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審決分類 審判 補正却下の決定 特29条特許要件(新規)  F01D
審判 補正却下の決定   F01D
管理番号 1006252
審判番号 審判1998-11647  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-06-30 
種別 補正却下の決定 
確定日 1999-10-06 
事件の表示 平成2年実用新案登録願第52987号「蒸気タービンのドレイン除去構造」拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり決定する。   
結論 平成10年8月24日付けの手続補正を却下する。
理由 平成10年8月24日付け手続補正は、明細書及び図面第2,3図を補正するものであり、実用新案登録請求の範囲については、次のとおりに補正するものと認める。
「車室内に配置された複数のブレードを有するロータと、
前記車室の両端と前記ロータとの間をシールすると共に、段間にシーリングガスを導入する複数段のシールフィンと、
前記ロータを回転させるための高温ガスと、前記シールフィンからのリ一クガスまたは前記車室内の高温ガスとを混合した混合ガスを前記車室へ導入する配管と、
前記複数のブレード間を仕切るために前記車室に配設された複数の仕切板と、
隣接する該仕切板間に前記混合ガス用の供給室を画成する該仕切板間に取り付けられたプレートと、
前記供給室側と低圧段において高湿り状態になった低圧ガスが流れる前記ブレード側とを連通させる連通孔とを備える復水式蒸気タービンのドレイン除去構造。」
また、上記補正は、補正後の明細書における「産業上の利用分野」の説明の項に、「蒸気が高湿り状態である低圧段落のドレインによる腐蝕対策の改善および性能向上に関する。」と記載し、「考案が解決しようとする課題」の説明の項には、「本考案は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、復水式蒸気タービンにおける車室の低圧段落の湿り度を下げることにより、本質的に腐蝕の起こらないドレイン除去構造を提供することを目的とする」と記載して、本件考案の目的が低圧段落における湿り度を下げてドレインを除去する構造を提供することであることを記載し、「課題を解決するための手段」、「作用」、「実施例」及び「考案の効果」を説明する各項において、ロータを回転させるための「高温ガス」が高湿り状態にあるガスであることを示す、願書に最初に添付した明細書に記載されたところの記載をすべて削除するものである。
したがって、上記補正後の明細書には、ロータを回転させるための高温ガスが高湿り状態にあるガスである旨の記載がなくなったことにより、補正後の明細書の実用新案登録請求の範囲の上記「ロータを回転させるための高温ガス」はかわき飽和蒸気や過熱蒸気等の乾燥した高温ガスをも含むこととなった。
そこで、上記補正後の実用新案登録請求の範囲に記載された「ロータを回転させるための高温ガス」に関連する事項について、本件出願の願書に最初に添付した明細書及び図面(以下「当初明細書等」という。)を検討すると、当初明細書等には、次のi.?xiii.に示す事項が記載されているものと認める。
i.「車室内に高湿り状態の高温ガスを導入して前記ロータを回転させる際は、前記高温ガスに前記シールフィンからのリークガスまたは前記車室内の高温ガスを取り出して混合し、その混合ガスを前記車室内に導入する」(実用新案登録請求の範囲)
ii.「本考案は、蒸気タービンに使用する蒸気が高湿り状態である場合のドレインによる腐蝕対策の改善に関する。」(第1頁第18?20行)
iii.「従来、蒸気タービンの蒸気として高湿り状態の高温ガスを用いる場合」(第2頁第4?5行)
iv.「車室に導入する高温ガスの湿り度を下げることにより本質的に腐蝕の起こらないドレイン除去構造を提供することを目的とする」(第3頁第15?17行)
v.「前記車室内に高湿り状態の高温ガスを導入して前記ロータを回転させる際は」(第4頁5?6行)
vi.「高湿り状態にある高温ガスにタービン本体の高温部からのリークガスや車室内の高温ガスを取り出して混合し、その混合ガスを車室内に導入するので、高温ガスの水分が除去されドレインが発生しない」(第4頁第12?16行)
vii.「6は高湿り状態にある高温ガスhを車室1内に導入する配管で、この高温ガスhを車室1のB部から導入し」(第5頁第11?13行)
viii.「他端は高温ガスhが流れる配管6に接続されて、高温ガスhとシーリングガスfとが混合する……配管6からの高温ガスhとの混合比を調整するものとする」(第5頁第20行?第6頁第6行)
ix.「車室1内の高温ガスiを配管8により取り出して配管6に導入し、高温ガスhに混合するようにしたものである……タービンの性能を考慮しながら高温ガスhとの混合比を調整するものとする」(第6頁第8?15行)
x.「取り込んだ高温・高圧のガスfまたはiと高温ガスhを効率よく混合することができ、その結果、高温ガスhの湿り度が下がるのでドレインの発生を防止することができる」(第7頁第3?6行)
xi.「取り込んだ高温・高圧のガスfまたはiと高温ガスhを効率よく混合することができ、その結果、高温ガスhの湿り度が下がるのでノズルヘのドレイン付着を減少させるようにしたものである」(第7頁第16?20行)
xii.「本実施例では、高温ガスhにシーリングガスfや車室1内からの高温・高圧のガスを混入するようにしたが、このシステム外からの余剰ガスを配管6内に取り込んで高温ガスhの湿り度を下げるようにしてもよい」(第8頁第1?5行)
xiii.「本考案によれば、蒸気タービンにおける車室内に高湿り状態の高温ガスを導入してロータを回転させる際は、この高湿り高温ガスにシールフィンからのリークガスまたは車室内の高温ガスを取り出して混合し、その混合ガスを車室内に導入する構成としたので、高温ガスの湿り度が下がり、本質的に腐蝕の起こらないドレイン除去構造を提供することが出来る」(第8頁第7?14行)
上記補正後の実用新案登録請求の範囲の上記「ロータを回転させるための高温ガス」は、シールフィンからのリークガスまたは前記車室内の高温ガスと混合されるガスであることから、当初明細書等に「高温ガスh」と記載された高温ガスに対応すると認められるところ、上記i?xiii.に示すように、当初明細書等には、「高温ガスh」が高湿り状態にあるガスであることを記載しており、「高温ガスh」がかわき飽和蒸気や過熱蒸気等の乾燥した高温ガスを含む趣旨の記載はないので、当初明細書等には、「高温ガスh」がかわき飽和蒸気や過熱蒸気等の乾燥した高温ガスをも含むことが記載されているとは認められず、また、「高温ガスh」がかわき飽和蒸気や過熱蒸気等の乾燥した高温ガスをも含むことが当初明細書等の記載から自明な事項とも認められない。
したがって、補正後の明細書に記載された考案の構成に係る技術的事項が、当初明細書等に記載した事項の範囲内でないものとなっているから、上記補正は明細書の要旨を変更するものである。
以上のとおりであるから、上記補正は、特許法等の一部を改正する法律・平成5年法律第26号附則第4条第1項の規定により「……第3条の規定による改正前の実用新案法(……)の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。」とされる改正前の実用新案法第41条第1項の規定により準用する特許法第159条第1項の規定により更に準用する同法第53条第1項の規定により、却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
決定日 1999-08-09 
出願番号 実願平2-52987 
審決分類 U 1 93・ 1- (F01D)
U 1 93・ 2- (F01D)
前審関与審査官 杉山 豊博  
特許庁審判長 蓑輪 安夫
特許庁審判官 林 晴男
清田 榮章
考案の名称 蒸気タービンのドレイン除去構造  
代理人 鈴木 憲七  
代理人 福井 宏司  
代理人 長谷 正久  
代理人 曾我 道照  
代理人 古川 秀利  
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