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審決分類 審判    H01R
管理番号 1010509
審判番号 審判1999-4415  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-03-18 
確定日 2000-03-06 
事件の表示 平成2年実用新案登録願第79310号「圧接コネクタ」拒絶査定に対する審判事件〔平成3年12月12日出願公開、実開平3-121664号、平成7年5月17日出願公告、実公平7-22056号、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。   
結論 原査定を取り消す。 本願の考案は、実用新案登録すべきものとする。
理由 【1】[1-1]本願は、平成2年2月8日に出願された実願平2-11042号を国内優先権の基礎として平成2年7月27日に出願された実用新案登録出願(実願平2-79310号)であって、平成7年5月17日に出願公告(実公平7-22056号)されたところ、平成7年8月16日付けで住友電装株式会社より登録異議の申立てがなされ、その後、平成10年12月17日付けで上記登録異議の申立てにおいて甲第1号証として提示された実願昭59-197403号(実開昭61-116075号)のマイクロフィルムおよび甲第2号証として提示された米国特許第3880489号明細書を証拠として採用し、更に、周知の技術手段を示す文献として特開昭60-177574号公報および実願昭58-3009号(実開昭59-109073号)のマイクロフィルムを挙げ、『この登録異議の申立は、理由があるものと決定する。』との登録異議の決定がなされ、同日付けで『この出願は、登録異議の決定に記載した理由によって拒絶をすべきものと認める。』との拒絶査定(謄本発送日:平成11年2月16日)がなされたものである。
[1-2]そして、本願請求項1に係る考案(以下、「本願考案」という。)ないし請求項3に係る考案の要旨は、出願公告された明細書および図面の記載並びに平成11年4月19日付けでなされた明細書についての補正の内容からみて、その実用新案登録請求の範囲請求項1ないし請求項3に記載されたとおりの、
「【請求項1】スロットを有する圧接端子を備えたハウジングと、絶縁電線を前記スロットに押圧嵌入させると共に両端に設けられたロック手段によって前記ハウジングと係止するカバーとからなる圧接コネクタにおいて、
前記スロットに対応する電線挟持溝を前記ハウジングに形成し、絶縁電線の中間部分と圧接端子とを接続可能にすると共に、該ハウジング内に、絶縁電線の折曲された端末部に対する端末係止部を電線の繰り出し方向と直交する方向に並設することを特徴とする圧接コネクタ。
【請求項2】端末係止部を形成する壁の一部が、ハウジングの側壁にヒンジ結合された開閉自在な電線把持カバーからなることを特徴とする請求項1記載の圧接コネクタ。
【請求項3】前記両端のロック手段の間においてハウジングとカバーとの両側に補助ロック手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の圧接コネクタ。」
にあるものと認める。

【2】これに対して、
[2-1]上記実願昭59-197403号(実開昭61-116075号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献1」という。)には、その実用新案登録請求の範囲における、
『導電板金により形成され、基板と起立側壁とを備え、起立側壁には上端が開口した少なくとも2個の電線圧入溝を所定間隔で設けてなる複数の圧接端子と、該複数の端子をリーク防止壁を介して収容するホルダと、このホルダとの間にロック手段を有しかつ天井壁内面に電線押圧突起を有するカバーとより成り、前記電線圧入溝の上端開口部に載置された複数の電線を前記カバーの強圧により圧入接続するようにしたことを特徴とする圧接ジョイントコネクタ。』
なる記載、明細書第3頁第13行?第4頁第2行の
『本考案を図面に基いて説明すると、第1図において、1A,1B,1Cは圧接端子、6はこれらを収容する合成樹脂製のホルダ、18はホルダカバーを示す.
圧接端子1A(圧接端子1B,1Cも同様の構成である。)は、導電板金よりなる基板2の内側に起立連成した一対の側板3に、所定間隔で複数の電線圧入溝(スロット)4を設けて成り、該溝4の上端開口部には電線の挿入案内用テーパー5が形成されている。』
なる記載、同第4頁第14行?第5頁第5行の
『本体7の長手方向にのびる前後両側壁には、その底部から差込み用のレール13が突出形成され、このレール13上から隔壁8および二重隔壁9に面して上端をフック部15とした電線押え爪14が立設されている。また、本体7の左右両側壁には、両側にロック用突起16,17が上下二段に設けられている。
カバー18は、天井壁19とその両側に垂下した側壁20よりなる断面コ宇状の枠体であり、側壁20には上記ホルダ6のロック用突起16,17に対応する2条のロック孔21が設けられている。』
なる記載、および同第5頁第15?19行の
『次に、3スロット端子1Aに対し、接続すべき3本の被覆電線m,m1(m2)およびm3(m4)を隔壁8,8間上方から載置し、軽く押付けて電線押え爪14のフック部15により仮止めする。』
なる記載、そして第1?3図の図示内容等からみて、
電線圧入溝4(本願考案の「スロット」に相当する。以下、括弧内は本願考案の相当部分を示す。)を有する圧接端子1A,1B,1C(圧接端子)を備えたホルダ6(ハウジング)と、電線k?m,k1 ,2 ?m3 ,4 (絶縁電線)を前記電線圧入溝4(スロット)に押圧嵌入させると共に両端に設けられたロック孔21(ロック手段)によって前記ホルダ6(ハウジング)と係止するホルダカバー18(カバー)とからなる圧接ジョイントコネクタ(圧接コネクタ)において、
前記電線圧入溝4(スロット)に対応する上端をフック部15とした電線押え爪14(この「上端をフック部15とした電線押え爪14」は、従来例として示されている本願第12図における「上端に電線の抜け出し防止突起14aを形成した電線案内溝14」に相当し、本願第1図において符号25a,25bで示されている「電線挟持溝」に相当するものではない。)を前記ホルダ6(ハウジング)に形成し、電線k?m,k1 ,2 ?m3 ,4 (絶縁電線)の中間部分と圧接端子1A,1B,1C(圧接端子)とを接続可能にした圧接ジョイントコネクタ(圧接コネクタ)、
が記載されているものと認められる。
[2-2]米国特許第3880489号明細書(以下、「引用文献2」という。)には、その第5欄第7?38行の
『導線の端末接続に便利となるように、盲孔54が側壁42に設けられている。これらの孔は、図6に示すように導体端部を受け入れるべく、スロット18の背面もしくは底面からわずかな距離だけ延びている。好ましくは、上記盲孔54は両側壁42に設けられていて、スロット18の背面もしくは底面から相対向する方向にのびているのがよい。
導線の電気的接続を行うための上記コネクタアセンブリの作用は、図5及び図6に最良に図示されている。プラグと基台の組立てに先立って、ワイヤもしくはワイヤ対は、スロット18内に配置され、パッド48の平たい上部50にほぼ位置決めされるように、スロットの背面もしくは底面に向けて動かされる(図3参照)。次いで、プラグ部材12は、開□部16内に位置決めされ、指による力で開□部16内を下向きに押圧される。プラグ12が基台内を移動するにつれ、スロット18内のワイヤがシャンクと押圧部との間の伝導部材20におけるチャンネル23内に入り込み、その結果、ワイヤの絶縁被覆が切断され、ワイヤに沿って拡開していく。伝導部材のもつ弾性力と、開口部16を形成する壁面にプラグ部材を押圧しようとする力とにより、押圧部24が付勢され、ワイヤに係合される。脚部32の最下部の外片部が基台内の開口部46に入るにつれて、プラグの頂部が基台の頂面と面一になり、永続的な電気接続が確実に完了する。プラグ部材は、壁面が開口部46を形成する状態で、基台14内の側壁及び脚部32の接合部で確実に摩擦係合される。』
なる記載(翻訳文参照)、そして図6における「絶縁被覆を有する一方の導線の中間部分と導電部材20とが電気的接続されると共に、基台14内に他方の導線の折曲された端部が受け入れられる盲孔54を導線の繰出し方向と直交する方向に設けた」図示内容からみて、
絶縁被覆を有する導線(絶縁電線)の中間部分とチャンネル23(スロット)を有する導電部材20(圧接端子)とを接続可能にすると共に、基台14(ハウジング)内に、絶縁被覆を有する導線(絶縁電線)の折曲された端部を受け入れる盲孔54を導線(電線)の繰り出し方向と直交する方向に設けたコネクタアセンブリ(圧接コネクタ)、
が記載されているものと認められる。
[2-3]また、特開昭60-177574号公報(以下、「引用文献3」という。)には、その第3頁右上欄第11?19行の
『カバー101は、接点を包囲する予定の部分に、接点を受入れるためのほぼ平面状の空洞102を有する。・・・(中略)・・・空洞102の開いた側で、前壁103の縁は、各接点の位置と一致して絶縁電線110を受け入れるようになっている切欠き106を有する。』
なる記載、および第3頁左下欄第19行?右下欄第3行の
『もしも絶縁電線の一部がこの方法で煙突状体108の中へ挿入されたならば、絶縁電線のその部分がくさび止めされ、無視できない程の引張り力を線に加えるのでなければ、線が偶然に引き抜かれることはあり得ない。』
なる記載、そして第5?8図、特に第8図の図示内容等からみて、
接点(圧接コネクタ)に絶縁電線110(絶縁電線)の端末部を接続する際に絶縁電線110(絶縁電線)の折曲された端末部を引張り力に抗してくさび止めする煙突状体108(端末係止部)をカバー101(ハウジング)内に設けるにあたって、煙突状体108(端末係止部)を、電線の繰り出し方向と直交し、かつ、空洞102への接点(圧接コネクタ)の受入れ方向(圧接方向)に平行な方向に設けるようにした構造、
が記載されているものと認められる。
[2-4]更に、実願昭58-3009号(実開昭59-109073号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献4」という。)には、その実用新案登録請求の範囲の記載内容および第1?5図、特に第2図の図示内容等からみて、
筐体1(ハウジング)内にほぼ直角をなすように(直行する方向に)穿設した第1挿入孔4と第2挿入孔6を、電線3(絶縁電線)の移動を可能とする溝7で連通し、前記第1挿入孔4に対応させて係止片8(端末係止部)を前記筐体1(ハウジング)内に配設して前記電線3(絶縁電線)の先端(端末部)を固定(係止)する一方、第2挿入孔6に圧接コンタクト13(圧接端子)を配設し、前記筐体1(ハウジング)の溝7に沿って折り曲げた電線3(絶縁電線)の被覆部を破るとともにその電線3(絶縁電線)の内部導体を圧接挟持せしめた端子装置(圧接コネクタ)、
が記載されているものと認められる。

【3】本願考案と上記引用文献1ないし引用文献4に記載されたものとを比較すると、引用文献1ないし引用文献4に記載されたものは、何れも、本願考案における必須の構成要件である
「スロットに対応する電線挟持溝をハウジングに形成し、絶縁電線の中間部分と圧接端子とを接続可能にすると共に、該ハウジング内に、絶縁電線の折曲された端末部に対する端末係止部を電線の繰り出し方向と直交する方向に並設」した構成、
を備えていない。
そして、本願発明は、上記の構成を備えていることにより、
『電線6の先端は端末係止部30で係止され、他端は電線ガイド溝24b並びに電線挟持溝25b内に嵌入して係止されて、電線6はその軸方向にはほぼ移動できない状態に保持される。』(明細書第11頁第5?8行あるいは公告公報第3頁第5欄第47?49行参照)、
『接続部の両端は電線挟持溝25a,25b内にさらに押し込まれ、しっかりと把持される。』(明細書第12頁第13?15行あるいは公告公報第3頁第6欄第20?21行参照)、そして
『本考案の圧接コネクタによれば、絶縁電線の端末係止部とでも中間部とでも同じように圧接して接続することができ、状況に応じてどちらにも使用できる。また、一つの圧接コネクタに接続される複数の絶縁電線の内一部を端末部で圧接し、他を中間部で圧接するといったことも可能となり、広い範囲での応用ができる。更に、電線の折曲された端末部を端末係止部で係止するので、電線を引っ張っても簡単に抜けないように把持できる。』(平成11年4月19日付け手続補正書第3頁第6?12行参照)、
という明細書に記載の作用、効果を奏するものと認められる。
したがって、本願考案は、引用文献1ないし引用文献4に記載されたものに基いて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとすることができない。
また、請求項2ないし請求項3に係る考案は、本願考案を更に限定したものであるから、本願考案についての判断と同様の理由により引用文献1ないし引用文献4に記載されたものに基づいて当業者がきわめて容易に考案をすることができたものであるとすることができない。

【4】以上のとおりであるから、原査定の理由によって本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2000-02-02 
出願番号 実願平2-79310 
審決分類 U 1 80・ 121- WY (H01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 青山 待子丸山 英行  
特許庁審判長 岡田 幸夫
特許庁審判官 熊倉 強
藤本 信男
考案の名称 圧接コネクタ  
代理人 松村 貞男  
代理人 瀧野 秀雄  
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