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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する B23D
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する B23D
管理番号 1007604
審判番号 審判1998-39077  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-07-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 1998-11-13 
確定日 1999-09-09 
訂正明細書 有 
事件の表示 登録第2530994号実用新案「切断機の駆動装置」に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。   
結論 登録第2530994号実用新案の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由 I.手続の経緯
本件実用新案登録第2530994号についての手続の概要は次のとおりである。
実用新案登録出願 平成3年7月31日
実用新案権設定登録 平成9年1月10日
審判請求 平成10年11月13日
訂正拒絶理由通知 平成11年2月10日付け
意見書・手続補正書 平成11年4月19日
訂正拒絶理由通知 平成11年6月7日付け
意見書・手続補正書 平成11年6月25日
II.訂正の適否
1.訂正請求の補正の概要
実用新案権者は、平成10年11月13日付け審判請求書に添付した訂正明細書(以下「補正前訂正明細書」という。)を、平成11年6月25日付け手続補正書に添付した訂正明細書のとおり補正することを求めるものであり、その補正の概要は次のとおりである。
▲1▼ 補正事項1
補正前訂正明細書の段落番号【0009】欄における、「前記領域Dと領域Aの和が占める角度は、図3に示す如く、(115度+90度=205度)となっており」を、「前記領域Dと領域Aの和が占める角度は、図3、図5に示す如く、領域Bが占める角度の2倍以上大きくなっており」と訂正する。
▲2▼ 補正事項2
補正前訂正明細書の請求項1における、「第2作動面の周長を第2作動面の周長」を、「第2作動面の周長を」と訂正する。
▲3▼ 補正事項3
補正前訂正明細書の段落番号【0001】欄における、「全ねじボルト等の」を、「全ねじボルト等の棒状体の」と訂正する。
▲4▼ 補正事項4
補正前訂正明細書の段落番号【0002】欄における、「固定切断刃」を、「固定切断刃4」と訂正する。
▲5▼ 補正事項5
補正前訂正明細書の段落番号【0006】欄における、「可動切断刃をカムによって駆動するようにすると共に」を削除する。
▲6▼ 補正事項6
補正前訂正明細書の段落番号【0007】欄における、「可動ハサミ7と固定ハサミ6」を、「可動ハサミ7及び固定ハサミ6」と訂正する。
▲7▼ 補正事項7
補正前訂正明細書の段落番号【0007】欄における、「復元力で」を、「復元力によって」と訂正する。
▲8▼ 補正事項8
補正前訂正明細書の段落番号【0008】欄における、「加地羽」を、「可動」と訂正する。
▲9▼ 補正事項9
補正前訂正明細書の段落番号【0008】欄における、「領域B?設定されている。」を、改行せずに、「減少している。」の後に続けるように訂正する。
▲10▼ 補正事項10
補正前訂正明細書の段落番号【0008】欄における、「外周面」を、「外周作動面」と訂正する。
2.訂正請求の補正の適否
補正事項1は、訂正請求による実用新案登録請求の範囲の訂正に伴って、補正前訂正明細書を補正するものであって、該補正前訂正明細書を基準として、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、かつ実用新案登録請求の範囲を拡張又は変更するものではなく、新規事項の追加に該当しない。
補正事項2は、補正前訂正明細書で請求した、実用新案登録請求の範囲の訂正事項の一部に誤記があったところ、この誤記の訂正を行うもので、結果的に、該当箇所の記載を、本件実用新案登録に係る願書に添付した明細書の記載に戻すものである。
補正事項3、4、6乃至9は、補正前訂正明細書で請求した、段落番号【0001】、【0002】、【0007】及び【0008】欄の訂正事項に誤記かあったところ、この誤記の訂正を行い、結果的に、該当箇所の記載を、本件実用新案登録に係る願書に添付した明細書の記載に戻すものである。
補正事項5は、補正前訂正明細書で請求した、段落番号【0006】欄の訂正事項の一部を、削除することにより、該段落番号【0006】欄の記載を、本件実用新案登録に係る願書に添付した明細書の記載に戻すものである。
したがって、当該訂正請求の補正事項1乃至10は、審判請求の要旨を変更するものではない。
III.訂正の適否
1.訂正の概要
本件審判請求の概要は、実用新案登録第2530994号明細書を、補正された訂正明細書(以下「本件訂正明細書」という。)のとおり、すなわち下記のとおり訂正することを求めるものである。
▲1▼ 訂正事項1
実用新案登録請求の範囲の請求項1を、次のとおり訂正する。
「本体に固定された固定切断刃と、一側に固定切断刃に対向する可動切断刃を有する可動ハサミと、可動ハサミの他側に外周作動面が接触して可動ハサミを揺動運動させる回転カムとを備え、回転カムは周方向に沿って順次形成された第1、第2、第3の少なくとも3つの作動面を有し、第1作動面において可動切断刃を切断位置に前進させ、第2作動面において可動切断刃を切断位置から更に前進させて被切断材の切断を行い、第3作動面において可動切断刃が固定切断刃から後退するようにした切断機であって、
第1作動面と第2作動面は回転カムの回転に伴ってその回転中心と可動ハサミとの接触部との距離が漸増する構成であると共に第2作動面の回転カムの回転中心と可動ハサミとの接触部との距離の増加率は、第1作動面のそれよりも小さくし、かつ第2作動面の周長を第1作動面の周長より長くし、更に前記第3作動面及び第1作動面の和が占める角度を前記第2作動面が占める角度より大きくし、切断終了時から切断開始時までの時間を長くしたことを特徴とする切断機の駆動装置。」
▲2▼ 訂正事項2
段落番号【0008】と段落番号【0009】との間に、次の文章を追加して段落番号【0009】とし、前の段落番号【0009】を【0010】と訂正する。
「前記領域Dと領域Aの和が占める角度は、図3、図5に示す如く、領域Bが占める角度の2倍以上大きくなっており、切断終了時から次の切断開始時までの時間が長くなるように設定されている。従って、切断終了時からスイッチをオフして運転を終了させる操作が多少遅れたとしても、可動切断刃41が固定切断刃4に当接する恐れは少なくなり、切断された全ねじボルト9の取り外し及び新たに切断する全ねじボルト9の取り付けが容易に行われるようになる。すなわち、全ねじボルト9の着脱が容易に行われるようになり、作業性を向上できると共にスイッチのオフ操作に神経を払う必要がなくなり操作性を向上できる。なお全ねじボルト9の着脱は、図1の可動切断刃41及び固定切断刃4の右側から行われる。」
▲3▼ 訂正事項3
段落番号【0010】【考案の効果】を【0011】【考案の効果】とすると共に次のとおり訂正する。
「【考案の効果】
以上のように本考案によれば、可動切断刃をカムによって駆動するようにしたので、切断に要するトルクを大幅に軽減でき、電動機等の駆動源ひいては切断機の小型化、軽量化を図ることができる。また被切断材の着脱が容易に行うことが可能となり、作業性を向上できると共に操作性を向上できるようになる。」
2.訂正の適否の判断1-訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の有無について
(1)訂正事項1について
上記訂正事項1は、本件実用新案登録明細書における、実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載において、
「更に前記第3作動面及び第1作動面の和が占める角度を前記第2作動面が占める角度より大きくし、切断終了時から切断開始時までの時間を長くした」点
を構成要件として加えることにより、回転カムの具体的な構成を明確にしたものと認められるから、この訂正事項1は、実用新案登録請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲を超えるものとはみられないから新規事項の追加に該当せず、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項2及び訂正事項3について
上記訂正事項2及び訂正事項3は、前記の訂正事項1による、実用新案登録請求の範囲の請求項1の訂正に伴って、本件実用新案登録明細書を訂正するもので、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲を超えるものとはみられないから新規事項の追加に該当せず、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
3.訂正の適否の判断2-独立実用新案登録要件について
(1)本件請求項1に係る考案
本件訂正明細書の請求項1に係る考案(以下「本件請求項1に係る考案」という。)は、本件訂正明細書及び本件実用新案登録図面からみて、本件訂正明細書の実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された、前記「III.1.▲1▼ 訂正事項1」で示したとおりのものと認める。
(2)公知例
一方、請求人が審判請求書に添付した、実願平1-135073号(実開平3-75928号)のマイクロフィルム(以下「公知例」という。)には、下記▲1▼?▲3▼の記載がある。
▲1▼実用新案登録請求の範囲には
「平行に配置した長短一対の連結竿(3)(4)の同一方向一端に作動軸(5)(6)を各々連結し、他端に一対のくの字形切断刃(7)(8)を各々逆向きに連結すると共に、
作動軸(5)(6)の自由端は切断装置に回転可能に固定され、長い連続竿3と作動軸5との連結部と、くの字形切断刃(7)(8)側の切断装置との間にはバネ部材が取り付けられ、作動軸(5)(6)と連結竿(3)(4)との連結部近傍における作動軸(5)(6)には先端部にカムローラ(11)(12)を取り付けた突起部(9)(10)がカムローラ(11)(12)をお互い対向するようにして設けられ、カムローラ(11)(12)を動力伝達軸(13)にお互い逆向きに勘合連結された同一形状の一対のカム(1A)(1B)の外周側面上に設置し、
くの字形切断刃(7)(8)はその自由端を回転軸(14)に回転可能に勘合連結してケーブルを設置するためのU字形スリット部(15)を有する構成となし、ケーブル切断工程を通じて、くの字形切断刃(7)(8)がケーブルを切断するため必要とする力に応じてモータに負荷する動力が常に一定となるよう、カム(1A)(1B)の外周側面形状を最適化したことを特徴とするケーブル切断用電動カッター。」
▲2▼第9頁第11?18行に
「第2図(A)は電動モータ作動前の状態を表しており、この時カムローラ11,12は第1図(A)に示すカム1の部位P1に位置するよう設置されている。
第2図(B)はケーブル16にくの字形切断刃7,8が10%食い込んだ状態を示しており、この時カムローラ11,12は第1図(A)に示すカム1の部位P2に位置している。」
▲3▼第12頁第8?16行に
「このようにしてケーブル16の切断が完了した後、カム1A,1Bが更に回転すると、カムローラ11,12は長い連結竿3と作動軸5の連結部と、くの字形切断刃7,8側の切断装置との間に取り付けたバネ部材の復元力により、カム1A,1Bの外周側面上に沿ってP5からP1に一気に移動することとなり、それにつれてくの字形切断刃7,8は全開状態となる。この段階で電動モータの作動を止め、ケーブル切断作業を完了する。」
また、第1図(A)には、切断刃作動用カムの平面概略図が記載されており、この図に記載のカム1A,1Bの外周側面では、P1からP2までの角度と、P5からP1までの角度の和は、P2からP4までの角度よりも小さくなっている。
(3)対比・判断
本件請求項1に係る考案と、公知例に記載された考案とを対比する。
ここで、上記「III.3.(2)▲2▼乃至▲3▼」の記載からみて、公知例に記載されたものにおける、カム1A,1Bの外周側面上において、P1からP2までが、本件請求項1に係る考案の「第1作動面」に、P2からP5までが、本件請求項1に係る考案の「第2作動面」に、P5からP1までが、本件請求項1に係る考案の「第3作動面」に、それぞれ相当する。
これより、公知例に記載されたものでは、「第3作動面」及び「第1作動面」の和が占める角度は、「第2作動面」が占める角度より小さくなっている。
したがって、公知例に記載されたものは、本件請求項1に係る考案の構成要件である「更に前記第3作動面及び第1作動面の和が占める角度を前記第2作動面が占める角度より大きくし、切断終了時から切断開始時までの時間を長くした」構成を備えたものではない。
一方、本件請求項1に係る考案は、上記構成要件を有することにより、
「前記領域Dと領域Aの和が占める角度は、図3、図5に示す如く、領域Bが占める角度の2倍以上大きくなっており、切断終了時から次の切断開始時までの時間が長くなるように設定されている。従って、切断終了時からスイッチをオフして運転を終了させる操作が多少遅れたとしても、可動切断刃41が固定切断刃4に当接する恐れは少なくなり、切断された全ねじボルト9の取り外し及び新たに切断する全ねじボルト9の取り付けが容易に行われるようになる。すなわち、全ねじボルト9の着脱が容易に行われるようになり、作業性を向上できると共にスイッチのオフ操作に神経を払う必要がなくなり操作性を向上できる。」(段落番号【0009】欄)、「また被切断材の着脱が容易に行うことが可能となり、作業性を向上できると共に操作性を向上できるようになる。」(段落番号【0011】欄)という本件訂正明細書に記載の効果を奏するものである。
よって、本件請求項1に係る考案が、公知例に記載された考案から、きわめて容易に考案をすることができたものとは認められない。
また、他に本件請求項1に係る考案に係る実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
上記のことから、本件請求項1に係る考案は、実用新案登録出願の際に独立して実用新案登録を受けることができるものである。
V.むすび
したがって、本件訂正審判の請求は、平成5年法律第26号附則第4条第1項の規定によりなおその効力を有するとされ、同条第2項の規定により読み替えられる平成2年法律第30号により改正された実用新案法第39条第1項の規定、並びに、同条第2項及び第3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
切断機の駆動装置
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 本体に固定された固定切断刃と、一側に固定切断刃に対向する可動切断刃を有する可動ハサミと、可動ハサミの他側に外周作動面が接触して可動ハサミを揺動運動させる回転カムとを備え、回転カムは周方向に沿って順次形成された第1、第2、第3の少なくとも3つの作動面を有し、第1作動面において可動切断刃を切断位置に前進させ、第2作動面において可動切断刃を切断位置から更に前進させて被切断材の切断を行い、第3作動面において可動切断刃が固定切断刃から後退するようにした切断機であって、
第1作動面と第2作動面は回転カムの回転に伴ってその回転中心と可動ハサミとの接触部との距離が漸増する構成であると共に第2作動面の回転カムの回転中心と可動ハサミとの接触部との距離の増加率は、第1作動面のそれよりも小さくし、かつ第2作動面の周長を第1作動面の周長より長くし、更に前記第3作動面及び第1作動面の和が占める角度を前記第2作動面が占める角度より大きくし、切断終了時から切断開始時までの時間を長くしたことを特徴とする切断機の駆動装置。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は例えば軸部が総てねじである全ねじボルト等の棒状体の被切断材を切断する全ねじボルトカッタ等の切断機の駆動装置に関するものである。以下説明の便宜上、被切断材を全ねじボルトとして説明する。
【0002】
【従来の技術】
ビル等の建築において、照明機器や空調設備等を天井から吊り下げる際に全ねじボルトを使う場合がある。この全ねじボルトは定尺であるため、建築現場で適当な長さに切断して使用している。従来よりこの全ねじボルトの切断には、図2、図7に示すような全ねじボルト切断機が用いられていた。該切断機は周知の如く、モータ11の回転を複数の歯車からなる歯車箱3で減速して出力軸1を介してクランク2に伝え、該クランク2によりアーム10を介して可動ハサミ7をボルト5を中心として揺動運動させ、該可動ハサミ7の先端に取り付けられた可動切断刃と固定ハサミ6の先端に取り付けられた固定切断刃4の間で全ねじボルト9を切断するものである。可動ハサミ7の開閉動作と全ねしボルト9の切断の過程を図2を用いて説明する。
【0003】
クランク2の回転に伴い可動ハサミ7は閉じ(工程A)、固定切断刃4にセットされた全ねじボルト9を切断し(工程B)た後更に閉じ(工程C)、切りきった所から開いて元の位置に戻る(工程D)。この工程A?Dをクランク2の回転角で表わすと図4のようであり、最も荷重の大きくなる工程Bの回転角は15?20°と僅かである。また、この時のクランク2を駆動するためのトルクは、図6に示すようにパルス状の約1kgmに及ぶ大きなものである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
従来のクランク2で可動ハサミ7を駆動した場合、このような大きなトルクを発生するために、歯車の減速比を大きくする必要があり、また歯車のモジュール、軸、軸受すなわち歯車箱3を大きくする必要があり、切断機が大きく重いものとなっていた。
本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、前記可動切断刃を駆動するためのトルクを小さくし、前記歯車、歯車箱の小型化を図り、切断機を軽量化することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、可動切断刃をカムによって駆動するようにすると共に切断時におけるカムの接触角を極力小さくすることによってカムの回転角に対して可動切断刃が動く距離を少なくし、カム面のクサビ作用で可動切断刃に強大な力を発生させることにより達成される。
【0006】
【作用】
上記のように構成した駆動装置によれば、切断時におけるカムの接触角θが小さくなり、可動切断刃を装着した可動ハサミとカム面との接触点でクサビ作用により強大な力が発生し、小さいトルクで大きな力すなわち切断力が得られる。
【0007】
【実施例】
本考案駆動装置の一実施例を図1を参照して説明する。
歯車箱3の出力軸1に連結され、モータ11により駆動されるカム20、歯車箱3に固定された固定ハサミ6と、ボルト5を回転軸として連結される可動ハサミ7、該可動ハサミ7及び固定ハサミ6の先端に取り付けられ、全ねじボルト9を切断する可動切断刃41及び固定切断刃4、可動ハサミ7の他端と歯車箱3の間に取り付けられたスプリング8より構成され、前記カム20の回転により、可動ハサミ7の端部は押上げられ、可動ハサミ7はボルト5を中心に時計方向に回転し、前記切断刃4、41で全ねじボルト9を切断する。切断後可動ハサミ7はスプリング8の復元力によって初期状態に戻る。
【0008】
図3は前記カム20の外周形状を示すもので、カム20の外周形状はほぼ扇状とされている。領域Aは、可動ハサミ7の可動切断刃41を固定ハサミ6の固定切断刃4すなわち切断位置に向けて前進させていく工程で、カム20外周の半径すなわちカム20外周の可動ハサミ7の接触部とカム20の回転中心との距離か急激に増加している。領域Bは、可動ハサミ7の可動切断刃41を更に前進させて全ねじボルト9を切断する工程で、カム20外周の半径が緩やかに増加して、小さな接触角θを得ている。領域Cは、可動ハサミ7の可動切断刃41が全ねじボルト9を切断後更に最下点に達するまでの工程で、カム20外周の半径が再び急激に増加している。領域Dは、可動ハサミ7が初期位置に復帰する工程で、可動ハサミ7をスプリング8によって素早く復帰させるためカム20外周の半径が急激に減少している。領域Bにおいて可動ハサミ7と接触しているカム20の外周作動面の周方向に沿った長さは、領域Aにおいて可動ハサミ7と接触しているカム20の外周作動面の周方向に沿った長さより長く設定されている。
【0009】
前記領域Dと領域Aの和が占める角度は、図3、図5に示す如く、領域Bが占める角度の2倍以上大きくなっており、切断終了時から次の切断開始時までの時間が長くなるように設定されている。従って、切断終了時からスイッチをオフして運転を終了させる操作が多少遅れたとしても、可動切断刃41が固定切断刃4に当接する恐れは少なくなり、切断された全ねじボルト9の取り外し及び新たに切断する全ねじボルト9の取り付けが容易に行われるようになる。すなわち、全ねじボルト9の着脱が容易に行われるようになり、作業性を向上できると共にスイッチのオフ操作に神経を払う必要がなくなり操作性を向上できる、なお全ねじボルト9の着脱は、図1の可動切断刃41及び固定切断刃4の右側から行われる。
【0010】
図5に前記カム20の回転角とカム20の駆動に必要な出力軸トルクを示す。前記領域Bにおけるカム20の緩やかな傾斜面で可動ハサミ7を押し上げることにより、切断に要するトルクは大幅に軽減できる。図の場合、接触角θは約7°となり、従来の約1/3のトルクで切断が可能である。
【0011】
【考案の効果】
以上のように本考案によれば、可動切断刃をカムによって駆動するようにしたので、切断に要するトルクを大幅に軽減でき、電動機等の駆動源ひいては切断機の小型化、軽量化を図ることができる。また被切断材の着脱が容易に行うことが可能となり、作業性を向上できると共に操作性を向上できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案駆動装置を採用した切断機の一実施例を示す正面図。
【図2】 従来のクランクを用いた切断機の一例を示す正面図。
【図3】 本考案のカム形状及び回転角と工程の関係を示す説明用正面。
【図4】 従来のクランクの回転角と工程の関係を示す説明用正面図。
【図5】 本考案のカム形状における回転角とトルクの関係を示すグラフ。
【図6】 従来のクランクにおける回転角とトルクの関係を示すグラフ。
【図7】 従来の全ねじボルト切断機の外観を示す斜視図。
【符号の説明】
1は出力軸、20はカム、3は歯車箱、4は固定切断刃、5はボルト、6は固定ハサミ、7は可動ハサミ、8はスプリング、9は全ねじボルト、10はアーム、11はモータ、12はカバー、13はハンドルである。
訂正の要旨 訂正の要旨
実用新案登録第2530994号明細書を、下記のとおり訂正する。
▲1▼ 訂正事項1
実用新案登録請求の範囲の請求項1を、実用新案登録請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的として、次のとおり訂正する。
「本体に固定された固定切断刃と、一側に固定切断刃に対向する可動切断刃を有する可動ハサミと、可動ハサミの他側に外周作動面が接触して可動ハサミを揺動運動させる回転カムとを備え、回転カムは周方向に沿って順次形成された第1、第2、第3の少なくとも3つの作動面を有し、第1作動面において可動切断刃を切断位置に前進させ、第2作動面において可動切断刃を切断位置から更に前進させて被切断材の切断を行い、第3作動面において可動切断刃が固定切断刃から後退するようにした切断機であって、
第1作動面と第2作動面は回転カムの回転に伴ってその回転中心と可動ハサミとの接触部との距離が漸増する構成であると共に第2作動面の回転カムの回転中心と可動ハサミとの接触部との距離の増加率は、第1作動面のそれよりも小さくし、かつ第2作動面の周長を第1作動面の周長より長くし、更に前記第3作動面及び第1作動面の和が占める角度を前記第2作動面が占める角度より大きくし、切断終了時から切断開始時までの時間を長くしたことを特徴とする切断機の駆動装置。」
▲2▼ 訂正事項2
明りょうでない記載の釈明を目的として、段落番号【0008】と段落番号【0009】との間に、次の文章を追加して段落番号【0009】とし、前の段落番号【0009】を【0010】と訂正する。
「前記領域Dと領域Aの和が占める角度は、図3、図5に示す如く、領域Bが占める角度の2倍以上大きくなっており、切断終了時から次の切断開始時までの時間が長くなるように設定されている。従って、切断終了時からスイッチをオフして運転を終了させる操作が多少遅れたとしても、可動切断刃41が固定切断刃4に当接する恐れは少なくなり、切断された全ねじボルト9の取り外し及び新たに切断する全ねしボルト9の取り付けが容易に行われるようになる。すなわち、全ねじボルト9の着脱が容易に行われるようになり、作業性を向上できると共にスイッチのオフ操作に神経を払う必要がなくなり操作性を向上できる。なお全ねしボルト9の着脱は、図1の可動切断刃41及び固定切断刃4の右側から行われる。」
▲3▼ 訂正事項3
明りょうでない記載の釈明を目的として、段落番号【0010】【考案の効果】を【0011】【考案の効果】とすると共に次のとおり訂正する。
「【考案の効果】
以上のように本考案によれば、可動切断刃をカムによって駆動するようにしたので、切断に要するトルクを大幅に軽減でき、電動機等の駆動源ひいては切断機の小型化、軽量化を図ることができる。また被切断材の着脱が容易に行うことが可能となり、作業性を向上できると共に操作性を向上できるようになる。」
審決日 1999-08-27 
出願番号 実願平3-59901 
審決分類 U 1 41・ 853- Y (B23D)
U 1 41・ 851- Y (B23D)
最終処分 成立  
特許庁審判長 小池 正利
特許庁審判官 小関 峰夫
播 博
登録日 1997-01-10 
登録番号 実用登録第2530994号(U2530994) 
考案の名称 切断機の駆動装置  
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