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審決分類 審判 全部申し立て   A01F
審判 全部申し立て   A01F
管理番号 1007618
異議申立番号 異議1998-70759  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 1998-02-13 
確定日 1999-09-16 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 実用新案登録第2543649号「コンバインのグレンタンクにおける補助タンク拡開機構」の実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 訂正を認める。 実用新案登録第2543649号の実用新案登録を維持する。
理由 1、手続の経緯
実用新案登録第2543649号考案は、昭和62年10月9日に出願された実願昭62-155166号の一部を分割して平成8年6月20日に新たな実用新案登録出願されたものであって、平成9年4月25日にその考案の設定登録がなされたものである。
これに対して、瀬川卓二より実用新案登録異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内に訂正請求がなされ、その後訂正拒絶理由通知がなされ、その指定期間内に平成11年3月8日付けで手続補正書が提出され、その後再度訂正拒絶理由通知がなされ、その指定期間内に平成11年8月2日付けで手続補正書が提出されたものである。
2、訂正の適否
2-1、訂正の内容
平成11年8月2日付けの手続補正書で補正された訂正請求書における訂正の内容は、本件実用新案登録の明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものである。
すなわち、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、
▲1▼訂正事項A
実用新案登録請求の範囲第1項の「脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンク(3)の外側壁(7)を外側に拡開可能にして、」を、「コンバイン(A)の前部に刈取部(1)を設け、その右側に運転部(2)を設け、その後方にグレンタンク(3)を設けると共に、脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンク(3)の外側壁(7)を運転部(2)の後方において右側の外側に拡開可能にして、」に訂正する。
また、実用新案登録請求の範囲第1項の「外側壁(7)を、枢軸(8)を中心として外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁(7)の前後端縁から内側方向に前後可動側壁(9)(9)を延設して補助タンク(15)を形成し、同補助タンク(15)の上部に、上記枢軸(8)を中心とした円弧形状のピニオン噛合体を設け、同ピニオン噛合体に」を、「外側壁(7)を、枢軸(8)を中心として運転部(2)の後方で右側の外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁(7)の前後端縁から内側方向に前後可動側壁(9)(9)を延設して補助タンク(15)を形成し、同補助タンク(15)の前後可動側壁(9)(9)の上端縁を、枢軸(8)を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラック(10)を形成し、同ラック(10)には」に訂正する。
また、実用新案登録請求の範囲第1項の「グレンタンク(3)本体側に枢支したピニオン(12)を噛合させて、同ピニオン(12)の正逆回転によって上記補助タンク(15)を開閉可能に構成した」を、「グレンタンク(3)本体側に枢支し、かつ、上記枢軸(8)の直上方位置に配置したピニオン(12)を噛合させて、運転部(2)に設けた開閉スイッチ(13)の操作により作動する同ピニオン(12)の正逆回転によって上記補助タンク(15)を開閉可能に構成した」に訂正する。
また、明りょうでない記載の釈明を目的として、
▲2▼訂正事項B
明細書中の「脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンクの外側壁を外側に拡開可能にして、同タンクの容量増大を可能としたコンバインのグレンタンクにおいて、グレンタンクの下部に左右幅が下方へ向けて漸次縮小する縮小部を形成し、同縮小部よりも上方位置に外側壁の下端部を枢軸を介して枢支して、同外側壁を、枢軸を中心として外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁の前後端縁から内側方向に前後可動側壁を延設して補助タンクを形成し、同補助タンクの上部に、上記枢軸を中心とした円弧形状のピニオン噛合体を設け、同ピニオン噛合体に、グレンタンク本体側に枢支したピニオンを噛合させて、同ピニオンの正逆回転によって上記補助タンクを開閉可能に構成したことを特徴とするコンバインのグレンタンクにおける補助タンク拡開機構」(本件実用新案登録公報第2頁第3欄第7?21行)を、「コンバインの前部に刈取部を設け、その右側に運転部を設け、その後方にグレンタンクを設けると共に、脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンクの外側壁を運転部の後方において右側の外側に拡開可能にして、同タンクの容量増大を可能としたコンバインのグレンタンクにおいて、グレンタンクの下部に左右幅が下方へ向けて漸次縮小する縮小部を形成し、同縮小部よりも上方位置に外側壁の下端部を枢軸を介して枢支して、同外側壁を、枢軸を中心として運転部の後方で右側の外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁の前後端縁から内側方向に前後可動側壁を延設して補助タンクを形成し、同補助タンクの前後可動側壁の上端縁を、枢軸を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラックを形成し、同ラックには、グレンタンク本体側に枢支し、かつ、上記枢軸の直上方位置に配置したピニオンを噛合させて、運転部に設けた開閉スイッチの操作により作動する同ピニオンの正逆回転によって上記補助タンクを開閉可能に構成したことを特徴とするコンバインのグレンタンクにおける補助タンク拡開機構」に訂正する。
同じく、明りょうでない記載の釈明を目的として
▲3▼訂正事項C
明細書中の「【0012】▲1▼補助タンクの上部に、枢軸を中心とした円弧形状のピニオン噛合体を設け、同ピニオン噛合体にグレンタンク本体側に軸支したピニオンを噛合させているために、正逆回転するピニオンの小さな回転力により補助タンクを円滑かつ確実に開閉作動させることができる。」(本件実用新案登録公報第2頁第4欄第27?32行)を、「【0012】▲1▼補助タンクを構成する前後可動側壁の上端縁を、枢軸を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラックを形成し、同ラックには、グレンタンク本体側に軸支したピニオンを噛合させているために、正逆回転するピニオンの小さな回転力により補助タンクを円滑かつ確実に開閉作動させることができる。」に訂正する。
また、明細書中の「【0013】▲2▼補助タンクの上部に設けたピニオン噛合体にピニオンを噛合させているために、グレンタンク及び補助タンク内に貯溜された穀粒をピニオンが噛込むのを防止することができて、補助タンクの開閉作動を良好に確保することができる。」(本件実用新案登録公報第2頁第4欄第33?37行)を、「【0013】▲2▼補助タンクを構成する前後可動側壁の上端縁を、枢軸を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニォン噛合体としてのラックを形成し、同ラックにピニオンを噛台させているために、グレンタンク及び補助タンク内に貯溜された穀粒をピニオンが噛込むのを防止することができて、補助タンクの開閉作動を良好に確保することができる。」に訂正する。
また、明細書中の「【0015】▲4▼ピニオンを正逆回転させることにより、補助タンクの開閉両方向の作動を積極的かつ確実に行わせることができるために、運転者が下車して補助タンクを開閉操作することを要しないことから、中断することなく収穫作業を続行することができ、作業能率を向上させることができると共に、運転者の作業量及び疲労を軽減させることができる。」(本件実用新案登録公報第2頁第4欄第48行?第3頁第4行)を、「【0015】▲4▼運転部に設けた開閉スイッチの操作により作動するピニオンを正逆回転させることにより、補助タンクの開閉両方向の作動を積極的かつ確実に行わせることができるために、運転者が下車して補助タンクを開閉操作することを要しないことから、中断することなく収穫作業を続行することができ、作業能率を向上させることができると共に、運転者の作業量及び疲労を軽減させることができる。」に訂正するものである。
2-2、訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張変更の存否
上記訂正事項Aは、コンバインにおけるグレンタンクの位置関係、ピニオン噛合体としてのラックの形成場所、ピニオンの位置及び操作をそれぞれ願書に添付した明細書及び図面のとおり限定するものであるから、上記訂正事項Aは、実用新案登録請求の範囲の減縮に該当し、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、変更するものではなく、新規事項の追加にも該当しない。
また、上記訂正事項B、Cは、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的とする上記訂正事項Aの訂正に伴うものであり、減縮された実用新案登録請求の範囲の記載と考案の詳細な説明の記載を整合させるために明りょうでない記載の釈明を行うことを目的とする訂正に該当する。
2-3、独立実用新案登録要件
2-3-1、本件考案
本件の実用新案登録請求の範囲第1項に記載された考案の要旨は、訂正明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲第1項に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】コンバイン(A)の前部に刈取部(1)を設け、その右側に運転部(2)を設け、その後方にグレンタンク(3)を設けると共に、脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンク(3)の外側壁(7)を運転部(2)の後方において右側の外側に拡開可能にして、同タンク(3)の容量増大を可能としたコンバイン(A)のグレンタンク(3)において、グレンタンク(3)の下部に左右幅が下方へ向けて漸次縮小する縮小部(3a)を形成し、同縮小部(3a)よりも上方位置に外側壁(7)の下端部を枢軸(8)を介して枢支して、同外側壁(7)を、枢軸(8)を中心として運転部(2)の後方で右側の外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁(7)の前後端縁から内側方向に前後可動側壁(9)(9)を延設して補助タンク(15)を形成し、同補助タンク(15)の前後可動側壁(9)(9)の上端縁を、枢軸(8)を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラック(10)を形成し、同ラック(10)には、グレンタンク(3)本体側に枢支し、かつ、上記枢軸(8)の直上方位置に配置したピニオン(12)を噛台させて、運転部(2)に設けた開閉スイッチ(13)の操作により作動する同ピニオン(12)の正逆回転によって上記補助タンク(15)を開閉可能に構成したことを特徴とするコンバインのグレンタンクにおける補助タンク拡開機構。」(以下、本件考案という。)
2-3-2、引用刊行物の記載内容
当審が先に通知した訂正拒絶理由通知に引用された、
刊行物1(実願昭60-154779号(実開昭62-64247号)のマイクロフィルム)には、コンバインにおける籾タンクの自動拡縮装置について記載されており、特に実用新案登録請求の範囲、第2頁第19行?第3頁第2行、第3頁第12行?第6頁第7行、第6頁第10?16行の記載及び第1?3図から、刊行物1には、「脱穀選別した籾を貯留するための籾タンクの外面を外側に拡開可能にして籾タンクの容量増大を可能としたコンバインの籾タンクにおいて、外面を、外面の下端部に設けたヒンジを中心として外側方向に拡開可能に構成し、外面の前後端縁から内側方向に円弧形状の上端縁を持つ前後可動側壁を延設し、外面の上部と籾タンク本体側に軸支されたリールとにチェーン形連繋体のそれぞれ一端側を撃止し、リールの正逆回転によって外面を開閉可能に構成したことを特徴とするコンバインの籾タンクにおける外面拡開機構。」が記載されていると云える。
刊行物2(実願昭56-56477号(実開昭57-169042号のマイクロフィルム)には、コンバインのバランスタンク装置が記載されており、特に第2頁第3?5行、第6頁第1?17行の記載及び第5、6図から、刊行物2には「ホッパから脱穀装置上に張り出す形で付設されたローラの転動によりガイドレールにそって移動する穀粒タンクを設け、該穀粒タンクにラックをを取り付け、このラックに噛合するピニオンを回動操作することによって穀粒タンクが移動する構成」が記載されていると云える。
刊行物3(実願昭47-87715号(実開昭49-43503号のマイクロフィルム)には、焼結機における床敷鉱供給装置が記載されており、特に第1頁第13行?第2頁第1行の記載及び第1図から、刊行物3には「床敷鉱供給装置のドラムフィーダの床敷鉱切出調整用ダンパーはダンパーのピンラックに咬合するピニオンにより昇降されること」が記載されていると云える。
刊行物4(実公昭46-17100号公報)には、通風乾燥機の傾動装置が記載されており、特に実用新案登録請求の範囲、第1頁第2欄第8?28行の記載及び第1図から、刊行物4には、「上方円弧部の内側に内歯歯車を持つ逆U字状の吊金が固定された乾燥箱を歯車を持つ回転軸に吊り下げ、回転軸を回転させることにより乾燥箱を傾動させること」が記載されていると云える。
刊行物5(特開昭58-213973号公報)には、自動ドアの開閉方式が記載されており、特に第2頁左上欄第5行?右上欄第1行の記載、第1図から、刊行物5には「円筒面状のドアを有する器物収納器において、ギアによりラックが付設してあるドアを開閉すること」が記載されていると云える。
刊行物6(実願昭59-81849号(実開昭60-194074号)のマイクロフィルム)には車室内収納箱の蓋の開閉装置が記載されており、特に実用新案登録請求の範囲の記載及び第2図から、刊行物6には「車室収納箱の側面に入力歯車を有する回転ダンパー装置を固定し、該入力歯車と噛合する弧状ラックを設け、該弧状ラックには蓋の裏面に固定する基部にヒンジを設けた開閉装置」が記載されていると云える
刊行物7(実願昭55-171101号(実開昭57-94345号)のマイクロフィルム)には、コンバイン用穀粒タンクが記載されており、特に第3頁第12?15行、第4頁第1?3行、第6頁第1?6行の記載及び第2図から、刊行物7には「コンバインの座席の前部にある切換スイッチにより穀粒タンク内の掻出板を往復動させること」が記載されていると云える。
刊行物8(特開昭61-285927号公報)には、コンバインの穀粒収容装置が記載されており、特に第2頁右下欄第6行?第3頁第6行の記載から、刊行物8には、「走行装置の低速刈取可能走行速と高速走行速との運転席からの変速操作によって、穀粒タンクを拡縮すべく連動可能に構成してなるコンバインの穀粒収容装置」が記載されていると云える。
刊行物9(実願昭58-190073号(実開昭60-98350号のマイクロフィルム)には、コンバインにおけるグレンタンク装置か記載されており、特に実用新案登録請求の範囲、第4頁第1?9行、第7頁第5?16行の記載及び第1、2図から、刊行物9には、「グレンタンクの側方にあって、下方の軸を支点として外方に向かって揺動できる前壁とグレンタンクとの間に伸縮自在な側布を張設して補助タンクを構成したコンバインにおいて、手動スイッチを切換えるとモーターが逆転しワイヤーにより補助タンク前壁を水平方向に移動するコンバイン。」が記載されていると云える。
2-3-3、対比・判断
そこで、本件考案と刊行物1?9に記載の考案とを対比・判断すると、本件考案は、「補助タンクの前後可動側壁の上端縁を、枢軸を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラックを形成し、同ラックには、グレンタンク本体側に枢支し、かつ、上記枢軸の直上方位置に配置したピニオンを噛合させてある」という点で、これら考案と相違している。
すなわち、刊行物1に記載の考案では、この点に関して「補助タンクの前後可動側壁の上端縁を、枢軸を中心とした円弧形状にし、外側壁の上部とグレンタンク本体側に軸支されたリールとにチェーン連繋体のそれぞれ一端側を撃止してある」ことが記載されているだけで、前後可動側壁の円弧形状の上端縁にラックを形成し、枢軸の直上方位置にピニオンを配置した点については記載又は示唆もされていない。
この点に関して、刊行物2?6に記載の考案では、移動体を移動させる手段として、移動体にラックを形成し、軸支されたピニオンをラックに噛合させることが記載されており、このことが本願出願前周知の技術的事項であるとは云えるが、下部の軸を中心として回転する側壁部材の円弧形状の上端縁にラックを形成し、枢軸の直上方位置にピニオンを配置することは刊行物2?6には記載又は示唆もされていない。さらに、刊行物7?9に記載の考案は、外側壁の前後端縁から内側方向に前後可動壁を延設して補助タンクを形成することは開示されていても、ピニオン、ラックに関する技術については記載も示唆もされていない。
したがって、刊行物1?9記載の考案を組み合わせても、上記相違点の構成を具備する本願考案は当業者がきわめて容易に想到し得るものであるとは云えない。
2-3-4、まとめ
以上のとおり、本件考案は実用新案登録出願の際独立して実用新案登録を受けることができるものであるから、上記訂正請求は特許法等の一部を改正する法律(平成6年法法律第116号)附則第9条第2項の規定により準用され、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2?4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3、実用新案登録異議申立てについて
3-1、申立ての理由の概要
実用新案登録異議申立人は、証拠方法として甲第1?5号証を提出し、本件実用新案登録請求の範囲第1項に記載された考案の実用新案登録は次の理由により取り消されるべきものである旨主張している。
理由(1):本件考案は原出願(実願昭62-155166号)の考案と実質上同一であるから、本件実用新案登録出願は、二以上の考案を包含する実用新案登録出願を分割して新たな実用新案登録出願としたものとは認められず、したがって、出願日のそ及は認められないから、本件考案は、本件実用新案登録出願の出願前に頒布された甲第1号証の2に記載された考案であるか、甲第1号証の2、甲第5号証の1?甲第5号証の3に記載された考案に基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものである。
理由(2)本件実用新案登録請求の範囲第1項に記載された考案は甲第2?4号証に記載の考案に基づいてきわめて容易に考案をすることかできたものである。
3-2、甲各号証の記載内容
甲第1号証(実公平7-41320号公報)は、原出願の公告公報。
甲第1号証の2(実願昭62-155166号(実開平1-59030号)のマイクロフィルム)は、原出願の公開公報。
甲第2号証(実願昭60-154779号(実開昭62-64247号)のマイクロフィルムは、上記2-3-2の刊行物1と同じ。
甲第3号証(実願昭56-56477号(実開昭57-169042号)のマイクロフィルム)は、上記2-3-2の刊行物2と同じ。
甲第4号証の1(実願昭47-87715号(実開昭49-435043号)のマイクロフィルム)は、上記2-3-2の刊行物3と同じ。
甲第4号証の2(実公昭46-17100号公報)は、上記2-3-2の刊行物4と同じ。
甲第4号証の3(特開昭58-213973号公報)は、上記2-3-2の刊行物5と同じ。
甲第4号証の4(実開昭60-194074号公報)は、上記2-3-2の刊行物6と同じ。
甲第5号証の1(実開昭60-68958号公報)には、コンバインの籾受部における籾タンクの自動拡張装置が記載されており、特に実用新案登録請求の範囲の記載、第1?6図から、甲第5号証の2には「籾タンクの外側部には拡張したり、縮小できる補助タンク連設して設け、籾タンクの側部に装設したモーターにより伸縮させる伸縮杵を補助タンクに連結しセンサーにより補助タンクを自動的に拡縮できるように構成した籾タンクの自動拡張装置」が記載されていると云える。
甲第5号証の2(特開昭61-285927号公報)は、上記2-3-2の刊行物8と同じ。
甲第5号証の3(実願昭58-190073号(実開昭60-98350号)のマイクロフィルム)は、上記2-3-2の刊行物9と同じ。
3-3、理由(1)について
上記原出願の考案は次のとおりである。
「脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンク(3)の外側壁(7)を外側に拡開可能にして同タンク(3)の容量増大を可能としたコンバイン(A)のグレンタンクにおいて、外側壁(7)を、同外側壁(7)の下端部に設けた枢軸(8)を中心として外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁(7)の前後端縁から内側方向に前後可動側壁(9)(9)を延設し、同可動側壁(9)(9)の上端縁に、上記枢軸(8)を中心とした円弧形状のラック(10)を形成し、同ラック(10)にグレンタンク(3)本体側に軸支したピニオン(12)を噛合させて、ピニオン(12)の正逆回転によって上記外側壁(7)を開閉可能に構成したことを特徴とするコンバインのグレンタンクにおける外側壁拡開機構。」(以下、原考案という。)
本件考案と原考案を対比すると、前者では、ピニオンをグレンタンク本体側に枢支し、かつ枢軸の直上方位置に配置しているのに対して、後者では、ピニオンをグレンタンク本体側に軸支しているというだけで具体的位置については直接触れた記載のない点で相違する。
したがって、本件考案は原考案と実質上同一ではないから、本件実用新案登録出願は適法な分割出願であり、その出願日はそ及する。
よって、甲第1号証の2は本件実用新案登録出願の出願前に頒布された文献ではないから、実用新案登録異議申立人の主張は採用することができない。
3-4、理由(2)について
3-4-1、対比・判断
本件実用新案登録請求の範囲第1項に記載された考案と甲第2?4号証に記載の考案との対比については上記2-3-3で述べたとおりであり、本件実用新案登録請求の範囲第1項に記載された考案は甲第2?4号証に記載の考案に基づいて当業者がきわめて容易に想到し得たものであるとは云えない。
なお、実用新案登録異議申立人は、審尋に対する回答書の中で、本件考案は、本件と出願日が同日の実用新案登録第2550481号の請求項1に記載された考案と同一であるから、本件考案の実用新案登録は実用新案法第7条第2項の規定に違反してなされたものである旨主張しているが、本件考案と実用新案登録第2550481号の請求項1に記載された考案を対比すると、前者は「グレンタンクの下部に左右幅が下方に漸次縮小する縮小部を形成し、同縮小部よりも上方位置に外側壁の下端部を枢軸を介して枢支して、同外側壁を、枢軸を中心として」という構成であるのに対して、後者は「外側壁を、同外側壁の下端部に設けた枢軸を中心として」という構成である点が相違している。してみると、本件考案と実用新案登録第2550481号の請求項1に記載された考案とは同一とは云えず、実用新案登録異議申立人の上記主張は採用することができない。
また、実用新案登録異議申立人は上記回答書の中で新たな証拠方法を追加して本件考案の実用新案登録は実用新案法第3条第2項の規定に違反してなされたものである旨主張しているか、参考資料3は、上記2-3-2の刊行物7であり、参考資料4はコンバインにおける籾タンクの排出操作装置に関する文献であり、参考資料3、4には前後可動側壁の円弧形状の上端縁にラックを形成し、枢軸の直上方位置にピニオンを配置した点については記載又は示唆もされていないから、上記2-3-3と同様な理由で実用新案登録異議申立人の主張は採用することができない。
4、むすび
以上のとおり、実用新案登録異議申立ての理由及び証拠方法によっては、本件実用新案登録請求の範囲第1項に記載された考案の実用新案登録を取り消すことはできない。
また、他に本件実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
発明の名称 (54)【考案の名称】
コンバインのグレンタンクにおける補助タンク拡開機構
(57)【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 コンバイン(A)の前部に刈取部(1)を設け、その右側に運転部(2)を設け、その後方にグレンタンク(3)を設けると共に、脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンク(3)の外側壁(7)を運転部(2)の後方において右側の外側に拡開可能にして、同タンク(3)の容量増大を可能としたコンバイン(A)のグレンタンク(3)において、
グレンタンク(3)の下部に左右幅が下方へ向けて漸次縮小する縮小部(3a)を形成し、同縮小部(3a)よりも上方位置に外側壁(7)の下端部を枢軸(8)を介して枢支して、同外側壁(7)を、枢軸(8)を中心として運転部(2)の後方で右側の外側方向に拡開可能に構成し、
同外側壁(7)の前後端縁から内側方向に前後可動側壁(9)(9)を延設して補助タンク(15)を形成し、同補助タンク(15)の前後可動側壁(9)(9)の上端縁を、枢軸(8)を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラック(10)を形成し、同ラック(10)には、グレンタンク(3)本体側に枢支し、かつ、上記枢軸(8)の直上方位置に配置したピニオン(12)を噛合させて、運転部(2)に設けた開閉スイッチ(13)の操作により作動する同ピニオン(12)の正逆回転によって上記補助タンク(15)を開閉可能に構成したことを特徴とするコンバインのグレンタンクにおける補助タンク拡開機構。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、コンバインのグレンタンクにおける補助タンク拡開機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンバインのグレンタンクの一側壁を外側方に拡開可能にして、同タンクの容量増大をはかったものがあり、同外側壁の拡開・縮小は、同外側壁のロックを操作しての手動で行なわれていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、グレンタンクは一般に運転部の後方に配設されているため、収穫作業中、グレンタンクの容量を増大するには、一旦作業を中止し、コンバインから下車して外側壁を操作しなければならず、作業能率が低下すると共に、運転者が疲労するという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本考案では、コンバインの前部に刈取部を設け、その右側に運転部を設け、その後方にグレンタンクを設けると共に、脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンクの外側壁を運転部の後方において右側の外側に拡開可能にして、同タンクの容量増大を可能としたコンバインのグレンタンクにおいて、グレンタンクの下部に左右幅が下方へ向けて漸次縮小する縮小部を形成し、同縮小部よりも上方位置に外側壁の下端部を枢軸を介して枢支して、同外側壁を、枢軸を中心として運転部の後方で右側の外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁の前後端縁から内側方向に前後可動側壁を延設して補助タンクを形成し、同補助タンクの前後可動側壁の上端縁を、枢軸を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラックを形成し、同ラックには、グレンタンク本体側に枢支し、かつ、上記枢軸の直上方位置に配置したピニオンを噛合させて、運転部に設けた開閉スイッチの操作により作動する同ピニオンの正逆回転によって上記補助タンクを開閉可能に構成したことを特徴とするコンバインのグレンタンクにおける補助タンク拡開機構を提供せんとするものである。
【0005】
【実施例】
本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれぱ、図3、図4において、Aはコンバインを示し、前部に刈取部1を設け、その右側に運転部2を設け、その後方にグレンタンク3を設け、その左側上方に脱穀部4、その下方に揺動選別部(図示せず)を設けて、走行部6で走行しながら刈取部1で刈取った穀桿を脱穀部4で脱穀し、揺動選別部で選別された精穀をグレンタンク3にて貯溜し、同グレンタンク3に付設した排出オーガ5にて機外に搬出するように構成されている。
【0006】
グレンタンク3の下部には、図1に示すように、左右幅が下方へ向けて漸次縮小する縮小部3aを形成し、同縮小部3aよりも上方位置に外側壁7の下端部を枢軸8を介して枢支し、同外側壁7を枢軸8を中心として外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁7の前後端縁から内側方向に前後可動側壁9,9を延設して補助タンク15を形成し、同補助タンク15を拡開機構Bにより開閉作動可能としている。
すなわち、拡開機構Bは、図1及び図2に示すように、前後可動側壁9,9の上端縁を、枢軸8を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラック10を形成し、同ラック10には、グレンタンク3本体側に配設した正逆回転自在のモーター11にて駆動されるピニオン12を噛合させており、同モーター11は、運転部2に設けた開閉スイッチ13の操作により、正転、逆転、停止の各状態をとることができるようにして、同モーター11とピニオン12との間に、電磁クラッチ14を介設して、同モーター11が停止しているときは、同クラッチ14がフリー状態となるようにしている。
【0007】
従って、グレンタンク3の容量を増大させるために、補助タンク15を拡開する際には、運転部2に設けた開閉スイッチ13を操作してモーター11を正回転させればよく、また、補助タンク15を正規位置に戻すにはスイッチ13を操作してモーター11を逆回転させただけでよいので、収穫作業を継続したままで、グレンタンク3の容量増加及び復元を行うことができる。
【0008】
特に、モーター11の回動を補助タンク15に伝達するのにピニオン12とラック10の噛合を用いているので、補助タンク15の開閉両方向の作動を積極的かつ確実に行わせることができるので、運転者が下車して補助タンク15を操作することを要しないことから、中断することなく収穫作業を続行することができ、作業能率を向上させることができると共に、運転者の作業量を減らして疲労を軽減することができるという効果がある。
【0009】
また、補助タンク15が外側に拡開しているときは、電磁クラッチ14がフリー状態となっているため、補助タンク15を外側に拡開した際に、障害物等に同補助タンク15が接触しても、同補助タンク15が抵抗なく内側方向に移動して、同補助タンク15が損傷等されることがない。
【0010】
なお、補助タンク15が外側に拡開しているときは、グレンタンク3内の穀粒の重量でその位置が保持されて、補助タンクとしての機能が十分に果されることになる。
【0011】
【効果】
本考案によれば、次のような効果が得られる。
【0012】
▲1▼ 補助タンクを構成する前後可動側壁の上端縁を、枢軸を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラックを形成し、同ラックにはグレンタンク本体側に軸支したピニオンを噛合させているために、正逆回転するピニオンの小さな回転力により補助タンクを円滑かつ確実に開閉作動させることができる。
【0013】
▲2▼ 補助タンクを構成する前後可動側壁の上端縁を、枢軸を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラックを形成し、同ラックにピニオンを噛合させているために、グレンタンク及び補助タンク内に貯溜された穀粒をピニオンが噛込むのを防止することができて、補助タンクの開閉作動を良好に確保することができる。
【0014】
▲3▼ グレンタンクの下部に形成した縮小部よりも上方位置に外側壁の下端部を枢軸を介して枢支しているために、同外側壁と前後可動側壁とにより形成される補助タンクを外側方向へ拡開させてグレンタンクの容量を増大させた場合にも、同補助タンク内に貯溜された穀粒も、グレンタンク内の穀粒の搬出に伴なって縮小部内に円滑かつ確実に流下させることができて、縮小部内にスクリューコンベア等の穀粒搬出手段を設けておけば、確実にグレンタンク及び補助タンク内の穀粒を搬出することができる。
【0015】
▲4▼ 運転部に設けた開閉スイッチの操作により作動するピニオンを正逆回転させることにより、補助タンクの開閉両方向の作動を積極的かつ確実に行わせることができるために、運転者が下車して補助タンクを開閉操作することを要しないことから、中断することなく収穫作業を続行することができ、作業能率を向上させることができると共に、運転者の作業量及び疲労を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本考案による補助タンク拡開機構を有するグレンタンクの正面図。
【図2】
同平面図(一部削除)。
【図3】
上記拡開機構を有するコンバインの全体側面図。
【図4】
同平面図。
【符号の説明】
A コンバイン
B 拡開機構
2 運転部
3 グレンタンク
7 外側壁
8 枢軸
9 前可動側壁
9 後可動側壁
10 ラック
12 ピニオン
15 補助タンク
訂正の要旨 訂正の要旨
実用新案登録第2543649号考案の明細書を、本件訂正請求書に添付された訂正明細書のとおりに、すなわち、実用新案登録請求の範囲の減縮を目的として、
▲1▼訂正事項A
実用新案登録請求の範囲第1項の「脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンク(3)の外側壁(7)を外側に拡開可能にして、」を、「コンバイン(A)の前部に刈取部(1)を設け、その右側に運転部(2)を設け、その後方にグレンタンク(3)を設けると共に、脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンク(3)の外側壁(7)を運転部(2)の後方において右側の外側に拡開可能にして、」に訂正する。
また、実用新案登録請求の範囲第1項の「外側壁(7)を、枢軸(8)を中心として外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁(7)の前後端縁から内側方向に前後可動側壁(9)(9)を延設して補助タンク(15)を形成し、同補助タンク(15)の上部に、上記枢軸(8)を中心とした円弧形状のピニオン噛合体を設け、同ピニオン噛合体に」を、「外側壁(7)を、枢軸(8)を中心として運転部(2)の後方で右側の外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁(7)の前後端縁から内側方向に前後可動側壁(9)(9)を延設して補助タンク(15)を形成し、同補助タンク(15)の前後可動側壁(9)(9)の上端縁を、枢軸(8)を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラック(10)を形成し、同ラック(10)には」に訂正する。
また、実用新案登録請求の範囲第1項の「グレンタンク(3)本体側に枢支したピニオン(12)を噛合させて、同ピニオン(12)の正逆回転によって上記補助タンク(15)を開閉可能に構成した」を、「グレンタンク(3)本体側に枢支し、かつ、上記枢軸(8)の直上方位置に配置したピニオン(12)を噛合させて、運転部(2)に設けた開閉スイッチ(13)の操作により作動する同ピニオン(12)の正逆回転によって上記補助タンク(15)を開閉可能に構成した」に訂正する。
さらに、明りょうでない記載の釈明を目的として、
▲2▼訂正事項B
明細書中の「脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンクの外側壁を外側に拡開可能にして、同タンクの容量増大を可能としたコンバインのグレンタンクにおいて、グレンタンクの下部に左右幅が下方へ向けて漸次縮小する縮小部を形成し、同縮小部よりも上方位置に外側壁の下端部を枢軸を介して枢支して、同外側壁を、枢軸を中心として外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁の前後端縁から内側方向に前後可動側壁を延設して補助タンクを形成し、同補助タンクの上部に、上記枢軸を中心とした円弧形状のピニオン噛合体を設け、同ピニオン噛合体に、グレンタンク本体側に枢支したピニオンを噛合させて、同ピニオンの正逆回転によって上記補助タンクを開閉可能に構成したことを特徴とするコンバインのグレンタンクにおける補助タンク拡開機構」(本件実用新案登録公報第2頁第3欄第7?21行)を、「コンバインの前部に刈取部を設け、その右側に運転部を設け、その後方にグレンタンクを設けると共に、脱穀選別した精穀を貯溜するためのグレンタンクの外側壁を運転部の後方において右側の外側に拡開可能にして、同タンクの容量増大を可能としたコンバインのグレンタンクにおいて、グレンタンクの下部に左右幅が下方へ向けて漸次縮小する縮小部を形成し、同縮小部よりも上方位置に外側壁の下端部を枢軸を介して枢支して、同外側壁を、枢軸を中心として運転部の後方で右側の外側方向に拡開可能に構成し、同外側壁の前後端縁から内側方向に前後可動側壁を延設して補助タンクを形成し、同補助タンクの前後可動側壁の上端縁を、枢軸を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラックを形成し、同ラックには、グレンタンク本体側に枢支し、かつ、上記枢軸の直上方位置に配置したピニオンを噛合させて、運転部に設けた開閉スイッチの操作により作動する同ピニオンの正逆回転によって上記補助タンクを開閉可能に構成したことを特徴とするコンバインのグレンタンクにおける補助タンク拡開機構」に訂正する。
同じく、明りょうでない記載の釈明を目的として
▲3▼訂正事項C
明細書中の「【0012】▲1▼補助タンクの上部に、枢軸を中心とした円弧形状のピニオン噛合体を設け、同ピニオン噛合体にグレンタンク本体側に軸支したピニオンを噛合させているために、正逆回転するピニオンの小さな回転力により補助タンクを円滑かつ確実に開閉作動させることができる。」(本件実用新案登録公報第2頁第4欄第27?32行)を、「【0012】▲1▼補助タンクを構成する前後可動側壁の上端縁を、枢軸を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラックを形成し、同ラックには、グレンタンク本体側に軸支したピニオンを噛合させているために、正逆回転するピニオンの小さな回転力により補助タンクを円滑かつ確実に開閉作動させることができる。」に訂正する。
また、明細書中の「【0013】▲2▼補助タンクの上部に設けたピニオン噛合体にピニオンを噛合させているために、グレンタンク及び補助タンク内に貯溜された穀粒をピニオンが噛込むのを防止することができて、補助タンクの開閉作動を良好に確保することができる。」(本件実用新案登録公報第2頁第4欄第33?37行)を、「【0013】▲2▼補助タンクを構成する前後可動側壁の上端縁を、枢軸を中心とした円弧形状にし、同上端縁にピニオン噛合体としてのラックを形成し、同ラックにピニオンを噛台させているために、グレンタンク及び補助タンク内に貯溜された穀粒をピニオンが噛込むのを防止することができて、補助タンクの開閉作動を良好に確保することができる。」に訂正する。
また、明細書中の「【0015】▲4▼ピニオンを正逆回転させることにより、補助タンクの開閉両方向の作動を積極的かつ確実に行わせることができるために、運転者が下車して補助タンクを開閉操作することを要しないことから、中断することなく収穫作業を続行することができ、作業能率を向上させることができると共に、運転者の作業量及び疲労を軽減させることができる。」(本件実用新案登録公報第2頁第4欄第48行?第3頁第4行)を、「【0015】▲4▼運転部に設けた開閉スイッチの操作により作動するピニオンを正逆回転させることにより、補助タンクの開閉両方向の作動を積極的かつ確実に行わせることができるために、運転者が下車して補助タンクを開閉操作することを要しないことから、中断することなく収穫作業を続行することができ、作業能率を向上させることができると共に、運転者の作業量及び疲労を軽減させることができる。」に訂正する。
異議決定日 1999-08-30 
出願番号 実願平8-5769 
審決分類 U 1 651・ 113- YA (A01F)
U 1 651・ 121- YA (A01F)
最終処分 維持    
前審関与審査官 瀬津 太朗  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 山田 充
野田 直人
登録日 1997-04-25 
登録番号 実用登録第2543649号(U2543649) 
権利者 ヤンマー農機株式会社
大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
考案の名称 コンバインのグレンタンクにおける補助タンク拡開機構  
代理人 北村 修一郎  
代理人 松尾 憲一郎  
代理人 松尾 憲一郎  

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