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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1012728
審判番号 審判1998-12517  
総通号数 10 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 実用新案審決公報 
発行日 2000-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-08-10 
確定日 2000-04-18 
事件の表示 平成4年実用新案登録願第17837号「放送信号検出回路」拒絶査定に対する審判事件(平成5年3月5日出願公開、実開平5-18183)について、次のとおり審決する。   
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1.手続きの経緯・本願考案の要旨
本願は、平成4年3月30日(パリ条約による優先権主張1991年8月17日、韓国)の出願であって、その請求項1に係る考案は、平成10年9月7日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「水平同期信号から所定間隔離れた位置に所定幅の第1色同期信号を持ち、該第1色同期信号が1H毎に交互に異なる2つの周波数を持つ第1TV放送信号と、水平同期信号から所定間隔離れた位置に前記第1色同期信号の前記所定幅よりも狭い一定幅の第2色同期信号を持ち、該第2色同期信号が1H毎に同一周波数を持つ第2TV放送信号との何れを受信しているかを検出する放送信号検出回路であって、
前記水平同期信号より所定時間遅延させたバーストゲートパルス信号を発生する遅延手段と、ここで遅延されたバーストゲートパルス信号は、前記第1色同期信号が存在し前記第2色同期信号の存在しないタイミングを示し、前記遅延手段より出力された前記遅延されたバーストゲートパルスのタイミングでTV放送信号より色同期信号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段よりの出力について、少なくとも前記第1色同期信号の有する2つの周波数の帯域を実質的に同じレベルで通過させるフィルタ手段と、
前記フィルタ手段よりの出力を積分して、直流レベル化する積分手段と、
前記積分手段の直流出力レベルを基準レベルと比較して、前記第1TV放送信号であるか前記第2TV放送信号であるかを判別する比較手段とを備えることを特徴とする放送信号検出回路。」
2.引用例の記載
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用した特開昭62-66787号公報(以下、引用例と呼ぶ、審査における引用文献1)には、下記の事項が記載されている。
「第1図は、パル(PAL)方式と、セカム(SECAM)方式の複合カラー信号と、ゲートパルスのタイミングチャートである。ここで、複合カラー信号の構成に着目すると、各々の方式の信号の絵柄信号(CH-RAL)(CH-SECAM)のフロントポーチは、約5μsecである。そして、パルス方式(パル方式の誤り?)の場合、フロントポーチの前縁から、約0.5μsec後の約2.0μsec期間にバースト信号B_(U)が重畳されており、残りの約2.5μsec期間は、無信号である。これに対してセカム方式の場合、フロントポーチの全体にわたって、アイデント信号D_(R)、D_(B)が1水平期間毎に交互に重畳されている。
上記のフロントポーチの情報信号を抽出するのに本発明では、ゲートパルスの位置をバースト信号B_(U)区間と絵柄カラー信号(CH-PAL)区間との間に設定する。
上記のゲートパルスは、例えば、水平周期パルスを用いてこれより遅延したパルスを作ることのできるゲートパルス発生回路28(第2図に示す)で作られる。・・・この帯域フィルタ23の特性は、先に説明した第6図(A)あるいは第6図(B)に示す特性である。即ち、セカム方式の信号におけるアイデント信号D_(R)、D_(B)に対して、何れか一方の信号周波数を通過帯域、他方の信号周波数を減衰帯域に設定した特性である。即ち、セカム方式の信号におけるアイデント信号D_(R)、D_(B)に対して、何れか一方の信号周波数を通過帯域、他方の信号周波数を減衰帯域に設定した特性である。」(第2頁右下欄第7行?第3頁左上欄第17行)
「従って、上記の方式によると、今、入力複合カラー信号がパル方式のものであった場合は、ゲート回路21は無信号区間を抽出するのであるから、帯域フィルタ23の出力23A、共振器25の出力25Aは、第3図に示すように変化が無い。次に、入力複合カラー信号がセカム方式のものであった場合には、第3図に示すように、帯域フィルタ23からは、1水平期間毎に大小変化するアイデント信号が得られ、従って共振器25が共振して共振出力25Aを得る。」(第3頁右上欄第4行?第14行)」
3.対比
本願の請求項1の考案(以下、前者という)と上記引用例記載のもの(以下、後者という)を比較すると、両者は、いずれも放送信号検出回路であって、引用例の「セカム方式の信号」、「パル方式の信号」、「ゲート回路」、「帯域フィルタ」、「検波回路、共振器及び整流回路」、「比較回路」は、それぞれ本願の「第1TV放送信号」、「第2TV放送信号」、「抽出回路」、「フィルタ手段」、「積分手段」、「比較手段」に対応しており、
両者は、「水平同期信号から所定間隔離れた位置に所定幅の第1色同期信号を持ち、該第1色同期信号が1H毎に交互に異なる2つの周波数を持つ第1TV放送信号と、水平同期信号から所定間隔離れた位置に前記第1色同期信号の前記所定幅よりも狭い一定幅の第2色同期信号を持ち、該第2色同期信号が1H毎に同一周波数を持つ第2TV放送信号との何れを受信しているかを検出するであって、
前記水平同期信号より所定時間遅延させたバーストゲートパルス信号を発生する遅延手段と、ここで遅延されたバーストゲートパルス信号は、前記第1色同期信号が存在し前記第2色同期信号の存在しないタイミングを示し、前記遅延手段より出力された前記遅延されたバーストゲートパルスのタイミングでTV放送信号より色同期信号を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段よりの出力について、色同期信号を通過させるフィルタ手段と、
前記フィルタ手段よりの出力を積分して、直流レベル化する積分手段と、
前記積分手段の直流出力レベルを基準レベルと比較して、前記第1TV放送信号であるか前記第2TV放送信号であるかを判別する比較手段とを備えることを特徴とする放送信号検出回路。」
である点で一致するが、フィルタ手段について、
前者は、「少なくとも前記第1色同期信号の有する2つの周波数の帯域を実質的に同じレベルで通過させている」を有するのに対して、
後者は、セカム方式の2つの色同期信号の一方を通過、他方を減衰させている点で相違している。
4.判断
相違点について検討する。
▲1▼本願考案のフィルタの補正について
平成10年9月7日付けの補正書によって、フィルタについて「前記抽出手段よりの出力について、少なくとも前記第1色同期信号の有する2つの周波数の帯域を実質的に同じレベルで通過させるフィルタ手段」と限定している。この補正の根拠を確認するに明細書の詳細な説明を精査しても何らこの点についての記載及び示唆を見出すことはできない。しかし図2のAのバースト信号の大きさと比較して、図4のIのカラーバースト信号の大きさに変化がないことが認められる。したがってこれに基づく補正であると考えられるから、この補正は一応許容できるものと考えられる。なお、
▲2▼容易想到性について
引用例には「この帯域フィルタ23の特性は、先に説明した第6図(A)あるいは第6図(B)に示す特性である。即ち、セカム方式の信号におけるアイデント信号D_(R)、D_(B)に対して、何れか一方の信号周波数を通過帯域、他方の信号周波数を減衰帯域に設定した特性である。」(引用例第3頁左上欄第11行?第13行)と記載されているから、確かに引用例においてはセカム方式の2つの周波数の帯域を実質的に同じレベルで通過させるものではない。
しかし引用例には「従って、上記の方式によると、今、入力複合カラー信号がパル方式のものであった場合は、ゲート回路21は無信号区間を抽出するのであるから、帯域フィルタ23の出力23A、共振器25の出力25Aは、第3図に示すように変化が無い。
次に、入力複合カラー信号がセカム方式のものであった場合には、第3図に示すように、帯域フィルタ23からは、1水平期間毎に大小変化するアイデント信号が得られ、従って共振器25が共振して共振出力25Aを得る。」(第3頁右上欄第4行?第14行)
と記載されており、引用例のものにおいてはパル方式では出力は零であり、セカム方式では零でない出力があって、これによってパル方式の信号とセカム方式の信号を判別するというものであるところ、この技術思想は本願考案と同一である。そしてセカム方式による2種類の周波数を持つバースト信号用のフィルタについて、これら2種類の周波数を通過させることを妨げる特別な事情もないものと考えられるから、セカム方式のバースト信号の有する2つの周波数の帯域を実質的に同じレベルで通過させるフィルタ手段にする程度のことは当業者の設計事項であるといえる。
又この作用効果についても明細書には明示されておらず、予測の範囲を越えない程度のものと認められる。
4.むすび
したがって、本願の請求項1の考案は、上記引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、実用新案法第3条第2項の規定により実用新案登録を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-11-08 
結審通知日 1999-11-19 
審決日 1999-11-25 
出願番号 実願平4-17837 
審決分類 U 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井上 健一  
特許庁審判長 水谷 好男
特許庁審判官 谷川 洋
小池 正彦
考案の名称 放送信号検出回路  
代理人 松本 研一  
代理人 大塚 康徳  
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