間違いと認められる。以下、この条文で記載する。)に該当し、無効とされるべきものである。

甲第1号証の1:昭和59年商標権存続期間更新登録願第213908号の願書の写し
甲第1号証の2:甲第1号証の1に添付された「商標登録の使用説明書(1)」の写し
甲第1号証の3:甲第1号証の2に添付された商品パンフレットの要部のみを翻訳した翻訳文
甲第1号証の4:甲第1号証の1に添付された「商標登録の使用説明書(2)」の写し
甲第2号証の1:甲第1号証の2に添付された商品パンフレットに記載された品番(Code NO.)に相当する商品を撮影した写真を掲載した別のパンフレットの写し
甲第2号証の2:日本ジフイーポット・プロダクツ株式会社代表取締役社長山口昇の宣誓書
甲第3号証:実願昭46-43397号の願書に最初に添付された明細書及び図面の写し
甲第4号証:「リーダーズ英和辞典」第1991頁(株式会社研究社発行)の写し
2.被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする審決を求め、請求人の前記主張に対し、以下の旨主張する。即ち、請求人が指摘する前記商品パンフレットに記載されたポットの「孔」は、ポットの側面または底面に穿設したもので、本件考案のような「底面と周壁下部との連接部に亘るスリット穴」ではなく、また甲第3号証に記載された通気透溝7も本件考案でいう「スリット穴」でなく、しかも前記パンフレット及び甲第3号証には本件考案の「スリット穴」を示唆する記載もないことから、本件考案は、請求人の提出した前記甲号各証に記載された考案と同一とも、またこれらの記載から当業者がきわめて容易に考案をすることができたものでもなく、本件登録は、無効とすることができないものである。
第4 当審の認定、判断
1.甲号証記載事項
甲第1号証の1は、昭和59年商標権存続期間更新登録願第213908号(昭和59年7月10日特許庁受付)の願書の写しであり、そこに、甲第1号証の2「商標登録の使用説明書(1)」の写しが添付され、これには「JIFFY-POT」との商品名の植木鉢の商品カタログが付されている。
そして、同カタログには、丸型の「JIFFY-POT」なる植木鉢について以下の記載があることが認められる(甲第1号証の3の訳文参照)。
「品番が300120の商品には複数のスリット孔(slits)があります。品番が300130の商品には複数のスリット孔(slits)があるものと無いものがあります。」
「底面に複数のスリット孔(slits)や孔を穿設したタイプのものや、取手付きタイプのものもあります。」
「ジフイーポットには、側面に複数のスリット孔(slits)、若しくは底面に複数の穴(holes)を穿設したもの等、各種タイプのものがあります。・・複数のスリット孔(slits)や複数の穴(holes)は水はけ(排水)を速め、また、これにより、根に対してより多くの空気を送り込むことができます。」
また、甲第2号証の1によれば、上記パンフレットの「Jiffy Pots」の項には、品番300120及び300130が記載されていると共に、同項には、側面下部から底面と交差する部分にかけて、すなわち、底面と周壁下部との連接部に亘ってスリット孔を複数設けた丸形の植木鉢の写真が記載されている。
この事実は、日本ジフィーポット・プロダクツ株式会社代表取締役社長である山口昇が平成9年6月5日に作成した宣誓書(甲第2号証の2)に、「上記パンフレットに示された商品は、底面と周壁下部との連設部に亘るスリット穴を複数条放射状に穿設した構成を有する植木鉢であることに相違ない。」旨報告記載していることからも裏付けられる。
また、上記宣誓書には、上記パンフレット(甲第1号証の2、甲第2号証の1)は、ジッフィ・プロダクツ・インターナショナル・リミテッドが少なくとも本件考案の出願前の昭和59年7月10日の時点において不特定の顧客に頒布したことが記載されていることから、上記パンフレット(甲第1号証の2、甲第2号証の1)は、本件出願前に頒布された刊行物ということができる。
2.比較、検討
そこで、本件考案と本件出願前に頒布された上記パンフレット(甲第2号証の1)に記載された植木鉢とを比較してみると、両者は、底面と周壁下部との連接部に亘るスリット穴を複数条穿設した植木鉢である点で一致し、本件考案がスリット穴を放射状に設けたのに対し、上記パンフレット(甲第2号証の1)記載のものは、底面と周壁下部とに亘るスリット穴を複数条穿設しているものの、放射状のスリット穴が設けられていない点で相違する。
しかしながら、上記パンフレット(甲第2号証の1)記載のものも底面と周壁下部とに亘るスリット穴を穿設している以上、鉢内底部及び周壁下部の停留水の除去を目的としたものであり、本件考案と同一の技術課題及び同様の解決手段を有していると認められ、このことを考慮すれば、上記パンフレット(甲第2号証の1)記載の複数のスリット穴を放射状にして本件考案のように構成することは、当業者であればきわめて容易に考案をすることができたものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件実用新案登録は、実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第37条第1項第1号の規定により無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-08-30 
結審通知日 1999-09-17 
審決日 1999-09-28 
出願番号 実願昭61-163744 
審決分類 U 1 112・ 113- Z (A01G)
U 1 112・ 121- Z (A01G)
U 1 112・ 111- Z (A01G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 秋吉 達夫徳廣 正道  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 鈴木 寛治
佐藤 昭喜
新井 重雄
藤井 俊二
登録日 1992-12-10 
登録番号 実用登録第1941815号(U1941815) 
考案の名称 植木鉢  
代理人 清水 義久  
代理人 廣江 武典  
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