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審決分類 |
審判 全部無効 1項2号公然実施 無効としない A01K 審判 全部無効 1項1号公知 無効としない A01K 審判 全部無効 2項進歩性 無効としない A01K |
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管理番号 | 1010448 |
審判番号 | 審判1998-35397 |
総通号数 | 9 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 実用新案審決公報 |
発行日 | 2000-09-29 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1998-08-28 |
確定日 | 2000-01-04 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2070674号実用新案「集魚用のカラ-重り」の登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
I.手続の経緯・本件実用新案 本件登録第2070674号実用新案(昭和63年2月5日実用新案登録出願、平成7年7月21日設定登録、以下、「本件考案」という)は、実用新案登録明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認める。 「所要大の鉛製重りに、集魚用のカラー夜光被膜を一体に被着してなり、該被膜は、加熱した鉛製重りにゾール液を被着しこれを加熱してビニール化しその後冷却することにより形成したことを特徴とする集魚用のカラー重り。」 II.請求人の主張 請求人は、下記の甲第1ないし11号証を提示し、本件考案は、甲第7ないし10号証から公然知られた考案、又は、公然実施された考案であり、あるいは、甲第11号証に記載された考案、又は、同号証に記載された考案に基いて当業者がきわめて容易にすることができた考案であるから、本件考案の実用新案登録は、実用新案法第3条の規定に違反してされたものであり、同法第37条の規定により無効とされるべきである旨主張する。 記 甲第1号証:本件実用新案の出願書類(写) 甲第2号証:同平成5年12月3日付け拒絶理由通知書(写) 甲第3号証:同平成6年3月16日付け意見書及び手続補正書(写) 甲第4号証:同出願公告の決定書(写) 申第5号証:同登録査定書(写) 甲第6号証:特開昭54-10188号公報(審査において拒絶理由に引用された文献) 甲第7号証:「10月15日号隔週間つり情報」(昭和58年10月15日大陸書房発行)第18頁 甲第8号証:「1月15日号隔週間つり情報」(昭和62年1月15日大陸書房発行)第30頁 甲第9号証:「別冊つり情報仕掛けコレクション」(昭和62年8月1日大陸書房発行)第114頁 甲第10号証:「8月15日号週間つり情報」(昭和62年8月15日大陸書房発行)第36頁 甲第11号証:特開昭56-164733号公報 III.被請求人の反論 被請求人は、下記の乙第1号証を提示し、本件考案は、甲第7ないし11号証に記載された考案ではないし、同甲号各証記載の考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものでもないから、本件考案の実用新案登録は、実用新案法第3条の規定に違反してされたものでない旨反論する。 記 乙第1号証 「塗料の実際知識」(昭和53年12月20日東洋経済新報社発行)第251?257頁 IV.当審の判断 1、甲号各証記載の考案 甲第7号証には、「秋ダイをビシマで攻める」ことに関して記載されていて、「そこで改良型の三三六号に、夜光塗料を塗った、5号カブラを付け、祈る気持ちで投入します。」(2段)と記載されている。 甲第8号証には、「第二が道具と仕掛け。常連の様々な工夫は後述するとして船宿の仕掛けですら、白や夜光色に塗り分けられた20号のテンヤを使うのだ。」(2?3段)と記載されており、また、30頁の図には、20号のテンヤオモリの下方部分を白や夜光色のラッカーで塗り込むことが記載されている。 甲第9号証には、「夜釣りではオモリもみえるほうがいい。目立つようにオモリの下側に、白いマークを付けて、夜光塗料(図2)を塗る。」(左欄2段)と、また、右欄の図には、「オモリは夜光塗料を塗っておく」と記載されている。 甲第10号証には、「ベテランたちはオモリに夜光テープを巻いたり、ハリスに夜光ビーズを入れたり、またオモリを夜光色に着色したりして、それぞれに集魚効果を考えていたが、だれ一人としてライトの使用者はいなかった。」(2?3段)と記載され、36頁の図には、吊鐘オモリ20号の中央に夜光テープを巻くと集魚効果があることが記載されている。 上記記載によると、甲第7ないし10号証には、所要大の鉛製重りに、集魚用のカラー夜光被膜を一体に被着してなる集魚用のカラー重りが記載されており、この集魚用のカラー重りが公然知られていたといえる。 また、甲第11号証には、「また、第3図および第4図に示す実施例は錘本体(3)の全表面に有色の軟質合成樹脂膜(4)を被覆したものであり、・・・・本発明は軟質合成樹脂膜の表面に集魚効果をねらった色・模様を施したカムフラージュを目的とした色・模様を附したりすることもある。」(1頁下段右欄2?10行)と記載されており、甲第11号証には、所要大の鉛製重りに、有色の軟質合成樹脂膜(4)を被覆した集魚用のカラー重りが記載されていると認められる。 なお、甲第1ないし6号証は本件実用新案が登録されるまでの手続経過を示す書類であって、本件考案が実用新案法第3条の規定に違反していることの立証に直接影響を及ぼすものではない。 2、対比・判断 本件考案と甲第7ないし11号証記載の考案とを比較すると、両者は、所要大の鉛製重りに、集魚用のカラー夜光被膜を一体に被着してなる集魚用のカラー重りの点で一致し、 本件考案が、「被膜は、加熱した鉛製重りにゾール液を被着しこれを加熱してビニール化しその後冷却することにより形成し」ているのに対し、甲第7ないし11号証記載の考案は前記構成を備えていない点で構成が相違している。 すなわち、甲第7ないし10号証には、鉛製重りにカラー夜光被膜を、甲第11号証には、鉛製重りに軟質合成樹脂膜を設けることが記載されているが、これら膜をどのようにして鉛製重りに被覆するかについては記載されていない。 そして、前記「被膜は、加熱した鉛製重りにゾール液を被着しこれを加熱してビニール化しその後冷却することにより形成し」た構成を備える本件考案は、夜光被膜2はビニール化しているので柔軟で海中の岩に当っても衝撃が少く、損傷することがないから長く使用ができ、また、強靭な皮膜を形成できる効果を奏することは明らかである。 したがって、本件考案は、甲第7ないし11号証記載の考案であるとすることはできないし、甲第11号証記載の考案に基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものとすることもできない。 V.むすび 以上のとおりであるから、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件考案の実用新案登録を無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-10-13 |
結審通知日 | 1999-10-22 |
審決日 | 1999-10-29 |
出願番号 | 実願昭63-14728 |
審決分類 |
U
1
112・
111-
Y
(A01K)
U 1 112・ 112- Y (A01K) U 1 112・ 121- Y (A01K) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高橋 三成 |
特許庁審判長 |
藤井 俊二 |
特許庁審判官 |
鈴木 寛治 白樫 泰子 |
登録日 | 1995-07-21 |
登録番号 | 実用登録第2070674号(U2070674) |
考案の名称 | 集魚用のカラー重り |
代理人 | 大島 泰甫 |
代理人 | 稗苗 秀三 |
代理人 | 後藤 誠司 |
代理人 | 千野 直邦 |