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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06K |
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管理番号 | 1006195 |
審判番号 | 審判1997-5835 |
総通号数 | 6 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2000-06-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1997-04-11 |
確定日 | 1999-11-26 |
事件の表示 | 平成7年実用新案登録願第3318号「文字のバーコード表記装置及びバーコード表記された文字の読取り装置」拒絶査定に対する審判事件(平成7年11月28日出願公開、実開平7-44842)について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
I 本願考案 本件審判請求に係る実用新案登録願は、昭和63年3月28日に出願された特願昭63-74034号の特許願を実用新案法第8条第1項の規定により平成7年4月14日に実用新案登録出願に変更したものであって、明細書及び図面の記載からみて、 その実用新案登録請求の範囲の欄の請求項1の記載に係る考案(以下、「本願考案」という)の目的、効果は、「文字をバーコードによって表記する」ことであり、 本願考案の構成は、 入力された文字を16進数のJISコードに変換する入力変換手段と、この入力変換手段の出力を10進数の数値に変換するとともにこの数値に対応するITFバーコードのイメージデータを出力する制御手段と、この制御手段の出力を受けて記録媒体にITFバーコードを形成する印刷手段とからなることを特徴とする文字のバーコード表記装置、 である。 なお、実用新案登録請求の範囲の欄の請求項1には、「数字専用の10進コードのITFバーコードを使用して16進コードの文字データを表記すること」を本願考案の構成要件としているが、該事項は前述した様に実質的に本願考案の目的、効果である(【考案が解決しようとする課題】の欄、【考案の効果】の欄参照)ので除いた。(「数字専用の10進コードのITFバーコード」を使用すること、及び「16進コードの文字データ」を使用することは、前記認定の本願考案の構成に記載されている) II 刊行物記載の考案 1 原査定の理由において提示された、実願昭60-160170号(実開昭62-71765号公報)のマイクロフィルム(昭和62年5月8日特許庁発行、以下「刊行物1」という)には、 (「キーボード3」により)入力された文字(「数字や記号」)をこの文字に対応するコードに変換する入力変換手段と、この入力変換手段の出力である前記コードに対応するバーコードのイメージデータを出力する「CPU1」と、この「CPU1」の出力を受けて「バーコード用紙」にバーコードを形成する「ラベルプリンタ4」とからなる文字のバーコード表記装置、 であって、 文字をバーコードによって表記することができる、 という考案が記載されている。 なお、刊行物1には、入力変換手段について明記されていないが、入力変換手段が存在することは自明であるので前記のように認定する。 ここで、上記考案を本願考案の用語で表現する。 上記考案の「CPU1」は本願考案の「制御手段」と等価であり、 上記考案の「バーコード用紙」、「ラベルプリンタ4」は、夫々本願考案の「記録媒体」、「印刷手段」に包摂され、 上記考案の「コード」、「バーコード」は、夫々本願考案の「16進数のJISコード」、「ITFバーコード」を包摂することを考慮すると、 刊行物1には、 入力された文字をこの文字に対応するコードに変換する入力変換手段と、この入力変換手段の出力である前記コードに対応するバーコードのイメージデータを出力する制御手段と、この制御手段の出力を受けて記録媒体にバーコードを形成する印刷手段とからなる文字のバーコード表記装置、であって、 文字をバーコードによって表記することができる、 という考案(以下、「第1の考案」という)が記載されている。 2 同様に、原査定の理由において提示された、特開昭57-94831号公報(昭和57年6月12日特許庁発行、以下「刊行物2」という)には、 16進数のコードに変換する入力変換手段を設けた情報入力装置、 の考案(以下、「第2の考案」という)が記載されている。 3 同様に、原査定の理由において提示された、特開昭52-55432号公報(昭和52年5月6日特許庁発行、以下「刊行物3」という)及び特開昭52-82397号公報(昭和52年7月9日特許庁発行、以下「刊行物4」という)には、 数字専用の10進コードのITFバーコードを使用した装置、 の考案(以下、「第3の考案」という)が記載されている。 III 本願考案の創作可能性 本願考案(以下、「前者」という)と刊行物1に記載された第1の考案(以下、「後者」という)とを比較すると、 両者が、 文字をバーコードによって表記すること、を目的、効果とし、 入力された文字をこの文字に対応するコードに変換する入力変換手段と、この入力変換手段の出力である前記コードに対応するバーコードのイメージデータを出力する制御手段と、この制御手段の出力を受けて記録媒体にバーコードを形成する印刷手段とからなる文字のバーコード処理装置、を構成要件としている点で一致しており、 ▲1▼前記コードとして、前者が、16進数のJISコードを採用し、そのため前記入力変換手段として、16進数のJISコードに変換するものを採用しているのに対して、後者が前記コードの内容を明記していない点、 ▲2▼ 前記バーコードとして、前者が、10進コードのITFバーコードを採用し、そのため前記制御手段に、前記入力変換手段の出力を10進数の数値に変換する機能を付与しているのに対して、後者が前記バーコードの内容を明記していない点、 で相違している。 従って、本願考案は、刊行物1に記載された第1の考案において、▲1▼′前記コードとして16進数のJISコードを採用し、そのため前記入力変換手段として、16進数のJISコードに変換するものを採用し、▲2▼′前記バーコードとして10進コードのITFバーコードを採用し、そのため前記制御手段に、前記入力変換手段の出力を10進数の数値に変換する機能を付与することにより、考案をすることができたものである。 IV 本願考案の創作容易性 上記▲1▼′、▲2▼′について検討する。 ▲1▼′について、 16進数のJISコードを使用することは、情報処理装置の分野では広く知られたことであり、 16進数のコードに変換する入力変換手段を設けた情報入力装置は刊行物2に第2の考案として記載されているので、 刊行物1に記載された第1の考案において、 前記コードとして16進数のJISコードを採用し、そのため前記入力変換手段として、16進数のJISコードに変換するものを採用することは、当業者がきわめて容易になし得たことである。 ▲2▼′について、 バーコードとして数字専用の10進コードのITFバーコードを使用することは、刊行物3、4に第3の考案として記載されており、 10進コードを使用する際、10進数の数値に変換することは常用手段であるので、 刊行物1に記載された第1の考案において、 前記バーコードとして10進コードのITFバーコードを採用し、そのため前記制御手段に、前記入力変換手段の出力を10進数の数値に変換する機能を付与して本願考案のようにすることは、当業者がきわめて容易になし得たことである。 V 結び 以上I?IV項を総合して判断すると、本願明細書の実用新案登録請求の範囲の欄の請求項1の記載に係る考案は、刊行物1に記載された第1の考案に基づき刊行物2、3、4に記載された第2、第3の考案を用いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるので、実用新案法第3条第2項の規定により、本件審判請求人である本願出願人は本願明細書の実用新案登録請求の範囲の欄の請求項1の記載に係る考案について実用新案登録を受けることができない。 よって、結論の通り審決する。 |
審理終結日 | 1999-08-31 |
結審通知日 | 1999-09-14 |
審決日 | 1999-09-30 |
出願番号 | 実願平7-3318 |
審決分類 |
U
1
8・
121-
Z
(G06K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高松 猛、新川 圭二 |
特許庁審判長 |
丸山 光信 |
特許庁審判官 |
橋本 正弘 大橋 隆夫 |
考案の名称 | 文字のバーコード表記装置及びバーコード表記された文字の読取り装置 |
代理人 | 松田 和子 |