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審決分類 審判 全部申し立て   G09F
審判 全部申し立て   G09F
管理番号 1010523
異議申立番号 異議1999-72711  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案決定公報 
発行日 2000-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-07-08 
確定日 2000-02-16 
異議申立件数
事件の表示 実用新案登録第2588604号「掲示板」の請求項1ないし3に係る実用新案に対する実用新案登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。   
結論 実用新案登録第2588604号の請求項1ないし3に係る実用新案登録を維持する。
理由 1. 本件は、実用新案登録第2588604号に関し、その実用新案登録請求の範囲【請求項1?3】に係る考案につき、受けた登録を取り消すことを請求して申し立てられた異議申立事件に存する。
2. 本件に関する出願の経過を包含する手続きの経緯の概要は以下のとおりである。
1) 出 願 日:平成4年11月5日
2) 登 録 日:平成10年11月6日
3) 登録公報 :平成11年1月13日実用新案登録公報発行
4) 異議申立 :平成11年7月8日実用新案登録異議申立人ホクシン株式会社より異議申立書提出
5) 取消理由 :平成11年9月14日付けで当審より取消理由の通知
6) 意 見 書:平成11年11月24日権利者より意見書提出
3. 本件【請求項1?3】に係る考案は、明細書の実用新案登録請求の範囲に記載された以下のとおりのものと捉えられる。
「【請求項1】 中心部1に比べて比重の高い硬質部1a,1bが表裏に形成された硬質部を有する中比重繊維板よりなり、
中比重繊維板の重量に対し、3?15%の耐水材が添加された、
ことを特徴とする掲示板。
【請求項2】 少なくとも表面側の硬質部1aが中比重繊維板の表面に露出されている請求項1記載の掲示板。
【請求項3】 中比重繊維板の表面側に、非透水層が形成されている請求項1あるいは2記載の掲示板。」
4. 異議申立人の主張
これに対して、異議申立人は、
「本件登録実用新案の請求項1?3に記載された考案は、その出願前の他人の出願であって、出願後に公開された実用新案登録出願(実願平4-54109号、平成4年7月9日出願、甲第1号証)の最初に添付された明細書および図面に記載された考案と同一であるから、実用新案法第3条の2に該当し、同法附則第9条第2項で準用する特許法第113条第2号の規定に基づき取り消されるべきである。(第1の理由)
また、本件登録実用新案の請求項1?3に記載された考案は、その出願日前に頒布された2件の刊行物(特開昭51-28176号公報、甲第2号証、および実公昭62-909号公報、甲第3号証)に基づいて当業者がきわめて容易に考案できたものであるから、実用新案法第3条第2項に該当し、同法附則第9条第2項で準用する特許法第113条第2号の規定に基づき取り消されるべきである。(第2の理由)」と、主張するものと捉えられる。
5. 刊行物
▲1▼ 第1刊行物:「実願平4-54109号(実開平6-10986号)のCD-ROM」;本刊行物に係る出願の願書に最初に添付した明細書又は図面には、以下の記載が図面とともに記載されている。
イ) 「 中心層に比べて比重の高い硬質層が表裏部に形成された全体比重0.4?0.8の中比重繊維板よりなり、少なくとも表面側の硬質層が中比重繊維板の表面に露出されていることを特徴とする掲示板。」(公報第2頁【請求項1】の記載)
ロ) 「図1は本考案の一実施例による掲示板を示し、 硬質層2、2を表裏部に有し、その間に中心層3が配されてなる中比重繊維板1により構成される。」(第4頁段落【0013】【実施例】のくだり)
▲2▼ 第2刊行物:「特開昭51-28176号公報」(甲第2号証)本刊行物には、以下の記載が記されている。
イ) 「ボード類の製造に当たり、ボード類への耐水性付与成分としてアルキルケテンダイマーのエマルジョンを使用することを特徴とする耐水性のすぐれたボード類の製造方法。」(第1頁特許請求の範囲のくだり)
ロ) 「ボード類の製造に際しては、ボード類に対して耐水性を付与することを目的として、パラフィン、ロジン、石油樹脂またはクマロン樹脂等の物質を内添あるいは外添せしめることは一般に知られている。」(第1頁右欄4?7行目)
▲3▼ 第3刊行物:「実公昭62-909号公報」(甲第3号証);には、以下の記載が図面とともに記されている。
イ) 「叙上の構成に係る本考案の化粧ボートは、裏面に接着される極く薄いエチレン酢ビ共重合フィムルの有する造膜性と、加熱により溶けた樹脂が、その被覆面に惨透する塗装的効果とによって裏面全面の防湿特性が著しく向上し、これがボード表面の化粧面における防湿性と相挨って、主体の寸法安定性と表面性を大巾に改善し得たものである。」(公報第2頁第3欄3行?10行目)
[ 対比・判断 ]
6. 申立人の第1の理由について
1) 本件【請求項1】に係る考案について
第1刊行物に記載の「硬質層2,2」、「中心層3」は、本件【請求項1】に係る考案の「硬質部」、「中心部」にそれぞれ、相当することは明らかである。してみれば、第1刊行物には、「中心部に比べて比重の高い硬質部が表裏に形成された硬質部を有する中比重繊維板よりなることを特徴とする掲示板。」が、記載されていることは明らかに是認されるところである(登録請求の範囲【請求項1】と【図1】の記載等参照。)
しかしながら、上記第1刊行物においては、耐水材を添加することについては一切記述はされていず、これを欠如するものと言う外はない。
まして、その耐水材を、中比重繊維板の重量に対して、3?15%添加することについては何ら、言及の限りではないことも明らかである。
また、一般に繊維質合板の製造において、サイジングの過程に臨み、耐水材を添加することはあるとしても、本件考案の如き特殊な掲示板において耐水材を本件所望の重量%添加することまでは自明とは言い難いところである。
したがって、第1刊行物に記載の考案は、本件【請求項1】に係る考案と同一であると断ずることはできない。
したがって、その余の要件を精査するまでもなく、第1刊行物に記載の考案を以て、実用新案法第3条の2の規定に該当し、本件【請求項1】に係る考案につき、実用新案登録を受けることを得ないものとすることは相当でない。
2) 本件【請求項2】に係る考案について
本項に係る考案は、前記請求項1に係る考案に「表面側の硬質部が表面に露出されていること」を付加するものである。
本件【請求項1】に係る考案は、前記第1刊行物に記載の考案と同一ではないことは、前記1)において審案したとおりである。
まして、前記【請求項1】に係る考案をより特定した本項に係る考案につき、右第1刊行物に記載の考案と同一であるとすることはできない。
したがって、本件【請求項2】に係る考案につき、第1刊行物に記載の考案から、実用新案法第3条の2の規定を根拠に、実用新案登録を受けることを得ないものとすることは相当でない。
3) 本件【請求項3】に係る考案について
本件【請求項3】に係る考案は、
本件【請求項1あるいは2】に係る考案における「中比重繊維板の表面側に、非透水層が形成されている」を、付加するものである。
ところで、上記【請求項1,2】に係る考案は、第1刊行物に記載の考案と同一ではなく、それ故、実用新案法第3条の2の規定に当たらないことは前記2)、3)において審案したとおりである。
まして、右【請求項1,2】の考案をより限定した本項に係る考案が、第1引用例に記載の考案と同一であるとすることは相当でない。
上記のとおりであるから、本件【請求項3】に係る考案につき、実用新案法第3条の2の規定により、実用新案登録を受けることを得ないと断ずることは相当でない。
よって、本件【請求項1?3】に係る考案は、第1刊行物に記載された考案と同一であるから、実用新案法第3条の2の規定に該当し、これ等につき受けた登録は、取り消しを免れない旨の異議申立人の主張は、採用することができない。
7. 申立人の第2の理由について
申立人の主張は、本件各【請求項】に係る考案は、前記第2、第3の各刊行物に記載された考案に基づいて、当業者がきわめて容易に推考することができたものであるから実用新案法第3条第2項の規定により本件各項に係る考案につき、受けた登録を取り消すべきであるというにある。
1) 本件【請求項1】に係る考案について
i. 第2刊行物に記載の「ボード」、「耐水性付与成分」は、本件【請求項1】に係る考案の「繊維板」、「耐水材」に相当する。
しかしながら、その繊維板が中比重であるか否かは、定かでなく、板の表裏に比重の高い硬質部が形成されていることや、耐水材を繊維板重量に対して3?15%添加することまでは言及するところではない。
まして、そのボードたる繊維板を、掲示板に供することに至っては全く記載がない。
本件【請求項1】に係る考案はその構成要件により明細書に記載されたとおり効果を奏するものである。
それ故、第2刊行物に記載の考案から、本件【請求項1】に係る考案を、きわめて容易に推考することができたものとすることは相当でない。
ii. 第3刊行物に記載の「化粧ボード」は、本件【請求項1】に係る考案の繊維板に相当し、その化粧面は、おおむね硬質部であろうと推認されるが、裏面たるエチレン酢ビ共重合フィルムが硬質部かは定かではなく、さらに中心部が中比重かどうかについても定かには捉えがたいところである。
また、耐水材については、第3刊行物中には一切記述が見いだされず、これを欠如するものであるところ、耐水材添加量を検討することすらできない。
本件【請求項1】に係る考案は、その構成要件により、明細書記載のとおりの効果を奏するものと認められる。
それ故、本件【請求項1】に係る考案につき、第3引用例に記載の考案から、当業者がきわめて容易に推考し得たものとすることは相当でない。
また、第2,第3の各刊行物に記載の考案は、何れも、本件【請求項1】に係る考案の構成と大幅に懸隔しておりこれ等2つの考案を如何様に組み合わせても本項に係る考案をきわめて容易に予測することを得なかったというべきである。
2) 本件【請求項2?3】に係る考案について
本件【請求項2,3】に係る考案は、右【請求項1】に係る考案をより限定したものである。
上記のとおり、右【請求項1】に係る考案につき上記第1,第2の各刊行物に記載の考案のそれぞれから、若しくはこれ等の総合考量から、当業者が、きわめて容易に推考すことができたものとすることができない旨断じたものであるところ、まして、構成要件がより限定されたところの本件【請求項2,3】に係る考案について、これ等両個の考案に基づいて当業者がきわめて容易に推考することを得たものとすることができない。
故に、本件【請求項1?3】に係る考案は、この出願前日本国内で頒布された刊行物である第2第3の各刊行物に記載された考案に基づいて当業者が、きわめて容易に推考することができたものであるところ、実用新案法第3条第2項の規定により、【請求項1?3】に係る考案につき受けた登録は、取り消すべきであるとする異議申立人の主張は、採用することができない。
8. 結び
なお、外に、本件【請求項1?3】に係る考案につき、受けた実用新案登録を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 1999-12-24 
出願番号 実願平4-86503 
審決分類 U 1 651・ 161- Y (G09F)
U 1 651・ 121- Y (G09F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松澤 福三郎  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 藤原 稲治郎
藤本 信男
登録日 1998-11-06 
登録番号 実用登録第2588604号(U2588604) 
権利者 株式会社ノダ
東京都台東区浅草橋5丁目13番6号
考案の名称 掲示板  
代理人 ▲桑▼原 史生  
代理人 濱田 俊明  
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